「皆、広場に集まれ!リムル様より大切なお話がある」
「なんだ、わらびもちの作り方でも話すのか?正に身を削る自虐ネタじゃねぇか」
広場に集まるように呼び掛けるリグルドの声に、無関心な様子で指示を飛ばしたであろうスライムを小馬鹿にするアーク。彼の中でリムルは完全にわらびもちという扱いになっている様だ
「アーク様。今後の方針を決めるという事は我々の扱いも決まるという事です。聞くだけでも聞いてみませんか?」
「ホロビの言う通りです…。立ち回り方が分かれば、何をやるべきかは自ずと見えてきます」
「…………仕方ねぇな、聞くだけ聞いてやるか…」
配下からの真っ当な意見に返す言葉が見つからず、面倒そうに頭を掻きながら、リムルに視線を向ける。すると、其処には何処で見つけたのか、付け髭を装着したリムルが居た
「……はい、皆が静かになるまで五分も掛かりました」
その言葉に誰もが静まり返る。転生前は鉄板であった持ちネタが通じない現状にリムルは驚きを示す
「俺の鉄板ネタが通じないだと………!!」
「使い古した旧式のネタじゃねぇか。一億と二千年経ってもウケねぇよ」
「分かんないだろ!コロニー暦になればウケるかもしれないじゃん!」
「わらびもち如きが笑いを語るなんざ、二万年早ェよ」
「ポンコツには言われたかねぇよ!あと誰がわらびもちだゴラァ!!」
指摘という名の罵倒を口走るアークに、リムルの物理的な突っ込みが炸裂し、吹き飛んだ彼を放置し、リムルはリグルドたちとランガたちの方を見据える
「見ての通りだが、俺たちは大所帯になった。そこでだ、トラブルが起きない為にルールを決めようと思う」
「一つ、死体を見つけたら俺に連絡する。二つ、生きる事に飽きたら改造される。三つ、バラされたくなったら素直に進言する。以上がルールだ」
「そう、以上が…………って!ちがーーーうっ!お前は黙ってろ!マッドサイエンティスト!!」
「知らねぇのか?ルールを無視するのが科学者だ」
「知るかっ!!」
「リムル様…発言しても?」
「何かな?ホロビ」
自分本意な身勝手極まりないのルールを作り上げようとするアークに突っ込み、軌道修正を図るリムルにホロビが呼び掛ける
「アーク様の意志に従うべきかと…」
「ホロビの言う通りです。今のままでは戦力的に他勢力に舐められてしまいます」
「お前等も其方側なのっ!?では気を取り直して、一つ!仲間内で争わない、二つ!進化して強くなったからと言って他種族を見下さない。そして最後、三つ!人間を襲わない」
「四つ!初対面のヤローにはメンチを切る」
「何処のヤンキーだ!お前は!兎に角だ、俺が言った三つは守ってもらいたい」
リムルの述べたルール、その中の一つに響めきが生じる。すると代表して、ホロビの弟であるリグルが手を挙げる
「宜しいでしょうか?リムル様」
「なにかね?リグル君」
「何故、人間を襲ってはならないのでしょうか?」
「そうですね……リムル様のご意見を聞かせてもらっても?」
リグルの問いに、ホロビも思う所があるのかリムルに問い掛ける
「簡単な理由だ。俺もアークも人間が大好きだからだ」
「あ?人類なんか滅亡すりゃいいだろ」
「お黙り!兎に角だ!絶対に人間には危害を加えるな!」
「なるほど!理解しました!」
人類滅亡を掲げるアークを叱り付け、リムルは自分の考えをリグルに告げる。然し、人類は悪意を糧に我を通す事を前世の経験から知るアークは彼の考えに共感する事が出来ないでいた
(いずれ……後悔する事になるとも知らねぇで………なんだって、人類を信頼しようとしやがる………人類こそが滅びるべき悪だってのによ)
「まぁ、理由はそれだけじゃない。人間は集団で生活してるだろ?彼等だって襲われたら抵抗する、しかもだ数で襲われたら敵わない……だからさ、此方からの手出しは禁止だ。仲良くする方が得だからな」
(所詮は裏切られるだけだ。絵空事だけじゃ、やってらんねぇだよ……はぁ……駄目だな、
机上の空論、絵空事、呼び方は様々であるがリムルの考えはアークの中に存在しない感情から生まれるモノ。彼の中で、如何なる世界でも人類は滅びるべき悪である事に今も昔も変わらない
「……さて次はリグルド、お前にはゴブリン・ロードの役目を与えようと思う。村を上手く治めてくれ」
「はっ!このリグルド、身命を賭してその任を引き受けさせて頂きます!」
ゴブリン・ロードが決まったのを皮切りに、次へと村の者たちに役職が振り分けられていく
「アークには科学者としての知識を活かして、技術顧問をやってもらいたい」
「やだ」
「そうか、やだか…………って!?なんでだよ!」
「科学者にとって、技術の流出は認められねぇよ」
「なんなのっ!?お前のその突然の正論はっ!」
先程までとは裏腹に突然の正論を述べるアークにリムルの突っ込みが飛ぶ。定期的に述べられる正論を前に此奴は何だと言わんばかりの視線を向ける
「まぁ、科学技術は無理だが機械工学くらいは指南してやってもいい」
「ホントか!あっ………金出せとか言ったりしないか?」
「お前は俺を何だって思ってやがる」
「金の亡者だろ?」
「バラされてねぇのか?わらびもち」
「タンスの角に足をぶつけてしまえ」
一触即発、アークとリムルは睨み合う。側から見れば奇妙な関係性であるが良く言えば喧嘩友達とも呼べる不思議な繋がり、リムルの中で彼の存在は次第に無くてはならない存在となっていた
「ホロビ……なんだァ?このボロ屋は」
「ゴブリンには専門の知識がありませんからね。極論、雨風を凌げる場所さえあれば問題ないという考えに至るんですよ」
「極論過ぎんだろ………技術者に繋がりがありゃあな……」
村の様子を見回っていたアークが呆れた様に呟けば、其れを聞き逃さなかったホロビが口を開く
「あるにはありますよ」
「あん?そうなのか?何処の誰だ」
「ドワーフ族です」
「ドワーフ…………確かに技術面に特化してそうだな」
高い技術力を持つドワーフ族の特性を瞬間的に割り出し、アークは意味深に頷く
「アーク。ドワーフ族に会いにいこう!」
「なんだ、お前も同じ結論かよ……勧誘にはお前が行ってこい、俺は残る」
「えっ!なんでだよ!」
興味を抱いてたにも関わらず、誘いを断ったアークにリムルは体の一部で驚きを示す様に
「なんでも、ヘチマもあるか。俺は人類が嫌いだって何度も言ってんだろ」
「アーク…………なら!俺が連れてきてやるよっ!お前が気に入る人類を!」
「………………期待しねぇで待っといてやるよ」
かくして、リムルとは技術者を求めてドワーフの王国に旅立つ事になり、アークは村に残る事になったのであった
リムル不在の村で暇を持て余すアーク、彼は新たな悪意を感じ取る………
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