機動戦士Zガンダム 静寂なる宇宙へ   作:くまたいよう

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 ゼクノヴァ?でソロモン消した後のソドンの難儀始まり回。


ソドンの行き先

 負傷をしたサラにパプティマス・シロッコが会いに来たがシドレからしたら違和感がある。シロッコが裏回ししたジ・Oが入り込んだソロモンで何があったのかは知らないが仮にもニュータイプ候補生とされた身としてアレはあってはいけない光と感じた。アングラ出版物で読んだ一年戦争最後の戦い直前の辺りでアムロ・レイがソーラ・レイを【憎しみの光】としていたが、アレは全てを拒絶した冷たさ以上に自分も信望するシロッコにとっては最大の驚異かもしれない予感があった。

 

 同時に心配なのはシロッコへの依存が重ね重ね深刻なサラが良くも悪くも過敏になっているのはともかく、シロッコ自身が何故かブレているように感じた。元凶は何かと、どの辺りを探るべきとしてもソレに待ったを掛けてしまう。

 

(感じ方が大事とシロッコ大佐に言われた事がある・・・・私達からしたら探るのが危険?)

 

 

 

 

 

 シトレの危惧はアンブロシアにあるとは知る術は無いが、そのアンブロシアにも動きはあった。

 

 

 

 

 セイラは報告によりソドンは月にもどこにも入港させられないと非情な判断をした。知っている側からしたらこうなるとしている。

 

【寄港先でゼクノヴァを起こされるのを恐れてしまう】

 

【敵対する側も何をするかわからない】

 

 それ以前に、1年戦争の自分達がサイド6でシャアの乗っていた船と隣り合わせで寄港した時のような事が異例に近い。自分達が目の当たりにした実直な軍人は大半は死んでしまったのだから非戦闘地域では下手な遭遇戦より厄介とした。カイザスと面会したがやはりな内容である。

 

「兄の秘蔵っ子が心配だと?」

 

「はい、恐れながらアレは常軌を逸しております。他からしたら戦闘を遠目から見ていた側が多数存在するであろう事、例えばゼクノヴァの原因がソロモン内に潜伏していたダルマが爆発したからでは無理があるを含め、アネッサ女史が内部で引き起こした事だといずれ特定されてしまうでしょう」

 

 いきなり正念場に近いがセイラなりに考えていた事はある。

 

「兄が何故かアネッサに急遽に自分と知人のプランで仕上げたゼータガンダムを配備した理由がアレを想定してたとしたらどうされます?」

 

「ま、まさか・・・・っ!では、アネッサ女史にも何かが?」

 

「アネッサはたまたま見出だされた人材に過ぎません。問題は兄です・・・・今思っても、兄の行動力は身震いしますから。カイザス党首はジオン軍に入隊した兄のような事をやれますか?」

 

 カイザスは顔を青くしている。素性がバレたら殺される場に潜入してジオンの赤い彗星となった男のような事をやる等と歴史上で探すのすら難しい。セイラにしてもいっそゼクノヴァである方がどれだけ楽かな災厄を招く鬼子がシャアなのだ。

 

 そのゼクノヴァについて、原因は知った者はサイコミュの暴走かとされてる程度の憶測を立てるのが精々だった。

 

 少なくとも月に落ちようとしたコンペイトウを消し飛ばしたのは事実で月の市民からは大層な騒ぎになっている。少なくとも中心にいたのがエゥーゴのフラッグシップ機なのでキリが無い憶測が飛び交っていた。

 

 

 

 そして、当事者は。

 

 

 

 

「アネッサちゃんは敵機の中にいたのが私達も聞いた最低振り全開親父でショックの極み。他には聞かせられないね」

 

「大佐が大事にしてる娘・・・・う~ん、こりゃ不味いんじゃね?」

 

 ソロモン落下阻止の人手の為に急遽に乗り込んだ側の元ジオン共和国軍人からの志願兵達と対面したペッシェは何が不味いかと聞いてみたら【愛人云々】についてだった。

 

 ジオン・ダイクンの子であるシャアとセイラが正妻ではなく愛人の産んだ子達である点、それで変なこじつけされてはな発想。

 

 更に深入りするとドズル・ザビの娘であるミネバを担ぐアクシズが帰還な噂もあり、お国柄と言えど愛妻家で子煩悩と言われるドズル・ザビが側室を持っていて、その側室がアクシズを率いていた亡きマハラジャの長女だったのもイメージが悪い。ザビ家支持者と敵対しかねない道を選んだ側からしても、アンブロシアから共和国に残った側がどうなるかも複雑だ。

 

 しっくり来ないペッシェにわかりやすい一手としてリーダー格であるレズンの提案で知っていて絵が上手い同僚にダイクンの正妻ローゼルシアと愛人アストライアの顔を似顔絵にして見比べさせたが、ペッシェは開いた口が塞がらなかった。

 

「何ですかこの漫画みたいな顔の落差は・・・・ローゼルシア様に比べてアストライア様は如何にもシャア大佐とセイラさんの母親だけど」

 

「わからん、若い時は美人でも後になって宇宙紫外線すら生温い何かにやられたかとかまで言われてる。心臓に持病を持っていて独立戦争開始前に亡くなられたらしいが」

 

「少なくともローゼルシア様は子供が出来なかったのが悲劇・・・・中身が良いってワケじゃないしね」

 

 アストライアの受けた仕打ちも妖怪染みた鬼ババア顔に劣らぬ醜悪なもの、ペッシェからしたらアネッサから聞いたダイクンの実像は間違いではないかもとする一因になってしまって嫌な感じである。当のアネッサは療養を命じられてレズン達もソッとしてあげているが、スミレからは本人がつくづくシャアの真意を知りたい命令が下された。

 

 

 

 

 ーーーーーーー。

 

 

 

 

「わ、私も両方駄目だ・・・・っ」

 

「ぼ、僕は・・・・まあ、その?」

 

「何で私も・・・・やっぱり駄目ね」

 

 レズンで五人目、エグザベにコモリもだ。

 

 アネッサとマチュのゼータを起動させられるかどうかをやらせるように指令が来た。ブライトが極秘裏に何とかシャアと連絡を取れたが、グワダン内での一騒動が元の指令。

 

【集まったメンバーの誰かに二体のゼータを動かせるか試しておけ】

 

 やらせてみたらサイコミュが問題なのかマチュからも聞いたように起動すら出来ない。特に【黒髪の少年兵見習い】らしき者は悔しさで身体を震わせている。嫌な予感がするとして全員が駄目だった時、ペッシェが試しに乗ったがマチュのゼータは元から動かせていたが、アネッサのは何も反応が無くなっていてスミレは暗鬱した気分であった。

 

「アネさんのゼータ迄もおかしくなっちゃったのかしらね、スイッチ押すだけなハズの辺りも駄目なんて・・・・こうポチっと・・・・ええっ!?」

 

「動いた・・・・」

 

「何だい、スミレさんもニュータイプだったんかい?」

 

「ち、違うわよ!私がニュータイプなら・・・・ニュータイプ?」

 

 レズンへの返しで仮説が立てられた。起動出来るのはニュータイプか近い人間と考えたりはしたが、条件がまるで違っているのかもしれないと。試しに残る三人を呼んだらペッシェに呼んで来てもらったアネッサにしか起動出来なかった。

 

「自分は普通のMSでも・・・・」

 

「フォウ、さっさとアネさんを連れ帰って寝かしといて!お姉ちゃんは、エースじゃない妹に用は無いの!」

 

 マチュに尻を蹴られて追い返されたアネッサは正に鬱状態で誰も掛ける言葉が出ない、親がいた方が良いハズだがアレは悪い例としたしスミレはこう考えている。

 

【今のアネッサに一応は起動出来る事からの推測で、ニュータイプである事が起動出来る条件でなくて良かった】

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーー。

 

 

 

 

 

(・・・・どうしょう)

 

 二人でいると無言で死んでも離すまいとしてしまうフォウはアネッサに伝えたいけど伝えてはいけない事があるし、何よりアネッサに自分と同じ痛みのシンパシーを感じてしまった。

 

【わからない方が良かった】

 

 ニュータイプとしては違う在り方だが、概念からして自分達のものではない。フォウからするとニュータイプというのは悪い例とするアネッサとフランクリンを感じてはいたのでゾッとしたが間違いではないとする推測はある。

 

【わかってしまう人】

 

 これをどうすれば良いかわからない。乱暴に言えば脱走したのは賭けでアネッサに便乗してでもモルモットの自分から抜け出したかった時と違って自分の存在意義はアネッサしかないのだ。だからとした時に自分に抱き締められながら立ち上がったアネッサは資料を指差した。

 

「状況整理だけでもやる。オヤジの事で沈んでる場合じゃない・・・・また【贅沢言うな】とかフォウに怒られる方が嫌なんだ」

 

「え、あの・・・・」

 

「そうされない方が大事なんだ。そうでないとフォウは俺・・・・いや、自分の望む形に生きていてくれない・・・・」

 

「ナマ言うな・・・・えっ、ちょっ・・・・ごめん。私は不良だったから・・・・」

 

 地金が出てきたのかもしれないとして仕方無さげにしたアネッサが癇に触ったのか自分が主導権を取るフォウはお姉さん振りたいだけなのかもしれないが、お互いそうであって欲しかったのだ。

 

 

 

 そして、ソドンは現状で唯一の寄港可能な場に到着をした。

 

 

 

「これが【ラビアンローズ】・・・・ミス・マーサってのが手を回してくれた艦ね」

 

 大形の宇宙ドックを備えてエゥーゴ全ての宇宙艦を収容可能だと聞いたマチュは【薔薇の花弁】のような外見に目を向けていた。シュウジや自分のゼータから聞こえた声が地球云々言わなければ此方に飛んでしまったもと。しかし、この巨大ドック艦は寄りによってサイド6付近に向かう予定だ。ラシット達からはサイコマシーンに乗っているからとマチュもアネッサと一緒にラビアンローズ施設内での定期検診を命じられて準備待ちだったがアネッサがアーガマ所属のパイロットになって間も無くブライト等と一緒に合った事がある女性が近付いて来た。

 

「お帰りなさいシ・・・・アネッサ。そちらの娘は初めてね。ラビアンローズの艦長を任されているエマリー・オンスです・・・・早速だけ、ど・・・・ど、どうしたのアネッサ。前にブライト艦長達と一緒に君に会ったエマリーよ、ミス・マーサの人事で責任者手前になったの」

 

「失礼、ゼクノヴァの件で警戒心の固まりな猫みたいになってるの・・・・わかりますよね?」

 

 伸ばせば、やや派手になる感じな金髪をした大人の女性エマリーは言われた関連だと納得してカフェで休憩を奨められたが、途中でアネッサはマチュに問われた。

 

「で、何を見たのよ?」

 

「・・・・妻子持ちにお熱だ。嫌だ・・・・ブライト艦長の事しか頭に無かったようだ・・・・けど、そうなると・・・・キラキラが意味の無くなる世界が来るんだ・・・・」

 

「何よソレっ!?」

 

 マチュは何かわかったとした。要はエマリーはブライトにそういった感情を持ってる。アネッサは父親の件で不倫云々を連想させる事は最悪のタイミングだった。エマリーが妻子持ちに挑むのは自由だが、キラキラが意味ない世界とは聞き捨てならない。第一にマチュも聞いてはいたが、ブライト・ノアの妻とは【ミライ・ノアで旧姓ヤシマ】とした時。

 

「お姉ちゃんに任せなさい、本当にやる気だったら私がブライトおじさんに蹴り入れてやるんだから!」

 

 マチュなりの結論、ブライトが家庭不和で不幸になるとニュータイプやキラキラがとんでもない影響を受ける。それは許せない事だとした時にマチュは二人分のパフェを注文した。お互いに本能がブライトの不幸について起こり得る事を洞察したが恐怖そのものだった。その後に小柄なマチュと甘い物はあまり好きではないアネッサにとっては難題なラビアンローズパフェに苦闘する羽目になったが今は有り難かった。

 

 

 

 

 

 一方で知っている工業ブロックに向かうペッシェは【四年前】を思い出していた。

 

 

 

 あの時にラビアンローズでジオンからの亡命者にも好意的な【ルセット】という女性のお陰で得るものはあったがとした時に、そのルセットの知り合いである女性から面会の依頼があった。エマリーとは違った金髪だがやや影がある女性とした時、それどころではない狂喜染みた笑みを向けられたのである。

 

「貴女がルセットが世話をしたペッシェさんですか、私は【ニナ・パープルトン】です」

 

「二、ニナ・・・・パープルトンですって?」

 

 ペッシェは知っていた。真偽はさておいて四年前の戦いでアナベル・ガトーとガンダム開発計画において産み出された巨大兵器双方に関与してガトーの敗北とMIAを招いた女。それが自分に会う理由は想像が着く。

 

「ねえ、仲介してくれないかしら・・・・貴女を負かした噂の【小アナベル・ガトー】と会わせて欲しいの・・・・」

 

 血の気の薄い、何故か自殺未遂までしたらしいと聞いてはいたが・・・・最近は何をしていたかとした時に予定した事を言った。

 

【死にました】

 

 小アナベル・ガトー等と唄われたパイロットはゼータが地球に運ばれた時期に現地での風土病に掛かってそのまま病死をしたとしている。これは茶番だが有り得る事、少なくとも女装したまま最新鋭ガンダムに乗る少年は社会的には死んだのかもしれない、それだけアナベル・ガトーを連想させる事を担った少年には災難が付きまとうが、新たにゼクノヴァと来てニナのような女性にも目を付けられている。

 

【だからこそ、ペッシェはアネッサ達と共闘を選んだ】

 

 

 

 しかし、ペッシェの危惧とは違った騒動も起きた。

 

 

 

「何という醜態ですかっ!?」

 

「そりゃあ、上官なアンタもだろうに。ん~、おっぱい以外は見た目犯罪な娘と、その妹分な女子高生にな~にやらそうとしたんだか見てわかんねえかあ?」

 

「ストレートに言わんで下さいよ【フィリップ元少尉】さん」

 

 縛り上げられているのはラビアンローズに残った荒くれ軍人だが、マチュとアネッサに女に対する荒くれ軍人に有りがちなそういった事を誘い掛け、カフェじゃなければどうなってたか言うまでもない。マチュの金的やアネッサの空手技、そしてアネッサからしたら最初にガンダムに乗った時からな兄貴分で先に来ていたフィリップの鈍器攻撃で三名が静められた。遅れて来たソドンクルーからも冷ややかな視線を向けられている。

 

「み、皆さん。新参者な僕から言わせても女性に対する礼節とは・・・・いだっ!コモリ少尉、ビンタは無いでしょ」

 

「エグザベくん!アナタは甘いのよ、そいつらは語るに値しないって現実見なさい!新参とか無しならアナタが修正してたでしょ!」

 

(こ、こんなんじゃミス・マーサの思うツボじゃないの・・・・ブライト艦長さえいてくれたら)

 

 エマリーからしたら、男嫌いなマーサの私的な人事を進められてしまう流れだが不祥事だからどうにもならない。ゼクノヴァ以前な嵐が吹き荒れ始めたのだとした時、艦内にアラームが鳴った。

 

『エマリー艦長、急速に接近して来た機体からの通信です!此方とのコンタクトを求めています』

 

「え、えぇ・・・・?」

 

 周りを見回すと【どうする気ですか】と目で語られていた。確かにキナ臭い近況では対応次第で大惨事になりかねない。エマリーにとって意図せぬ試練が急に連続で起きてしまった。




 エマリーさんに合掌な回。
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