転生科学者は悪意を貫く。   作:田中滅

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今回の見所!揺れ動くナキの感情に御注目!以上!


第十六話 諜報からの嫉妬

「……………随分と騒がしいが何の騒ぎだ」

 

夜が明ける頃、配下を引き連れたアークが村に姿をを見せた。何時にも増し、活気溢れる声に気付き、リムルのテントに向かう

 

「シオン、そろそろ交代の時間です」

 

「いいえ、シュナ様。リムル様のお世話は私がします!」

 

「シオンったら……もうっ……」

 

「えっと………どちら様で?」

 

目を覚ましたリムルが視界を巡らせれば、見覚えがあるようで、無いような女性達が視界に入り、彼女達に誰かと問いを投げかけながらも首を傾げる

 

「お目覚めになられたか。リムル様」

 

「やはりな……色欲に塗れたわらびもちが…」

 

声を掛けられ、再び視界を巡らせれば、赤い髪の男性と二体の魔人と一体の機械仕掛けの獣を引き連れた相棒の姿が視界に入る

 

「誰がわらびもちだゴラァ!ポンコツ!というか、どうなってるんだ!?お前の隣にいる奴って、オーガの若様だよな?」

 

「らしいな」

 

「今は鬼人となり、頂戴した名〝ベニマル〟を名乗っています」

 

「考えも無しに名付けしたらしいな……結果的に戦力の増強は繋がったかもしれないが、毎回の様に《低位活動状態(スリープモード)》になられると士気にも関わる。少しは自重を覚えろ、変態わらびもち」

 

「でもね?アーク様。名を賜るというのは、前にも言ったけど、嬉しい事よ?」

 

相棒の体たらくに呆れ果てるアークの背後から、彼を抱き締めたアズは名を与えられる喜びを口にしながら、程良い感触の胸を背中越しに当てる

 

「……離れろ」

 

「あら?照れてる?アーク様」

 

「はんっ……鼻の下を伸ばしてやがりますよ。これだからポンコツは」

 

「ナキ。まさかだが嫉妬しているのか?」

 

抱き付くアズを引き剥がすアークに白けた視線を送るナキの姿に彼女が嫉妬をしているのでは?と思い、ホロビは透かした笑みを浮かべる

 

「嫉妬?何故、私が嫉妬をするんですか?あのアンポンタンが何をしようが知った事ではありません」

 

ぷいっ、と顔を明後日の方角に向けるナキ。彼女の中にあるアークに対する忠誠心が悪意とは異なる別物に変わり始めている事は明白なのだが彼女自体に自覚が無いために真相は謎である

 

「鬼人に進化したらしいが戦力比はどうなっている?ホロビ」

 

「本来、鬼人とはオーガの中に生まれる上位個体の中でも稀にしか到達しないとされる種族です。此度のリムル様の名付けにより、誕生したのは六人、戦力比は以前を遥かに凌ぐ事は言うまでもないかと思われます」

 

「それに、新たな種である機械鬼(アークオーガ)の私も居るのよ?並大抵の勢力なら、簡単に手出し出来ない筈よ」

 

「何でも良いですけど、いい加減に離れやがってもらえます?そのポンコツから」

 

「なに?ナキ。もしかして、私がアーク様に引っ付いてるのに不満があるの?」

 

「不満なんかありません。寝首を掻く時に邪魔になると思っただけです」

 

火花を散らし、睨み合う一匹と一人のマギア。見掛けに差異はあるにせよ、双方が機械と魔物の特徴を併せ持った新種である事と忠誠を誓う主人が一人である事にも変わりはない。互いに抱く想いは異なれど、アークの存在は唯一にして絶対である

 

「アーク様〜。偵察に行ってきたよ〜」

 

突如、姿を見せ、間延びした口調でアークに呼び掛けたのは一体の機械仕掛けの鳥。見覚えのない魔物に滅亡迅雷.net以外の面々は首を傾げる

 

「〝(ジン)〟か……オークの偵察の報告を聞かせろ」

 

「任せて〜」

 

(ジン)〟、そう呼ばれた機械仕掛けの鳥はホロビの頭を止まり木代わりにする様に翼を休めると口を開く

 

「オーク側の戦力は少なく見ても約20万ほどの軍勢に其れを束ねる豚頭帝(オークロード)の存在も確認出来たよ」

 

「リザードマン側は?」

 

「其方はなんかね、アホそうな名持ちが仕切ってた」

 

「名持ちでも知性が高くなるとは限らないのか………」

 

「そうね。アーク様やリムル様みたいに高い魔素量を誇る魔物に名付けをされた者なら、知性も高くはなると思うけど、対象的に低級の魔素量だった場合は進化することもなければ、知性の向上も望めないわ」

 

ジンの情報にリムルが今までの進化においての知性向上を組み込んだ情報整理をしていれば、アズが結論を補足する

 

「リザードマンは周辺のゴブリン村で交渉するみたい。此処にも来ると思うよ」

 

「ジンの言う通りです。リザードマンの一行は森内におけるゴブリン集落で、戦力増強を考えている様です」

 

此方に来る新たな勢力の情報をジンと隠密の任を任された鬼人のソウエイが報告する。リザードマンは湿地帯を拠点とする種族、森の中にある集落を目指す事は滅多に有り得ない。然し、現実にジンとソウエイは確かに見た、リザードマンが群れを成し、目指す姿を目撃したのだ

 

「リムル様ー、お昼の御用意が整いました。私も手伝ったんですよ?一緒に行きましょう」

 

「おっ?そうなのか。じゃあ、お言葉に甘えて……アークはどうする?」

 

「この体には睡眠と飲食は必要ない……」

 

(ん〜……何とかならないのか?《大賢者》)

 

『告。個体名アーク=プロフェッサーに対する情報量が不足している為に明確な解答は不可能です』

 

(その内に何とかしてやりたいなぁ……イヤでも…一応は科学者なんだよな?割と自力で解決したりして……)

 

秘書の役割を与えられた鬼人のシオンに抱き抱えられながらも、相棒と盃を酌み交わす未来を模索するリムルの後ろ姿を若君のベニマルと指南役のハクロウは静かに見送る

 

「……………シオンだったか?彼奴は料理が得意なのか?アズ」

 

「………………良い天気ね」

 

「露骨に目を逸らしましたよ」

 

「きっと訳アリなんだろう。聞いてやるな」

 

「訳アリなのかー」

 

アークからの問いに答える代わりに空を見上げるアズの姿にナキはジト目を向け、ホロビは詮索するなと彼女を咎め、ジンは呑気に笑う

 

「………リム公が死んだ時はマギアに作り替えようと思う。ベニマルも覚悟はしておけよ」

 

「アズの言動から全てを察するとは……アーク様の慧眼には恐れ入りますね」

 

「年の功だ」

 

遠くを見つめ、呟く哀愁漂う後ろ姿に誰もが疑問を抱いた。身形だけ見れば、明らかにこの場にいる誰よりも歳を重ねていない様に見えるが、漂うのは晩年の中年期の男性の雰囲気。その姿に誰もが思う

 

((この人はどんな道を歩んできたんだ……?))




リザードマン一行の登場にリムルたちが対峙する中、滅亡迅雷.netも彼等の力に目を付ける……

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