【アンブロシアコロニーに来た人々は、このコロニー軍事拠点と勘違いしていた】
「このコロニー、アンブロシアは廃棄コロニーをベースに建造され、表向きは基地とされているが実態は居住用であり軍民一体で運営される生活の場が実態であり、施設は機能しているが暫定的なものなのです」
集められたジオン共和国所属の兵達はドレス姿になった金髪美女の説明に聞き入っていた。
「我が兄キャスバルに賛同して頂いた方々でありエゥーゴに直ぐに参加したいとして馳せ参じた方々には申し訳ないですが暫くの辛抱を命じます!既に認知され始めている事ですが、私達の父ジオン・ダイクンが宇宙移民者、即ちスペースノイドの自治権を要求した時、父ジオンはザビ家に暗殺されたと、当時のサイド3内と周囲に広まりました。かくゆう私も兄と共に父の同志であり知己達に連れ出され、脱出した先で真偽のわからぬ日々を幼き日より送っていたのです!真相に心当たりがある御方は後日、解明に協力をなさい!」
シャアが暗殺された事を信じきっていた事を筆頭にした部分をはぐらかした内容であるが、ザビ家派のスパイ。連邦内にいるザビとダイクンの区別をしていない層を警戒しての言い分である。少なくともセイラの声色には真剣さしかない。マス家に逃げ込んだ後の日々は浅はかな者では立ち入れないのだ。
「そして、ザビ家はジオン公国を名乗り地球に独立戦争を挑みました。その結果、知る通りザビ家の敗北に終わりました!その三年後にデラーズ・フリートと名乗るザビ家の支持者達が立ち上がりましたが、その戦いでもザビ家同様に内部分裂がキッカケとなる敗北!この二件により兄キャスバルがエゥーゴ立ち上げの際に徹底したのは信頼できる同志達のみの精鋭部隊を組織の基幹にした構成!これを崩さない事を第一にすべく、後一息の辛抱をお願い致します!」
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「アルテイシア様なら、多少の不備は許容範囲とやらです」
脇で見ていたカイザスがアネッサ達に説明したのはデラーズ・フリートのような事をしたい者がいるかどうかを探れる事、セイラが述べたような不明点が多かった点に不安を抱いていた者達からしたら当時の苦難を味わった者が自分も良くわからないが解明に取り組みますな方向が有難いし多少辛抱をする気にもなるとする算段。
「兄は地球、妹は宇宙。実働部隊と政務系でも分けられる形にもなるかもしれないですか?」
「役割分担ね・・・・何かしっくり来ないけど」
行動力の権化なマチュからしたら自分だったら耐えられないとしているのだろう、シュウジの件は薔薇とアネッサが鍵としているので当面はアネッサのゼータを守るのが第一と理解しているのが大人しくしている理由である。
そして、スミレがアンブロシアの一角にアネッサ達を呼んだ。これから始める事はダカールでの戦いに参加した四名はやはり欠かせない。
【通達されたようにワケあり新造艦に安全と判断したクルー達と共に乗り込んでの出立の日が来たのだ】
ペッシェもロザミィを置いて行くのは忍びないが自分とて顔見知りすらいるかもしれないメンバーを放ってはおけないので同行した。
「お待たせ。当面、集まったクルーよ!」
「あ、あの・・・・この娘達がですか?」
来たメンバーはジオン寄りな色だがエゥーゴとして活動する為に一般寄りなデザインにした服装である。彼等はアネッサにマチュ、フォウにペッシェよりは遥かに軍人らしい者ばかりなのでスミレの紹介に目を丸くしている。
「えぇ、映像にあったようにダカールでサイコガンダムを下したガンダム小隊のパイロット達よ、リハビリ中の強化人間もいたりなワケありだから、そのアネッサって娘以外は固定なレギュラーパイロットじゃない扱いになるけど」
「き、君達が噂のニュータイプ部隊・・・・」
「【エグザベくん】?既に実戦を積んだ娘達なんだから甘く見れる相手じゃないわよ」
茶に近いオレンジ髪で口元ホクロの人の良さそうな青年は黒髪セミロングの目元ホクロの女性【コモリ】に宥められていた。
「そうそう、私はともかくアネさんは怒ると怖いんだから」
「コワイ!コワイ!アネサン、怒ルト怖イ!」
お前等が言うなとマチュを止めた後、この部隊に用意された艦にかなりの大所帯で移動したが、紹介された艦が問題だった。
「・・・・ブライト艦長に見せたらどうなるやらな見た目ですね」
「まあね、案外ティターンズに所属しちゃった場合なブライトさん対策だったかもしれないのを入手してたの」
【ソドン】
木馬とまで言われたホワイトベースを含むペガサス級のパーツを各所から密かに手に入れ組み上げて緑と白に塗装した強襲揚陸艦だった。無論、中身はアーガマに引けを取らない最新艦でもあるが。そして、ソドンのMSデッキでスミレからの訓示が開始された。
「えぇ、と・・・・シャア大佐、エゥーゴではクワトロ大尉な御方から任された私から率直に述べます!この艦でグリプスから脱出したティターンズの探索に当たります。しかし、中身が最新式でもクルーの錬度が無ければ意味はありません。早速に割り当てられた配置に付いて訓練開始!」
その日からソドンクルー達の訓練が始まる。二機のゼータとエグザベに当てられた白い新型MS【ガズアル】を何度も出撃させてクルー達に感覚を掴ませていた。
ガルバルディの系統をロイヤルガード用に発展させ、もう一機の左右対称の機体と二機を基本にする通称【MAV】戦術とでもする形で運用するのを想定していたハズが都合で頓挫した白と青基調な機体。だがエグザベは実戦慣れしてないので性能差もありアネッサ達のゼータにはまだ細かい移動訓練の追従がやっとだった。尤もアネッサからしてもエグザベは実戦未経験者とは思えない動きをしていたのだが。
そんな日々の中でエグザベとアネッサは休憩室で対面していた。
「いや、君はどんな敵を想定してるんだ。模擬戦やる前に腕の差を痛感したぞ」
「シャア大佐ですよ。あの人は訓練で人間の視認限界の6倍はある設定で動くガンダム撃破してるの見たので」
「シャア・アズナブル大佐か・・・・」
気になったので聞いたが、エグザベはルウム戦役のせいで難民となりジオンに流れてフラナガン機関が関わる施設に入って近年はスクールを首席卒業したと話してくれた。それ以外には道は無かったしジオンが負けそうになってからは地獄だったと言うのは他人事ではなくフラナガンの名を冠したスクールは解体されジオン共和国の思想に切り替えた場になった。そこで今回の話に乗ったとまで話してくれた。そんな経緯ではルウム戦役で名を馳せたシャアには複雑な思いはあるだろう。
「それはそうと、君は本当にマチュって娘の妹分なのかい?性格の違い以上に空気が落ち着きあり過ぎる以上に何と言うか・・・・」
実はエグザベがパイロットが自分以外は女達な中で女装してると迄はわからないアネッサに本能で救いを求めてしまっているのだ。どうしたものかとしたらコモリが来て何やらエグザベがアネッサにちょっかい出してないかと冷ややかな噂をマチュが漏らしたとしたが、コモリも違和感があった。
「え、と。深入りはしないけどアナタは【そのままでいて】ね・・・・何かあったら、私なら力になるわよ」
「はい【助かります】・・・・」
エクザベもそうだが、コモリは実はニュータイプとして見出だされていた。平常時の理解力に掛けてはマチュ以上であるので【わかってしまった】・・・・ソドンの訓練を兼ねた任務はまだ続く。
ジオン敗北ルートのソドンクルーと合流回でした。