転生科学者は悪意を貫く。   作:田中滅

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二話目!カッコいいというよりは口が悪い?科学者さんが巻き起こす化学反応をご覧あれ!


第二話 出会いからの名付け

『何と、お前たちは異世界からの転生者か。物凄く稀な生まれ方をしたな。転生者は偶に生まれてくるし、異世界人も時たまやって来るが、異世界からの転生者は、我の知る限り、事例はない』

 

「あぁ?事例がないだぁ?ちゃんちゃら可笑しいぜ、ソイツは。良いか?科学の前では有り得ないなんて言葉は御法度だってのを頭に刻んどきやがれ、オッサン」

 

ドラゴン基暴風竜ヴェルドラの発言に科学者としての視点から悪態を吐き捨てる様に正論を投げかける

 

『誰がオッサンだ!人間みたいな形をしておる癖に生意気な小童がっ!』

 

「ふっ…天才科学者の俺を小童だと?だから、お前はオッサンなんだ」

 

『やかましいわっ!スライムよ!お前からも何か言ってやれ!』

 

『えっ……あ〜……初対面でオッサン呼ばわりは良くないぞ?科学者さん』

 

「わらびもちは黙れ」

 

『誰がわらびもちだゴラァ!!』

 

和やかな雰囲気から一転、同種族ならば殴り合いに発展する言い合いを始める二匹と一体。然し、彼等は不思議とこの時間を楽しんでいた

 

『なぁ!俺と友達にならないか?』

 

『友達だと!?暴風竜である我と友達だと!?』

 

「一昨日きやがれ」

 

『口悪っ!?まぁ?嫌なら、別に構わないけど』

 

スライムの発言に驚きを示すヴェルドラとは裏腹に嫌そうな表情を見せる彼。カマを掛ける様に問い、視線を向ける

 

『どうする?我は嫌ではないが……』

 

「ああ?知らねェよ。テメェのことくらいテメェで決めろよ。おう、わらびもち。ダチになりてェなら金出せ」

 

『前言撤回、お前とは友達になりたくない』

 

「一度でも口にした言葉を飲み込むとはな、女々しいヤローだ」

 

『タンスの角に足をぶつけてしまえ』

 

一触即発、彼とスライムは睨み合う。その間もヴェルドラは決意が固まらずに頭を悩ませていたが、意を決した様にスライムを見る

 

『スライムよ、我と友達になってくれるか?ついでに小童も』

 

『勿論だ!』

 

「仕方ねェな………なってやるよ」

 

『素直じゃないな』

 

「やっぱり、お前は金寄越せ」

 

間髪入れずに放たれたスライムの呆れ文句を聞き逃さなかった彼はギロリと睨みを効かせる

 

『それでさ、ヴェルドラは此処から出ようとは思わないのか?』

 

『我は封印されておるからな。脱出方法、解除方法にも心当たりがない。それにな……実は後100年ほどで我の魔力が底を尽く。魔素が漏れ続けておってな』

 

「試したのか?」

 

『試したに決まっておる。だがな、何千回も試行錯誤したが結果は全てが失敗に終わった』

 

「ククッ…………クハハハハ!」

 

『何がおかしい!?小童!』

 

突如、笑い出す彼にヴェルドラは怒気を含んだ声を挙げ、彼を睨み付ける。だが当の本人は怯みもせずに真っ直ぐと前を見据えていた

 

「良いか?オッサン。失敗ってのはな、一つだけの成功を導き出す為の手段だ。何千回も試した?だったら、其奴は失敗じゃねぇよ………それだけの失敗しない道(・・・・・・)をアンタは導き出したって事だ。側から見れば、其奴は失敗かもしれねぇがよ。少なくとも……俺はアンタを笑わねぇぜ?ヴェルドラ(・・・・・)

 

彼の口から初めて聞いた優しい言葉、ヴェルドラの瞳に涙が浮かび、頬を伝う

 

『小童…………良いヤツだな、口が悪いのがたまに傷であるが』

 

「殴るぞ?オッサン。で?わらびもち、そっちはどうだ?さっきから黙ってるが、良い答えは浮かんだか?」

 

『ああ、お前が時間を稼いでくれたからな。ヴェルドラには俺の胃袋に入ってもらいたい、構わないか?』

 

『良かろう、我の全てをお前に委ねる』

 

彼の時間稼ぎの影響から導き出された答え、その答えにヴェルドラは悩む素振りも見せずに決断を降す

 

『それじゃあ、今からお前を《捕食者》で食うぞ』

 

『待て。その前に、名前を付けてやろう。無論、お前にもだ』

 

「いらん」

 

『そうか、いらんか………っていらん!?何故だ!』

 

「いやだって、知らない人から貰い物をするのはダメだろ」

 

『其処は素直にもらえよっ!?』

 

先程までとは裏腹に突然の正論を述べる彼にスライムも突っ込みを放つ

 

『ゴホンゴホン……同格と云う事を、魂に刻むのだ。そして、お前たちも我に名前を付けろ。人間が言うところのファミリーネーム?というヤツみたいなものだ。我がお前たちに付けるのは、"加護"になる。お前たちはまだ"名無し"だが、これでネームドモンスターを名乗れるぞ!』

 

「ふ〜ん、ならハゲオッサンにしとけよ」

 

『暴風竜だから…………暴風……嵐?そうだ!テンペスト!《テンペスト》はどうかな!』

 

「ハゲオッサンだろ」

 

『素晴らしい響きだ!我の名は、今日からヴェルドラ=テンペスト!あと小童のは却下だ』

 

「……解体(バラ)してやる」

 

自分のネーミングセンスを棚に上げる彼とは裏腹に、御満悦気味のヴェルドラは轟かんばかりの咆哮を挙げていた

 

『スライムよ、お前には〝リムル〟の名を授ける。リムル=テンペストを名乗るが良い!して小童、貴様は何という種族だ?』

 

「あー……ヒューマギアって言い切りたいが……こう見えも人類滅亡をやらかした大罪人が人を名乗るのは相応しくねぇだろうからな。そうさな………俺は悪意の塊又の名をアークマギア(・・・・・・)だ」

 

『ほう……自ら、悪を名乗るか。面白いヤツだ………ならば!お前には〝アーク〟の名を与えよう!して、テンペストを名乗るつもりはないのか?』

 

「ああ、其奴は二人の絆だからな。つーわけで……リムル(・・・)、お前が付けてくれ」

 

《テンペスト》の名はスライム基リムルとヴェルドラの絆、其れを刻む事を拒否した彼は視線を落とす

 

『科学者…………博士………あっ!〝プロフェッサー〟!アーク=プロフェッサーはどうだ?』

 

『なるほど!確かに此奴に相応しい名かもしれんなっ!お前は今日から、アーク=プロフェッサーだ!』

 

「悪くねぇな」

 

にやりと笑い、新たに得た名を噛み締めるアーク=プロフェッサー。この日、後に世界を激震させる最凶の悪意と呼ばれる一体の魔物が生まれた。その隣には一匹のスライムが並び立っていたと伝えられているが、此れはそれよりも少し前の、彼等の始まりの物語である

 

「よし………寝るか」

 

『寝るなっ!!』




何ヶ月かの修行を終え、外に飛び出したリムルとアークが出会ったのは……!

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