この話も本来1話になると思っていたのに、実際は前半と後半に分かれてしまいました!!
まさかの前半と後半に分かれてしまって脳を焼かれたので初投稿です!!
実写版進撃の巨人の撮影は順調と言ってよかった。
原作の登場人物と役者達のイメージがかけ離れてしまうなんてことはなく、一部の役者の演技力が少し気になるものの、それも問題はないと言っていいレベルである。
そして、最大の懸念事項であった銃フェラも乗り越えることが出来たため、この後の撮影も上手くいく、上手くいって欲しいと誰もが思っていた。
★終末の夜
「ダメ!!絶対にダメ!!」
「でもなアイ……リアリティのためにだな……」
「リアリティのためだとしても、絶対にダメ!!」
激怒するアイをなんとか説得しようとするライナーだが、アイが引く様子は全くない。
「アイに同意しまーす!!」
「ライナーが悪いと思いまーす!!」
「諦めた方がいいと思いまーす!!」
「私もはんたーい!!」
「気持ちはわからなくはないけどさ……やっぱり無理だって」
アイを説得しながらも、助けをもとめるように周りを見るがライナーの味方はいない。
元B小町メンバーは当然アイの味方をする。
多少はライナーの気持ちを理解してくれる者もいなくはないが、それも理解してくれるだけでライナーの味方をしてくれるわけではなかった。
「絶対にダメだからね!!本当に殴られるなんて!!」
それはエレンを止めようとハンジ達調査兵団とマーレの残党のライナー達、義勇兵のイェレナとオニャンコポン。
お互いに殺し合って来た彼らが言い争いながらも、マルコの最期のまだ話し合ってしないという言葉で全員が落ち着きそうになったところでライナーがマルコを殺したことを謝罪するシーン。
マルコを巨人に食わせておきながら、マルコの仇を討ったライナーがジャンに謝罪したことでジャンの我慢が限界を迎えてしまい、ジャンがライナーを何度も殴るという場面。
本来は血糊を使い、殴ったフリをして撮影するのが普通だがライナーはこれを本当に殴って欲しいと言い出したことで現場は、というかアイが荒れた。
これが1発だけならばアイ達もここまで荒れることはなかっただろうが、ライナーはジャンに顔面が血まみれになるほど殴られるのだから全力で反対するのは当然である。
作中ならライナーは巨人の力があるため傷は再生するから問題ないが、現実に巨人の力はないため当然傷は再生しない。
再生しないのに本当にボコボコにされるなんてことが出来る訳がなかった。
「撮影はまだあるから顔に怪我なんてさせられる訳ねぇし、この後に撮影がなかったとしてもあんだけボコボコにしたら間違いなく炎上する。だから、本当に殴られるってのは諦めてくれ」
「それもそうでした。みなさん……すみませんでした」
「いい演技をしたいって気持ちはありがたいけどな。ま、その気持ちは他の演技にぶつけてくれ」
「監督……ありがとうございます」
迷惑をかけたことを謝罪するライナーを五反田はフォローする。
今回はさすがに断ったが、五反田としてはこの企画を成功させたいというライナーの気持ちは監督としてありがたかった。
「みんなも、すまなかった」
「本当だよ!!殴られるライナーを見なきゃいけないこっちの気持ちも考えてよね!!」
「そうだよな。俺が殴られてみんなが平気な訳がないのに、俺はそんなこともわかっていなかった」
演技のためであり、前世で犯した罪を罰してもらいたいという気持ちも僅かではあるが存在した。
だからライナーは忘れてしまっていた。
ライナーが殴られ、痛めつけられることで傷付く人達がいるということを。
「じゃあ、予定通り殴られるフリでいくからな」
「みなさん、迷惑をかけてしまいすみませんでした」
「俺達よりも、アイ達とだな……」
五反田は言う。
自分たちよりも謝るべき相手。
それはライナーのことを大切に思っているアイ達と。
「ジャン役の奴に謝っとけ」
アイ達以外に1番辛い思いをすることになりそうだったジャン役の役者である。
「本当に……申し訳ございませんでした」
「たしかに……あれは殴る方もキツイよね」
「演技だからなおさらだね」
「本当に殴ることにならなくてよかった」
殴ることにならなくてよかった。
そのことに心の底から同意するジャン役の人であった。
★罪人達
「やっぱり、ライナーさんって演技上手いよな」
「……まぁな」
ライナーの演技を見たメルトが呟く。
飛行艇で地鳴らしを止めるために仲間を殺したコニーに、自分が犯した贖うことが出来ないと、残りの人類を救っても一生自分を許すことはないと語るライナー。
だからこそ、ライナーはコニーにせめて残りの人類を救おうと言葉をかける。
その時の罪を犯してしまった罪悪感。
なんとかしてコニーを励ましたいという思い。
だが、自分にそんなことが許されるのかという不安。
それらの様々な感情が混ざった複雑な表情をライナーは見事に表現してみせた。
メルト達のようなライナーの前世を知らない人間はその演技力を称賛するが、やはりライナーの前世を知っているアクア達は素直に喜ぶことは出来ない。
演技力の高さは望んで手に入れたものではないことを知っているのだから。
「やっぱり……演技のためならあのくらい役に入り込んだ方がいいのか?」
「いや、それはやめとけ」
「即答かよ」
演技力が低いことを気にしているため、ライナーを見習って役に入り込むべきか悩むメルトをアクアが止める。
「演技のために役に入り込むことは否定しないけどさ、あれだけ入り込むのはやめた方がいい。本人がめちゃくちゃ辛そうだったし、それを見ているこっちも辛くなるんだよ」
「……悪い」
前世だったとはいえ、演技のために自分の犯した罪を思い出して罪悪感で苦しむライナーを見て来たアクアである。
現場でありライナーもいるため抑え気味であるが、その時を思い出して少し辛そうな表情になるアクアにメルトは謝る。
演じている役の境遇が境遇なだけに、入り込むことの危険性が簡単に想像出来てしまった。
「でも、そんな大変だったのによく最後までやったよな。何か対策とかないの?」
「対策の1つでやったのはルーティーンだな」
「ルーティーンってスポーツ選手とかがやるやつ?」
「そう、それ」
ルーティーン。
それは普段から定型の動作を行うことで、大事な場での緊張や興奮、不安などの精神的な影響によるパフォーマンスの乱れを防ぎ、精神を落ち着け平常心で安定したパフォーマンスを行う事が出来るというものである。
有名なのは野球選手のイチローが行うもので、彼はバッターボックスに立つ前に常に17の決まった動作を行っていた。
「ライナーさんってどんなことしてたんだ?」
「お父さんがしてたのは、サインはBを聞くことだな。収録が終わったらそれを聞いて役をリセットしてた」
「へぇー、そうだったんだ。ん、ちょっと待てよ?」
アクアにライナーがしていたルーティーンを聞いて感心するメルトだが、あることに気付く。
「ライナーさんってずっとルーティーンしてたんだよな?」
「ああ、ずっとルーティーンしてたぞ」
ライナーがルーティーンをしていたことを確認するメルト。
「アクア達もライナーさんのメンタルケアとかしてたんだよな?」
「ああ、俺達みんなでお父さんのメンタルケアをしてた」
アクア達がライナーのメンタルケアをしていたことを確認するメルト。
「ルーティーンして、みんなでメンタルケアしても……あれなのか?」
「そうだよ……だからいくら役作りのためだったとしても入り込み過ぎるのはやめろって言ったんだよ」
「わかった……気を付ける」
アクア達がどれだけライナーのメンタルケアを行ったのかはメルトにはわからないが、仲間のために手を抜いたりするような彼らではない。
そんな苺プロのサポートがあってもメンタルがボロボロになっていたライナーのことを知って、メルトは絶対に役に入り込み過ぎないようにすると誓ったのであった。
★あの丘の木に向かって
ずっと囚われていたユミルが開放されたことで、巨人の力が無くなり、巨人にされてしまっていた人々が元に戻る。
ジャンとコニーは微笑むサシャを見た。
リヴァイは散っていった調査兵団の仲間達と別れを告げた。
ファルコは人間に戻ったガビに抱き着こうとして、照れたガビに投げ飛ばされた。
そして、ライナーもまた、巨人にされてしまっていた母親に再会する。
「母さん……俺……もう……鎧の巨人じゃないみたいなんだ……」
母親の顔をまっすぐに見ることが出来ずに、ライナーを目を逸らす。
母のために鎧の巨人を継承して戦士になった。
その巨人の力が無くなった今、自分はもう母親に愛されないと思ってしまったのかもしれない。
「……本当かい?それは……よかった」
「……え?」
だが、カリナの口から出たのは、ライナーから巨人の力が無くなったことを喜ぶ言葉だった。
地鳴らしにより絶望の淵に立たされたカリナ。
そこでライナーのことをずっと復讐の道具として扱って来たことを自覚した。
「ずっと……ごめんね。これ以上何も……いらなかったんだよ」
カリナは、あゆみは、ライナーを抱き締める。
その言葉は台本に書かれたセリフである。
しかし、あゆみの本音でもあった。
特別じゃなくてもよかった。
生まれて来てくれただけでよかったのだと。
そのことに、カリナも、あゆみも、ようやく気付けた。
「うう……よかったね……ライナー」
「やっと……報われたんだね」
「演技……すげぇ」
多くの犠牲を払い、様々な困難を乗り越えて、ようやく母親に愛されることが出来たライナーに何人かは我慢できずに涙ぐむ。
「……おかあさん」
「……アイ」
「……ママ」
アイもまた、ライナーが報われたこと、カリナとあゆみが、心から我が子を愛することが出来るようになったことを感じて泣いた。
「……アイ」
「……おかあさん」
撮影を終えて、戻って来たあゆみがアイを抱き締める。
「アイ、生まれて来てくれてありがとう」
あゆみがアイに伝える、心からの愛している。
「おかあさん、生んでくれてありがとう」
アイがあゆみに伝える、心からの愛している。
様々な困難を乗り越えて、2人はようやく愛することが出来た。
★二千年後の君たちへ
「……何度見てもヒストリア筆跡は美しいな。いい匂いもする」
和平交渉の連合国大使となりパラディ島に向かう船の中での出来事。
ヒストリアからの手紙を読んだライナーの感想がそれだった。
「撮影せずに感動的なままで終わった方がよくなかった?気持ち悪いし……」
漫画でも、撮影でも、やはり気持ち悪いという感想となったこのシーン。
母親との和解が感動的であったこともあり、この気持ち悪いところは撮影しない方がよかったのではないのかという意見が出てしまう。
「でも、全部終わってようやくライナーが自由になったってことでもあるし……気持ち悪いけど」
気持ち悪いが、今までずっと罪悪感や戦士としての責任で苦しみ続けて来たライナーが素の自分をさらけ出せるようになったという場面でもでもあるので、必要ではあった。
気持ち悪いが。
「ま、なんにせよ。無事に終わってよかったね~」
「本当にそうだね~」
声だけでもメンタルがボロボロになってしまったライナーが、本当に演じてしまったらどうなってしまうのかずっと心配していた面々だったが、無事に終わったことでホッと胸を撫で下ろす。
「そ、そうだね~。無事に終わって、よかった~」
「なんだか怪しいな」
「何を隠しているの、アイ?」
「な、なんでもないよ~」
「怪しいけど……今は無理か」
無事に終わってよかったと安心している中で、冷や汗を流すアイを怪しむものの、ここで問い詰めては周りに迷惑が掛かりかねないため追及を諦めるしかなかった。
アイが隠してしたことは全てが終わり、この短編動画シリーズが動画サイトに公開されて初めて明らかになるのであった。
★つまりは女神
それは実写版進撃の巨人、短編動画シリーズが公開されたことで起こった。
作品の一部分を映像化した短編とはいえ、進撃の巨人の実写化である。
ガビやファルコなどの戦士候補生の年齢が少し引き上げられてはいたが、 それはアクアとルビーがガビとファルコを演じるためであり、かつ2人が作者から指名されたという事実により受け入れられつつも同情された。
他の役者達もメルトが少しばかり色々と言われたものの、全員の演技力が高いためどの役も大変好評であった。
そして、やはりというべきか、その中でも特に話題になったのがライナーである!!
作者にモデルにされたせいで外見は完全にライナーそのもの!!
さらに声優時の演技力も高いと好評であったため、ファンはみんなライナーに期待していた!!
そして、動画が公開されるやいなや、SNSなどではお祭り騒ぎ!!
主に、『……美しい。これ以上の芸術作品は存在し得ないでしょう』のコメントで溢れかえっていた!!
他の動画が公開される度にその祭りは起こった!!
列車でファルコに激怒するライナーへの恐怖!!
ガビとファルコを演じたルビーとアクアや、演技未経験でありながらライナーの母親役を見事に演じきったあゆみへの称賛!!
銃フェラの美しさと、直接見ることが出来なかったアクアのためにもう1度演じようとしたライナーを心配する者たち!!
地下室でのエレンとライナーのやり取りの緊張感!!
本当にジャンに殴ってもらおうとしたライナーのプロ根性に驚愕しながらも、無茶するなと心配する声!!
そして、母親と和解することが出来たライナーに感動し、ヒストリアの手紙に欲情するライナーを気持ち悪がる!!
この実写版進撃の巨人、短編動画シリーズは大成功と言って間違いなしであった!!
しかし、世間が実写版進撃の巨人の話題で盛り上がるなか、苺プロにて最後の事件が起きていた!!
苺プロの社長室。
正座させられる星野アイと、それを取り囲む元B小町メンバーと彼女達を見守るライナー達初期苺プロメンバー。
このような状況になった原因は、やはり実写版進撃の巨人であった。
パラディ島に向かう船の中でヒストリアの手紙を読んだ面々。
撮影の時はライナーが気持ち悪いという感想がほとんどだったが、問題は投稿された動画である。
手紙が読まれる時にヒストリアの声で読まれ、パラディ島にいるヒストリアとその夫と子供が映されるのであるのだが、問題はそのヒストリアを演じた人間である。
ヒストリアを演じた人間、それは。
ヒストリア役、アイである!!
前々からネットではヒストリア役はアイであるなどと言われて来たが、本当にアイがヒストリアを演じたのだ!!
ネットでは『神様』、『女神』、『結婚したい』、『結婚しよ』のコメントで溢れかえった!!
だが、問題は別にあった。
「あんたなんでヒストリア役やってんの?」
「私達、動画を見て初めて知ったんだけど?」
そう、アイはヒストリアを演じたのだが、問題はそれを周りに言っていなかったことである。
「ライナー達は知ってたの?」
「私も知らなかったよ!!」
「俺も動画を見て初めて知ったよ」
ルビーとアクアは彼女達と同じく、アイがヒストリアを演じていたことを動画で知っていた。
「まさかアクアとルビーにも言っていなかったなんて……」
「どうして私達だけじゃなくてアクアとルビーにも言わなかったの!?」
まさか、自分達だけでなくアクアとルビーにも言っていなかったとは思わなかったため、アイへの言葉がキツくなる。
「えっと……オファーが来た時は私も断ったの」
「え、断ったの?」
「どうして?」
アイのことだからノリノリでオファーを受けているのだと思っていたメンバー。
だが、実際はアイはオファーを断っていた。
「断った理由だけど、ヒストリアを演じるって知っちゃったらライナーの負担になるかもしれないってことと、やっぱりライナーにはヒストリアじゃなくて私を見て欲しかったの。ヒストリアを演じたら私とヒストリアを重ねちゃうんじゃないかって思って」
「ネットでもヒストリア役はアイとか言われていたもんね」
今はもうなくなったが、罪悪感を抱いていた時はB小町のメンバーやアクアとルビーをかつての仲間や戦士候補生と重ねてしまうことが何度かあった。
ヒストリアを演じてしまうと、自分ではなく自分を通してヒストリアを見てしまう可能性を考えてアイはオファーを断った。
「なるほどね、だから断ったのか~」
「断った理由はわかったけど、それならどうしてオファー受けちゃったの?」
アイがオファーに納得するが、それならばどうしてヒストリアを演じたのかという疑問が沸き上がる。
「それなんだけど……みんなが演じているのみたらさ……なんだかさみしくなっちゃったの」
「さみしく?」
「うん……ライナーは参加するのは当然だけど、アクアとルビーもファルコとガビ役で参加したし、おかあさんもライナーのお母さん役で参加したでしょ?なのに、私だけ撮影に参加していなかったなんだか仲間はずれにされちゃったみたいで……あ、もちろん!!みんながそんなつもりはないってことくらいちゃんとわかってるよ!!」
「あ~、たしかにライナーにアクアとルビーだけじゃなくて、アイのおかあさんまで参加していたら仲間はずれにされてるって思っちゃっても仕方ないか~」
「アイって、結構さみしがり屋なところあるもんね~」
幼少期に虐待されて愛された経験がなかったアイは誰かを愛したい、誰かに愛されたいという願望が強かった。
そのため、アイはさみしがり屋な面があり、そのことを知っているメンバーはヒストリア役を受けたことに納得する。
「だけど、やっぱり意外だな~。ママがヒストリアを演じたの」
「やっぱり?ルビーもそう思う?」
「うん。ママが今まで誰かの恋人や奥さんを演じることはあったけど、私的にはその作品にパパはいなかったから大丈夫だったんだよ。だけど、進撃の巨人はパパがいるからパパ以外の人と結婚したヒストリアをママが演じるとは思っていなかったんだよね」
「あー、わかる」
ルビーの言葉に周りも同意する。
アイが女優として活躍の幅を広げていく中で、様々な役を演じた。
その中には、誰かの恋人や誰かの妻を演じることも当然あった。
それらの作品に当然ライナーは存在しないが、進撃の巨人にはライナー本人が存在している。
そのため、ライナーと結ばれることのないヒストリアをアイが演じるとは苺プロの誰も思っていなかったのだ。
「いや……俺だ」
「え、何が?」
アイがヒストリアを演じたことを誰もが意外に思う中で、ライナーが気まずそうに言った。
「動画でヒストリアの夫を演じたの…………俺なんだ」
「…………は?」
「……どういうこと?」
ヒストリアの夫を演じたというライナーのまさかの発言に、思考が停止する面々。
「あのね、さみしくなっちゃってヒストリアを演じることを決めたんだけど、役とはいえやっぱり進撃の巨人でライナー以外の人と結婚はしたくなかったんだよね」
「まぁ……言いたいことはわかるよ」
「進撃の巨人は特別だからね」
ライナーの前世である進撃の巨人。
ライナーの人生であるからこそ、たとえ役だとしてもアイがライナー以外の人間と結婚したくないと思うのは当然なのかもしれない。
「仲間はずれは嫌だけど、ライナー以外の人とは結婚したくない。どうしようか悩んでいたんだけど、ある日突然思い付いたの!!」
「もしかしてそれが?」
「うん!!ヒストリアの旦那さんをライナーに演じてもらうってこと!!」
ヒストリアを演じたいが、ライナー以外とは結婚したくない。
そんなアイが思いついたのがヒストリアの夫をライナーに演じてもらうことであった!!
「演じるって……どうやって?ライナーとヒストリアの旦那さん全然違うけど……」
「それはもう!特殊メイクをしまくってなんとかライナーだってわからないようにしてもらったよ!!」
「な、なるほど」
ライナーとヒストリアの夫の外見が違う問題は、ウィッグや特殊メイクを多用することで解決してしまった。
事実、苺プロのメンバーもヒストリアの夫がライナーだと気付いていなかったため、効果はてきめんだった。
「いやー、思い付いた時は私って天才って思ったよ!!これなら私はヒストリアを演じることが出来て仲間はずれにはならないし、ライナーとも結婚出来る!!まさに一石二鳥だよね!!」
「いや、まぁ~、これで解決したのかもしれないんだけどさ、ライナーはそれでよかったの?」
自画自賛するアイを軽く流しながらヒストリアの夫を演じることになったライナーに確認する。
「物語に深みを持たせるならヒストリアのシーンはあった方がいい。それに、前世のことはみんなのおかげで乗り越えることが出来ているから問題ない」
「それならいいんだけど……」
物語的にも、メンタル的にも問題ないと本人言われてしまったら何も言えなくなってしまう。
結局はアイに振り回されている形になるのだが、結果的にいい結果になっていることに少し納得がいかなかったようだ。
「ま、これで実写版の撮影も終わったから、もう大丈夫だよね!!」
「原作もアニメも完結したし、実写動画も撮ったからさすがにもう大丈夫でしょ!!」
「大丈夫……だよね?」
「大丈夫だよ……多分」
すべてが終わりこれでようやくライナーが進撃の巨人から解放されると喜ぶ苺プロだが、あの作者ということがどうしても安心させてくれなかった。
「あーもう!!やめやめ!!気分を変えて打ち上げの話しよ!!」
「そうだね!!みんなで盛り上がろうよ!!」
「うんうん!!楽しい話しよ!!」
もしものことを考えてしまい、暗くなりそうになった空気を打ち上げの話にすることで無理矢理明るくしていく。
苺プロのメンバーは心から祈った!!
どうかライナーを解放してくれと!!
その祈りが届くかどうか。
すべては作者に委ねられた!!
正直、アイがヒストリアを演じべきかずっと悩んでいました。
というのも、役とはいえアイがライナー以外と結婚するのはどうなんだろうと思っていたのですが、するとある日自分の中のガビ山先生が『それならライナーにヒストリアの夫を演じてもらえばいいじゃないか』と言われて全てが解決しました!!
ありがとう!!ガビ山先生!!