【とにかく、パワーがある】
それだけで充分だった。マチュは再度、宇宙港に戻って行ったが途中でハマーンがいるような気配が無かった。ハッキリ言っておかしいとしながら敵側とすべき者からの通信が響くが無視した。
(おかしい、ハマーンさんは真剣だった。少なくとも私達をただ連れ帰っただけじゃないハズなのに)
そう思っても、宇宙港の管制室を抑えてガスを何とかしないととしたが、今度は旧式寄りなザクが来たのでゼータに向けてマシンガンを構える前に推力任せに突撃してコックピットを左足で蹴り、死に体になったところを頭部を右のハイキック気味に動かせたので蹴り飛ばして沈黙させた。そして、内部から港に入って漸く管制室がある区域に移動した時に目にしたのは室内にいるジオンの軍服だった。
『き、貴様が我等を一機で制圧しようと言うのか?』
ジト目で通信を聞くマチュだが、意味がわからない。やはり他が何処かへ消えたのかマチュが乗っている機体だけになっている。無我夢中で来たにしてもとした時にリーダーから意図を聞かされた。
【住民をガスで殺し、コロニーは地球へ落とす算段】
「キラキラが見えなくなるじゃない!お前は生きていてはいけないんだああっ!」
斧で管制室を叩き割るべく振り上げるが、スイッチを押すような仕草に操縦桿を止めた。恐らくこれを押せばガスがとする流れになるのは相手の顔で丸分かりだった時に各所のシャッターらしきものが閉まる音が聞こえた。
『その機体のパイロット、聞いてくれ。シャッターを閉めたからガスが居住区に入る事は無いぞ。下にある武器を取って指示通りに射ってくれ!密輸されたものだ!それで漏れても外に出るよう破壊してくれ!時間が無いぞ!』
要は筒のようなコロニーの端にある港にある空調器のようなガスタンクがある。だから万が一破裂したり爆破されても大丈夫なように空気漏れの穴をわざと空ける。システムをハッキングされても大丈夫なように敢えて破壊するとは理解した。
「そ、そんな。もしも居住区に『此方の声通りに』・・・・シュウジ・・・・いや、やっぱ違う?」
マチュは声を聞いて従った。シュウジとはやはり違うが、求めた気配に近かった。そして、下のコンテナにあるザク用の手持ちミサイルやバズーカを確認してゼータに持たせ【外からではなく中からの】声に従った。
「左・・・・ちょい下か、ら?」
何となくわかった。これをやると自分は此処には戻れない・・・・だが、やらなければもっと酷い事になる。自分は決してこのコロニーを嫌っていたワケじゃないとしながら。
「うぁぁぁわぁぁぁ!あぁぁぁあぁぁぁ!」
壊れていく、ガスが成功しなくてもこのコロニーで起きた事は良い未来にはならない。でもこの場で見捨てられない。
「あぁぁぁっ、らぁぁぁあぁぁぁ!わぁぁぁっ、あぁぁぁ!」
ターゲットをコンテナ内の武器を次々変えて破壊しながらマチュはひたすら叫びながら引き金を引いた。
(い、行くんだ!私、シュウジのとこに行くんだぁぁぁあぁぁぁああっ!)
何故か踏み込んだら戻れない域にいる力と声に導かれる矛盾から目を背けて宇宙港を破壊した。
―――――――。
「成功です。これでガスが今すぐに漏れても内部には入らず外に行くでしょう」
職員が喜ぶが、ブライトとカムランは青ざめていた。自分達は何も指示してないのに正確かつ迅速だ。特にブライトはア・バオア・クーでアムロの声を聞いていた時と酷似した感覚であった。だが今は毒ガスを防げただけマシとした時にグワダンからの通信が入った。
『ブライト艦長、宜しいか!ハマーン様が、アーガマを・・・・【ハマーン様が、アーガマを乗っ取りルナ2に向かいました】!』
新たに理解出来ない事態だった。アーガマを乗っ取って単艦でとは意味がわからない、しかもアーガマ内にあるMSを放り出して等と。ここはとした時に知っているような気がする声を聞いた。
「信じろ・・・・後はモンブランに任せて、追え?」
「ブライト艦長?」
「カムランさん、あのMSに呼び掛けて来てもらって下さい。私は戻ります」
意味がわからないが、異常なのは承知として片腕の機体に来てもらって戻る事にしたが、中にいたのはアムロやシオン以上に衝撃を感じる外見の少女であった。
「あんたがブライトっておじさん?」
「おじ・・・・っ、いや。すまんがグワダンに早く戻ってくれ!」
「わかった。さっさと行くよ!」
推力がMK―IIの比ではない機体をコントロールする少女の腕と言うより勘がただ事ではないとわかるが、何かを待っているようでもある。取り敢えず聞くべき事をブライトは訪ねた。
「お嬢さん、学生服姿という事は正規の兵士ではないな。何故この機体に乗ってるのかな?」
「此方の方が強そうだったから、それとこの機体に乗ってるとキラキラに近い何かを見れるかもしれない」
全く要領が得ない、シオンの方がまだマシな事を言うとしながらグワダンに着いたが、やはり困惑の極みであった。ニャアンという少女が自分を乗せて来た少女に抱き着いて無事帰還したのを喜んでいるが、ブライトからしたらマチュという名らしい少女は自分を待ってくれたニャアンでなくゼータに感心が向いているのが不穏な予感がする。
「聞いて見ての通りさね。来てくれたからにはアーガマを追っ掛けてくれるんだろ?」
「そのつもりだ・・・・」
ブライトは声を掛けてきたエフェメラには向き合えなかった。歓喜とかそのような次元ではない何かを達せられた事を表す顔だったのだ。血の涙まで流す彼女は呪いの一部を漸く解放できたのだ。
その頃、アーガマを占拠されて従う他は無いクルー達はブリッジのメンバーがハマーンと対面していた。
「改めて、クルーの無事は確証してもらえますね?」
「何度も言わせるな・・・・【トースト】にされたいか?」
艦長代理を勤めたトーレスはあんぐりとした顔をした。鉄面皮という表現が似合うハマーンらしからぬブラックユーモアにしてもどこか不自然にすぎるとアクシズ側の兵達すら困惑したが、当のトーレスはNTでもない者なりに回した頭で思いついた策を実行した。
「では、貴女方には居住区を使って休むのをお奨めしましょう。これから何をするにしても疲労は無い方が良い」
「ふむ、それは有難い。では女性用の部屋はあるのか?」
「はあ、最近は女性用の個室は一つだけでしたが・・・・下士官用ですね。上級や指揮官が使ってた部屋であるのは・・・・あ、そうだ【クワトロ大尉】の部屋で如何です?」
ハマーンの空気が一層張りつめたのを感じてトーレスの意図を察したブリッジクルーは悪戯っぽい笑みを浮かべた。彼等とて度胸と覚悟は無いワケではなく好き放題な相手への反撃を試みた喜びに意識を移したのだ。
次回、ハマーンの突撃?(汗)