転生科学者は悪意を貫く。   作:田中滅

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今回の見所!シズさんの新たな姿に御注目!!以上!


第十九話 融合からの襲名

「アーク。客人を紹介したいんだが…構わないか?」

 

「リム公……作業中の札が見えなかったのか?お前の小さい眼には」

 

「悪かったな……小さい眼で…」

 

会議を終え、相棒の研究所を訪れたリムル。それに対し、悪態にも聞こえる呆れた声で彼は問い掛ける

 

「アーク=プロフェッサー……悪意を狩る者よ。突然の訪問をご容赦ください。私は、樹妖精のトレイニーと申します。どうぞ、お見知り置き下さい」

 

相棒の背後から、蔦が伸び、固まると、一人の女性が姿を見せる。〝トレイニー〟、そう名乗った女性はアークに会釈をする

 

「事の詳細は配下たちに聞いている……。如何やら、リムルにオークロード討伐を正式に依頼したようだな…。本来ならば……我々、滅亡迅雷.netは表の件に口はおろか手を出す事は許されない闇の住人…だが、今回限りはその依頼に手を貸す事を約束する…。文句はあるまい」

 

「願ってもない申し出を有り難う存じます。リムル=テンペスト様。アーク=プロフェッサー様。改めて、オークロードの討伐を依頼します。暴風竜ヴェルドラの加護を受け、牙狼族を下し、鬼人を庇護する御二方なら、遅れを取ることはないでしょう」

 

第三者(トレイニー)からの申し出。リムルは既に答えを出したのか、アークの答えを待つ様に沈黙を貫いている

 

「俺は奴等の悪意を受け取っただけに過ぎん……悪意を狩れという依頼なら、我々は拒みはしない…。我が忠実なる滅亡迅雷.netよ!」

 

「「……御身の前に!」」

 

目の前に傅き、頭を垂れる四体の機械仕掛けの配下に、愛刀片手に呼び掛けた後に羽織を翻す

 

「この依頼は正式に我等がリムル=テンペストに受理された!我々はこれより、歴史の表舞台に立つ!覚悟を決めろ…!」

 

「「全てはアーク様の意志のままに…」」

 

主人であるアークの宣言に、傅いた四体は決まり文句を返す。其れは歴史の闇に生きた者たちが表舞台に姿を見せたとされる歴史的な日と伝えられる

 

「そういえば、俺専用の〝ベルト〟はどうなってるんだ?完成してるのか?」

 

「………自惚れるのも大概にしろ、わらびもち。俺が会議を抜け出したのは一時間前だ……直ぐに出来るワケが無い。〝ライダーシステム〟を軽んじるな…このシステムは複雑且つ難解だ。仮に完成していたとしても、実践での一か八かの確率無しは以ての外だ」

 

「別に良いだろ、人生は出たとこ勝負!案ずるより産むが易しって言うじゃないか」

 

「…………此奴は何故…こうも単純思考なんだ…」

 

機械(自分)とは異なった見た目通り(スライム)の柔らかすぎる思考パターンの相棒(リムル)にため息を吐き、頭を掻く

 

「そうだ。実はアークに頼みたいことがあるのを忘れてた」

 

「なんだ」

 

「協力者にリザードマンを引き込みたいんだが、何かしらの策は無いか?」

 

「其れに関しては…《大賢者(スキル)》に問え。俺は知らん」

 

思い出した様に策は無いかと告げるリムルを冷たく遇らうとアークは元々、座していた場所に腰を下ろす

 

「あの…リムルさん。その交渉なんだけど、私に任せてくれないかな?」

 

「えっ?シズさんに?」

 

意外な人物(シズ)からの立候補にリムルは目を丸くし、流石のアークですらも、普段は無機質な表情が僅かに動きを見せた

 

「うん。私はアークさんに〝命〟を繋がれ、リムルさんに〝帰る場所〟を貰った。その恩返しになるかは分からないけれど……少しでも役に立ちたいの。ダメかな?」

 

「ダメじゃないさ。シズさんになら、安心して任せられる。アークも構わないか?」

 

「好きにしろ……だが、お前の存在が公になるのは滅亡迅雷net.を束ねる者としては許可は出来ん」

 

「おいおい、折角のシズさんの厚意を無碍にするつもりかよ?お前は」

 

シズからの提案に、優しく返事を返すリムルとは裏腹にアークは彼女の主人としては存在を公にする事を良しとはしなかった。それ故に、リムルは耳を疑う相棒の発言に意を唱えた

 

「……リム公。お前は忘れているかもしれんが、シズは表向きには死んでいる。その件の人物が魔物相手に交渉に赴いた事が明るみになると、お前の目指す理想郷は遠退く…。故にシズ、お前に提案を持ち掛ける」

 

「提案?」

 

「勿体振らずに言えよ。ポンコツ」

 

「全くです。溜めるだけ溜めといて百済ない話だったら、八つ裂きにしますよ」

 

解体(バラ)すぞ?駄犬(ナキ)わらびもち(リムル)

 

勿体付けるアークに対し、話に横槍を入れる相棒(リムル)と寝転んでいた飼い犬(ナキ)に怒気を放つ

 

「リムルさん?今は大事な話をしてるから、横槍を入れたりしちゃダメだよ?分かるよね?」

 

「あい……(シズさん怖ェェェェ!!!)」

 

「ナキ、何度も言わせるな。口を慎め」

 

「私は悪くないです。全てはこのポンコツバカヤローが原因です」

 

笑顔ではあるが瞳の奥が笑っていないシズからのお叱りを受けたリムルは内心的に恐怖を感じたが、恒例のやり取りと化したホロビの小言はナキには馬耳東風である

 

「話を戻す……公には死んでいる爆炎の支配者(シズエ・イザワ)が表舞台に姿を晒す事は許さなれい。滅亡迅雷.netに名を連ねた以上、その決まりだけは遵守しろ」

 

「心得ました…アーク()

 

「ジン!」

 

「全てはアーク様の意志のままに…」

 

アークが呼び掛た瞬間、ジンの体に愛刀を突き立てる。その中に内蔵された力と記憶を記憶させ、次はシズの体に同様の動作を行う

 

「………すごい…体の中にジンの力を感じる……私はどうなったの?」

 

湧き上がる力、今までに存在しなかった体内の違和感に気付いたシズは唖然とした様に呟く

 

『ボクと同化したんだよ〜!すごいなー!これでシズと何時も一緒だ〜!』

 

「へ?じ、ジン!?なんで…頭の中から、ジンの声がするの?」

 

刹那、頭の中にジンの無邪気な声が響き渡り、周囲を見渡すが何処にも片割れと呼ぶべき赤き機械鳥(相棒)の姿は見当たらない

 

「し、シズさん!その髪!」

 

「えっ…髪?わっ!なにこれっ…!」

 

リムルの指摘に自分の髪に触れたシズは驚き、両眼を見開いた。黒く艶やかな長髪は彼女の字でありもう一つの姿を彷彿とさせる紅き炎(紅蓮)に染まっていた

 

「お前の中にジンのデータをインストールした…表向きは〝(ジン)〟を名乗れ。意識次第で機械鳥の体は自由に動かせる…。意味は分かるな?」

 

その言葉に全てを悟った彼女は瞳を閉じ、胸に手を当てる。何を考えているかは理解出来ないが、自分の中にある感情や考えを纏め上げているのは火を見るよりも明らかだ

 

「心得ました…私は今日から〝(ジン)〟を名乗らせていただきます。全てはアーク様の意志のままに…」

 

主人である少年の前に傅き、頭を垂れる彼女。恩人である彼女の姿にリムルは決意を感じ取り、彼女の中に生まれた意志を尊重することを優先し、優しく笑う

 

「シズさん……いや、ジン。俺は貴女が何者だろうと今まで通りに接するつもりだ。交渉は任せた」

 

「うん。任せてよ、リムルさん」

 

そう告げ、爆炎の支配者〝シズエ・イザワ〟改め滅亡迅雷.netが一体足る〝(ジン)〟と名を改めた彼女は、その身に宿した相棒と共にリザードマンの元に向かった

 

「人類が滅びるべき悪であるかはお前次第だ……示してみせろ、リムル=テンペスト」

 

その姿を見送った後、悪意を狩る科学者は視線を相棒に向ける。愛刀を腰に戻し、肩までずり落ちた愛用の羽織を着直し、彼が口を開くのを待つ

 

「言われなくてもやってやるよ…アーク=プロフェッサー」

 




交渉に向かったシズとジン、彼女たちの前に現れたのは一体のリザードマン!果たして彼は味方?それとも敵?

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ヒロインは誰がいい?

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