MD次元ではカードの精霊はありふれたもの   作:春山乃都

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執筆用の端末新しいのにしたら時間掛かちゃった。


突撃、隣の『教導国家ドラグマ』  【前編】

 遊戯王マスターデュエル。通称『MD』

 

 

 言わずと知れたデュエルモンスターズをより手軽に、より気軽に、そしてより幅広い世代の人々が楽しめるようにと生み出された今となっては世界の中心とも呼ばれるようになったコンテンツ。

 

 とは、今回はあんまり関係なかったりする。

 

 

 

 これは一人のデュエリスト『稲田遊賀』と共にある精霊とは関係の無いところで始まる面倒事を描いたい物語である。

 

 

 

「……なんて?」

 

 そう、シェイレーンは言うと電話の相手である『ティアラメンツ・レイノハート』は疲れた様子で答える。

 

『キトカロスが俺とメイルゥの財布持ってどっか行きやがったんだよ』

「…また?」

『そうまただ。だからお前の所にあいつ来てないか訊いてるんだよ』

「来てないわよ」

『そうか…って事はやっぱりここに居るのか?』

「何処よ?…言い方からして何時もの寿司屋じゃないみたいだけど」

 

 レイノハートの声を訊きつつこれで何度目だとシェイレーンはこれで何度目だったかと思い出す。自分が覚えている範囲ではこれで四回目だった気がするな、なんて考えながらそう問いかけると、彼は言う。

 

『ドラグマだ』

「なんでよ」

 

 めちゃくちゃ想定外の場所だった。

 

 

 

 

 場所は変わって人間界のお隣にある精霊界の一角、ワイワイと何やら活気が凄いそこは『教導国家ドラグマ』

 

 閉ざされた地…なんて事は一切無いそこでは今まさにお祭りが行われているようで、何時も以上に精霊が多く行き交っているそこに二人の精霊『ティアラメンツ・レイノハート』と『ティアラメンツ・メイルゥ』は祭りに来ているとは思えない死んだ魚のような目をしながら『ティアラメンツ・キトカロス』の私室から見つかった『大ドラグマ食い倒れフェスティバル』と書かれたチラシ片手に辺りを見渡していた。

 

「…確かにあの人が来たがる類いのお祭りですね」

「だな」

 

 言いながら改めてチラシを見る。なんでも現在行われている祭りは急遽行われる事が決定したもので、何でもごはんはたくさん食べるタイプで有名な『教導の聖女エクレシア』が食べる分として『教導の騎士フルルドリス』が大量に買い込んでいたらしい食料の賞味や消費期限がそろそろヤバイと言われた『教導の大神祇官』があまりの量に3日ほど寝込みながら胃と知恵を振り絞った結果行われる事となったらしい。

 

 凄まじい速度と範囲にばら蒔かれたチラシに書かれている『マジ助けて』の一言とこの祭りが一週間も続くことを考えると彼の苦労とフルルドリスが溜め込んでいた食料の量が垣間見れるというものだ。

 

 まぁ開催者側のあれこれは参加者たちには関係の無いことだ。重要なのは今この『教導国家ドラグマ』では色々な種類の料理が格安で楽しむ事が出来ると言うことだ。実際それ目的で訪れたわけでもない二人のつい喉を鳴らすような料理も屋台で売られていたりする。

 

 

 尤も現在財布を持っていないのでどれだけ食べたいと思うものが売っていても変えないのだが…完全に生殺し状態である。取り敢えずキトカロス見つけたら何時も以上にしばこうとレイノハートは心に決めた。

 

 と、その時メイルゥが声をあげる。

 

「あ、レイノハートさん見てください!」

「どうした、キトカロスがいたのか!?」

「豚バラ肉の串焼きが無料で配られてます!」

「まじかもらってくるか」

 

 何だかんだで食べ物に目がないタイプな二人であった。いや別に二人だけがそうと言うわけではないが…一番食い意地張ってるのはキトカロスだし。

 

 さてと串焼き片手にチラシと同じくキトカロスの部屋から見つかったドラグマでの予定表らしきものを見る。ここの料理が食べたいとかこれは後で食べに行くとかそういった事がびっしり書いてある。パッと見ただけでも幾ら料理が安いと言っても彼女のお小遣いでは足りないと分かる。それで俺たちの財布かと心底呆れながら串焼きを一口。

 

「…うん、旨いわこれ」

「でふへー」

「口にもの入ってる状態で喋るなよ全く…っと、ここか」

 

 言いながら口一杯に肉を詰め込んでいるメイルゥから視線を外しキトカロスの予定表で最初に食べたいと書かれている店へと向ける。

 

「…初手海老天丼かー」

「んぐ…はぁ、相変わらずフルスロットルですねあの人」

「そこは何時も通りだろ、さて問題は注文できるわけでもない俺たちがどう尋ねるかなんだが」

 

 流石に訊きたい事訊いたら注文もせずにハイさようならというのは些か失礼が過ぎるしなと考えているとちょうど店から客が出てきて、二人へと視線を向けてきた。

 

「ぬ?…あぁ貴様は」

「あ? なんだ? 俺らになんかようでもあるのか? 『クシャトリラ・ライズハート』さんよ?」

「いいや貴様に用が在るわけではないぞ『ティアラメンツ・レイノハー…あー、なにがしよ」

「レイノハートだよそこまで出てきたならもう少し頑張れよ逆に長くなってるじゃねぇか!?」

「流れるようなツッコミ…貴様はそういう気質か、成程」

「成程じゃねぇ納得するなよ」

 

 全くと彼はため息を一つ。

 

「それで、結局なんで俺たちの事を見たんだ? 偶々視線に入ったって感じじゃなかっただろさっきのは」

「あぁいやなに、少し見間違いをしてな、一瞬はぐれてしまった仲間と間違えたのだ。よく見たら普通に色が違ったが…あぁ少し訊くが貴様らてぃーちゃんの事を見ていないか?」

「え、誰ですか?」

「うむ、『ティアラメンツ・クシャトリラ』と言う名の精霊だ、知らないか?」

「あー、なんかシェイレーンが言ってたなそんなやつがいるらしいって。名前だけで見た目までは知らないが」

「見た目は貴様ら『ティアラメンツ』を我ら『クシャトリラ』の様にした感じだぞ」

「つまり名前のまんまって事か?…どっちにしろ知らんな」

「ですね、少なくともここに来るまでの間では見てませんね」

「ぬ、そうか。好物の鳥天むすでも食べに来ているかと思ったのだが来ていなかったし…全く何処に行ったのやら」

 

 言いながら買ったらしいおにぎりを軽く揺らしながらため息を吐くライズハート。

 

「まぁ仕方ない。ふぇんくんと合流して集合場所で待つか。あぁ、貴様らももしもてぃーちゃんに出会ったら我が探していたと伝えてくれると助かる」

「あー、まぁ会ったらな…あ、そうだ。それならって訳じゃ無いがこっちの質問も答えてくれるか?」

「ぬ? 我も頼みごとをしたのだ答えられる事であれば答えよう」

「こっちも人探しててな、こう…凄い屑って感じのキトカロス見なかったか?」

「なんだその絶対一目で分かるようで分からない特徴を持ったキトカロスは…いや待て、もしや貴様ら飛んでもない『ティアラメンツ』嫌いのシェイレーンと知り合いだったりするか?」

「あ? まぁ知り合いと言うか仲間というか」

「一緒に育った友達です!」

「ふむ、成程。これはまた奇縁と言うべきか…あぁ、キトカロスについてであったな。恐らく何時もあやつ愚痴っていたやつの事だろうが…うむ、キトカロスは少し前に見たぞ? 貴様らの言うキトカロスかは分からんがな」

「まじか、どこら辺だ?」

「西の方にある公園だ。まだいるかは分からんがな」

「いや十分だ、助かったよ。急ぐぞメイルゥ」

「はい! あ、ありがとうございました! てぃーちゃんって人を見つけたらちゃんと伝えますね!」

「うむ、頼むぞ」

 

 と軽く手を振るライズハートと分かれ駆け足で進んでいく二人。目的地は彼の言っていた公園で、そこは思っていたよりも近くすぐに到着する事が出来た。そして辺りを見渡すと、すぐに見つけられた。

 

 

 

 何故か地面に頭から突き刺さった状態でティアラメンツの少女たちに掘り起こされているキトカロスを。

 

 

 

「……ど、どういう状況なのでしょうか?」

「俺に、訊くな」

 

 少なくとも二人が探しているキトカロスではない事だけは確かだった。




めちゃ雑人物紹介こーなー

『ティアラメンツ・シェイレーン』

 何時ものかとため息を吐いた。今回の出来事とは関係の無い子。語ること無し。


『ティアラメンツ・レイノハート』

 まじあいつ許さねぇ。その心一つで部屋から隠されたチラシと予定表の一部を見つけ出し即行動。捕まえたら取り敢えず1日正座させると誓った。


『ティアラメンツ・メイルゥ』

 財布が持ち去られた事を知って一番最初に出た言葉が殺しましょうだった子。今の彼女をカード化したら多分攻撃力5000位ある。因みに財布を持っていかれるのはこれで二度目で前回は頭を叩き潰す積もりでハンマーを叩き込んだが今度は積もりではなく実際に叩き潰そうと心に決めている。とても怖い。


『クシャトリラ・ライズハート』

 まじで偶然いただけ。曰く、てぃーちゃんとふぇんくんと一緒に『壱世壊=ペルレイノ』へと旅行に向かう途中で祭りが在ることを知って次いでだと立ち寄ることにしたらしい。どうやら現在てぃーちゃんとはぐれてしまっているらしい。



『ティアラメンツ・キトカロス』

 元凶。一応、使った分は何時も後で返してはいる。が、だからと言って許される訳ではないと言うか絶対に許してはならない。
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