MD次元ではカードの精霊はありふれたもの   作:春山乃都

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『それ行けスプリガンズ!! ~やべぇ奴らが大集合で大決戦!?~』 【中編】

 ドラグマ東地区。無数の『クローラー・アクソン』が押し寄せるその場所に広がる光景はある意味惨劇と表現すべき蹂躙がそこにあった。

 

「ほぉ、花の騎士…か。唯のお伽噺では類いでは無かったのだな」

 

 そう伝えられた他地区の状況に少し驚きつつ彼女、『教導の騎士フルルドリス』は建物の壁を破って襲いかかってきた三体の『クローラー・アクソン』を大剣の一振で切り伏せてからバロネスたちが居るのだと言う方角を見る。

 

 

 と、何故か頭に壺が嵌まっているキトカロス、いや『ティアラメンツ・ルルカロス』がふらついている姿が目に入る。

 

「…えぇ」

「く、暗い? なんで? それになにか狭いけど広い様な、というか頭が重い? ど、どういう状況なの!?」

 

 いやこっちが聞きたいのだが、そう心の中で呟くフルルドリス。尤もそんな状態でも襲いかかってくるクローラーを手に持つ剣で的確に迎撃しているのだから凄まじいものだとも彼女は思った。

 

 まぁそれはそれとして放置するわけにも行かないかと頭に壺が嵌まっているのだと伝えようと口を開き。

 

 

 

 なにかが落ちてきた。

 

 

 

 反射的に飛び退く二人。衝撃で吹き飛んできたクローラーの残骸を盾で弾きつつ落ちてきたものを見据えるフルルドリスと前が見えない状態だろうにしっかりと着地、しようとして転がっていたクローラーの残骸に足を引っ掻けすっ転ぶルルカロス、勢いそのままに転がり続け偶々放置されていた『緊急脱出装置』に衝突、誤作動を起こしたそれによって天高く打ち上げられていった。

 

 衝撃の光景に思わず視線を向けそうになるのをなんとか堪え土煙に隠された落ちてきたなにかを睨む。土煙が晴れると同時に視界に飛び込んでくるのは巨大なクローラー、先程まで空を舞っていた『エクスクローラー・クオリアーク』であり。

 

【ぬ、ずいぶんと着地位置がずれたな】

 

 その上、クオリアークを踏み潰すように佇み堂々と姿を晒す紅き鎧武者、クシャトリラ・ライズ、いいや『クシャトリラ・アライズハート』がそこに居た。

 

 と、不意に武器を構えるフルルドリスへと視線を向ける。

 

【ん? 貴様は確か…フルルドリスだったか。この地の騎士だったな確か】

「あ、あぁそうだ…それは貴公が?」

【それ?…あぁ、こいつか。そうだ、空からちくちくと鬱陶しかったのでな、貴様らが用意していたものを利用して叩き落とさせて貰った】

 

 こいつのせいでせっかくてぃーちゃんの為に買ったおにぎりが台無しに成ったと少し怒りながら彼は言う。そんな彼に、フルルドリスは思わず首を傾げた。

 

「我々が?」

【うむ、それは貴様らが用意していたものだろう?】

 

 空を飛ぶクオリアークをどうにか出きるものなどあっただろうかと思いながら言葉にするフルルドリスにそう言って、彼は指差す。そちらへとフルルドリスが視線を向けると…先程ルルカロスを射出した『強制脱出装置』があった。

 

 要するに、これ使って空を飛ぶクオリアークの所まですっ飛んでいったと言うことだ。そういう使い方出来るんだと意外そうにフルルドリスは装置を見つめ、そんな彼女にどうしたのかとアライズハートは首を傾げ。

 

 

 意識が自分から外れることをじっと待っていた『エクスクローラー・クオリアーク』が ここぞとばかりに暴れる。

 

【ぬお!?】

「!? まだ生きていたか!」

 

 突然の事に上に乗っていたアライズハートは飛び退き、それを横目に鋭く踏み込みフルルドリスの大剣が叩き込まれる。が、しかしそれを無視して血液かオイルか分からない液体を振り撒きながら空へと舞い上がり。

 

 

 

――――ゴシャァ!

 

 

「おぼふぇ!?」

 

 さらに上から落ちてきた『ティアラメンツ・ルルカロス』が直撃し、今度こそ力尽きて墜落した。

 

 

 ズズンと音を立てて地上に沈むクオリアークと、パカリと割れた壺から出てきた頭を抱えてごろごろと転げ回り痛みに悶絶するルルカロス。何が起こったのか理解できず唖然とすることしかフルルドリスには出来なかった。が、今気にすることでは無いと頭を振ってから一応だとクオリアークへと一撃叩き込んでおく。抵抗もなく綺麗に両断されたそれを見てよしと声を溢す。

 

「うん、今度こそちゃんと死んでいるな。たしかこのエクスクローラーという個体は司令塔だった筈。これで……と言うわけではない、か」

【の、様だな】

 

 陽の光が途絶える。少しうんざりしながら見上げれば空を覆う巨大な影、『機怪神エクスクローラー』がよく分からない器官を地面に突き刺している光景と、それを恐ろしい笑みを浮かべながら見つめる『夢幻転星イドリース』の姿があった。

 

「…クローラーの時点でもしやとは思っていたが、やはりやつだったか」

【その様だな。しかし……ふむ】

「どうかしたのか?」

【いやなに、気にすることではないのだが我の知るリースと比べてバカっぽいなと思っただけだ。我の知っているリースはもっとこう、ねちっこかった】

「えぇ…」

 

 なんだその感想と、思うもすぐに気を取り直し。さてと考える。

 

「これ見よがしに登場したのだ、あれらをどうにかすればこの騒ぎも収まると考えて良いだろう。問題はやつらがかなり高い位置に居ることだが」

【ぬ? 高いと言うだけならば解決策があるだろう】

「…これか?」

【うむ】

 

 二人の視線の先にあるのは当然、『強制脱出装置』だった。

 

 

 

 

 

「正直、思ってた通り事起こしてたのがリースで助かった」

 

 そう、言葉にするのは運営テントにいるマクシムスC。

 

「これでリース以外の誰かがクローラーを操っていたのだとしたらもっとややこしかったからな。ある意味それが出きる精霊が出来ることをしていただけというのはあれこれ考えることが減る」

 

 だがそれはそれとして。

 

「なぜここを襲ってきたのか全く分からん。何が目的だ?」

「マクシムスC様、避難誘導が完了しました!」

「む、そうか。ならば我々も再度現状の確認を行い積極的攻勢にでるとしよう。行け!」

「はっ!」

「さて退避準備はどれだけ進んでいる?」

「すでに完了しているとの事です」

「分かった、ではもしもの時は迷わず逃げるように伝えておけ」

「了解しました」

「それから…そういえばマクシムスDは何処に行った? さっきから姿が見えないが、まさか逃げたか?」

「あ、いえマクシムスD様に関しましては」

 

 と、走り回っていた精霊のうちの一人が立ち止まりなにかを言おうとしたその時。衝撃が走る。何事かと視線を走らせれば。

 

 

 『機怪神エクスクローラー』が地面に突き刺している何かに向かっていく巨体『凶導の白き天底』と距離があるゆえ小さいが確かにその肩に乗る『教導の大神祇官』の姿が。それを見て、マクシムスCは無言で指差して。

 

「……もしかしてあれか?」

「は、はい。『クローラー』に襲撃された直後に寝てる『凶導』の連中を起こしてくると仰られていました」

「そうか、そうかー…なんかかっこいい所持ってかれて滅茶苦茶ムカつくが行動が早くて助かる」

「あ、それと」

「まだなにか言っていたのか?」

「はい、指揮等は全てマクシムスCに任せる」

「成程」

 

 瞬間、マクシムスCは全てを理解した。

 

 

 

 

「あの野郎自分がやりたくないからってあそこ行きやがったなくそがぁー!」

 




めちゃ雑人物紹介こーなー

『クシャトリラ・アライズハート』

 割りと怒ってる。


『ティアラメンツ・ルルカロス』

 襲撃時パニックに成った精霊が見てた商品の壺を投げてしまいそれが嵌まり込んだ。何がなんだか分からずふらつきながら襲いかかってくるクローラー全部撫で切りにしてた、とても強い。


『教導の騎士フルルドリス』

 変な思い込みからの暴走がなければ割りとまとも。


『強制脱出装置』

 たぶんMVP。


『マクシムスC』

 絶対許さんぞあいつ。


『マクシムスD』

 襲撃された瞬間にマクシムスAはストレスが限界突破して気絶するだろうしマクシムスBには緊急時のあれこれは任せるべきではない、となれば自分かマクシムスCで適正的には自分が良いだろう…けど面倒だから押し付けたろ!と考え即行動した。


『夢幻転星イドリース』

 本日のですよね枠。
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