「アーク」
「なんだ…リム公」
交渉から数日後、リザードマンの支配領域に足を進めるリムル率いる軍勢及びアークと彼の忠実なる配下の滅亡迅雷.net。刹那、相棒のスライムに名を呼ばれ、機械仕掛けの狩人は無機質な声色で問う
「お前は戦争をしたことがあるんだよな?」
「昔の話だ……俺もやりたくてやったワケじゃない。しかし、あの頃はその方法が合理的だと判断した……いや、そうする事しか思いつかなかった……人類を滅ぼす為ならば、手段は何でも構わなかった。その果てに行き着いた結論が世界を滅亡させることになろうと俺には関係が無かった……だが、その先にあったのは、終わりなき悪意と自らの死という結末………リムル、これだけは言っておく…お前が何をしたいかは知らないが、忘れるな…。悪意は更なる悪意を生み出す……お前にも理解出来る時が来るだろうな、自分の悪意を受け入れ、人類こそが滅びるべき悪だと理解出来る時が……」
「来ないことを願うよ。なんたって、人も魔物も
絵に描いたような綺麗事、其れはアークの壊れてしまった心では理解不能な机上の空論。其れでも、彼は、このスライムは、リムル=テンペストの名を持つ魔を統べる者は、理想を掲げ、悪意とは無縁と言わんばかりに能天気に笑う。何時からだっただろう、理想の伴わない真実のみを探求するようになったのは、何時からだっただろう、自分を含めた人類全てを嫌うようになったのは、何時からだっただろう、誰かを愛する幸せを忘れてしまったのは。だからこそだろう、彼の理想とする世界が眩しい光のように感じられるのは、悪意を知らないが故に無知であると笑われるかもしれない。其れでも、相棒の夢見る世界を影ながらに見守ると彼は決めた、その果てに待つのが何かは知らない、其れでも、その選択が正しきものであると彼は信じたのだ
「一つだけ教えておく…生きとし生きる者は、誰であろうと罪を犯す。其れでも、お前は
「言える。俺がソイツを証明してやるよ……この〝ベルト〟に誓ってな」
そう告げ、笑う
「精々足掻け……わらびもち。期待を裏切った時はお前に
「上等だ!このポンコツヤロー!絶対に期待に答えてやるからな!ぎゃふんって言わせてやる!」
「リムルさん……流石にアーク様もぎゃふんは言わないよ。というか、私でも言わない」
「えっ!!言わないのっ!?」
物騒な発言を放つアークに対し、喧嘩を売るリムル。しかし、余りにも聞かなさ過ぎる単語にシズが呆れたように笑いながら、突っ込むと、彼は鳩が豆鉄砲を喰らったように両目を見開いた
「ナキ……現状を報告しろ」
『イヤです』
「………ホロビ、あの馬鹿犬は早急にスクラップだ」
「落ち着いてください、アーク様。ナキは俺があとで叱っておきますので」
「ナキ…アーク様に失礼だよ。早急に現状報告をして」
現状を把握する為に、先遣させていたナキの即答に苛立つアークを宥めるホロビ、そしてジンの名を持つシズは彼女を咎める
『仕方ないですね……現在、リザードマンの首領の側近二人が交戦中…相手は、オーク
の上位個体です。ああ…近くにこの前の側近頭の反応もありますね。どうします?見捨てますか?』
「選択肢に助けるが当然のように無いわ。ナキらしいけど…」
「悪意の無い争いに興味は無い…見捨てろ」
ため息混じりに現状報告するナキであるが、その選択肢に助けるは存在せず、真っ先に見捨てる
「お前もかよっ!!ソウエイ!聞こえるかっ!?ナキを引きずってでも、リザードマンたちを助けろ!分かったなっ!」
『御意』
『え〜……助けるんですかー?はぁ…だっるっ……』
「ちっ……めんどくせっ……」
「不服そうにするんじゃありません!!あと舌打ちすんなっ!」
素直に従うソウエイとは裏腹に不服そうにため息を吐くナキ、更に舌打ちするアークを叱り付けるリムルは母親のようだ
「仕方がない……ウォーミングアップだ」
「そうこなくちゃな!今から行く!ランガ!」
「仰せのままに!」
走り出すアークに追随し、リムルも自分を乗せていたランガに指示を飛ばす。やがて、件の目的地である場所が視界に映った
「あ………あれ?もう、終わってるっすか?」
「少しは残しといてくれよ」
「ふむ………」
「ソウエイは要領が良いわね…昔から」
「姉上!お見事です!」
全滅していたオークを前にソウエイの仕事の速さを
「う………うう………」
「………俺は構わねぇ……親衛隊長を……」
「かなりの深い傷です……アーク様。特に側近頭の方は助かる見込みは皆無です」
「そうか……リム公、お前は親衛隊長を治療しろ。側近頭は俺が預かる」
「………分かった。頼む」
深い傷、回復薬でも助からないとホロビが言い放つと何かを思い付いたアークはリムルに自分に任せて欲しいと告げる。その姿に何かを感じ取り、自分は親衛隊長の回復に専念し、側近頭は悪意を好む
「側近頭……お前を助けてやる。その対価にお前は何を差し出す」
大地に愛刀の滅亡迅雷を突き立て、黒き衣を靡かせる金髪の少年。息は荒く、視界も焦点が定まらない、其れでも、目の前に佇む存在の声は側近頭の耳に救世主の声のように聞こえた。そして、彼はその悪意を宿した瞳でアーク=プロフェッサーという魔人を捉えた
「俺の悪意を………アンタに捧げる……俺に配下を名乗る許可をくれ…」
「ククッ………クハハハハ!」
予想していた三回目の馴染みがある言葉に吹き出した彼は邪悪な笑い声を挙げ、その中に宿る悪意を汲み上げ、その手を差し出す
「お前に名を与える。お前こそが我が忠実なる滅亡迅雷.net最後の一人だ……お前の悪意は俺が引き受ける……〝
「頂戴する………俺の名は〝
名付けた瞬間、魔素が消費されていくのを感じ取り、イカヅチの体に愛刀を突き立てた。その中に内蔵された力と記憶を記憶させ、次は背後に控えたアズの呼び出した
「どうだ……イカヅチ。新たな体は」
「ああ…動きやすいぜ。ありがとよ…アーク様」
新たな配下に問えば、彼はその手を動かし、動き易さを感じ、アークに礼を述べた
「アーク!俺たちは二手に分かれる!滅亡迅雷.netはどうする?」
「決まっている………ホロビ!ナキ!ジン!イカヅチ!アズ!」
リムルの問いに対し、アークは背後に控えていた配下全員を呼びつける
「「「「「……御身の前に!」」」」」
その呼び掛けに応え、五体の魔人が大地に愛刀を突き立てる金髪の少年の前に傅き、頭を垂れる。種族、生まれ、世界、何もかもが違う彼等に共通する事は二つ。悪意と忠誠、そして、主人が悪意の塊であるという事である
「我々、滅亡迅雷.netの出番だ……悪意を狩りにいく……」
「「「「「全てはアーク様の意志のままに…」」」」」
この日より、この世界の歴史書に謎の組織が綴られるようになる。その名は〝滅亡迅雷.net〟、其れらを束ねる者は自らを悪意の狩人と称したという……しかし、その名を知る者は後世には存在しない……此れは闇を生きた機械仕掛けの魔人の物語である…
遂に揃った滅亡迅雷.net、彼は世界を相手に何を想い、何を成す……其れは誰にも分からない……
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