アーク「読者である人類共よ、昨年は我々滅亡迅雷net.の活躍を中途半端に見せたが今年は我々の時代だと宣言する!心して、読め!!」
「アークさん。私に話があるって、ナキさんに聞いたんだけど……」
郊外の研究所。シズはこの街に暮らし始めてから、数ヶ月程が経過しているが此処に足を運ぶのは今回が初である。その理由は研究所の管理者足るアーク=プロフェッサーの極度の人嫌いが原因なのだが、今回の呼び出しがアーク本人からと聞き、シズは彼と交友を結ぶ機会だと内心で思っていた
「前に
研究所の中で、試験管片手に振り返らずに死に掛けていた自分に投げ掛けてきた問い。かつて、問われた際に心からの叫びを、想いを口にした。その意志は、人をやめた今でも変わらない
「
「人間に感謝される日が来るとな……。だが、お前を俺の配下に加えるつもりはない」
「どうして…?」
生きる力を授けてくれたアークに対し、シズは自らの意思で彼に忠誠を誓うと申し出るが、返ってきたのは予想もしていなかった答えだった。期待していたのとは異なる答えにシズは首を傾げた
「俺が忠誠として受け取るのは悪意を持つ者だけだ。お前とリム公は光、我が滅亡迅雷.netは闇を生きる悪意の集まり……お前が思っている様な道を歩む事は許されない…。仕えるなら、リム公に…
「分かった。ごめんね?無理なことを言って………其れで、話を戻すけど…私に話ってなにかな?もしかして、今の話と関係があるの?」
彼の歩む世界は自分とは違うのだと、理解したシズは其れ以上の深掘りはせずに最初の話題に切り替え、軌道修正を図る
「あるとは断言出来ないが…お前に渡すべき物がある。〝
話が戻った事を理解すると、アークは机に置かれていた〝
「これは……アークさんが使ってる……」
「厳密には違う。そのベルトは人類とマギアを繋ぐ二つの可能性を併せ持つ新たな力を宿した試作品だ。お前が、この国の……リムル=テンペストの力になると誓うなら、お前に其奴を託す。さて、もう一度だけ聞いておく……シズエ=イザワ、お前に覚悟はあるか?そして……
三度目の問い。其れは彼がシズを見定める最後の審判を意味していた。仏の顔も三度、この問いに於ける完璧な答えを返せなければ、彼の中での自分は生き永らえただけの人形という位置付けに固定されることは明白だ。其れでも、シズには譲れない理由があった
『俺はさ、アークが光の下で心の底から喜びを感じて、顔がくしゃっとなる日を見たいんだ』
彼が相棒と呼び、シズが出会った大切な人が投げ掛けた心からの言葉。其れを、聞いた時、彼女は優して、暖かくて、想いを形にした様な言葉を実現する為の力になりたいと思った。言わば、この問いが運命を左右する分岐点なのだと彼女は察していた
(あの〜、アークさん?ちょっとだけ力を貸してもらえたりとかはします…?)
(なんだ、リム公。俺は取り込み中なんだが?厄介事の対処も勾ならないのか?わらびもち)
突如、頭の中に響き渡る声。違和感を感じる状況ではあるが、声の主がリムルである事を理解していれば、何も可笑しくはない
(誰がわらびもちだゴラァ!ポンコツ!)
「……………空耳だな」
下手に出ていたのも束の間、一瞬で切り替わる態度に、シズからの答えを待つ為に聞こえた声を空耳と断定する
「どうしたの?アークさん」
「リム公が厄介事を招いたらしい……今の問いに対する答えは後回しだ。ナキ!さっさと準備をしろ!」
「ふわぁ〜………なんですか?朝から、吠えたりして……あれですか?死ぬ間際の悪あがきですか?なら、今すぐにくたばりやがってください。なんでしたら、介錯をしてあげても構いませんよ」
名を呼ばれ、何時もの減らず口で姿を見せたナキ。彼女の中で何かが変わり始めているのは確かだが、挨拶とも呼べる此れだけはやめるつもりがないようだ
「黙っていろ、ポンコツ。貴様如きに介錯をされるなら、自分で死んだ方がマシだ。今直ぐに変形しろ。異論は認めん」
「うぅ……いつか…寝首を掻いてやる……」
苦手とする変形を強要され、断らずに従うがその瞳は恨めしそうにアークに注がれており、聞き取れない声量で悪態を吐き捨てる
「アーク!来てくれたのか!其れにシズさんも………なんか珍しい組み合わせだな」
普段は滅多に見ない組み合わせに、リムルは目を丸くする。当の本人は相変わらずの透かした態度であるがシズは違った
「アークさんに呼ばれて、お話してたの。その時に丁度、スライムさん……ううん、
「いやいや!シズさんがいれば、百人力だよ!アークなんかオマケだよ!オマケ〜!なんつってなぁ〜!」
「俺は帰った方が良いらしいな。さっさと起きろ」
「きゃん!体力を消耗した配下を足蹴にするとは……悪魔ですか……!?」
急いで駆け付けたにも関わらず、シズとの扱いの差に怒りを覚えたアークは身を翻し、雑巾の様に転がるナキを蹴り上げた
「すんません!調子に乗りました!助けてください!アークさん!」
「最初から、そう言え。其れで?緊急案件はなんだ?」
「アレを見てくれるか?リザードマンの使者らしいんだが……」
素直に謝罪したリムルを受け入れ、呼び出した理由を問うと彼は前方に視線を向けた。釣られる形で、視線を辿ると初めて見る魔物が佇んでいた
「我輩は、蜥蜴人族のガビルである。お前らも配下に加えてやろう。光栄に思うが良い!」
「よっ!ガビル様!」
「最高!」
「かっこいい!」
「いかしてる!」
「はぁ?」
ガビルと名乗ったリザードマンの発言に、誰もが素っ頓狂な声を挙げるが、彼だけは違った反応を見せた
「失せろ」
「アーク様なんかくたばれ」
「お前は
上からのガビルの態度が癪に触ったアークは迷いなく、失せろと発言する。其れは今直ぐに視界から消えろという意味、同時に背後から自分に暴言を吐き捨てる飼い犬の声を聞き逃さずに、振り返る事なく、怒気を向ける
「アーク様。願わくば、このホロビに御命令を……我が主人に対する暴言は聞き捨てなりません。ナキの方はあとでキツく叱り付けておきます」
「愛しきアーク様を下に見られて、黙っている私じゃないわ。どうか、この場は私に任せてもらえないかしら?」
「僕は偵察だから遠慮したいなぁ〜。でも、アーク様をバカにされた事には怒ってるよ〜!」
「殺気立つな。お前たちは滅亡迅雷.net、闇の住人……表の件に口はおろか手を出す事は許されない。そう……
主人への無礼極まりない態度に殺気立つホロビ、アズ、ジンの三体。ナキは我関せずを貫いてはいるが、アークを守る様に彼の前から動こうしない。すると、彼等を咎めたアークの視線がシズに向いた
(アークさんが私を見てる………そうか、答えを見せてみろって言いたいんだね……分かった。私は変わる……この人を捨てた体で……リムルさんの願いを、想いを叶える為に……)私は!戦う!!!」
「ジン……お前の悪意を力に変える時だ!今こそ、見せろ!」
「全てはアーク様の意志のままに…」
覚悟を決めたシズは両目を見開き、懐からベルトを取り出した。その瞬間、何かを感じたアークが叫び、ジンが一直線にシズの元に飛来する
《フラムドライバー………!》
その声が響き渡ると共にシズの体を赤く、気高く、紅蓮の焔とも呼べる赤いオーラが包み込む
「変身!!」
力一杯に言葉を放つと同時に、飛来したジンを掴み、取り出した一枚の赤いメダルを装填するとドライバーに合体させる
《フラムライズ!燃えろ!燃え上がれ!その身を焦がせ!!バーニングアップ!!》
全身を覆う白い装甲、各所に炎のデザインが目立ち、背にある赤い外套は彼女の力の根源を彷彿とさせる。そして、何よりも顔を覆う仮面は彼女が大事にしてきた仮面と酷似していた
「ゔぇぇぇぇ!?シズさんが仮面ライダーに!?それにジンが変身ベルト!?どうなってるんだぁぁぁぁ!?」
「私の字は………仮面ライダーイフリート!私の恩人
仮面ライダーイフリート、この世界に誕生した二人目の仮面の戦士。世間では、この様な存在を二号ライダー、セカンドライダーと呼ぶ。何よりもリムルが驚いたのは、彼女が名乗った字だ
「イフリート……シズさんはどうして……自分を苦しめた精霊の名前を…」
「ククッ………クハハハハ!やはり、お前には素質があったらしいな。忌むべき名を継ぎ、字とする心意気や良し……認めよう、シズエ・イザワ……否!
彼女には存在しないと思っていた悪意。然し、其れは違った。彼女にも悪意は存在した、忌むべき者の名を継ぎ、憎悪の炎を燃やす戦士、仮面ライダーイフリートとなった彼女の悪意を感じ取り、アークは愉快そうに笑ったのだ
「ほう……如何なる手段かは分からぬが、姿を変えた程度で、我輩に勝てると?浅はかであるな…早急に、牙狼族を飼い慣らした者達に御目通り願いたい!」
「ナキ。ランガを呼んでくれるか?」
「え〜………リムル様の命令に従う義務なんかないんですけど……従わないとダメな感じですよね……これは…」
「さっさとしろ」
「はいはい……分かりましたー……ランガー」
「お呼びで?姉上」
最初こそは渋っていたナキであったが、アークからの命に従わない訳にはいかず、無機質な声でランガを呼び付ける。その時に彼女が姉上と呼ばれたが、別に彼女がランガと姉弟という訳ではない。いわゆる、幼馴染であるが故の呼称だ
「……貴殿が、牙狼族の族長殿か?美しい毛並み。鋭い眼光。流石、威風堂々たる佇まい。しかし………主がスライムと人間とは、些か拍子抜けであるな」
「ああん?」
「人間ではないが………天才科学者である俺を下に見るとはな……力の差を見せつけてやる必要があると見た。シズ、此奴を消し炭にしろ」
「仰せのままに……」
アークからの命に従い、シズは最初の戦場を前に真っ直ぐとガビルを見据えた
「どうやら、貴殿等は騙されておるようだ。よかろう。この我輩が、貴殿等を操る不埒者を、倒して見せようではないか!」
「アナタがこの先を通る事は勾ならない。何故なら、私が消し炭にするからね……我が悪意の前に沈め」
「よし!ゴブタ!お前も行ってこい!」
「えっ?なんで、オイラ?もしかして!オイラにも変身ベルトが!?」
リムルが呼び掛けたのは、ゴブタ。まさかの展開に自分も変身出来るのか?と期待を抱いたが、その願いは僅か一瞬で打ち砕かれた
「ある訳ないだろ。変態ゴブリン」
「身の程を弁えろ。緑まんじゅう」
「身内からの罵倒っ!?」
返ってきたのは罵倒。然し、主人からの命に従わない選択肢は彼には無い。シズと共に、ガビルの前に立つ
「何人でも構いませんぞ。恥は掻きたくないでしょうからな」
「シズ。恥を掻くのは何方かを教えてやれ」
「了解」
「ゴブタ!勝ったら、黒衛兵に頼んで、お前専用の武器を作ってやるよ!」
「仕方ないっすね〜、そこまで言われたらやる気出ちゃうっすよ」
其々の主人からの激励に二人の雰囲気が変わる。シズの周りが、めらめらとした空気に包まれる
「ふっ……偉大なるドラゴンの末裔である我等、リザードマンが、ホブゴブリンや人間風情に………」
「無駄口を叩いてると舌を噛むよ。ふっ…!」
「ぐおっ…!な、なんなのだっ!このパワーはっ!?」
「余所見は禁物っすよー」
二人の実力を侮り、余裕のある態度を見せるガビルであったが力強いシズの拳を叩き込まれ、堪えるだけで精一杯にも関わらず、その隙を見逃さなかったゴブタが背後に回り込み、短剣を首筋に振り下ろす
「小癪なっ!!」
「止めだよ!燃え尽きろ……!ライダーキック…!」
負け時と反撃に転ずるガビルであったが、逸早くに反応したシズが空高くに飛び上がり、炎を帯びた灼熱の蹴りが叩き込まれる
「ガビーンっ!?」
間抜けの叫びと共に、遂にガビルは物理的な意味で落ちた。圧倒的な力の差を前にリザードマンたちは戦慄する
「成敗完了。ありがとう、ジン」
「僕もシズの力になれて、嬉しかったよ〜」
「アーク………俺も変身したい。あのベルト作ってくれよ」
「悪意の無いヤツにはやらん。お前は一生わらびもちでいろ」
「んだとゴラァ!!ポンコツ!頭の回線千切るぞっ!!」
相棒からのベルトが欲しいという願いを即座に断り、罵倒を放つアーク。其れに反応したリムルは怒りを見せるが、見た目が美少女である故に恐ろしさは皆無だ
「戯れ合うのはこのくらいにして、会議を始めるべきだ。奴等は今後の国交に於ける最大の壁となる……違うか?盟主」
「ああ…そうだな。始めよう…俺たちの会議を」
オークの大軍を前に、アークが次に望む悪意の形とは……果たして…
アークさんのヤバさに惚れたら、お気に入り登録お願いしまーす。コラボとかも気軽にメッセージ飛ばしてくれたら、反応しまーす
ヒロインは誰がいい?
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ナキ
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アズ
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ヴィオラ(ウルティマ)
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ジョーヌ(カレラ)
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ブラン(テスタロッサ)
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ラミリス