そこまで欲は言わないから感想とか欲しい(強欲な壺)
Side 零
「なら二人はストライカーに関わった事があるの?!」
そう羨ましそうに響が言うが、それに対してエドは苦笑しながら、エリカは不本意そうに答えた。
「俺の場合は関わったとまでは言えないかな?ウチの親がやってる工場で部品の一部は作ってるけど、実物をあんなに間近で見たのは初めてだったし」
「ワタシも似たようなものだ。家の意向で無理矢理そう云った技術は教えられてきたしシュミレーターにも幾度か触った程度。エドガー何某のいうような大型のモノは私も見たことはあるがそれもほんの数回。実際に乗った事なんて一度もない」
「それでも凄いよ!私なんて映像でしか見たことないもん」
そう云って凄い凄いと言われて、なんやかんや言っても悪い気分ではないのか二人ともどこか嬉しそうだ。
「でも同じカリキュラムで進んでいくなら私も乗れるようになるんだよね!ストライカーに!」
「あー...それについてなんだがな...」
先ほどまで黙ってやり取りを横から見ていたが、本当の事を教える為に口を開いた。余り気乗りはしないが...
「ん?なぁにレイ君?」
「俺たち一年は当分実機には乗れねぇぞ?」
ビシッと音がしたように笑顔のまま足を止めて固まる響。その変わり様にやっぱり把握してないんだなと確信する。
「乗れ、ナイ...?ナンデ?ノレナイナンデ....?」
「おーい説明してやるから戻ってこーい」
そう云って手を目の前に出し振ると、正気に戻った響は縋りつくようにして掴みかかり鬼気迫るように問いかけてきた。
「実機に乗れないって何で!?私たちストライカーに乗る為に此処に来たんだよね?!」
「落ち着けバカモンそして服から手を離せ伸びるッ!?!」
「あ、ごめんってそうじゃなくて!」
「なんで乗れないか、だな。普通に考えれば分かるぞ?」
そういうが首を傾げるばかりで中々分からない様子に、溜息を吐きながら応えてやる。
「これは俺の憶測だが、単に言えば”危険だから”これに尽きるとおもうぞ?」
「危険?」
「そう、そもそもストライカーってのが兵器ってのは置いといて、そのサイズを考えてみれば分かるだろ最低でも14,5メートル、下手すれば30メートルもの大きさの人型兵器がストライカーって呼ばれてる。合ってるよな?」
そう云ってエドに目配せして問いかけると彼は首を縦に振り答えた。
「厳密にはもっと細かな規定が幾つかあるらしいが、凡そその認識で問題ないと思うぞ」
「ワタシも同感だ」
「二人ともありがとう。話を戻すが大きさ約20メートル越えの鋼鉄で出来た巨人がストライカーだ、んでそのサイズのモノが例えば建物に勢いよくぶつかったらどうなるよ?」
そこまで言うと響はハッとした。ようやく気付いたようだ。
「大きな被害になる...」
「そっ。それも、そこら辺の自動車が建物に突っ込んだのなんて比にならない位の大惨事だ。考えてみろよ?時速5,60キロソコソコで高々大きさの数メートルの機械であれだけの被害が出るんだ。それが大きさ20メートル越えの、しかもマッハすら超えるような速度すら出せるモノが突っ込んでみろ、正直被害規模は想像したくないレベルになると思うぞ?」
「それでなのか...」
「いや、俺が思うに多分もう一つ大きな理由があると思うぞ?」
「えっ?さっきのと同じくらいのがまだあるの?!」
「コレも俺の憶測だけど、単純にぶっ壊した時の被害額がヤバいからだろうなって。なぁエド?」
そう云ってもう一度隣に問いかける。
「あぁ、ストライカーってのはこれまで存在したどんな兵器よりも強力だ。ジェット機よりも早く飛び、人間のように様々な武器を状況に合わせて使え、並みの装甲車なんかじゃあ手も足も出ないような強固な装甲に、陸海空に極寒灼熱熱帯砂漠あらゆる環境に対応可能とする拡張性...文字通りあらゆる状況環境を問わず戦場へと突撃を可能とする史上最強の兵器だ。」
「けど、大きな弱点も同時に存在している」
「まずその大きさ、ストライカーは凡そのモノが20メートルを超える巨体だ。そうなればそれを格納するのにもそれ相応の大きさを持った設備が必要だし、何より使用する武器弾薬なんかの携行品も大型化するから運ぶのだって一苦労だ」
「でも、この学園ってこんなに広いし輸送面だって特に問題は無さそうだよ?」
そう響がイマイチ納得できないように返すと、彼女の隣から答えが告げられる。
「響、よく考えろ。そんな巨大なものを作ろうとするなら大きさもそうだが他には何がいるかよく考えてみろ」
「え?そりゃこれだけ大きな場所を動かすならたくさんの人と、お金...が....必要に...」
ようやく気付いた彼女に俺は満足し頷いた。
「そう!あんだけデカいモノを運用しようとすれば当然人手が必要だ。仮にそこがAIなんかによる作業で賄えたとしても、今度はそれを運用保守する費用が別途必要になってくるわけだ」
納得したような彼女に対し、それにと付け加える。
「そもそもの話ストライカー作ること事態タダじゃねぇんだ。あれ一機作るのにも庶民の俺らからしたら相当莫大な金が動く。そうだろ?」
「あぁ例の言う通りだ。俺の親はさっきも言ったけどストライカーに関する開発設計をしてる会社の社長でな。そんな親父に昔どの位金が儲かるのか興味本位で聞いたことが有るんだが親父曰く”アレ一機作るのに少なくとも大体爆撃機一機作る位の金が必要で、アステラ鉱石を使ったジェネレータも付けるとデカい軍艦がポンと作れる金額”らしいよ?」
「それに、アステラ鉱石は今なお謎が多く残された未知の物質だ。それに関する調整なんかが出来る人間も数少ないうえに、その観測やら調整するのに必要な設備も専門性が高いお高い代物だ。他所の人間はこの学園の校舎だの設備だののガワの設備の規模に驚いてばかりだが、ワタシからすれば此処にある格納庫の数や規模、その設備レベルの高さに此処が現実の場所なのかどうか疑うよ」
そう三者三様に云うと、響はぽっかーんとしていた。
「そう、だよね...なんでそんな簡単な事にも気付かなかったんだろう私...」
そう云って何処か落ち込んだ様子を見せたが、俺達は言い切った。
「「「まぁ、しょうがない(んじゃねぇの)(よ)(だろうな)」」」
「うぇ?!なんで...?」
「だってずっとパイロットになるのが夢だったんだろう?なら多少目が眩んでも仕方ないと思うぞ俺は」
「それに、レイや紅羽さんみたいにストライカーと関わらずに過ごしてきた人が知らなかったり実感がなかったりするのは仕方がないよ。確かにその姿はある程度一般公開されているけど、その内部や内情に関しては殆ど情報が出されないから」
「ワタシやエドガーが少数派で、九十九やお前みたいなのが殆どだ...寧ろこの学園に来て1,2日でそこまで考えついてる此奴が異常だ。普通はもっとはしゃいだり浮足立つから其処まで考えが及ばない」
「そう、かな?そうなのかな...」
暫く足を止めて考え込んでいたが、バッと顔を挙げた。
「うん、そうだよね。こんなことでイチイチ落ち込んでたら前に進めないもんね...!私、誰かを守れるパイロットになるっていう思いを忘れずにもっと頑張るよ!!」
そう自分に宣言するように声高に言う彼女の姿に皆ほおが緩んだ。それほどにその姿は微笑ましくも凛々しい姿であった。
「紅羽さんが決意新たにしたところで悪いんだけど、流石にそろそろ急いだほうが良いな」
そういわれ端末で時間を確認すれば成程、道中ゆっくり歩きながらsyべっていたこともあり確かに時間の余裕は殆ど無くなっていた。
「え、あ!わぁああ!!皆ごめん!私が足止めたせいだよね?!」
「いや響、それは違うぞ。元々余裕があるからとゆっくり歩いていたのはワタシを含めた全員だ」
「そうだぜ?だから別に誰のせいでもない。とにかく今は急ごうぜ?初日から息を切らしてギリギリ到着とかできれば避けたいからな」
「あ、ありがとう皆...!うん!急いでいこっか!」
そう云って俺たちは見咎められないギリギリの駆け足で教室へと急いだ....
「レイ君、大丈夫....?」
ダイジョバナイデス。
「まさか此の事すら知らないとは思ってなかった...すまん!俺の落ち度だ!」
いや大丈夫、決して君のせいではないよエド君...恨むなら基本すら教えてくれなかったローレンスを恨むから気にしないで...
「しかし驚いたな...本当に何も知らずにこの学科に入ってきていたとは。正直半信半疑だったが今の反応をみて真実だと分かった。疑って悪かった九十九」
イエ、そらこんなことすら知らずに来ましたー!とか言われても普通は信じないからその考えは間違ってないですよエリカサン。
どうも、先程まで偉そうに同年女子に高説垂れていた愚かな男こと、九十九零です。私は今、女子の集団の中に居ます。
はい、何言ってんだお前と思ったそこの貴方!その反応が普通ですからその感性を今後とも大切にしてくださいね?...いや、普通デカいロボに乗る教科専門って聞いたら男のイメージがあるじゃん?なのに何で...どうして....
な、何を言っているかわからねぇと思うが、俺も何が起きているのか分からなかった。催眠とか瞬間移動なんてちゃちなもんじゃねぇ、もっと恐ろしいモノの片鱗を現在進行形で味わっているぜ...等と何処かの頭銀髪フランス野郎になってしまう程に、今俺は混乱の極致にいた。海軍の支援を要請する!
「ストライカー...正確にはそのコアであるアステラ鉱石の特徴からパイロットになるのは殆どが女性であり、男でこの学科に入れるのは全体から見て極めて稀なのは世間でも、響ですら知っている話なのだが...」
そういって驚いた様に、いや呆れてエリカは言う。すいません自分何分寝坊助なもので其処らへん疎いんでマジで勘弁してつかぁさい姉御...
「自分もそう考えてあえて云わなかったんですが...すいません、こいつに前もって云っておけば此処まで衝撃を受けなかったですし...」
「いや...其処まで気に病まなくても大丈夫だエド...これに関しては俺が、ひいては俺の身元保証人が全面的に悪いから....」
「そ、そうか...その、親御さん代わりのその人は本当に何も言ってなかったのか」
「あぁ。何も教えてくれなかったぞ。余り先入観をもって欲しくないとか言ってストライカー以外の世間一般常識とか勉強が殆どで忠告何て一度も、なかっ...た.....」
あれは丁度パイロット科入学が決定した直後の事だったはず...
「本当に、決めたのだね?ストライカーに乗ることを」
「はい、昔の俺がソレに乗ってたか如何かなんて正直な話、覚えてないんで対して気にしてませんし」
「しかし....!いや、覚悟を決めた漢の顔をした君に、これ以上何かを言うのは無粋というものだな...」
そう少し悲しそうにしていう彼に、今までの恩義もあり少し胸が罪悪感で苦しくなった。それに気づいたのかローレンスは場に漂い始めた湿っぽい空気を仕切りなおす様に咳払いをしてから此方に向かって激励を飛ばしてきた。
「それはそうと最後に一つだけ老い耄れからの激励を。これから君の通う事になるパイロット科では、君の出自も相まって様々な困難や苦難が待ち受けている事だろう」
「え?えぇはい。そうでしょうね」
なにせ自分には記憶が無いのだ。当然名門と呼ばれる学校、それも専門分野を学んでいくなど並大抵の事では行かないだろうし、当然覚悟している。
「あぁ、君ならきっと乗り越えられるだろうな...それでも私も応援しているし、何か困ったことがあれば微力ながら手を貸そうとも」
「はは!心配し過ぎですよローレンスさんは」
「うんむ...そうかもしれぬがなぁ...これから入る場所は”男のである君”としては辛いことも多いだろうが、如何かめげずに頑張ってほしい」
「?よく分かりませんが分かりました」
そう云ってその後も談笑を続けたのだった....
あの時言ってたのはコレかぁ~!成程なぁ!あの時言ってた意味はこういう事だったのか~!そかそっか~!...って
「そんなんで分かるかあの爺!!」
思わずそう叫んだ俺は悪くないと思う。
元々一筋縄でいかないのは想定していたが、これは自身の想定よりいろんな意味で波乱万丈になりそうだ...
教室を見渡しながら早くもリタイアしたい気分になり、窓の外に映る春の陽気に照らされた外を見て改めて思うのだった....
えー、ここまでお読みいただいた皆様に謝罪とご説明があります。
謝罪の内容なのですが、端的に言いますとここから先、現実の化学とかそこら辺の法則を投げ捨てていただきたいのです。
作者はハッキリ言って馬鹿なので、ガンダムとかボトムズとかダンバインとかエヴァンゲリオンとかパトレイバーとか見てきましたが、そこら辺の原理を全く理解できません!作品書くためにwikiとか空想科学読本とか見たんですけどもう電子とか磁界とか拡散率だの質量の比率だのもう訳わかめで頭が痛くなってしまいまして...
結論としては、初心に帰っての「なんかそれっぽい設定~♪原理が可笑しい、現実的に不可能?ウルセェ―!知らねぇー!物理学だのエネルギー力学とか分かんねぇー!リアリティなんかねえよ、しらねぇよ」のスタンスでいきます。というか本作の最重要物質のアステラ鉱石君もそこらへん細かいの考えるのが面倒で、いっその事”ぼくがかんがえたさいきょうのえねるぎーせいせいぶっしつ”を出してそれ使えばいいじゃん!という経緯で誕生したので...
ですから今後、機体の大きさに対して軽すぎるとか、ビーム兵器の理論が可笑しいとか、そもそもそんなんでこの機械動かねぇよと云った事例が多発すると思われますが予めご了承ください。作者も出来る限りそこらは頑張ってそれっぽい理由付け頑張りますので石を投げないで...優しくして...
以上、謝罪と言い訳になります。女々しい奴!!