私に銀の弾丸を、貴方に百合の花束を   作:山本珈琲

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皆さま大変お待たせしました、遂にストライカー同士の戦闘シーン、出ます...!我が事ながらマジでここまで長すぎません事...?


 自分で読んでみて、入学編がだいぶ長いと感じたので近々全部わかる纏めみたいな感じであらすじと人物紹介を合体させたのを出す予定ですので何卒お許しください...


EP_019 直面する現実、激突する力の名

 

 未だに興奮冷めやらぬといった様子で混乱している周囲を置いてけぼりにしながら彼女は口を開いた。何せ今この教室で最も困惑しているのは彼女であり、その上彼女は混乱が一定ラインを超えると暴走機関車へと変貌する質の人間であった。

 乙女式 暴走列車朱羽型 響号、只今規定速度を超過して暴走を開始致しました。付近にお住いの近隣住民(マトモな思考)の方は避難をお願いいたします。

 

「そんなの今はどうでも良いよ?!なんでお兄ちゃんが此処に居るの?!?!ツバサって何?!?!!何なの?!?!?!」

「スゥ―――....分かった響、後で全部説明するからいったん落ち着け...」

「落ち着く?!?!いきなり自分の学校に教師として、しかもストライカー専門科の場所にいきなり家族が登場したら誰だって混乱するよ?!?!?!」

「それについても...イヤ、余計な混乱を招かないためにもいっその事この場で全て説明するのも手か...?」

「理由なんてどうでも良いから!!!今!!!この場で!!!!直ぐに!!!洗いざらい!!!全部!!!」

 

「説明して!!!!」

 

 そう響は最後に力強く言い切ると、肩で息をしながらも力強く翔の目を見た。その目は極度の興奮からか少しばかりうるんでいたが。

 

 そうして目を合わせていると、遂に観念したのか目をフッと反らしながら「分かった...」と赤髪の男は云った。

 

「まず全員に説明しておくが、彼女の名前は紅羽響。僕の実の妹だ」

 

 そう云うと再度教室がざわついたが、彼はそれを手を前に出す事によって鎮めた。

 

「だが、今のやり取りを見て貰えれば、彼女は僕が何故此処に居るのかすら分かっていないのは明白だと思う」

「それは僕がずっと彼女に隠してきたからだ。だから僕はストライカーの試合に出るときは”ツバサ”という偽名を使って大会に出場していたし、大会内で僕の顔や本名を出すのをNGにしていた。雑誌でモデルとして顔や名前をメディアに露出していた僕が何故、大会で顔や名前を出す事を頑なに禁止していた理由を不思議に思われる事も多かったが、それらは彼女に知られないようにする為だ」

「僕は自身の成した名声や地位で苦労する事も面倒事に巻き込まれる事も多くあったから、そう云う輩から守る為にも彼女に何も知らせなかったし、隠してきた」

「彼女自身の意思で此処にやって来たが、僕から何かを教えたりした事は今まで一度も無い。此処に在籍する殆どの生徒と同じで彼女は特別な訓練や知識など持ち合わせていない」

「だから彼女を"朱羽翔"の妹では無く、1人の少女として接して欲しい。コレは教師としてでは無く、一人の兄として諸君らに唯一頼みたい願いだ」

 

 僕から君達に伝えたい事は以上だ彼はと告げると、アイコンタクトで響へと確認した。

 

 件の彼女は未だ混乱の最中にいたが、一先ずは落ち着いたようでそれに応えた、「今はそれで納得する」と。

 正直に言えば問いただしたい事など山のようにあるが兄の様子からこれ以上話す事はないと経験から読み取った彼女は一応は納得した姿勢をとった。

 その様子を見て満足そうに彼は頷くと、驚くべきことを言い出した。

 

「よし、それでは出席確認を再開する。朱羽響!」

 

 まさかこの空気の中出席確認を、しかも自分の番から再開するとは思っていなかった彼女が驚きと抗議の声を上げる。

 

「お兄ちゃん?!この空気感の中私の番から出席確認するの!?」

「当たり前だ。さっき特別視しないよう頼んだのに、此方が身内贔屓する訳が無いだろう。」

「それはそうだけど!プレッシャーが凄いんだよ!」

「安心しろ朱羽一年生、この程度でへこたれる人間でない事は兄である自分がよく知っている。それから此処では朱羽先生と以降は呼ぶように。余りにも改善されないと何かしらの罰を与える可能性もあるからな」

「そんなぁぁあ!?」

 

その余りにも情けない声に思わず横に座っているレイが笑うと、彼女は顔を赤くさせながら「わ、笑わなくてもいいじゃんかー!」とへにゃへにゃした声で抗議する。

 その漫才のような光景に、周りで見ていた他の生徒の目が珍しいモノを見る目から生温かい目へと変わり、それを何となく察知した響はさらに体を縮こまらせた。

 

「紅羽響です...よろしくお願いします...!」

 

 ヤケクソ気味に大きな声でそう云うと、席に座り両手で顔を覆って先ほどまでのエリカのような鳴き声を発し始めた。

 

「本来ならもう少しちゃんとした自己紹介をしなければならないが、こうなった原因は僕だからな...今回はこれで良しとしよう。アイラ君すまない、少し時間が掛かってしまったが続けてくれ」

「え?えっあっはいっ!じゃ、じゃ名前を呼んでいきますから、呼ばれた人は立って返事をしてくださいね...あっでもあんまり大きな音を立てられると先生ビックリするから静かにお願いしますね...?」

「あぅうう....」

 

 無自覚であろう教員の一言で背中を刺された響が小さな声で情けない声を上げ机に静かに突っ伏する。

 

 その後の自己紹介は筒がなく進行して行った。変った事と言えば、エリカの時に何故か教室全体が少しざわついたのと、零の自己紹介の時に少し不可解な反応を紅羽教員が僅かに示した程度で(これに違和感を感じたのはレイと響の二人であった)大きなハプニングもなく終えることが出来た。

 

「宜しい、これで全員だ。流石に初日というだけあって一人の欠席も居なかったな」

「ハイ~!先生としてもとっても喜ばしい事です~」

 

 そう云って二人の教員は満足げな顔をしていたが、紅羽教員が腕時計を確認し何事かをアイラ教員に耳打ちすると、ハッとした表情になり時計を見上げてから此方を向いた。

 

 

「え、えぇっと、これから早速ですが皆さんには教室の外に移動してもらいます~」

「アイラ教員が先頭、ぼ、ワタシが最後尾で追従するので生徒諸君らは二列で並ぶように」

 

 それだけ云って二人は教室外へと出ていき、レイたちは急いでその後を追った。順番は特に指定されておらず、皆最後尾に行きたがっていたが響の発する無言のオーラに気圧され自然と場所を譲った。(零は最前列でエドと、響はエリカと二人で紅羽教員の前に陣取るようにして並んだ)

 そうして全員が並び終わったの確認し、戦闘から聞こえたアイラ教員の何処か間延びした「それでは皆さん焦らずついてきてくださいね~」という声を合図に列が動き出した。

 

「さっきの説明で私まだ納得してないからね、お兄ちゃん」

「ハァ...響。ここでは紅羽教員と呼べとさっきも言っただろう?」

「皆の前ではそうするけど、二人の時なら別にいいでしょ」

「...スゥー...分かった、好きにしろ」

「うん、私の好きにするよお兄ちゃん。で、さっきの話だけど...」

「さっき言ったのが全てだ」

「それで納得できないからこうして言いに来たんじゃん!私たちを巻き込まない為って言っても家族皆に秘密にするのはどうかと思うよ私。せめて何か一言あっても良くない?」

「それについてだがな響。お前以外の全員には伝えてあるし、お前に俺の正体が伝わらないよう協力もしていたぞ」

 

 その言葉に唖然とした様子を見せたが、すぐさま小さな声で叫ぶという無駄な技術を見せながらも彼女は怒り心頭とといった様子で背後の兄に振り返った。

 

「はぁあ!?そんな仲間外れみたいな事されてたの私??!!」

「父さんや姉貴なら未だしも、お前絶対皆に自慢しに行くだろ」

「ウッ?!で、でも!言うなって言われたらちゃんと秘密にできるよワタシ!!」

「お前の場合、そういうのが如実に顔とか態度とかに出るから直ぐにバレるだろうが...」

「ぬぅう!そうかもだけど!でもさ!!」

「別に俺たちはお前の事を仲間外れにする為にそんな回りくどい事をやってたわけじゃない...それに政府からも協力してもらって俺の家や家族の情報を守ってもらってたんだから此方から迂闊なことは出来ない」

「ぬ、ぬぅううう!!!.....んもう!分かったよ!!私の事が嫌いでそんなことするような家族じゃないって私だって初めから分かってるもん!でも!今度何処か私の好きなところに連れてって!それでチャラにするから!!」

「フゥ...分かった。約束する」

「言ったね!約束だからね!」

 

 そう云って私起こっていますとアピールする為か大股で歩く姿の彼女の後姿を兄は、先程までの硬い表情が嘘のような優し気な表情で見ていた。

 

(お前は家族に凄く愛されてるんだな、響...ワタシは少しお前が羨ましいよ...)

 横でそのやり取りを見ていたエリカは一人、静かに心の中でそう思った。

 

 暫くそうやって列をなして歩いていると、一行はひときわ大きな部屋へと到着した。その部屋は閑散としていて、壁の端末以外に一切モノが配置されていない物寂しい部屋であり、生徒全員がこんなところに来て何をするのか訝しがっていると突如として部屋全体がガコンッと揺れた。

 パニックになりかけた全員を素早く紅羽教員が諫め、これが巨大なエレベーターであると全員に告げる。その情報に全員が驚いていると、彼は自身の背後に注目するように促した。

 

 そこには壁が下から上へと移動する景色しか映っていなかったが、突如としてその姿が大きく変わり、その場にいた全員が言葉を失うことになった。

 

 

 

そこには太陽の様な明るさと、巨大な町があった。

 

 

 余りの現実離れした光景に皆が唖然とする中、紅羽教員が静かに語り始めた。

 

「皆がこれから学ぶことになるストライカーには様々な特徴があるが、すべてに共通する部分が幾つか存在する」

「その一つが多きさだ。平均20メートルを超える巨体がその辺りで摸擬戦などをしようものならその危険性や事故が起こった際の被害規模は途轍もないモノになってしまう」

「故にこの学園は分けることにした。小規模な訓練や演習は地上で、本格的な摸擬戦などは地下に巨大な空間を作り隔離する事によってな」

「ここ以外にも、此処と同規模か巨大なものがこの学園の地下には幾つも点在しており、その全てにおいてこれ以上ない安全マージンが施されている為、この学園の生徒...要は君たちの先輩は心ゆくまで思う存分戦えるというわけだ」

「今回此処に来たのは入学後初日の恒例行事でな。どの学科に在籍する生徒でも一度はここに来てストライカー同士の実戦形式の演習を見ることになっている」

「今から戦うのは現学園で全生徒最強と呼ばれる幾人かの生徒の内、近接アタッカー型と中距離支援型に分類されている二人の戦いだ。彼らの戦いはワタシからしても中々見ごたえのあるものだから、諸君らが退屈する事はまずないだろう」

 

 そういって動作が完全に止まった巨大エレベーターを降りて先導する彼に、慌てて全員が付いていく。その胸中は皆期待で高なっていた。

 

 案内された場所は先ほどよりも遥かに広い場所で、横に広がったスペースには椅子が敷き詰められておりその前面は透明な壁でで街を一望できるような作りになっており、更にその上には巨大なスクリーンが幾つも設置されていた。

 

「少し出遅れるかもと焦ったが...どうやら間に合ったようだな」

 

 そういって彼の見下ろした先の町の廃墟では既に戦闘が開始されておいるらしく、幾つかの爆発とビームと思われる光が空を咲くのが見えた。

 

 その瞬間、そのビームの一つが此方に向かって飛びそして透明な壁に当たる前に弾けた。その余りの恐怖と衝撃に皆が言葉を失った。

 

「今見た通り、此処は不可視の多重バリアとその後ろにあるこの壁で守られており、万が一すら発生しないように安全に設計されている」

 

 とはいえ流石に新入生の諸君らにイキナリ怖がることは無いと言っても難しいだろうが。と独り言のように続ける彼の言葉に誰一人返事を返す事が出来なかった。

 

 当たり前だ、彼らはストライカーを何処か偶像のように扱っており、その銃口から放たれる銃弾一発で自分たちなど容易に殺せる兵器であると頭で分かっていても実感など微塵もしていなかったからだ。

 そうして固まる彼らをおいて状況はドンドンと加速していく。

 

 


 

 

 「あいっかわらず、エッグイッスね先輩の回避軌道は...!」

 

 アタシは愚痴るようにそうコクピットの中でそう独り言ちる。現状、あの人の左手を使えなくはしたが、此方も代わりに右手に持っていた武装の幾つかを破壊・使い切ってしまったのだから笑えない。

 

「でも一年坊が見てるんで、あんまし無様な姿は晒せないっすからね...こっからはちょっと本気で行くっすよ...!」

 

 そういってフィールド探知に引っかからないよう身を隠すために出力を下げていたジェネレーター出力を上げる。

 

 瞬間全身に走る悪寒、と同時に全力で前方に向かって最大出力で機体をかっ飛ばす!

 

バカァアンッ!!!

 

「ああ、やっぱり此処に居たんだ」

 

 そう云う静かな声とは裏腹に、先程自分が隠れる為に使っていたビルを丸ごと吹き飛ばしながら現れる単眼から青い光を放つ巨人の姿。

 

「マジで完璧に隠れてたつもりなんすけどね?!?!」

 

 そう悪態交じりに言い返しながら低出力ビームガンとマイクロミサイルを打ちまくる。

 

「それっぽい痕跡に、後は....何となくココかなって?そしたら丁度すぐ近くに反応が出た」

 

 そんなことを宣いながら此方に向かって最大速度で突っ込んでくる。

 

「確信があって見破られるなら未だしも!そんな何となくで見つかったらこっちの立つ瀬がないんすけどねぇ!!!?!」

 

 そう遣る瀬無い思いをぶちまけると同時に弾もばら撒く。

 

「それは、御免なさい...?」

「謝られるともっと惨めになるんすよパイセンッ!」

 

 この人は天然でこういうことを言ってくる人だったなそう云えば!と頭の片隅で考えながらも頭と身体をフル稼働させて全力でバックのまま後退しながら撃ちまくる。

 

 

 イチイチ後ろを振り返って動くなどという事はしない。前もってこの辺りの地形は完璧に把握しており、視界の隅に映る地形情報を一度チラリと確認すれば目を閉じていてもぶつかる事は無いと確信しているからだ。

 それよりも、目の前の人型の化け物をどうにかしなければならないのだから、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()弾道予測線が当てにならないよう弾をばら撒きつつ、その中に幾つもの本命を混ぜて撃つ。ある時は弾丸のの後ろに弾丸を隠し、またある時は外れたミサイルが背面で爆発するように弾を撃つ、が未だ敵損傷確認できず。

 片や黒い身体に黄色に発光するスクリーンタイプのカメラアイとオレンジ色の光を放つバーニアを持ち、それらをフル稼働させながら後ろ向きで全速力で飛び、もう一機は前述の機体よりも明るい灰色と黒の中間の色味の身体に青い光を放つモノアイカメラを持ち、その瞳を眼前の獲物から一切反らさず飛び続け、その機体から発されるカメラアイとバーニアの青で何本かの軌道を空中に絵画のように描きながら進み続けている。

 

 寂れ崩れたコンクリートジャングルの中、凄まじい速度で移動するその二機の速度、実に500キロ台を突破しており減速する処かその速さは加速度的に上昇していく。通常であれば何処かで衝突してもなんら不思議ではないその光景は、ストライカーという兵器が持つ驚くべき運動性能と、後退を続ける機体のパイロットの凄まじい技量によってなされる曲芸じみた狂気の行為であるが、その機体を追跡する単眼の巨人のパイロットは平然としており、そこにはなんの恐怖や迷いも見られず今なお加速を続けていた。

 

 逃げる黄色の目をした黒い巨人が右半身を前に出し、その手に握ったライフルを乱射しながら足に備え付けられたミサイルポットから弾頭を発射し、白い影が線を描きながら発射される。その標的である単眼の巨人は身体を僅かに傾け最初の射撃を必要最低限の動きで避けると同時に、その手に持った光の剣(ビームソード)で幾つかの弾丸とミサイルを一振りで纏めて叩き切り同時に幾つかの武器を発射し応戦。そうして避けずらい幾つかの脅威を無造作に焼き切りながら進み続け、弾丸と爆風による破壊の嵐を一瞬にして文字通りに切り抜け何事も無かったかのように、否、先ほどよりも速度を上げてジワジワとだが着実に獲物との距離を詰める。こうして黒い巨人が行った射撃は追走する怪物の勢いをを一切止める事なくその威力を発揮せず無駄撃ちに終わった。

 

 

 かのように見えた。

 

 

 グラリと機体がほんの僅かだが不安定に揺れる。先ほどまで一切見せていなかった微かな隙ともいえるかすら怪しいその動きは、先程の射撃の成果そのものであった。何故今更になって何故機体の動きが不安定になったのか?それは先ほどの射撃の後に黒い巨人が行った行為が原因である。

 

 

 

 

「これで動きを少しでも止めれるなら苦労はないんすけどねッ...!」

 

 アタシはそう云って左足に装備したミサイルを盛大に全て使い切りながら一人呟く。そんなことは絶対にありえないと確信しながら。

 

「だからもう一手仕込ませてもらうっすよ!」

 

 そう云いながら先ほど身を乗り出した際に隠した左半身、正確に言えば左手の武器を地面に投げ捨てる。と同時に全面の爆炎からその目に無機質な青い炎を宿した単眼の巨人が姿を現す。

 

「ヨッシャア!ヒットっす!!」

 

 アタシは心の中で全力ガッツポーズをする。先ほど仕掛けた即席トラップが相手に当たるのが確認できたからだ。

 

 

 アタシがさっき投げたのは簡単に言ってしまえば電気系統に強烈な電気・電子の衝撃を叩きこみ対象を無力化または誤作動を起こさせることを目的としたジャミング兵器だ。とはいえその使用方と発想はかなり変わっており、爆薬のように爆発して周囲に電磁波を起したりするのではなく相手に直接張り付いて信号伝達を妨害するという、使い場所がよく分からない思想と考察の元この学園の生徒によって作られた試作兵器である。対ストライカーとして作られたこの兵器ではあったがハッキリ言って使い道がない、何せ現行のストライカーはそのどれもが超強力なEMP対策がなされており、その能力は核爆発による電磁パルス攻撃ですらある程度防ぎきれる程である。そんな機体に対して直接貼り付けることで至近距離で電磁パルスと電流を発する事で突破しようとした意欲作ではあったのだが、求められるサイズにすると機器のサイズが確保できず、結果、当初の予定を大幅に下回る威力と費用と使いどころの無さという三重苦になり、永く倉庫に眠っていた過去の遺物である。

 

閑話休題(解説終わり)

 

 この武器の威力は確かに当初求められたようにストライカーの完全無効化には程遠い威力ではあったがしかし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 今回やった事は文字に起こしてしまえばひどく単純で、まず半身を傾け左手を隠し、右手のライフルを乱射し意識を其方に集中させる。と同時に僅かな時間差をそれぞれに設定しそのうち幾つかのミサイルを相手が避け辛く、尚且つ切りやすい位置とタイミングになるように調整しておく。相手がミサイルを切ると同時に左手に隠し持っていた時間経過で発射される即席トラップを地面に投げ捨てる。その瞬間に対象が爆炎を突破、その真下に設置されていた奥の手は設定されていた時間通りに起動し弾頭が発射、対象のメインブースター付近へと着弾しその効力を発揮し始めた...という訳である。

 

 万が一にも相手のセンサー類に引っ掛からないように遠隔操作型ではなくタイマー式を選択しておいて正解だったと一人胸を撫で下ろす。未だ真っすぐに此方へ突っ込んできてはいるがその勢いは先ほどまでの猛然としたものではなくなっていた。

 

 (アレ、本来ならメインの推進器が真面に機能してないから、それこそ頭から勢い余って地面に激突したり姿勢制御ミスってその場で錐揉み回転しながら吹っ飛んでも可笑しくないんすけどねー...あの人ホントに人間か時折疑いたくなるっスよ...)

 

 そう、普通の人間であれば突如としていきなりメイン推進力がなくなれば、それこそそのまま地面にそのまま機体が墜落するのが普通だし、万が一その事態に即座に対応できたとしてもこの速度だ、姿勢制御の難易度だって当然跳ね上がるしミスすれば機体がその勢いまま姿勢を崩してどこかにカッとんでいっても何ら不思議な事ではない。可笑しいのは目の前で一瞬で状況に対応して、先ほどよりも少し遅い程度の状況で留めて今なお追撃してきているのがバグみたいな異常な存在(イレギュラー)なのだ。

 

(それだけでもふざけんなって言いたい所なんすけどねー...)

 

 そう云って視界に映る()()()()()()()()()の文字に溜息を吐きたくなる。

 

(さっきの爆風に紛れて撃たれたっスね...腰についてる副砲、いや。多分腕部積載型のガトリング辺りっスかね...完璧に避けたと思ったんすけどね~...)

 

 元々機体の構成が近距離アタッカーと中距離万能型の二機であり、此方の中距離用の方が彼方よりも足回りに関しては分が悪い。だからこそその足であるメイン推進器という本命をここまでして止めたと云うのに平然と対応してくるのだから笑えない。だと云うのに此方もサブとはいえ推進器にダメージを与えられ、そのせいで最高速度が出せず相手が振り払えないのだから状況としては相変わらず此方が劣勢なのである。

 

 頭の中で戦々恐々としながらも、左手に新たに装備したビームガンで追撃。がコレも不発。凡そ機体不調があるなど思えないほどの鮮やかなバレルロール回避と同時に相手のに腕を突き出しそこに搭載された腕部マシンガンが閃光を放つ。相対する機体は肩に装備されたバリア発生装置を起動し全弾防ぎきる、と同時に頭部バルカンを撃ち相手が発射した垂直ミサイルを叩き落とす。

 

 互いの技量の高さが伺える戦いをしながら移動する両者の差は変わらない。

 

 その後も散発的な撃ち合いを混ぜながら、繰り広げられる巨人同士の超速追い掛けっこはおよそ数分間も続いていたが、その戦いも終ぞ終わりが見えてきた。

 

ズガガガガガガチンッ!!!

 

 

「ここに来て遂に打ち止めっすか~、ヤバいっすね...」

 

 そう云って武装欄を確認すると、最初は使い切ることが出来るのか心配になるレベルであった武装の表示欄が、今やそのほとんどがEmpty(弾切れ)Break(破損・使用不可)の文字と共に赤色で表示されていた。

 

(ついでにエネルギー残量もピンチと...こりゃ詰みっスかね~)

 

 表示されるエネルギー生成安定値は元の30%程度しか残っておらず、このままではジリ貧であるのが数値として表記されていた。

 

(ん~...このまま泥沼試合を展開しても、持って5...イヤ4分ってところっすかね...打てる手数も考えると後26,7手で確実に落とされるな~...それならいっそアレ、やるっすかね...!)

 

 そうと決まれば迷うことは無い。残った二つの閃光弾とラスト一個のとある装備を装填し準備を始める。

 

(ん、何か仕掛けてくる...?)

 

キュイッ...!ドビャァッ!!!

 

 そう判断した瞬間に、一切の迷いなく一気に距離を詰める。調子を取り戻したメインブースターが瞬間加速時独特の音を奏でる。

 

「パイセンならそうくるっすよね!」

 

 そう云い、追いかけっこが始まってから初めて背中を向けて背部に装備していた幾つかの装備をパージし逃走を開始する。

 

「ん。逃がさない」

 

 そう云ってその背中に腰にマウントしていたショットガンを向け引き金を引くと、丁度パージされたミサイルポッドが盾になりその横っ腹にばら撒かれた散弾が直撃する。

 

 突如その残骸から白い煙が爆発的な勢いで辺りに無造作に散布される。 

 

バシュウウゥウッ!!

 

「!!!」

 

(誘爆じゃない...これは、煙幕?)

 

 その通り。此方もこの学園の生徒によって作られた一品で、その効果は折り紙付きである。なんとこの煙幕はただ視界を塞ぐだけではなく、ストライカーに装備された高性能レーダーや暗視装置・サーモグラフィを伊地知的とは言え無力化できるのである!が此方も前述のジャミング兵装と同じ欠陥武装である。その理由は一個当たりの製造費用の高さと、使い勝手の悪さが原因である。確かにストライカーの目と呼べるセンサー類を一時的とはいえ完璧に無力化はできるがそれはこちらも同様で、下手に至近距離で使おうものなら味方の位置すら分からなくなってしまう上、範囲はそこそこに広いが垂直に飛ばれれば数秒で突破されてしまうし、そもそもの有効効果時間が閉所でも20秒持てば良い方という短い効果時間とビミョーに扱いに困る装備であり、此方も長く倉庫の肥やしとなっていた道具であった。

 

 とはいえ、この装備も一般的なものではないためにある種の初見殺しの類が可能ではあるのだが、当の本人は酷く冷静であった。

 

(機器に異常が発生してる...ただの煙幕じゃない。ストライカーの目を完璧に潰せるのに一般的に流通してない...何かしらの欠点がある筈。正確な効果時間は分からないけど、私が打ち抜いて誘爆するまで多少のタイムラグがあった...余りサイズは大きくない?なら効果時間も相応に短いだろうけど、此処は距離を詰めるべきだから時間まで待つ選択肢は除外。そう云えばさっき飲み込まれる寸前に見た感じだと上の方に対して広がるのが左右に比べて遅かった気がする...上には余り広がらないのかな?なら...)

 

 そう即座に判断し、機体バランサーを元に機体の体勢を立て直し垂直に飛び上がる。この間、僅か0.5秒足らずの思考である。

 

 そのまま機体は真上に急上昇し1秒もかからず一面の白を突っ切った。と同時にその眼前に何かが投げ込まれる。それが何か判断した瞬間に機体の勢いはそのまま一瞬で機体を急速反転させる。

 

ガァアアアァンッ!!!

 

 その瞬間真後ろで起こるけたたましい破裂音と凄まじい閃光

 

「完璧なタイミングで撃ったんすけどね!」

 

 そう愚痴りながらその背中に向けて高出力ビーム2発放つ。一つはそのまま直撃コースに、もう一つは機体から僅かにずらして回避軌道の牽制に。

 

「ってぇ!マジっすか?!?!」

 

 直撃せずとも掠らせる自身は多少あったその射撃は、驚くべき起動によって完璧に避けられ驚きの声を上げる。

 

 

 

 一度此処で状況整理のためにも説明を軽く挟もう。

 

 相手が近接格闘機、此方が射撃寄り万能機であり、距離も離れているのに何故背後をとったり視界を塞いだりと回りくどい戦いをするのか?それは()()()()()()と呼ばれる機能が原因である。

 

 弾道予測線とは?と思った方々に簡単に説明すると、相手の機体情報・相手パイロット動きから算出される練度・相手の銃口・使用武装と凡その使用弾頭etc...こういった情報を元に飛んでくる弾丸の位置と危険度をストライカーに搭載されたCPによって算出しそれを色が付いた線として可視化したモノである。

 その精度は非常に高く、昨今言われる『素人がいきなり乗っても戦えるのが最近のストライカーの一番いい処』などと古参のパイロット達に揶揄されるのは、この弾道予測線と照準アシスト、簡易脳波コントロールに補助用オートパイロットAIの高性能化が理由である。事実、余程の才能が無ければ下手に自分の感覚で銃を撃つよりも、AI補助と標準アシストに任せて撃った方が理論上では遥かによく当たるのだ。

 そんな一見すると万能に思われる弾道予測線ではあるが、弱点や欠点も幾つか存在している。その一つが弾道予測線はメインカメラが対象に向いていないと表示され無いというモノである。

 

 今回狙ったのはソレで、第一プランが閃光弾により視界を奪い動きが止まったところをありったけの火力で叩き潰す。とは言えそんなラッキーは起こらないと確信していたので本命は第二プランで、閃光弾が不発に終わった際にその隙をついて背後に回り高火力・高弾速のビーム砲によって機動力を潰して後は引き撃ち。失敗した際の第三プランは全力で逃げるという緻密なのか適当なのか判断に迷う作戦であったが、通常の人間相手であれば充分有効処かそのまま撃墜も容易に狙える手段である。が、問題は相手が普通ではないという事。

 

(だからって背後を全く確認せずに避けれますかねぇ?!?!)

 

 ビームを撃った後に相手が行った行動は常識離れ甚だしいモノであった。

 

 此方が背中のメインブースターに目掛けて行った一射目を撃った瞬間に機体の脚部スラスターを全開にし、機体が仰向けの形になるようにして回避と同時に二射目のビームを破損判定により真面に動かないようになっていた右手を射線に被せてダメージを最小限に留める。と同時に此方を仰向けのまま向き、左手に持ったショットガンを一射、此方が回避したところに重ねて腕部マシンガンを斉射という動作を一瞬でやってのけたのだ。

 

「サーカスの曲芸じゃないんすよ!?!」

 

 コックピットに響くヒットアラートと、直撃した弾丸の音と射撃の中で余りの理不尽な強さにそう悪態をつく。

 

 今の射撃でビーム砲が潰され、残った武装は残弾僅かな短機関銃(サブマシンガン)と、|腕部内蔵型ビームブレイド発生装置《目の前の相手に対してお守りになればいいモノ》に心許ないエネルギー残量を示す低出力ビーム砲に頭部バルカンと閃光グレネード一個という手詰まり具合であった。

 

 最早打つ手無しとも云うべき状況の中で、しかしヘルメットの奥で彼女はその顔に汗を滲ませながらも不敵な笑みを浮かべる。

 

(憧れの先達曰く、キツイ時や苦しい時こそ笑って最後まで足掻けって事らしいんで...)

 

「最後の悪あがき、始めますか!」

 

 そう自分に言い聞かせるように叫んでからフットペダルを最大まで踏み込み全速力で突っ込む。予想外の行動だったのか驚いたような雰囲気が相手から感じられたのがその動きは一切の迷いなく迎撃の体勢を取っていた。

 

「シャァアアアアアッ!!!」

 

 気合一閃、弾丸のような速度で突っ込みながら右手の短銃を乱射しながら左腕部の装置を起動し青い光の刀身を形成、それを突き出しながら突っ込む。

 

「ん。びっくりした」

 

 そう云いながら短銃から吐き出された弾丸を全て左手に持った実体剣で叩き落しながらそうポツリと漏らす。弾丸とほぼ同時に突っ込んできた青い刀身を腰にマウントされた赤いビームソードを抜き放ちながら受け止める。

 

 

バシュギイィイインッ!!!

 

 

「本当に、ホンット―に嫌ですけど、こっからは先輩の距離で戦うっスよ...!」

「ん、ありがとう。お陰でもう少しお互いに楽しめそうだね」

「そりゃあ良かったすね!アタシは一杯一杯ですけどね!」

「そうなんだ?」

「そうなんすよッ!」

 

 互いの形成したビームソードの刀身がぶつかり合い、異なるビームフィールドを形成する粒子同士が接触した際に発生する独特な音を奏でながら鍔迫り合いをしながらそう言い合う。一人は興奮したように、もう一人は僅かに喜色を滲ませながらも静かに。

 

「ハァッ!」

 

 その声を皮切りに鍔迫り合いを機体をバックさせる事で抜け出し距離を取りながら短銃を乱射、それに合わせて弾丸のように突っ込んでくる青い線を描く灰色の影。

 

 人口の青空が投影された空中に、互いの機体が描く青と黄色の線を描きながら空中で何度も交差する。黄色は幾千もの緑の細いビームを放ち、青はそれら全てを避けながら何度も黄色に衝突しその度に閃光が迸り異音が鳴り響く。

 

 何度目かの衝突、重なる青と赤の光(互いのビームソード)

 

「楽しかったけど、そろそろ時間だし終わらせよっか」

 

 なんてことないように言った彼女の動きが更に早く、正確に、苛烈さを増す。

 

「ハイそうですかと言う訳にはいかないんすよねッ!」

 

 そう云って回避軌道を行っていたブースターを全開にして、先程とは真逆に前方に突っ込みながら両手に持った短銃とビームガンを乱射する。

 

「さっきも見たよ」

 

 そう云って実体剣を展開し、左手を叩き切る。爆発するビームガンと、大破判定を受け操作無効になる左手。

 

「わかって....ますよ!」

「!」

 

 今までの考え抜かれた動きと違う、速度そのままに敵の機体に突撃する。衝撃で舞い散る火花と金属が奏でる不協和音。そのまま数十メートルの距離をぶつかったまま移動する二機は、丁度レイたち一年がいる目前まで移動していた。

 

「ビックルした...けどそれだけ」

 

 そう云ってその背中にサーベルを突き立てようとした瞬間

 

「えぇ、これだけならね」

 

 

 キンッ....

 

ガアァアアァアアアンッ!!!!

 

「?!」

 

 視界全てが爆音とともに真っ白に塗りつぶされる。

 

「故人曰く、最後の最後まで取っておくから切り札なんすよねッ!!」

 

 そう云って最後まで温存していた閃光弾を避けようのない距離で浴びせ叫ぶ。

 

 そのまま組み合っていた機体を素早く離し半回転するように機体のスラスターを不可視一瞬で背後に回り込む。

 

 狙うは一点!コックピットがある胴体上部!!

 

 「これでぇ!ラストォッ!!!」

 

 そのまま背中に向かって吸い込まれるように青い光が機体に迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、悪くなかったよ」

 

 

 

ヴィン...

 

ヴァシュウゥウン...

 

 

「は...」

 

 

 突如眼前に表示されるジェネレータ大破の文字と、大音量のアラート。

 

 油の差されていないブリキのようにゆっくり下を向けば、そこには()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が、モニターが死ぬ前に僅かに見えた。

 

「ははは....マジっすか....」

 

 電源が落ちたくらいコクピットの中、アタシはもう乾いた笑いしか出なかった。彼女は閃光弾をあの距離で喰らったと云うのに、全く焦ることなく此方の行動を完全に読み切って寸分の狂いもなく致死のカウンターを叩きこんできたのだ。全く持ってどうかしている。

 

「マジで勘弁っす...」

 

 そう一人ごちっていると、動力部を焼き切られ後は死を待つのみとなったアタシの機体に、接触回線による一方的な音声が流れ込まされてきた。

 

「今回は結構楽しかったよ。今度は自分の機体を使った全力でやりたいな」

 

 そう楽しげに言う彼女の言葉に、相手に届かないと分かっていながらも一人答える。

 

「そうっスねー、アタシとしては.....」

 

 

 

 

 

 

 

 

「パイセンと戦うのは、二・度・と!御免被るっスね!」

 

 

 そうニッコリ笑いながら叫んだ。

 

 


 

 

 目の前で10分以上の激戦を繰り広げた二機の争いは、ジェネレータを破壊された黒い機体に灰色の機体がビームソードをコックピットの位置にゆっくりと突き刺すという、なんともあっけない終わりを迎えた。

 

「ふむ、僕が予想していた当初の予定より、道具ありとは言え粘れていたな...努力している良い証拠だな。今後が楽しみだ」

 

 そう静かに紅羽教員が一人呟き振り返る。

 

 其処に居た生徒の様子は、この部屋に入ってきた時の様な興奮など最初の数分で綺麗サッパリ無くなっており、中には余りの迫力や恐怖に泣きだしている者も少なからず見受けられた。

 

(まぁ今の今まで画面上の映像でしか知らない子供に、それも兵器としてではなく昨今の美化された姿が根付いている世代なのだからこうもなるか....だが)

 

 見どころがあるモノも居る様だ。そう思いその幾人かを見やる。

 

 一人は多少気圧されながらも平静を保ったまま間近の巨体を見続ける金髪の小柄な少女。一人は唖然茫然としながらも震える身体を抑えながら目をそらさなかった少し茶色が混じった金髪色の髪の少年。そして...

 

「これが、私の憧れた人たちの姿...」

 

 皆が戦いの激しさに恐怖し気圧されその場から動けなかったり後ろに下がる中、唯一眼前の壁に近づいた()()の少年少女の内、己と同じ赤い髪をした少女が呟く。

 

(響、お前はきっとそういう反応を示すかもとは思っていたよ、だが彼は....)

 

 自身は彼女の兄だからこそ、彼女の強さも弱さも知っているつもりだ。だからこそ彼女がこの光景を見ても恐れるどころか、むしろ憧れの姿に近づく原動力にすらしてしまうだろうと何処かで直感していた。だからこそ驚きは無かった、彼女に対しては。

 

(だが、君はなんだ?何故...何故そんな目であの戦いを、ストライカーを見られる?何故、泣いているんだ?)

 

 響から少し離れた位置で、何も言わず身動きも一切せず。唯々何処までも静かに見上げるその姿とは正反対に、少年の瞳に映る感情は複雑怪奇で大荒れの大海のように渦を巻いて荒れ狂っていた。本人すらも理解できぬその感情の濁流は、涙という形になって静かに溢れるのだった。

 

 各々に現実を直視させた激闘は終わりを告げたが、それぞれの思いや感情が渦巻く結果となった戦いの余韻は、アイラ教員の声が上がるまで静かに続いたのだった。

 

 




やっっっと書けたよー!!嬉しいぃ!!!!情景想像しながら妄想を書き散らすの気持ちえええぇ!




すまない、喜びの余り少々取り乱した。


 作者人生初の本格的な戦闘シーン描写でしたが如何でしたかね?作者としては本人達の心情とか行動とかスピード感とかうまく伝わってれば良いな~って思って書きました まる

 主人公たち主要キャラの戦闘シーンを期待した方には謝罪を...でもね?冷静に考えてサイズが20メートル超えてる重機なんかよりも遥かに巨大な乗り物とか、それが兵器じゃなくても素人をイキナリ乗せるとかしないと思うんすよ...なので当分の間は戦闘描写書けません....空しい、すべては空しい....

 ただまぁ、直接本物に乗れなくてもシュミレーターなりなんなりで疑似戦闘は出来るんでそれで勘弁してください...なるべく自分も間延びしないように頑張りますので...見捨てないで....!


 一応予定では次回から1,2回は日常編になる予定です。
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