転生科学者は悪意を貫く。   作:田中滅

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今回の見所!アーク様がお父さんしてる!以上!


第三十話 進捗からの騒乱

「………なんだと?正気か?ミリ子」

 

此処は《デイブレイク》、滅亡迅雷.netの拠点を中心に開発された魔国連邦(テンペスト)の第二の街である。基本的に技術者が身を置き、住まう者に大半がアークの生み出した《マギア》と呼ばれる機械仕掛けの存在である

 

「当たり前なのだ!リムルやお前だけズルいぞ!ワタシも欲しいのだ!だから、ワタシに使える〝ベルト〟を作るのだ!」

 

問いを投げかけるアークに対し、ミリムは駄々っ子のように答えを返す。アークならば、悪意を狩る為の手段、リムルなら自己防衛、用途は其々だがミリムの場合は違う。彼女は純粋に力を欲していたのだ

 

ミリム(・・・)、俺が創り出した〝ライダーシステム()〟は悪意を力に変化させる。お前は悪意に身を委ねる覚悟があるか?悪意亡きお前に其れが出来るのか?」

 

「分からないのだ!でも、あの力が誰かを傷付ける力ではないことだけは分かるのだ!現にリムルは悪意ではない力を使っているのだろう?」

 

「……………考えておく」

 

「うむ!期待してるのだ!」

 

そう言い残し、ミリムは嵐のように去っていく。残されたアークは椅子に腰掛け、窓から流れ行く雲を見上げる

 

「アーク様。今のはミリム様では?」

 

「〝ベルト〟が欲しいらしい……気は進まないがな」

 

「恐れながら……アーク様。ミリム様に更なる力を与えることは今後の戦力増強に繋がるかと」

 

ため息にも似た息を吐くアークに対し、右腕であるホロビは戦力増強に繋がると意見する。しかし、それは言われずとも、アークも理解しているが彼の表情は煮え切らない

 

「そうは言うがな……簡単な話じゃない、〝ライダーシステム〟は魔国連邦(テンペスト)だけが所有する機密事項だ。情報漏洩は科学者(我々)が何よりも望まないことだ」

 

「アーク様。発言しても?」

 

自分が生み出した〝ライダーシステム〟が他者に漏洩する事は何よりもアークのプライドが許さない。すると、話を聞いていたアズが律儀に発言の許しを申し出た

 

「アズ………なんだ」

 

「ミリム様はリムル様のマブダチ?なんでしょう?だったら、情報が他者に漏れる心配はないんじゃない?なによりも、ミリム様はアーク様のことも友人だと認識している……これを期に友好的な関係を築いておくべきだと思うわ」

 

「我が父……アズの提案を受け入れるべきかと思います。ミリム・ナーヴァの力は我が父の飽くなき探究心を更なる高みに導く可能性があると判断します……故に私は我が父が、ミリム・ナーヴァに〝ライダーシステム〟を与えることを推奨します」

 

「ロゼッタ様もこう仰られているわ。アーク様の御決断は?」

 

アズの意見を肯定するロゼッタ、如何なる時も我を通すアークにも無碍に出来ないモノが存在する。其れは自分を〝父〟と慕う(ロゼッタ)からの提案又は彼女の願い、其れ等を彼が否定しないことを知りながらも、アズが問いを投げかける

 

「…………分かった、お前がそう言うならば……前向きに検討する」

 

「感謝します……我が父。良き御返事をお待ちしております」

 

「アーク様はロゼッタ様に弱いわね」

 

「其れを理解しおきながら…嗾けているお前は余計にタチが悪い……。それで?ソルドの教育はどうなっている、我が配下たちよ」

 

話題を切り替え、ソルドの指導に当たるナキを除いた配下に進捗を問う。無関係にして、我関せずな態度のナキは寝転がっている

 

「既に部隊の編成まで完了しています。アーク様の御眼鏡に敵うかと……」

 

「同じく、私の教え子たちも各々が自己判断の下に街に溶け込んでるよ。覚えが早いから、教え甲斐があるね」

 

「俺の方も順調だ!特に《この街(デイブレイク)》を作る時に役立った奴等もいやがるからな」

 

「私の教育したソルドの方が一番の進捗よ?アーク様の研究助手に成りうるわ」

 

同胞を出し抜き、妖艶に笑うアズは程良い感触の胸を背中越しに当てる

 

「……離れろ」

 

「あら?照れてる?アーク様」

 

「はんっ……毎度毎度……飽きずに鼻の下を伸ばして……学習能力の無いポンコツヤローはこれだから…」

 

「アズ…我が父への過剰な触れ合いに対する説明を求めます」

 

「あら、ナキにロゼッタ様は今日も嫉妬?相変わらずね」

 

「我が父に過剰な触れ合いを行えるのは娘である私と未だ会えぬ我が妹のみ…アズにその権利を譲る気はありません。自重を命じます」

 

「うふふ……こればかりは聞けないわ。ロゼッタ様の願いでも……私は貴女様の世話役である前にアーク様の忠実なる配下……故にこの行動はアーク様を愛するがゆえなのだから…お分かり?ロゼッタ様」

 

何時もと変わらない反応を見せるナキは否定するのも面倒らしく、我関せずな態度を貫く。しかし、嫉妬を抱くロゼッタはアズを咎めるが当の本人は命令を拒否する

 

「好きにしろ……俺は《リムル(首都)》の様子を観察に行く…」

 

配下たちと娘の行動に軽くため息を吐いた後、アークは身を翻し、壁に立て掛けていた愛刀を手に取り、軽く指を鳴らし、前方にゆらゆらと揺らめく銀色の幕(オーロラカーテン)を出現させ、潜り抜ける

 

「おぉ!アーク!良いとこに来てくれた!」

 

「リム公……なんの騒ぎだ?これは」

 

銀色の幕(オーロラカーテン)を潜り抜けた先は首都圏内の街中、アークの出現に気付いたリムルは彼の来訪を歓喜し、その相棒に無機質な声色で問いを投げかける

 

「どうやら……魔人たちが魔国連邦(テンペスト)をミリムとは違う魔王の支配下に置こうとしたらしくてな……其れをミリムが対処したみたいなんだよ」

 

「なるほどな……だから、其処に雑巾のような輩が転がっているワケか……それで?リグルドはどうした」

 

説明を聞き、状況を把握したアークは目の前に転がる見覚えのない魔人を鼻で笑い、次に視線をリグルドに向けた

 

「お恥ずかしながら……攻撃を受けた次第です…申し訳ありません」

 

「リグルドは無意味に殴られた、こればかりは許しておけない。アークもそう思うだろ?」

 

「…………そうだな。今のうちに証拠を消しておくとするか」

 

「は?なっ!ちょっ!アークさん!ソイツは拙い!!落ち着いてくれ!」

 

まさかの言葉にリムルは素っ頓狂な声を挙げた。そして、アークに視線を向けると彼は懐から当然のようにベルトを取り出そうとしていた

 

「何故…止める。リグルドは手を出していないのだろう?ならば、此奴を消すのは当たり前だ」

 

「それは明らかに過剰防衛だ!リグルドも回復薬で補える程度のケガしかしていないんだ、今は抑えろ。先ずは……話を聞くべきだ。アークも同席してくれるか?お前の意見が必要だ」

 

「ちっ………仕方あるまい…お前の顔に免じ、今だけは此奴に対する処罰は先送りにしてやる。だが、此奴等はどう思うかは知らんぞ?来い…我が忠実なる配下……滅亡迅雷.netよ!」

 

リムルの言葉に軽く舌打ちした後、アークは再び、銀色の幕(オーロラカーテン)を出現させ、五体の魔人を呼びつける

 

「「「「「……御身の前に!」」」」」

 

その呼び掛けに応え、五体の魔人が大地に愛刀を突き立てる金髪の青年の前に傅き、頭を垂れる

 

「魔王の配下だそうだ。お前たちも同席し、意見を述べろ……これは命令だ」

 

「「「「「全てはアーク様の意志のままに…」」」」」

 

「我が父並びにリムル様。私にも同席の許可を」

 

命令を受諾した配下たちの背後から姿を見せたロゼッタは自分も参加したいと申し出る。その発言に対し、アークは彼女の頭に手を置き、ゆっくりと撫でる

 

「許可する。構わないな?リムル」

 

「ああ。ロゼッタの同席を許可する」

 

「感謝致します」




魔王の配下を名乗る魔人と相対するはリムルとアーク、彼等の配下たち。果たして、魔人の企みとは……?

NEXTヒント 怒り

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