転生科学者は悪意を貫く。   作:田中滅

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今回の見所!アークさんに配下が!更にその相手はまさかの!


第六話 名付けからの誕生

「そう言えば、村長。名前は?」

 

牙狼族が配下に加わり、大所帯となった村。守護者であるリムルは呼び名が無いと不便だと考え、村長に問う

 

「いえ、魔物は名前を持たない事が普通です。名前が無くとも意思の疎通は可能ですからな」

 

「緑肌ジジイとかで良いだろ、若しくはヨボヨボとかで。良い名前だ」

 

「ポンコツは黙れ」

 

「あぁん?てことは、お前は名前を付ける自信があるんだなァ?だったら付けてみろよ、スゲぇ名前を」

 

「上等だ!やってやる!あとで吠え面掻くなよ!」

 

アークの挑発に乗ったリムルの前に、ゴブリンたちと牙狼族が一例の列を作ると、当の本人はやる気充分な姿勢で次々と名前を与えていく

一方で蚊帳の外となったアークは空を見上げ、何かを考え込んでいた。すると彼に、一つの影が近付く

 

「…………牙狼族が俺に何の用がある」

 

その影の主は、一体の牙狼族。今にも噛みついてきそうな唸り声、悪意に満ちた瞳、その視線はアークを見据える

 

「我等が長を前にした時の力に興味があります………私を貴方の配下としていただきたい……」

 

「配下ァ?長の仇の俺にこき使われたいなんて、余程のバカだな。………憎いとは思わねぇのかよ」

 

「憎いです……其れも貴方を殺してしまいそうな程に………ですが、憎しみからは憎しみしか生まれない………故に私は貴方に悪意を忠誠という形で捧げます……」

 

「ククッ………クハハハハ!」

 

悪意を忠誠に変えてまで、仇に仕えると口にする牙狼族、その意志に確かな悪意を検知したアークは吹き出す

 

「今後、お前は〝(ナキ)〟を名乗れ。お前の悪意は俺が引き受ける……」

 

「この命が尽き果てる時まで……我が命はアーク様の意志の下に…」

 

名付けた瞬間、魔素が消費されていくのを感じ取りながらも、相棒のスライムに視線を向ける

 

「ゴブチ………ゴブツ………ゴブテ………お前はゴブゾウな」

 

「自信の割に安置だなァ、あのヤローは」

 

「名付けとは本来ならば安易に行うものではありません…其れを流れる様に行うとは……何者ですか?あのスライムは」

 

「簡単に言えば、ちょっと訳ありなスライムだ。まぁ?俺も訳ありなんだがな…」

 

「お前は牙狼族の長の息子だな……嵐……牙、うん!嵐の牙で、〝嵐牙(ランガ)〟!お前の名はランガだ!」

 

牙狼族に名を授けた瞬間、リムルの体に異変が生じる。突然の出来事に誰もが慌てふためき、騒ぎ出すがアークは冷静だった

 

「落ち着け、ただ単に眠っただけだ」

 

「アーク様……眠っていると言うのは……?」

 

「名付けによる、魔素消費だ。俺はナキにしか名付けをしちゃいねぇが、リム公はリグルドを含めたゴブリン族、更にランガにも名付けをしたんだ。妥当な代償だろ」

 

「なるほど。皆の者、リムル様を丁重に扱って差し上げるのだ!お目覚めになられるまでは、このリグルドが指揮を取る!」

 

「おー、其奴はありがてぇ。俺はやることがあるから、好きにやっとけ」

 

「はっ!」

 

名を得た事により、少しばかり統率力が増した気もしない村長基リグルドに指揮を任せ、アークはある場所に足を運ぶ。視線の先に現れたのは御世辞にも建造物とは呼べない、剣の刺さった土塚、この場所に眠るある魔物に会うために彼は足を踏み入れる

 

「…………お前の悪意は俺が引き継ぐ。今日より、この体はお前のモノだ……甦れ……リグル……否、〝(ホロビ)〟!」

 

刹那、アークの背後に用意されたマギア(素体)に土塚から何かが流れ込む。科学の観点から見れば、目を疑う光景であるが、此れはアークにとっては計算された結果に過ぎない。その先に待つのが新たな悪意の誕生であることを理解し、新たに与えた名を叫ぶ

 

「我が名は〝(ホロビ)〟……我が悪意を貴方様に捧げます……」

 

「あ、あ………あ……」

 

「な、なんと……!」

 

「あん?リグルにリグルドか。望みは叶えたぜ」

 

ホロビと名付けられたマギアが動いた瞬間、何かを感じたリグルドと息子のリグルが歓喜に震える。姿形は異なるが間違いない、目の前に居るのは死んだ(・・・)筈のリグルであると、感じ取った

 

「兄上……兄上ですよね……?」

 

「久しぶりだな…弟。其れに父上も、御無沙汰しています」

 

「リグル!リグルなのか!」

 

「今はホロビですがね……リグルの名は弟が受け継いでくれたようだ」

 

「この名に恥じぬ様に精進いたします!アーク様!貴方様のお陰で兄上にまた会えました!ありがとうございます!」

 

「感激しました!やはり、貴方様も我等が守護者です!」

 

叶わないと思っていた筈の再会に感激するリグルとリグルドに軽く手を振り、眠れない体で夜が過ぎ去るのを待つ。機械仕掛けの体は眠りを必要としない、科学者としての観点から見れば其れは眠らずに研究に没頭出来るという事だが、人間だった時の事を想起すれば、眠気との闘いを二度と出来ない寂しさもある

 

「アーク様。此方においででしたか」

 

「探しましたよ」

 

「………ホロビにナキか。随分と変わったな、外見が」

 

何時の間にか、夜が明けていたらしく、声を掛けられたアークは視線を動かす。名付け当初よりも人間らしい見た目と化したホロビの姿はアークの青年版とも呼べる姿となり、ナキは体の一部が機械化されたサイボーグ風の見た目と化している

 

「マギアとしての体にはまだ慣れませんが……リグルや父と再び、過ごせる時間は俺にとっても、満ち足りた時間です」

 

機械狼(マギアウルフ)……狩りには最適な体です。眠れないというのが難点ではありますがね」

 

「口を慎め…ナキ。アーク様の御前だ」

 

「失礼……」

 

「ククッ………聞けぇぃ!ホロビ!ナキ!我々はこれより、このジュラの大森林に新たな勢力を立ち上げる!!」

 

高らかに宣言される主人の声に二人は耳を傾ける。その視線の先に佇むは黒い羽織を風に棚引かせ、狂気の笑みを浮かべる一体のアークマギアが立っている

 

「今日が滅亡迅雷.net(・・・・・・・)の誕生の日だ!!」

 

「「全てはアーク様の意志のままに…」」

 

この日、後に世界を震撼させる最凶の勢力が産声を挙げる。その名を滅亡迅雷.net、悪意の兵士と呼ばれる者たちが生まれたのである




大所帯となった村にルールが取り決められ、更なる結束を高めるリムルとアークたち。次に狙うはドワーフ!

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ヒロインは誰がいい?

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  • アズ
  • ヴィオラ(ウルティマ)
  • ジョーヌ(カレラ)
  • ブラン(テスタロッサ)
  • ラミリス
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