転生科学者は悪意を貫く。   作:田中滅

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今回の見所!あの魔王が遂に登場!以上!


第二十七話 来訪からの決闘

「…………暫く、見ない間に随分と発展を遂げたな。人工知能も驚きの学習速度(ラーニングスピード)だ」

 

ガゼル王との対話から数週間後。活気に溢れた魔物の声を子守唄代わりに街並みを傍観する影が一つ。村の守護者たるアーク=プロフェッサーである

 

「おおっ…!アーク様!今日は御一人ですかな?」

 

「ガビル……確か、イカヅチから聞いた話では……ヒポクテ草の栽培を任されたらしいな」

 

傍観していたアークに声を掛けたのは、ヒポクテ草の栽培を任されたガビル。彼は先の戦での暴走が原因となり、首領のアビルに追放され、魔国連邦(テンペスト)に流れ着き、リムルの配下に降ったのである

 

「えぇ!ベスター殿と共に仰せつかった任を遂行してみせますぞ!」

 

「ベスターか……彼奴も馴染んでいるようでなによりだ。研究で煮詰まった時は、俺の研究所に顔を出せと伝えておけ」

 

〝ベスター〟、其れはリムルを陥れようとしたかつてのドワルゴンの大臣である。ガゼル王が二度目の来訪時に彼を半ば強引に連れ、リムルの配下基研究者に雇わせたのだ。元が科学者であるが故にアークも彼の知識に興味があるらしく、サポートをする事を告げる

 

「アーク様。何時ぞやは我が悪意を狩っていただき……感謝の意を」

 

「ベスターか……久しいな。どうだ?その後は」

 

「順調です。ガビル殿も研究熱心ですから………まぁ、歌うのは勘弁していただきですがね……」

 

「何をおっしゃる!ベスター殿!我輩の歌には発育効果があるのですぞっ!それではアーク様にも一曲披露いた----ぐほっ!?」

 

歌い出そうとしたガビルの頭上に拳骨が落ち、恐る恐る振り返ると仁王立ちする一人の少女基ソウカが佇んでいた。彼女は名を与えられた事により、龍人族(ドラゴニュート)に進化を遂げていた。ガビルも同様の進化を遂げたが然程の変化が見受けられないのに対し、彼女の場合は人間に近い見た目に変化している

 

「兄上、こんな所で何をしてるんですか?イカヅチにも言われましたよね?一族の醜態をこれ以上は晒すなと……怒りますよ」

 

「もう、怒っておるではないかっ!?」

 

「おーおー……随分と賑やかだなぁ?コイツは。まーた、ソウカにカミナリ落とされてんのか?ガビル」

 

「うおっ!?イカヅチまでっ!」

 

「い……イカヅチ…」

 

兄妹喧嘩を始めるガビルとソウカを見つけ、気さくに声を掛けたのは、機械龍人(ドラゴマギアス)のイカヅチ。幼馴染である彼の介入にガビルは驚き、ソウカは彼を見た途端にしおらしい態度に変貌する

 

「おん?どうした?ソウカ。顔が赤いじゃねぇか」

 

「な……なんでもない…だから、顔を近づけないでくれ……!」

 

「ああ?すまねぇ?って……なんで俺は謝ってんだ?」

 

「反吐が出ますね……他人の色恋は……」

 

「あら、ナキ……自分に出会いがないからって嫉妬は醜いわよ?ねぇ?アーク様」

 

目の前で繰り広げられる色恋沙汰を悪態を吐き捨てるナキ、其れを聞いたアークに同意を求めながら、程良い感触の胸を背中越しに当てる

 

「……離れろ」

 

「あら?照れてる?アーク様」

 

「はんっ……まーた……鼻の下を伸ばしてやがるんですか?このポンコツは」

 

「アズ……今直ぐにこの馬鹿犬(駄犬)を黙らせろ。手段は問わん」

 

「落ち着いて、アーク様。ナキは後でジンに叱ってもらうわ」

 

「…………ジンだけはやめてください、話が長いから苦手なんです」

 

相も変わらずなナキであったが、ジンの名を聞いた瞬間に震え出す。感情が滅多に見えない彼女にしては珍しく、その顔色も蒼白とまでは行かないが明らかに恐怖を抱いているように見えた

 

「私を呼んだ?ナキ」

 

「ひぃ!」

 

刹那、名を呼ばれた事を聞き付けたのか、ジン基シズに呼び掛けられたナキは普段ならば有り得ない声量の叫びを挙げ、更に有り得ない行動に出た。普段は悪態を吐いてばかりの主人であるアークの背後に身を隠したのである

 

『アーク様!ホロビです!至急、御耳に入れたい事が……!』

 

「何があった…ホロビ」

 

配下たちの戯れを宛に茶屋で寛いでいたアーク。頭の中に響いた右腕からの声に何かを察知し、愛刀を手に立ち上がる

 

『はっ……場所は町の高台方面!既にリムル様はソウエイの報告で向かわれました!何やら、巨大な勢力が!』

 

「ナキ…!」

 

「気は進みませんが……命令とあらば……」

 

呼び掛けに応じたナキは相も変わらずな無気力な態度ではあるが、渋々と言わんばかりにスキルを使用し、姿を自動二輪車形態(バイクモード)に変形させる

 

「行くぞ」

 

素早く、ナキ(バイク)に跨ったアークは報告のあった場所へと急行し、瞬く間に目的地に辿り着いた

 

「初めまして。私はただ一人の竜魔人(ドラゴノイド)にして、破壊の暴君(デストロイ)の二つ名を持つ、魔王、ミリム・ナーヴァだぞ!」

 

同時刻、高台付近に着地した一人の少女基ミリムの名乗りを聞いたリムルは驚愕する

 

「魔王だと………!?」

 

「ほう………あの豚よりは歯応えがありそうだ」

 

驚くリムルを他所に、魔王の肩書きに興味を示したアークは邪悪な笑みを浮かべ、ミリムを観察する

 

「……… はっ!ヤバい奴が嗅ぎつけてきた!!逃げるんだ!魔王の人?そのバカ科学者は何をしでかすか分かったもんじゃない!」

 

「上等なのだ!ばっちこい!」

 

「まさかの乗り気!?」

 

「見上げた度胸だ。其れに……魔王でありながら……悪意を持たないとはな……少し、興味がわいた……相手をしてやる。我が悪意の前に跪け……魔王よ」

 

刹那、彼が動きを見せた。取り出した何か基ベルトを腰に装着し、愛刀の滅亡迅雷を大地に突き立てる

 

《アークドライバー………!》

 

その声が響き渡ると共にアークの体を黒く、禍々しく、悪意の塊とも呼べる瘴気が包み込む

 

「変身……」

 

呟く様に言葉を放つと同時に、空高くに袖から取り出した一枚の黒いメダルを弾き、縦回転せた後、掴み取り、ドライバーに装填する

 

《アークライズ!滅せよ…滅びせ………悪意を力に……アーク・オブ・仮面ライダー……the deadliest scientist……》

 

全身を覆う黒と紫色の装甲、仮面に覆われた妖しく光る右眼は紫色に染まり、剥き出しの左眼からは赤い瞳が憎悪を掻き立てる

 

「おお…!それだ!ゲルミュッドを降し、豚頭魔王(オークディザスター)に引導を渡した仮面の戦士……!」

 

「我が字は仮面ライダーグラッジ………魔王の力を見せてもらおうか…!」

 

大地を蹴り、悪意の狩人と最古の魔王は走り出す。二つの拳が拮抗し、その余波は巨大な衝撃波を生み、空間自体を揺らした。これが後に語られた、悪意亡き闘争である

 

「アーク…!ちょっと待て!ああもう!こうなったら!」

 

相棒と来訪者の身勝手に痺れを切らしたリムルはマフラーの下からベルトを取り出す

 

《テンペストドライバー!》

 

その声が響き渡ると共にリムルの体を白く、幻想的な白銀のオーラが包み込み、何処からか風が吹き抜ける

 

《テンペストライズ!正しき力!義を持って義を制する!正義の拳が吹き荒れる!!リムル・ザ・仮面ライダー!!》

 

全身を覆う青と白の色合いが特徴的な装甲、吹き荒れる風に棚引く白銀のマフラー、吹き抜ける風は次第に勢いを増してゆく

 

「止めろ!二人ともっ!」

 

「おお!お前も知っているぞ!アメニティだ!なんかそんな名前だったな!」

 

「アミティだよ!誰だっ!アメニティって!!其れはそうと……この国で暴れる事は魔王だろうと勾ならない……」

 

仮面ライダーアミティ、その名は後に歴史書に多く記される。その変身者の名はリムル=テンペスト、後々に名を馳せる魔人である

 

「俺の拳は暴風を呼ぶぜ?覚悟しろよ!」

 




魔王と対峙する二人の仮面ライダー……果たして、軍配は誰の手に?

NEXTヒント 俺たちの国

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