「仮面の魔人……!やはり、私
グラッジに姿を変えたアークを見るや否、異形の姿と化した翡翠髪の女は激しい憎悪を向け、その姿は正に悪意に支配された獣と呼ぶのが相応しい
「何を言っているかは理解出来ないが……その悪意には興味がある……」
「御託はいらないわ……。一瞬で片を付ける……!」
隙だらけの無防備な構え、殺される事を望む様に格好の的であり、翡翠髪の女は走り出す。殴打と蹴打の連撃を叩き込み、優位に立つ彼女、一方でアークは紙一重で見極めているかの如く、全ての連撃を躱す
「くっ…!早いっ!」
「早い訳じゃない……戦闘パターンから動きを予測し、適切な回避行動を計算しているだけだ」
「計算……予測…?」
「俺はお前が言う魔人よりも特殊な種族らしくてな……
疑問符を浮かべる彼女に答えを返す様に、彼は自分の頭を指差す。彼の頭脳は前世の頃でも他者とは異なる天才的な知識量を有していた、然しながら、
「私の動きが単調…そんな筈はない……私は!」
「ベルトを手に入れ、誰にも負けない力を得た……とでも言いたいか?」
「なっ…!」
口にしようとした事までも先回りする様に言い放たれ、彼女は遂に動きを止める。悪意は恐怖に変わる。目の前の魔人は得体が知れず、全てを見透かすかの如く、次に何をすれば、動けば、頭の中で答えを探すが瞬間的な解答が降りてこず、思考が壊れていく様に感じた
「答えは出なかったらしいな………滅亡の時だ…滅びろ。ライダーパンチ…!」
刹那、彼女の腰回りに拳が命中し、粉砕されたベルトが砕け散る。解き放たれた悪意から解放された彼女は崩れる様に倒れるも、変身を解いたアークが抱き止めた
「お前の悪意は俺が引き受ける………俺と来い」
悪意を向けていたにも関わらず、突然の勧誘に彼女は彼を見る。魔人と呼ぶには幼く、魔物と呼ぶには人間に酷似した見た目、彼を見ていると引き寄せられるかの様に彼女は目が離せなくなる
「…………さっさと起きろ」
「きゃん!怪我した配下を足蹴にするとは……鬼ですか……!?」
彼女を抱き抱えたまま、雑巾の様に転がっていたナキを蹴り上げる姿は先程まで、配下の悪意を力に変え、戦っていた存在と同一人物とは思えない。抗議するナキを引き摺りながら、封印の洞窟付近に創り上げた研究所に向かう
「此処は………」
「俺の研究所兼診療所とでも言っておく……」
「アーク様!何か御座いましたか?ナキが甚大なダメージを受けているようですが……」
初めて見る場所に困惑気味の彼女に説明していると、中にいたホロビが主人の帰還に気付き、姿を見せる
「俺が蹴り飛ばした」
「私が殴った」
「なるほど。蹴り飛ばして、殴り飛ばし…………誰だ?」
半壊しているナキを前に自白するアーク、女に一度は納得仕掛けたホロビであったが見覚えのない彼女に首を傾げる
「拾った」
「人を拾うのは駄目です。元の場所に返してきてください」
「無理な相談だな……既に此奴の悪意は俺が引き受けた」
「はぁ……貴方の物好きには困ったものです………然し、
「らしいな……で?お前は何故、俺を襲った。訳を聞かせてもらおうか」
引き摺っていたナキをホロビに投げ渡し、目の前の彼女にアークは襲撃の経緯についての事情を話す様に促す
「オークに我が里は蹂躙され、数多くの同胞が命を落とした……武装した豚共数千の襲撃の犠牲者は実に300人……私は里外に出ていたから…なんとか巻き込まれなかった……でも……姉と妹は無惨な姿で………そんな時よ………フードを目深に被った仮面の魔人が現れたのは………其奴は私にあのベルトとメダルを渡して、こう言ったの……悪意を力に変えろと…。そこから先はアナタが知る様にアナタを見つけて、襲った」
「アーク様。今の話ですが、以前にドワーフの国での大臣が力を手に入れた経緯と酷似しています……もしや、同じ者が関わっているのでは?」
彼女の話を聞き、思案中のアークに声を掛けたのはナキの体を修復中のホロビ。彼の話はベスターの時と、彼女の話、両方に共通する点があるというものだ
「その見解は正しいだろうな…それで、里に来た仮面の魔人についての心当たりはあるか?」
「その人物については知らないわ。其れよりも前に名付けをしてやるとか言ってた魔人は覚えてるけど」
「…………もしや、其奴は
アークの問いに肩を竦めながらも、里に来たもう一人の魔人が居たと説明すれば、反応を示したのはホロビだった。彼の瞳には殺意にも似た悪意が見て取れる
「そうよ。良くわかったわね」
「ホロビ。其奴を知っているのか?」
「ええ。アーク様に蘇らせていただくよりも前に、〝リグル〟の名を与えてきた魔人です。魔王の配下を名乗っていましたが、今となってはアーク様の足元に及ばない小物であったと記憶しています」
「そうか………それで?お前はこれから、どうするかを決めているのか?」
ホロビの話を聞いた後、アークは彼女に向き直り、真意を問う。何かを考え、短いながらも長く感じられる時間が流れる。やがて、暫くすると彼女は目の前に佇む少年を視界に捉えた
「アナタの力を貸して欲しい。願わくば、この行き場のない悪意を忠誠に変え、配下の末席に加えていただければと…」
「ククッ………クハハハハ!」
予想はしていた。然し、かつてのナキと同じ言葉が出るとは思わず、吹き出していた。明確ながらも確かに感じる悪意は彼女の中にある意志そのもので、彼がこの世で一番に好む感性である事は言わずもがなだ。故に彼は、その手を差し出す
「お前に名を与える。髪色からいけば翡翠と名付けたいが……お前の瞳は左右で色が違うらしいな」
「…………生まれつきよ…右眼は小豆色で左眼が髪色と同じ……」
「そうか……なら、お前は〝
「私が嫌ってきた右眼を由来にされるなんて……興味が湧きました…この命が尽き果てる時まで……我が命はアーク様の意志の下に…」
名付けた瞬間、魔素が消費されていくのを感じ取りながらも、首を左右に動かすと黒い羽織を風に棚引かせ、研究所の外に出た彼は空を仰ぎ見る
「さて………彼奴はどうしているだろうな」
アズを配下に加え、リムルの元を訪れたアークたちはアズの同胞に出会うが………
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