ゲスト?出します。
私、エマ・シーンはルナ2の食堂にて先日の件を思い返していた。
同僚たるカクリコンやジェリドの蛮行、二名は処分を保留されていたのだけど、何かキナ臭い流れがしていた。ガンダムMk-Ⅱの強奪に荷担しつつブライト・ノア少佐だけではなく私にも誘いを掛けた少年の言葉が気に掛かっていたけど・・・・。
「エマ中尉?」
「は、はいっ?」
「へ?あ、あの・・・・」
私の横に座った『少尉』の言葉で思わず我に帰った。ルナ2に寄港して間も無く、ジェリドとカクリコンに絡まれていた娘ね・・・・変な返しに戸惑うのを除いてもハッキリ言って軍人らしくない、ティターンズ寄りなデザインの制服のスカートの丈だけ短めにしている以外は気弱な大学生・・・・亜麻色に見えたりする茶か黒寄りな髪を背中辺りまでに伸ばした娘と少々縁が出来た。
「エゥーゴの動向はどうなのです?」
「機密扱いよ」
「そ、そうですか・・・・」
噂が僅かに漏れてしまっている?流石に民間人の少年がガンダムをいきなり動かしたなんて事迄はと思うけど、何かが・・・・と考えた時に警報が響いた。
『総員、第二戦闘配置!』
「ルナ2に仕掛けると言うの!?」
エゥーゴの戦力がどれ程かは知らない、けど先日のように何かの策を講じているとしたらと思いながらも私はノーマルスーツに着替えて、自分に任されたMk-Ⅱのコックピットに向かって第二陣として待機したのだけど・・・・そこにも罠があったわ。
要塞内に潜入した工作員により、破壊されて身動きが取れない・・・・正に先日の二の舞。私は内部から崩された要塞内でMk-Ⅱを動かしながら脱出ルートを探していたところに巨大な十徳ナイフのようなものを背負った蒼い機体が合流した。
「エマ中尉!私も手伝います!」
「助かるわ『オハラ少尉』!」
『セツコ・オハラ』
単純なビームライフルだけでは対処が出来ない相手、例えば一年戦争で連邦のティアンム艦隊を壊滅状態にさせたビグザムのような相手に有効な武装として数多く試作されたものの一つである複合型の汎用武装システムを扱う機体『バルゴラ』のテストを行う部隊にテストパイロットとして配属された女性士官。詳しい事はまだ聞いてないけど今は共同作業に当たってくれる事に感謝したわ。
・・・・・・・・。
「複雑なものだ」
エゥーゴに合流し、アーガマを任された私、ブライト・ノアは一年戦争でサイド7を脱出して間も無く寄港した場であるルナ2をモニター越しに見ていた。
アムロですら、ガンダムの性能に助けられていた時期には純粋な技量では成す術が無かったシャア・アズナブルは戦術家としても恐るべき敵だった。二手三手先を考えられて常に不利な状況に追い込まれてしまう・・・・。
そのシャアを目の当たりにした私はブレックス准将と先に話をしていなければ、直ぐにでも締め殺してやりたかった。
彼と対話して真意を信じられたのは、頭の固さを反省出来たからだが、そうなれた恩師と言うべき人達と濃密な時間を過ごした場を私は攻めている。
『パオロ艦長とワッケイン指令』
正直、重症を負いながら息耐えるまで私達の身を案じてくれたパオロ艦長はともかく後者との出会いは最悪だったか。
ルナ2に逃げ込んだ私達を最重要機密の塊を使用した事で拘束したワッケイン指令はシャアの襲撃とパオロ艦長の言葉が無ければ私達をどうしたかは言うまでもない、ソロモン攻略戦で再会した時は以前とは違った姿であり、学び直した姿だった。
二人共、あの世から私をどう見ているのだろうな・・・・今でも敬意を抱く二人の死因は勿論シャアだ。そのシャアと手を取り合った私を・・・・いや、今は言うまい。
そのシャア・・・・いや、今はクワトロ大尉はあろう事かルナ2の攻撃を提案して実行したのだ。
Mk-Ⅱを強奪した後は秘密基地に帰還と言うのが鉄板だが、潜伏先を特定させないよう月とは正反対の場に逃げ込み、虚を突かれて様子見を決めたティターンズ相手に考えていた手段、ルナ2を落とす迄は考えていないが、相手からしたらどうか?全く恐れ入る。
予めノーマルスーツの工作員を送る案も一年戦争とグリプスの件で何度も繰り返しているからこそ裏を掛ける算段・・・・彼が味方になってくれた事には感謝するしかない。
「迎撃部隊は?」
「第一派は全滅!スコアはアポリー、ロベルト中尉が三つずつ、クワトロ大尉が4つでシオンが二つです!」
シオンを多少シミュレーションやらせた後に実戦に出すのはクワトロ大尉以外は反対していたが、フィリップ少尉の推薦でもある・・・・少尉は戦後にパン屋をやっていたのは前大戦で負傷以外にも話せない事があったらしいが、今はクワトロ大尉の言うようにシオンを実戦で鍛え上げる必要がある。万が一ティターンズにアムロに匹敵するようなNTがいたら成す術は無いからだと、録に知らない者からしたら過大評価ともなる見方だが、実際一年戦争終了時期にNTとして覚醒したアムロのガンダムと相討ちに持ち込むまで敵としてその恐ろしさを誰よりも味わっている男の言葉に異論は無い、それ比べると味方であるのにアムロを異端視し始めた私こそが一番間抜けなのだ。あいつの問題行動も私の思慮が足らなかったのも一因・・・・そして、そのせいでリュウを死なせた。
(リュウ、勘弁してくれよ・・・・)
俺は同胞であり恩師達以上に忘れられないリュウに改めて詫びて、改めて指揮を取り始めた。今やるべき事に責任を持って向き合う為にもだ。
私的考案兼ねた要素の為なゲストとブライトさんの内面を多少触れた回。