遊戯王マスターデュエル。通称『MD』
言わずと知れたデュエルモンスターズをより手軽に、より気軽に、そしてより幅広い世代の人々が楽しめるようにと生み出された今となっては世界の中心とも呼ばれるようになったコンテンツ。
その広がりによって生まれた精霊と人との繋がりは、今や彼らと共に暮らす事が世界で日常と呼ばれるほどに馴染んでいる。
これは一人のデュエリスト『稲田遊賀』と共に在る精霊の何気ない日常を描いただけの物語である。
雨、と言う物はシェイレーンにとっては心地の良いものである。
水浴びをしている時はとまた違った感覚が結構気に入っているから朝の散歩に時に雨が降っていると少しだけ散歩の時間が長くなる。まぁつまりは雨と言う天気がシェイレーンは好きだという事だ。
まぁそれはそれとして長雨は洗濯物が乾せないから嫌いなのだが。
「如何にも雨が続くねー」
「そうねー」
「今日で…4日目だっけ? あぁやだやだ」
ガラゴロと回る乾燥機の音を聞きながら雨の振り続ける外を眺めながらそんな会話をする『ティアラメンツ・シェイレーン』と『白銀の城の召使い アリアーヌ』はコインランドリーに置かれていた椅子に腰掛け乍ら足を揺らす。と、飲み物片手に遊賀が近づいてくる。
「予報ではまだまだ続くって言ってたな。ほい、レモンティー」
「ありがと」
「それとこれ適当に選んだミルクティーですけど」
「あ、わたしの分? なんか悪いね」
「いえいえ何時も色々とお裾分け貰ってるんでお気になさらず」
「そう? こっちとしては処理しきれない分を押し付けてるだけなんだけど…まぁそういうならありがたく貰っておくよ」
と、笑顔でミルクティーを受け取るアリアーヌ。そしてシェイレーンはレモンティーを飲みながらまぁ処理しきれないのは当然よね、なんて三日前にお裾分けとしてもらった馬鹿みたいにでかい海老2匹を思い出す。美味しかったけど多分高いんだろうなー、なんて考えながら食べたな…なんて思いながらふと視線を外に向ける。
先ほどよりも雨が強くなっていた。
「…なんかどんどん凄い事になりそう」
「うわほんとだ、本降りこれからだったか?」
「なんか梅雨に逆戻りしたのかって感じだよね」
うわー、なんて言いながら眺めるアリアーヌ。その言葉に確かになんて頷いて。
「これが、精霊が何かしてるとかって言うなら分かり易くて良いんだけどね。こう、ぶちのめせば雨が止む的な感じで」
「あなた偶に凄い脳みそが筋肉に支配されるよね」
「というかその場合ぶちのめされる精霊って『雨天気ラズラ』になるのか?」
「…そうなるわね」
「なるのか」
ただ仕事してるだけなのにぶちのめされるとか少し可哀そうだな、そう思う遊賀にピーっと乾燥機が止まる音が届く。
「お、止まった止まった」
言いながらアリアーヌはよいしょと立ち上がり乾燥機へと向かっていく。彼女のが止まったという事は自分たちのもそろそろかなんて言う遊賀の言葉に釣られてシェイレーンも乾燥機のある方へと視線を向けて、なんかアリアーヌが大量のジャージを引っ張り出しているのが見えた。
「え、何その量?」
「んぇ?…あぁこれ? まぁそういう反応になるよね普通」
ははは、と笑いながらもジャージを取り出し続ける。
「これはねーうんしょっと。ちょっと前に姫様が沢山貰って来たんだよ」
「あの人色々貰い過ぎじゃないか?」
「正直わたしもそう思うけど、これが結構便利でさー。角とか尻尾とかあんまり気にしなくて済むし。最近じゃ掃除する時とか寝る時のパジャマ代わりにしてたりと大活躍だよ」
「いやそれにしても量多すぎでしょ。何かあったの?」
「何かって言うか…アリアンナがため込んでたんだよ」
「えぇ…」
その量を? と言った感じの視線にアリアーヌは苦笑を浮かべる。
「いやさ、アリアンナってさ基本的に何でも出来るけど自分の事にあんまり頓着無いと言うか、ずぼら…って言えば良いのかな? 着替えたら服を床に放り出したりしてそのままなんて事がよくある訳よ。だから偶に部屋に押し入って掃除して洗濯物掘り出してってするとこんな感じになっちゃう訳」
「なる…ほど。あの子そういうタイプだったんだ」
「というかそんな事俺たちに言ってよかったので?」
「あー良いの良いの気にする様な質じゃないし…いや、本音を言えば気にする質だったら良かったのになー、そうすればもう少し部屋が綺麗にだっただろうに」
はぁと重めのため息一つ。彼女は結構苦労している様だ。
「ほんと、姫様見習ってほしいよ」
「そういうって事はラビュリンスはそこら辺しっかりしてるのね」
「そうそう、召使いとしてする事が着替えの手伝い位しかねーってなる位しっかりしてるのようちの姫様。部屋だってすっごい綺麗だし…まぁなんか変なものが多くて違う意味で困るけど」
「それに関しては凄いイメージ通り」
少なくとも釣り竿は何本か置いて在るだろうなって、そんな事を思っているまたピーと音が鳴り視線を向けてみれば今度こそ自分たちのが乾燥し終えた様で。
「お、終わった終わった」
「どうするマスター? 畳んでいく?」
「あー、そうだな。そうするか」
「あ、じゃあ聞いて聞いてこの前姫様が新しいヘルメット買ってきてさー」
「なんでよ」
「というかあの人ヘルメット被れるんですか?」
「そうそうそれ思って聞いたら行けますわー‼って言いながら勢いよく被ろうとして思いっきり角にぶつけてばきぃ‼って叩き割っちゃったのよ」
「なにやってんのよ」
「もしかして何日か前のなにゆえーって叫び声それ?」
そうそれそれそれでさーと、会話は続く。雨音を聞きながら行われた本当に何処にでもある世間話をしているだけの日常の一コマである。
めちゃ雑人物紹介こーなー
『稲田遊賀』
洗濯物は少ない方。思いのほか盛り上がった世間話が終わった頃に晴れていて少し気分が良かった。
『ティアラメンツ・シェイレーン』
雨がやんでいて残念だけど嬉しいと言う複雑な感情。彼女が行う傘を使った素振りがキレが良い。種族的に着れる服が少ないタイプ。
『白銀の城の召使い アリアーヌ』
色々暴露したやつ。もうちょっと何とかならないだろうかと思いつつもならないだろうなーと諦めている。割とやらかすアリアンナやラビュリンスに比べれば真面と言える。私服は割と多い方だが、大半が謎の漢字Tシャツである。
『白銀の城の召使い アリアンナ』
別に汚くありませんが? ただ全て座ったまま寝たままでも手が届くように計算されつくした利便性に特化されてるだけですよ僕の部屋は。と、毎回服に埋もれながら言ってる。因みに自分の部屋以外の掃除は完璧である。服は多いと言う程ではないがとにかくため込む。
『白銀の城のラビュリンス』
最近新しいつるはしとヘルメットを買った。これで採掘がはかどりますわと言っていたがヘルメットがお亡くなりになった。色んな服を持っているが割と専門的なものが多くバリエーションが豊か過ぎる。部屋がとても綺麗だが変なものがマジで多い、アンモナイトの化石と魚拓が並んで飾られてる。