私に銀の弾丸を、貴方に百合の花束を   作:山本珈琲

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第1章 覚醒と出会い
EP_001 学園要塞都市「アルファ」


 拝啓 故郷の家族へ

 皆さん、お元気でしょうか? 私は今、学園要塞都市「アルファ」にいます。

 お父さんとお母さんにお別れを告げたのがつい昨日の事の様というか一昨日のことでしたね。

 小さな頃からの夢だったストライカーパイロットになる為に、大好きな皆のいる街から遠く離れたこの場所に、不安と緊張とそれと同じ位の高揚感を持って足を踏み入れました。

 そんな私は今、

 

迷子です誰か助けてください

 


 

 私「朱羽 響」は都会ほど開発は進んでいなけど、田舎というほどでもない海と山が近くにあること以外これといった特徴が無い、何処にでもある普通の、けれど私の大好きな街で産まれました。

 私は、お父さん・お母さん・お姉ちゃん・お兄ちゃん・私の5人家族という賑やかで暖かい家庭の末っ子として産まれた私は、末っ子といのもあってか家族の皆から大事に育てられました。

 小さな頃から人と一緒にいるのが好きだった私は、小学校に入ってもすぐ色んな人に話しかけたり遊んだりしていたお陰で友達も沢山作れたし、色んな話を聞くのが好きだった私は、近所の商店街のおじちゃん・おばちゃんにもよく会いに行っていたからか「商店街皆の孫娘」なんて呼ばれて、何かにつけてお菓子や食べ物を皆から渡されていました。

 

 そんな私でしたが、小さな頃から街を出ることを決めていました。

 勿論この街が嫌いだとかそういったネガティブな理由ではありません。

 私が出て行くことを決めた訳は、私が小さな頃お母さんが読み聞かせてくれた絵本の「銀の光」という作品が、正確に言うならその登場人物達に憧れたからです。

 この「銀の光」という作品は今から300年前にあったとされる異星人との戦争「星辰戦争」を元に小さな子供でも読めるように描かれた絵本で、伝説と呼ばれながらも当時実際にいたとされる、最強のストライカーパイロット達で結成されたチーム「シルヴァ・バレット」をメインに描かれていて、チームの隊長であった「レイブン」が最後の戦いで敵を退けるも亡くなり、残されたチームメンバーや生き残った人々がその勇姿を胸に破壊された街を前に再び立ち上がって歩き出す.といった内容で締められる少し長めの絵本だ。

 私はこの作品に出てくる、必死に生きようとする人々の姿に感動し、その中でも主人公の在り方が鮮烈に残っているのです。

 この主人公は最後の戦いに赴く前からもう既に身体がボロボロで、これ以上戦うのは誰が見ても不可能かつ無謀なものであったのに、自分の仲間に後を託して残り僅かな命の灯すら燃やし尽くして、人が生きていく世界を切り開いて亡くなってしまうこの主人公の、その選択に幼心を酷く揺さぶられました。

 自分が死んでしまうと分かっているのに、分かっていたからこそ残された命で最後まで人を守り抜く事を選んだ主人公のその姿に、私もこんな風に誰かの為に戦えるようになりたいと、そう、強く思ったのが始まりであり、私がここに来た理由です。

 

 ここはかつて、人類が空からやってきた侵略者と戦う為に作られた組織の中枢を担っていた基地があった場所。

 決死の思いで戦っていた当時の人々が人類最後の希望と呼んでいた組織は、侵略者が来た際に戦う人類の守護者を育成する為の組織に姿を変えました。

 残された人々が「最後」の意味を持った組織の名前に対し、もう一度立ち上がり初めからやり直す事を決意し「最初」の意味を持った街を作りました。

 そうして行く世代にも渡り受け継がれてきた此処は、人口の島々の上に建てられた堅牢な要塞であり、都市すら内包した世界で最も大きな学園。

 

 

 

学園要塞都市「アルファ」

 

 

 そんな場所で私は今、人生で1度しかない入学式の日に、道に迷って欠席しそうになっています。




なんとか2話目投稿完了です...ウーン難産
しかし全く話が進んでませんね...後1~2話程で本格的に始まる予定ですのでしばしお待ち下され(予定では)
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