機動戦士Zガンダム 静寂なる宇宙へ   作:くまたいよう

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 ルナ2に関して回。


リベリオン

【アーガマクルーは若者で現代っ子とされる者が多数である】

 

 後の歴史に記される迄もなく初めて目の当たりにしたブライトが感じていた事だ。ホワイトベースを指揮し始めた頃の自分のように神経質になっていた果てにリュウのような犠牲を出すよりは格段にマシとしていたが、上官に対してもブリッジで物食べながら喋らないで下さいとマナー違反優先な台詞を言い放つシーサーのように物怖じしない者が多い。

 

 そして、ゴシップや推測に敏感であるのでハマーンの正体を乱暴にまとめた結論を出していた。

 

【シャアを追い掛けてきた女】

 

 わざわざ摂政が来るのは立場を考えずに自分で動く傾向があるシャアに影響を受けただけともなるが推測が全て当たっている必要は無い。

 

(俗物共がっ・・・・!)

 

 平静を取り繕いながらシャアの部屋を入ってしまったが、シャアが何かを隠しているか興味はあった。私生活で【女が】付け入る隙はあるのは自分が一番知っているつもりなのだ。忌まわしい記憶だがとして盗撮や環視はされていないと確認して浅ましい真似をしたが、トーレスが把握していないものを見てワナワナと身体を震わせた。

 

(シャアっ・・・・貴様、貴様という奴は!)

 

 

 

 

 

 その頃。

 

 

 

 

「まあ、ハマーン様もまだお若いからな」

 

 ブリッジに残った士官はトーレス達と意気投合していた。ハマーンが経験のあるダイクン派を連れて来たのが思わぬ種となった。ハッキリ言えば生まれたのがサイド3の辺りだから軍に入る事になった者達が多い、中には非道な作戦に耐えかねて左遷された者や部下のような者迄がいた。

 

【あの青い巨星ランバ・ラルのような者とすればわかりやすい】

 

 サイド3出身との事でシオンの身の上に関して聞きたかったが深入りはやめた。クワトロとしてのシャアがシオンに大きな希望を見出だしているのを知っているからだ。これからは腹の探り合いになるか否かだ。

 

 

 

 

 そしてグワダン。

 

 

 

 

 確認できた限りでアーガマの航路は示し合わせた通りにルナ2を目指すようだが益々ハマーンの意図がわからない。これでは自分が追うしかない、立場上で有難いがそこまでする理由についてブライトには恐ろしい予感がある。グワダンのクルーが自分に従ってくれるのは何故か本来の主が思わぬ行動に出たからだろうとしたがエフェメラのような者が多いようで割り切ってくれたお陰でもあるようだ。そしてアーガマの速度を考えると追い付くのは無理だとしつつゲストルームでマチュとニャアンに対面していた。

 

 

【だが、マチュが本名ではなく愛称だと明かしていない事は気付かない】

 

 

「ハマーンが君達に消えてしまった友達を探すのを勧めて、キュベレイに同乗して艦に来てみたら私も巻き込まれた騒ぎ・・・・率直に聞く、そのシュウジ君とやらが何故か持っていたガンダムはハマーンが探していた機体だ。彼女が何かを知っていると聞いた時に何か感じたかな?」

 

「嘘は言ってない・・・・けど、何か踏み込めなかった」

 

「そうか・・・・私の知っている者ならわかるかもしれないがな」

 

「誰それ、ねえ。何処にいるのよ!?」

 

「地球だ。君の乗ってし・・・・どうしたね?」

 

 ニャアンが間に入って首を振っている。まさかシオンの居場所を聞いたら直ぐに飛んでいくワケでもとした時に目の光が違って来たのでブライトは悟った。

 

【駄目、マチュならやる】

 

 何を根拠にしてるか知らないが、そう訴える瞳だった。更にあのゼータはデータで見た大気圏突入可能装備なタイプ。流石に片腕ではとした際に益々頭を抱える問題が起きた。フレームからして艦内で造っていた試作MSで代用可能だと言うのだ。そもそもリック・ディアス以降のアナハイム製MSに採用されたガンダリュウム・ガンマはシャアがアクシズから持ち込んだものなので有り得るのかもしれないが。次の問題は別にマチュしか動かせないMSではないハズとする点であったのだが。

 

「駄目だっ!何故か起動すらしない!」

 

 生体認証でもされているのかグワダンにいるどのパイロットも起動出来なかった。サイコマシーンと言われる類いの知識はあるのでやっかみ等は出なかったが、せめてどこで造られたかと調べたがプロテクト迄もサイコミュの類いがあるようでエラーしか出ないとしているので藁にも縋る思いで頼まれたブライトがコックピットの中に入った瞬間、周りには宇宙が広がっていた。その宇宙は恐ろしい冷たさを感じるものだった。

 

『大人をやれば良いんでしょ、わかったフリして』

 

 知らないようで知っている気がする声。突き刺されるような痛みと冷たさを伴ってア・バオア・クーでアムロの声を聞いた時とは全然違うと感じたが、それが間違いだったのかもしれない。何故ならば。

 

『良い方向に向かっているようだ』

 

 違う声の主を殴ってやりたくなった。だが自分にその資格があるワケが無い。何故ならブライトは自分も同じだからだとわかった。自分が一番。

 

『一番【  】を上手く使える』

 

 

 

 ~~~~~~~っ!

 

 

 

「戻って・・・・しまった。いや、戻してくれたのか」

 

 元のコックピット内だった。この機体の謎を解きたいならNTを乗せる他は無いとわかってしまったが、それをやったら・・・・今は万が一の為に片腕をどうにかしつつ不備が無いか調べるのが精一杯だとして漸くルナ2を確認できる距離に近付いた時。

 

 

 

【ルナ2が核に焼かれた】

 

 

 

「な、何やってんの!」

 

 話に聞いた【ソロモンの悪夢】が奪った核搭載機で攻撃したような惨劇にブライトは戦慄をした。

 

【シオンがバルゴラの兵装を破壊してしまった時のように場所と内部の状況のせいで外見以上の被害が中に出ている】

 

 それを確認した時にキュベレイに乗るハマーンから通信が来た。

 

『ブライト艦長、見ての通りだ。どうやらルナ2から核を運び出していた艦を出港直前に撃沈した際爆発してしまったようだな』

 

 白々しいとわかってはいる。ブライトはあの爆発を招いたであろう機体をエフェメラから聞いているのだ。

 

【AMX―017ギガンティック】

 

 デラーズ紛争でアクシズに脱出成功を果たせた側なデラーズ・フリート兵が持ち込んだデータを元に製造された機体。キュベレイのようなカラ―リングだが、禍々しい重厚さを持つ機体の核を使ったのだろう。躊躇の無さが想像を越えていた。

 

 しかし、元々は一年戦争時に南極条約が締結される前に初期のザクC型ですら核バズーカは使用可能だった。ガンダム試作2号機で狼狽えている方が間違いとエフェメラがボヤいた。

 

【実際に一週間戦争を体験した者からの発言は重みを知らずに感じて否定できなかった】

 

 ブライトの口惜しさに構う事無く今がチャンスとした処置が行われた。残った部隊を殲滅する。ブライトはせめてハマーンのキュベレイのデータを取っておきたいが、残すまでもないだろうとした。

 

 ソロモンの亡霊が人型になって機動力を得た機体にアムロが乗っているようなものと伝えられれば良い。シオンを実戦で鍛えて彼に相応しい機体を用意するのを急いだシャアと賛同した自分の見識は正しかった。今は直接対決が悪い意味で早まらないようにするのが自分の成すべき事だ。

 

(・・・・グリプスに向けるか、しかしエフェメラは乗り気のようだな)

 

 

 

 

 ―ー―ー―ー―。

 

 

 

 

「相手は移動するのも難儀な段階だ。最初と最後の調整で掠められる程度やれりゃ良い!」

 

 自分用のガザCに乗ったエフェメラの怒声が響くが、周りには実は同類すらいるので嬉々とした表情すらある。これで溜飲が下がるのだとして迅速に準備が完了した。

 

(・・・・逃げ延びれただけで幸運だったと思ったけど、こんなチャンスが。やっぱり、やっぱりさあ・・・・【命あっての物種】!戦力を温存しているバスク・オムの顔が見物さね!シーマ・ガラハウだった女がこんな事やれるなんて、なんて時代なんだろうねぇ?)

 

 バスク以前にコロニーへの毒ガス使用を知らずにやらされた恨み。

 

 故郷をソーラ・レイに改造された恨み。

 

 人生で積もり積もった恨みはキリが無い、下手人が既にあの世のも割り切れるか自信は無いが、生きている相手に落とし前をつけられる機会を逃す甘ちゃんになる気は無いのがエフェメラである。

 

「点火だ!ルナ2を改造中のグリプス2にぶつけてティターンズを結成したジジィと戦争屋の集まりを宇宙の藻屑にしてやるんだっ!」

 

 多種多様な外付け装置によりルナ2はグリプスに直進した。最早、止める手段は無い。エフェメラの再燃した運命へのリベリオンの芽は宇宙で盛大に開いた。




 割と散々な私作なルナ2。
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