(お母さんって、普通だな・・・・)
マチュと呼ばれる少女、本名アマテ・ユズリハは【普通】と言う言葉に敏感になっていた。自分が住むコロニー【イズマ・コロニー】は中立であるサイド6に属するであるコロニーだが、ハッキリ言えば比較的開放的な外見と裏腹に中の風潮が閉鎖的でつまらないのだ。しかし、マチュとて両親や学校の先生から何故そうなっているかくらいは聞いた。
開始から一週間で人類の半数が死んだ一年戦争末期、サイド6ではイズマとは違う場にあるコロニーが新型のガンダムを開発していた事に端を発した戦闘。連邦の最高指揮官が【ポケットの中の戦争】と評した戦いが起きた。その際に未遂に終わったがジオンはコロニーを核攻撃しようと迄した結果だと。
(・・・・終戦後にも、何やらジオン残党がやらかした。元連邦兵が開いたパン屋を襲撃したりとか、その後・・・・っ!)
【事故による地球へのコロニー落下】
【エゥーゴによるジャブローの核使用】
詳しくは知らないが、学校と塾ばかり強いられたマチュには地球への興味を両親から否定される迷惑な事だ。クラゲみたいになって地球の海を体験したいと思っていた少女にとっては母から一年戦争時のジオンの作戦と四年前の事故によるコロニー落下だけで環境汚染を理由に反対され大迷惑だった。密かに荒れて四年過ごした先でニャアンとシュウジに出会って普通でしかない鬱屈が晴れたが、次にジャブローによる核使用。
(正直・・・・死んで色すら変わって、例えば真っ赤になってたとしたら、私だって気が進まないわよ)
最近、自分が以前より普通という単語に敏感になった理由を一通り回想してシュウジのガンダムに三人揃って薄着で寝そべってる現実に戻った。肌触りが良いので時折こうしてしまっている。腹減らしなシュウジに余り物やお小遣いで買える物を差し入れ前後にニャアンと合流して。
【色々やる】
これはこれで非日常を満喫出来るのだからとした。あのティターンズ兵に金的をかました後にシュウジと見たキラキラもその内と何故か信じた。
「あれ、何か特集?」
マチュの携帯に入った速報もその一つだと思ってしまった。
「な、何コレ・・・・シュウちゃんのガンダムの三倍以上な大きさだよ」
いつの間にそんな呼び方をし始めたのかは知らないが、マチュも地球のアフリカで行われたらしい戦闘の画像に見入っていた。
それは、今から数時間前の事。
別にジオン残党を守る気等は無い、だがマヤやユライアのような協力者はいるに越した事は無い。悪く言えば内通者に対する対処を誤るとどうなるかは調べられた【アルビオン】が皮肉な例だ。
ハヤトはシオンのゼータを向かわせた。ウェイブシューターと呼ばれる飛行形態にならずとも音速を越える速度を出せる機体は即発進可能なのでいち速く攻撃される場に到着したが、機体を操るシオンは青ざめていた。壊滅状態の砂漠の町にいる人間はやはりジオンとは無関係な人間が多い。何故そう思えるのかとした時に理解した。
(ガンダムに入って来る・・・・)
この機体にアングラで見たようなものが使われてるのはわかる。そのせいなのかわからないが。こんな無差別な事は許せないとしてライフルを撃った。やはりIフィールドで弾かれてしまうが、これは牽制。機を見て接近戦をとした時に黒い大型アーマーは何やらパーツが別れて体育座りをしていたような黒い巨体となった。
「こいつ、以前エマさんと一緒に戦ったヤツと同じ『ハハハははは!』・・・・笑ってる?」
『あははは、空を落とす奴等を皆殺しにするのを邪魔するのか!お前も空を落とすのかゼータガンダ・・・・っ、何だ。まあ良いや!』
サイコガンダムを操るゼロ・ムラサメは見たことが無い新型らしき機体の名前を何故わかるのかより、破壊を優先させた。この力、この力こそが自分の望む全てだとして全身のメガ粒子砲を斉射すべく向けたが、ゼータの機体が踊ったように見えた。そして、拡散させたものもそのままのものも全て回避されてしまう。その内にゼロに焦りが浮かんだ。
「ば、バカな・・・・僕は選ばれた真のNTなんだよ!こんな事が・・・・っ!」
アームレイカーによる操作で想定以上の滑らかな動きをしてくれるゼータを動かしながらシオンにはゼロとは違う戸惑いがあった。あの機体から会った事が無いのに知っている気がする気配が感じられた。その内に敵が突撃しながら全身のメガ砲を乱射して来たので距離を保ちつつ後退をした。町中であの巨体を撃破したくないのもあるが、此方の方が良い。
『その細身、握り潰してやる!』
空中での動きが巨体に似合わないので捕まえようとするが、ゼータには着いていけない。砂漠に誘導され、再度拡散メガ粒子砲を乱射をするがシオンの思うツボであった。
「コックピットの下・・・・そこを狙ってくれって言ってるのか」
ライフルで反撃するが、目眩ましにしかならない。だがタイミングは図れたので合間を狙ってゼータの腕部グレネードを射出した。
『ぬっ、ぐがあああっ!』
ゼロの悲鳴が声以上に痛々しく響くが、それを受け入れざるを得ない。二発目、三発目を見舞って最後の一発を撃ち込んだ。サイコガンダムのシステムがダウンしてまともな挙動が不可能となるが、ゼロの戦意だけは失われない。腹部の拡散砲を撃つが、ゼータはそれを掻い潜りつつライフルを投げた。一瞬戸惑うが、ゼロは事態を把握した。
『ば、バカな・・・・刺さっている?』
【ロングビームサーベル】
ゼータのライフルはサーベルとして形成可能なものなのだ。パワーとシステムがダウンした事により右肩にあるビーム砲に刺さった。追撃を掛けようとして通常のサーベルを右手に構える気配があったので左のシールドを構えたがフェイント、突撃して来たゼータは刺さったロングビームサーベルを手に取りながら背後に回ったので肩とバックパックを切り裂かれた。そのまま関節部から頭部ビーム砲を次々と切り裂かれて死を覚悟した時にシステムが復旧して全力で飛び去るが、過負荷により上半身の各部が次々爆発してコックピットブロックが射出された後にサイコガンダムは砂漠に落下して沈黙した。シオンはその光景より、機体から聞こえた声に震えていた。
(・・・・【キョウ】・・・・システムの場所を教えてくれた声は、キョウって人を助けたかったからこうしたのか・・・・フォウなの、に?)
想定外の力で初陣を終えたゼータに帰還が呼び掛けられた時、アウドムラに軟禁されているフォウは何故か嗚咽と涙を抑えられなかった。サイコガンダムのシステムに秘められた闇はこの日に葬られた。
そして、それが陰謀に使われたとも知らず。その映像を見た者の目にも入った。
「凄い・・・・これも、ガンダム!」
拡散された映像を見れたマチュは、ゼータと知らない機体にも何故かキラキラを見た。だが、それはシュウジと一緒に見たキラキラとは違う事を気付いてはいたが、真相をまだ知らない。
北爪漫画基準なサイコガンダムをスパロボXの戦闘描写と【キョウ】でご察しな要素弄って破壊回。マチュは原作ニャアンと違った形なキラキラ目撃がどうなるかな回。
まあ、サイコガンダムはイズマコロニーには来てないが近くには?な回でもある。