第二十六話 再会からの建国
「ロゼッタは正真正銘、俺が一から創り出した最初のマギアであり、俺の最期を看取った娘だ」
「「「「「ウソだろっ!?」」」」」
相も変わらずの無表情且つ無機質な声色で語られた衝撃的な事実に、流石の滅亡迅雷.netも驚きを隠せない。空いた口が塞がらないとは正にこの瞬間に他ならない
「何を驚くことがある……俺もかつては人として生きていた。娘が居ても可笑しくはない…」
「そ、それはそうですが……御言葉ながら、アーク様は人類を嫌っておられます。であるにも関わらず、御息女を御創りになられておいでとは……このホロビ、恐れながら言葉が見つからない程に困惑しております…」
「ホロビは堅苦しいですね……ぶっちゃけ、どうでも良くないですかねぇ……出来れば、子孫は残らない方がありがたいかと……」
「ホロビ。困惑する理由は理解したが、早急に其処の馬鹿犬をスクラップにしろ」
「落ち着いてください、アーク様。例によって、ナキは後で叱っておきます」
「そろそろ…私に何を言おうと無駄なことが理解出来ませんかねぇ」
「ホロビ。ナキの事は私に任せてよ、後でお灸を据えておく」
呆れた様に、何時もの無機質な声色で自分に説教する事が無意味であると告げるナキ。その瞬間、背後から優しい声色ではあるが違和感を感じるシズの声が響く
「えー……イヤですよ…」
「拒否権はないよ」
「…………はい…」
瞳の奥が笑っていない笑顔で圧力を掛けるシズに威圧されたナキは最終的に素直に頷く。対等ではあるが出来上がった上下関係では、シズの序列は高い方にあるらしく、彼女を前に誰も異議を申し立てる事は勾ならない
「アーク様。其方のロゼッタ……様がアーク様の御息女である事は理解したわ。それで、彼女は何故この場所に?」
「そうだな。この場所は盟主さんでもねぇ限りは足を運ばねぇと聞いてるが?」
「急くな……。それで?本題に入るが……ロゼッタ、マギアであるお前がこの世界に居る理由は?それに……
静かに傾聴していたロゼッタに語り掛けるかの様に疑問を投げ掛け、娘である彼女からの返答を待つ
「
身形こそは異なれど、綺麗に御辞儀する姿に見覚えがあるらしく、アークは彼女の頭に手を置く
「召喚又は転移の類いじゃないかと思うよ、アークさん」
「有り得ない話ではないが……ロゼッタの対とも呼ぶべき、
転生とは異なる可能性を口にするシズに対し、煮え切らない様子のアークは決断を急ぐべきではないと彼女を咎める
「先程から、アーク様が執拗に仰られておられる名は一体……ロゼッタ様の妹君のようですが……」
「
今後の目的を定めた事により、士気を高める姿は滅亡迅雷.netの長と呼ぶに相応しく威風堂々。ロゼッタは久方振りに見る〝父〟と呼んだ男の姿に、内側から何かが湧き上がるのを感じていた
「我が父。願わくば、貴方様の御側に置いていただく申し上げます。このロゼッタに今一度、貴方様に仕える許可を」
傅き、頭を垂れるロゼッタ。父と娘と呼び合うには余りにも異様な関係性に配下たちが息を呑む中、彼は愛用の黒い羽織を靡かせ、彼女の側に歩み寄ると、頭に触れた
「許可する…再び、我が為に力を貸せ…我が娘よ」
「ありがたき幸せ…」
変わり映えせずに無機質な声色ではあるが、ロゼッタを娘と呼ぶ彼の姿は配下たちには自分たちが知らない顔をしている様にも思えた。その横顔にガスマスクを身に付けた男性、生前の彼の姿が重なる。今となっては感情を失い、悪意を狩るだけが生き甲斐となった彼にもかつては人として、生き、歩んだ時代が存在した。しかし、其れを知るのはロゼッタのみ、滅亡迅雷.netは彼の本質を知らないのだ
「ゼア………お前は何処にいる」
「あぁ〜、ゲルミュッドのヤツはやられたかぁ〜。まぁ、おかげさまで探してた人には会えたしぃ?元気にしてるみてぇじゃん。プロフェッサー」
オークロード討伐作戦が決行された湿地帯に佇むフードを目深に被った少女。その名を〝 ゼア〟、あらゆる場所で暗躍する謎多き存在である。彼女が〝 プロフェッサー〟と呼んだのは、先の討伐作戦に参加していた滅亡迅雷.netを束ねるアーク=プロフェッサーに他ならない
「残念ながら、まだ会う事は出来ないんだよねぇ〜………アタシにはやらなきゃいけないことがあるんでね……悪意の先で会える日を楽しみにしてるよ……
そう告げ、邪悪な笑みを浮かべる彼女は仮面の奥に隠された赤き瞳を妖しく光らせる。そして、一陣の風が吹き、砂嵐が生まれ、彼女を覆い隠す。やがて、静寂が訪れた場所に彼女の姿はなかった
「………三ヶ月……長い様で瞬く間に時が過ぎたな…」
オークロード討伐作戦から実に三ヶ月。ゲルドの名を得た
その甲斐もあり、町は整備され、これまでは急拵えに過ぎなかった衣食住の全てが充実し、目まぐるしい迄の変化を遂げていた
「我が父。盟主のリムル殿が我が父に会わせたい者がおられるとのことです」
時の流れを感じながら、流れ行く雲が浮かぶ青い空を見上げていたアークに声を掛けたのは、彼が娘と呼ぶ存在のロゼッタ。彼女はこの三ヶ月の間に街に馴染み、過度な干渉を嫌うアークとリムルの橋渡し役となっていた
「会わせたい者だと……誰だ」
「此方に」
愛刀を手に取り、動き出したアークが歩き出すと素早い対応でロゼッタは先導を始める。暫くして、辿り着くとペガサスに跨った大男が視界に飛び込んで来た
「久しいな……滅亡迅雷.netを束ねし者よ。名をアークと言ったか」
その男の名はガゼル・ドワルゴ、武装国家ドワルゴン王国の国王にして、英雄王と呼ばれるドワーフの王である
「ドワーフの王か……俺を覚えていたとはな……改めて、名乗ろう。我が名はアーク=プロフェッサー……悪意の狩人だ。最も…表向きはジュラの森大同盟技術顧問の任を与えられているがな」
「であるか……してアークよ、貴様はリムルの選ぶ未来についてはどう考えておる」
「全ての種族が分け隔てなく笑い合う未来……間違いなく机上の空論であり、絵に描いたような綺麗事、絵空事なのは明白だ。しかし、俺は其奴に賭けた……故に俺からは何も言うつもりもなければ、言う必要もない。要件はそれだけか?俺も暇な訳じゃない……」
ガゼル王の問いに無機質な声色ではあるが、自分の意見を告げると気怠るそうに彼は頭を掻き乱す
「………リムルよ。此奴が本当にあの時の男なのか?」
「いやぁ……アークは基本的には無関心だからな」
「知った口を聞いてんじゃねぇよ、わらびもち」
「うっさいわ!ポンコツ!」
聞き取れるかは分からない声量で悪口を放つアーク、其れを聞き逃さないリムルが彼を怒鳴り、火花を散らしあう。その間は僅かに0.1秒の速さである
「単刀直入に言おう、俺と盟約を結ぶつもりはあるか?お前達がもしも、この広大な森を全てを掌中に出来たならば、我が国すらも上回る富と力を手に入れる事が出来よう。その時に、後ろ盾となる国があれば、便利だとは思わんか?」
その言葉に、リムルも、アークも戯れ合いを中断させ、顔を見合わせる
「良いのか?俺たち的には有り難い申し出だが……」
「魔物の国を認可するつもりか……人類であるドワーフの王が……笑えないジョークだ」
「冗談などではない…それとこの話は我等にとっても、都合が良い。お互いに利益がある」
「「確かに」」とリムルは頷く、国となれば更なる発展と今後の方針等にも拍車が掛かる。故にアークも異論は無いらしく、特には言及しようとしなかった
「それで?この国に名前はあるのか?」
「…………な、名前?」
「名前だ」
「う〜む…………………ジュラ・テンペスト連邦国かな?」
「ジュラ・テンペスト連邦国だと……!?」
「おおっ!」
「さすがはリムル様です!」
「では、国の名はジュラ・テンペスト連邦国!町の名前はリムルと致しましょう!」
「死ぬほどダセェ」
「ポンコツはだまらっしゃい!!」
「ぐおっ!?」
最早、我慢の限界だったリムルの
「天才科学者である俺に体当たりしやがったなっ!?エロびもち!斬り刻んでやらァ!!」
「誰がエロびもちだゴラァ!!コンセント抜いたろかっ!!」
かくして、此処に首都《リムル》を有するジュラ・テンペスト連邦国が誕生した。しかし、彼等は知らない、後にこの国にもう一つの街である《デイブレイク》が生まれる事を……今はまだ誰も知らない…
発展を遂げる町、だが平穏は一緒で崩れ去る!研究に勤しみたいアークの前に現れたのは!まさかの………!!!
NEXTヒント 狩人と魔王
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ヒロインは誰がいい?
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ナキ
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アズ
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ヴィオラ(ウルティマ)
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ジョーヌ(カレラ)
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ブラン(テスタロッサ)
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ラミリス