「あの魔王……ミリ子だったか?ヤツが来てから、街は随分と騒がしくなったようだな。ホロビ」
ミリム襲来から一週間後。更に活気を増した魔物の声に無機質な声色で、自身の右腕であるホロビに問いを投げかけるのは、天才的な頭脳を機械仕掛けの魔人であるアーク=プロフェッサーに他ならない
「なんでも、ミリム様がこの街に住むと宣言したらしく……各所から騒ぎが相次いでいると父からは聞いています」
「そうか……静寂な方が好ましいが、それすらも難しいだろうな」
「恐れながら……その通りかと存じます」
静寂に満ちた空間での研究者生活の方が性に合っているアークはミリムが所構わずに騒動を起こしていると聞き、軽くため息を吐く
「……仕方ない。前々から計画していた〝都市開発〟に着手でもするか……良い機会だ」
「誠ですか…!我々も遂に拠点を構えるのですね」
「理由が無ければ……構想だけで終わっていただろうからな…」
〝都市開発〟、それは以前からアークが計画していた拠点を構える為の構想である。今でこそ、洞窟付近に研究所を構え、滅亡迅雷.netと共に静かな生活を送っているが、隣にはガビル率いる龍人族、更にリムル又はミリムの来訪等もあり、手狭さを感じていた。故に、コレを切掛に〝都市開発〟に着手するべきだという結論に至ってのである
「しかし…我々だけで作るとなれば…圧倒的に足りないモノがあるのでは?アーク様」
「そうだな…いくら、我々全員が魔物と機械の体を併せ持つ複合種族とは言えど……〝都市開発〟の経験は皆無だ。だがな……ホロビ、心配に及ばん…。俺はあのオークの悪意を吸収し、更なる進化を遂げ……〝
「なんと……!進化を成されていたとは…!流石はアーク様です…」
〝
「其れは些細なことだ…。俺が言いたいのは…ホロビ、お前の言う足りないモノを補う為に進めていた研究が遂に実った……見るが良い……我が最高傑作誕生の瞬間を…!!」
刹那、アークは自らの背後にある黒い布を拭い去った。最高傑作、そう呼ぶからには理由がある。だからこその言葉にホロビは喉をごくりと鳴らす
「こ……これは……マギア…!?」
その視界が捉えたのは、目を疑う程の規則正しく並べられた大量のマギア。生まれながらにマギアであるアーク、ホロビ又はシズの様に遺伝子をデータに変換させることで生まれた生まれ変わりのマギア、ホロビやイカヅチの様に名を与えられたことで進化の影響を受けた特殊なマギア。そのいずれとも異なる大量のマギアにホロビは驚きを隠せない
「厳密にはマギアであってマギアに在らず……我々は個々の戦闘能力又は技術力は高いが…圧倒的に数が少ない。故にその少なさを補う為に俺が創り出した新たなるマギア……此奴等こそ…〝
「〝
「ああ……だが、戦闘能力だけでは無い。此奴等は其々が
邪悪に笑う主人を前に、ホロビは息を呑む。今までは自身を甦らせた目の前の青年に尽くすだけが至高の喜びだった。しかし、かつては彼も戦士を夢見た純粋なゴブリンだった。故に魅力的な提案に失った筈の〝
「その提案……このホロビ、誠悦ながら…御受けしたく存じます」
「その申し出を受理する。ソルドを率いる部隊長となれ……
「ははっ……!全てはアーク様の意志のままに…」
右腕として、アークの側に仕えてきたホロビ。再び、戦士としての地位を取り戻す為に配下を率い、研究所を後にする
「さて……お前たちはどうする…」
次にアークが視線を向けたのは、其々に宛てがわれた部屋と呼ぶには簡素な区画で一部始終を見ていた他の配下。アズはロゼッタの世話役として、彼女と娯楽に興じ、ナキは何時も通りに寝そべり、シズは内に宿るジンの体を操る特訓中、イカヅチは大きな欠伸をしている
「アーク様。私に何体かを預けてもらえないかな」
「ジン……いや、シズか。お前はどうするつもりだ?」
真っ先に反応を示したのは、表向きはジンを名乗っているシズエ・イザワだった。その瞳に何かを感じ取り、口角を上げたアークは態とらしく問いを投げかける
「私は前に教師をしていた経験があるの。其れに送り出した生徒の中には今は各国に名を馳せる者が数人は居る……だから、彼等?に一般教養を仕込んでみたいんだ。どうかな?」
「一般教養か……悪くないな。良いだろう、その申し出を受理する」
「ありがとうございます…アーク様。必ずや御期待に添える結果を出してみせます」
シズの提案を受け入れたアークが申し出を受諾すると彼女は数体のソルドと共に研究所を後にする
「アズ…我が父の提案を受け入れるべきかと思います。ソルドの力は今後の我が父の目的に必要不可欠……故に私は貴女にソルドの教育を受け持つことを推奨します」
「ロゼッタ様が仰るなら……そうさせてもらうわ。許可をお願いしても?アーク様」
次に興味を示したのはロゼッタ。彼女は自分の世話役であるアズにソルドの教育を受け持つ様に提案する
「良いだろう………ロゼッタの世話を怠らない範囲であれば許可する」
「寛大なる御言葉に感謝を…」
「我が父…私からも感謝を。ソルドが
「流石は我が娘だ。その悲願が叶うことを願っている」
変わり映えせずに無機質な声色ではあるが、ロゼッタの頭に手を置く姿は進化を果たしたことにより、今までよりも父親らしさを感じさせる
「なぁ、アーク様。そのソーメンとかいうのに技術を教えるのは俺に任せてもらねぇか」
堂々と名前を間違えながらも、荒々しい口調で自分に任せろと申し出たのはイカヅチ。悪びれもさぜに名前を間違えるのは、彼らしいと言える
「ソルドだ……今の今まで何を聞いていた?お前は。だが、技術を教え込むという点においてはお前が適任だろうな……やってみろ、イカヅチ」
「流石はアーク様だな!よし、早速……来やがれ!お前等!!」
豪快に笑うと、誰よりも多くのソルドを連れたイカヅチは研究所を飛び出していく。余談だが彼が連れて行ったソルドの数は二十体を軽く超えていた
「………それでだ、おまはどうするつもりだ。
「………私には関係ありませんね。御忘れかもしれませんが…私の目的はアナタの息の根を止めること……それを他の誰かにやらせることは有り得ない……。故に、これから先もアナタ様の首を狙うのは私一人だけで構いません……」
「勝手にしろ……お前の悪意は我が手にある……その願いもまた我が手中……精々、足掻け。我が忠実なる犬よ」
無気力な態度が目立つナキは今日も今日とて、下剋上という名の反逆の機会を伺っているのは言わずもがなだ
「だいたい……どういう風の吹き回しかは理解しかねますが……人類を滅亡を掲げていたアナタ様が戦力増強を思い至るだなんて、何があったのですか……さては、頭をぶつけましたね?そうでなければ、有り得ません」
「
「あら、またナキと喧嘩をしているの?アーク様」
目の前で繰り広げられていた相変わらずの光景を前にアズは程良い感触の胸を背中越しに当てる
「……離れろ」
「あら?照れてる?アーク様」
「はんっ……まーた……鼻の下を伸ばしてやがるんですか?このポンコツは」
「アズ…我が父への過剰な触れ合いに対する説明を求めます」
「ナキは相変わらずの反応だとして……ロゼッタ様も嫉妬しているのね」
「嫉妬……これがその感情であるなら、私は明確にアズへの嫉妬を抱いています。並びに我が父を独り占めにしたいという欲求も込み上げています……興味深いです」
何時もと変わらない反応を見せるナキとは裏腹に新鮮な態度を見せたロゼッタは自身が抱き始めた感情に興味を抱いたようだ
「好きにしろ……俺は何も言わん…」
それから暫くした頃、ジュラ・テンペスト連邦国に新たなる街が誕生した。その街の名は〝デイブレイク〟、その街を起こした者は自らを悪意の戦人と称したとされる……しかし、その名を知る者は後世には存在しない……此れは闇を生きた機械仕掛けの魔人の物語である…
久しぶりに魔国連邦を歩いていたアークの前に失礼な輩が…彼は自らを魔王の配下だと述べるが…
NEXTヒント 魔王の配下
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ヒロインは誰がいい?
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ナキ
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アズ
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ブラン(テスタロッサ)
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ラミリス