「何か姑息・・・・」
「気にしないでよアネさんは注文通りにしただけなんだし」
ゼータが二機、アネッサの乗る方にマチュ。他はペッシェがコンテナを抱えながら飛ぶ図で次の拠点候補に移動した。カムナやユズリハ外交官を煙に巻いたやり方は姑息だろうと見ていたが、無駄死にするかもしれないよりはマシと意見は一致した。マチュとてアネッサが戦意が湧かない理由はわからないでもないのだ。カムナを遠目から感じたが、何やら強迫観念染みたものがあるとして渡された資料を見た。
「連邦軍人家系生まれだけど、パイロットじゃなくて指揮官やりなさいよって人じゃない・・・・あ、いや。その?」
「マチュ、気付いて周りに当たらないだけで君は凄いよ」
「あ~、うん。エゥーゴの事を聞かされたからねえ、アネさんやフォウが参考になったし」
遠目に見てペッシェはやはり羨ましくなっていた。ゼータを運んで来た云々が関係無くマチュはニュータイプとしては凄まじい逸材でありわかってしまっている。詳しくは聞いていないが、エネルギーを持て余しつつ何処か育ちの良さが表に出るマチュ、そして出身地が勝ち組ならば裕福で職業上の能力は優秀だった両親を持つアネッサの今はカムナより筋が通らないので文句を言える立場ではないとした。尤もアネッサは生い立ち上な怒りでクワトロを殴ったりしているとしながら資料を見続けた。
「はあ、デラーズ紛争終盤で騙し討ちを喰らって乗ってた艦を小破させた。お父さんは観艦式で核に焼かれたか、それでティターンズにね。じゃあジオンの残党扱いなエゥーゴに敵意が剥き出しワケね。けど何か陰謀嫌いってフシあるのが先日の微妙さな理由かな・・・・アネさんさ、後ろめたさ感じてるようだけど当分はスっとぼけてる事ね。冤罪張らすのって歴史上で類を見ない無理難題よ」
ズレてはいるが、二人には目的がある。マチュはシュウジでアネッサは悪い意味でのティターンズやニタ研を排除した世界として。そしてアネッサがスミレに案内された場の正体は恐るべきものであった。
「こ、ここが【アナベル・ガトー少佐とガンダム試作2号機を宇宙に上げた場】だと?」
「そうよペッシェさん、封鎖されてるけどジオン残党が四年前に立て籠って言ったような事をした。ルナ2で【小】が付く成果だしちゃったアネさんを置くには最悪だからこそな場よ、この【キンバライト基地】で次の準備!アネさんが出した案が実用出来る段階になったし」
かなりの人数が時間掛けて入り込んでもいるので確かにとすべきだが、新たな情報に先に来た側が目を丸くした。
「な、何コレ!」
「あ~、会計局の人達のいるとこで暴れたからかな?」
【サイド6の事件】
ジオン残党とあるが、何故か一人の民間少女が国際指名手配級なテロリストとして手配されているが、顔はともかく【アマテ・ユズリハ】という名である。
「ま、マチュ。貴女の本名って【マチュだ!】え?」
「マチュよ、私はマチュ!何を言えってのスミレさんは、こんな事なら知り合い見捨てて、おウチで自分の事だけ考えてりゃ良かったなんて言うなら私は発見者として自分が見つけたゼータで退散したい」
「ま、俺も同じような立場だしな」
「アネさん、俺っ娘じゃボロ出さない保証は無いって思うからさ【私】が嫌なら【自分】なんてどうなの?」
「ああ、それもそうだ。えぇ・・・・と、自分は騒いでどうこうなる話題ではないからゼータに例のものを準備するのを始めるべきかとスミレ指揮官殿」
二人の連帯感は異様そのもの。それなりに何かあるのはわかるが、これが真意なら、今のまま行き着く場に行くしかないとフォウですら顔を青くするのみだった。
ーーーーーーー。
「たっ、隊長。これは一体?」
「気持ちはわかるがしゃんとせい!しかし、これが事実なら俺達の分岐点とやらかあ?」
ヤザン・ゲーブルはアドルを始めとした部下達の気持ちがわからんでもなかった。ティターンズと言うより正規の連邦宇宙軍には散布されたのは。
【30バンチ事件の真相】
バスク・オムがグリプス付近であたふたしているのは乗っ取られてグリプスにぶつけられたルナ2から脱出した艦艇が脱出させて貰う条件に艦艇コードをエゥーゴからジオンのに変えていた。ヤザンからしても癇癪持ちなバスクには上手いやり方だ。
謀略と取るならはね除ける。
仮に、真実としたらエゥーゴ側の信じてもらえるタイミングを図った呼び掛けとすべき。
それを見計らったように規格外のスピードで接近したと思わしき新型MAからの通信がヤザンの乗艦に入った。
『此方は、木星から帰還した連邦軍所属のパプティマス・シロッコ大佐。重要な情報を預かって来たので着艦許可を願いたい』
キナ臭さを感じる声色だが、何やら面白そうだとしながらヤザンが出迎える事となった。宇宙でも更なる謀略の渦が広がっていた。
通信士と一緒に漸く届いた画像を見るヘンケンは派手にやったと思っていた。まさか、ルナ2をコロニーレーザーに改造中だったグリプスにぶつけるとはスケールが大きい。
アクシズからの先行隊としか知らない部隊の所業である事、その部隊と一緒にいるブライトと自分が初代艦長を勤めたアーガマクルーが気に掛かるが、自分達も最近は出資者代表が変わったりな動きでどうなるかとしている。最近はジャブローの後のような戦術を駆使して今日もティターンズよりな連邦宇宙軍と交戦した。最近に確認されたシールドを手持ち仕様にしたマラサイが恐るべき驚異であるがクワトロを知る自分達からしたら歯が立たない程ではない。
「しかし、最近は女性達の活躍と言うか撃墜数が増えてますね」
「まあ、我々が引き付けてタイミング良く一撃離脱が嵌まった流れだな。ミス・マーサは女性も・・・・っ!」
何となく流れがわかった。女性中心な世を作りたいとすべきマーサからしたら今のままなら口出しをするような事は無い。
だが、そこにマーサが考えに入れているか否かな事がある。クワトロが密かに根回しした旧ジオン関係者を除いた女達に不馴れな地球に行かせず宇宙で良いとこ取りをさせている流れであるがヘンケンには全然違う。全体の被害、特に女性達への負荷を減らすのはヘンケンは仕組まれなくてもやる男である。夢見がちな言い方をすれば男が戦う理由は女の為にが王道、ましてエゥーゴは元々現場の結束力は強いので、別部隊で撃墜数が増えてるケーラやルーはヘンケンを頼りになるオッサンとして感謝を向けられているのでロマンに数えられてしまう状況とした事から間違いではない推測を立てられた。
(成る程、ブレックス准将もミス・マーサからしたら御しやすいし俺みたいな者は利害が噛み合ってるワケだ。クワトロ大尉が推測したウォンさんのように、出資者のリーダーだった事を武器に政治家にでもなる算段ある立ち位置には都合悪いがなあ)
陰謀を巡らすマーサには皮肉な事に現場の人間達には歓迎すべき流れになっていたとは知る術は無かった。シオンをアネッサという名で女装させた流れもヘンケンからしたら密かな心配を減らしていたので別に反対する術は無い。強いて言えば変装用に伸ばしていた髪を下ろしたアネッサの画像を見たら美人に過ぎたのでブリッジクルーが勘違いしてしまった点くらいだ。
そして、日数が経ったある日。
「な、何なんですかこの状況?」
「とにかくストップ、アネさん出たら駄目!」
「必要だからやるんでしょ。自分があのゼータに乗ると不味い事でも【あるのよ!】・・・・そ、そうなんですか?」
敵機らしき機体が接近しているのでマチュが持って来た方なゼータに乗って待機しようとしていたアネッサはマチュにラグビーのタックルのような全力さで待ったを掛けられてクワトロやスミレが選んだスタッフも困惑していたが、思い当たる事はある。要するにサイコミュの類いが積まれてるのは推測出来るがアネッサのではない機体のは噛み合わせが悪いのではと仲介してペッシェに出てもらう事にしながらアネッサは自分の機体の新たな仕様の調整を進める事にした。これなら万一の時は何とかなるとしたが、マチュは正に心臓に悪い思いをした表情となっていた。それだけ自分が持って来たゼータにアネッサを乗せるワケにはいかない理由を察しているのだ。
そして、ペッシェも実はマチュの事を早計と言えない理由があった。それが迫って来てるとわかってしまった。
(え、まさか・・・・【来てる】)
『此方はティターンズ所属の【ロザミア・バダム】中尉だ!エゥーゴのテロリスト達、宇宙を落とすものを上げる前に投降をしろ!』
やはりとした。周りは【宇宙を落とす】という言い方に戸惑ったようで直ぐに理解した。ジオンとみなされてはコロニー落としみたいな手段を取るとしているのだ。元を正せばティターンズが表向き設立の正統性を持てた理由、MSを射出口らしき箇所を一撃離脱で破壊されたので少なくとも本気だろうとしてペッシェに出撃をとしたが、ペッシェの様子を見たスミレが何となく察した。
『ペッシェ、マチュかフォウに代わりなさい。貴女、出たら死ぬわよ!』
「な、何を・・・・」
「私はニュータイプじゃないけど、貴女がそうなる予感を抱く例くらい知ってる。だからやめなさい!このままだと・・・・【貴女も戻れなくなるわ】!」
「っ!・・・・つまり、私もアネッサ達の行ったとこに、行けるかもしれないんですね」
逆効果だったとスミレは後悔した。若者達は進むか引くかとしたら進みたくなるものだ。だが、今は中に入ったまま潰されるのは御免だとゲートが開かれてペッシェのゼータは飛翔をした。
「わ、わかるわよ!けど、貴方だってそうなんでしょ!いっそ、力技で連れ帰っちゃえば良かったんだって・・・・此処は邪魔が入る場じゃないんだからさ、力を貸してよ!私の貸せるもの貸すから・・・・貴方の力・・・・私に貸してよ!【カミーユ・ビダン】」
何故呼んでしまうか知らないハズな少年の名を無意識に叫んでロザミアが駆るギャプランに向かって行った。ゼータならバランスは勝るのでパワー比べでなければ勝機はあるとしてゼータを変形させて向かわせるが、推力強化用ブースターを装備しているので通信が上手く繋がらない事からな焦りを抑えるのが精一杯だ。戦闘機同士なドッグ・ファイトのような戦いになるが、明らかに部が悪い。
「は、速い・・・・これじゃやられ・・・・やらっ!」
『もらった!』
目の前に現れた青い機体に斬りかかられたが必死に機体を逸らして回避させた。頭部が鳥の嘴のようになった機体は二年前に廃案になった機体を仕上げたものだ。
【ORX-139クラックス】
宇宙用可変機として製作されたので変形機構も何も不向きだが宇宙での混乱でアッシマーすら回されなくなったオーガスタのニタ研や方面軍の苦肉の策。そんな事を知らないペッシェは戦うしかない。何とか距離を取りながら突破口をとしたが、やはり自分はアネッサやシャアではないとした時にアラームがなった。このままでは間も無く真後ろからゼロ距離射撃を受けるとした瞬間。
『何っ!?』
ペッシェはゼータを変形させてMS形態にしつつ右手に持たせたサーベルを最大出力で真横に伸ばす。右側を通過するギャプランはシールドからブースターをスレ違いざまに斬られた形になった瞬間に左腕のグレネードを射出したらブースターに命中。ロザミアと言うよりアースノイドの地球での移動が宇宙と違って水平になりがちだとアネッサを介したクワトロの論。墜落して行くが爆発はしないならとしてギャプランを追ってしまった。
「しめた。一方に気を取られたか!」
クラックスを駆る強化人間である【ゲーツ・キャパ】はロザミアを気にはしていたが、何やら【兄と姉】を混同してしまう暗示の掛け方により非常の際は死にさえしなければ良いと指示をされていた。正直、気は進まないがキンバライト基地を陥落させればどうとでもとして突っ込む。新手が来るならとしてゲートから飛翔したのはもう一機の新型だったので絶好の機会としてビームキャノンを撃ったが、予想外な結果で機を取られて機体の右胸を撃ち抜かれたのがゲーツの意識を失う寸前な光景だった。
「バカ、な・・・・弾かれたのか・・・・」
射出された脱出ポッドを見ながら何とか間に合った事にアネッサは肝を冷やした。
【フルアーマー陸戦型ゼータ】
本来の構想をアネッサの案を除いて形だけは仕上げた段階。原型を保ったまま纏ったような白いアーマーはビームを弾く【Iフィールド】が上手く機能してくれるか否かぶっつけ本番だったにしても、これならカウンター気味にこうするのも容易だとした不意討ちである。とにかくペッシェに戻って来てもらうべく周囲の索敵を開始した。
ゲーツの乗ってるのはジークアクス版ハンブラビを本編ハンブラビの原案の名で読んでるMSって感じです。
しかし、図太いマチュやアネッサよりペッシェの方が悩める主人公に近い立ち位置。