エゥーゴ。
ティターンズに対する組織としてブレックスが立ち上げたが、クワトロがブライトに聞かせたように実態は寄り合い所帯ならまだ良い。ギレン・ザビ辺りに言わせたら。
【企業の私兵】
【月企業の用心棒】
このような立ち位置になって地球をものにしようとする集団。
ジャブローの大失態で結果は似たようなものになるだろう、仮に勝てた場合は地球圏は戦争でボロボロになっている。
今、マーサ・ビスト・カーバインは我が世の春。私怨を晴らしつつな成果をあげ始めたので奇しくも失脚したウォン・リーが望んだとされるスポンサーとしてエゥーゴと言うより連邦内の親スペースノイド派を支えた存在として戦後を迎えられる立場にある。それに、組織内の愚か者を排除した女傑な肩書きも付くだろう。
一方で、スポンサーのトップなメラニーは裏方な大人だ。悪人だとしても分をわきまえている意味は大きい。一番の懸念は自分の一族に嫁いだ女でも権利を増すマーサの反対派とすべき側には釘を刺している。
先手を打ち、ソロモン落下阻止とゼクノヴァの件で今やクワトロの次を争うエゥーゴの象徴になり掛けているアネッサについてだ。
モルモットにしようとしている声が出るのは無理は無いが、それについてはマーサより先に黙らせた。
【強化人間ですら満足に研究出来ないのにどうやってだね?】
【その強化人間の亡命者がご活躍だが、アネッサ嬢とは姉妹同然らしいな?】
シオンと名乗っていた時期にメラニーからしてもわかりやすい経緯で言ったような絆を育んだ二人はプロパガンダとしては最良だ。
メラニーはアネッサの貴重さを理解はしているし、シャアから戦場の空気のせいか崩れ始めたアネッサの目を覚まさせてくれたのはフォウであると聞いたから美談には使えるとした。アネッサ達のような見映えがするガンダム乗り達は歓迎するべきで不都合な人員は都合悪いとする考えだ。
シャアの時のように見た目云々迄に難癖を付ける食い下がるスタッフにメラニーは更なる一事を述べた。
「V作戦の反対派かね君達は?」
首魁からのあんまりな言葉。確かに一年戦争で初戦に大敗を重ねた連邦のレビル将軍がジオンへの反撃作戦としてMSを開発する計画にも反対派が多数存在した。結局、自らの意見を押し通したレビルの勝ちではあった。場合によっては今の連邦内の戦いはレビル派と反レビル派ともなりかねない意味すら理解していない。
結局、利害は一致しているのだ。
メラニーは強化人間は紛い物、ティターンズと言うより士官学校時代の同期なジャミトフが進めてるから性に合わない程度な考えだが、アネッサはエゥーゴ内の事でも実に都合良い。何故なら?
【マーサは強化人間は有益に使えれば自分が非道な事をするのも躊躇わない】
これが将来どうなるかだけで、マーサへの布石もアネッサが整えているようなものである。
大人達の意図が動く中、ソドンは目的地点に向けて出港した。
カムランの件は後回しにしたが、問題はハマーンの意図である。アネッサ達が探ったようにソドンクルーは共和国内のダイクン支持派なのでハマーンのようなザビ家派と一悶着は覚悟してた。
今疑問なのは何故か対峙した二人はハマーンに対して冷静だった事だ。
アネッサとマチュは二日経って独房から出された後に主要メンバーに呼び出されて話すよう言われた。
アネッサからしてもソドンクルーは信用出来るので自分達が打ち合わせた事をエーベルハルトに聞いた事から話す。
何故か火星の方向から迫るアクシズにもハマーンが存在して指揮を取っている事には流石に驚きの声が出る。
それについて、セイラも交えて相談した結果は。地上の事に専念させたいシャアには告げずにソドンにおいては聞かされた四名に任せるとされた結論。
【但し、シャアに伝えないのはアクシズにいた頃の関連ではなくセイラが鬼子としての兄を恐れている故とは語らなかったが、アネッサには無言で伝えていた】
繰り返すが、今の自分達はジオンの内乱で散発した勢力とするとザビ家を悪質としてダイクン派とすべき自分達にはハマーンは敵対すべき対象を考えるべきである・・・・ならばとした論。
「成る程、考えたわねアナタ達」
コモリもエグザベも感嘆してハマーンと冷静に向き合えてた理由がわかった。
どちらが本物か置いといて、向き合った場合の対処は徹底的に冷静になる事だった。言える範囲で流石にルナ2にいたハズが、サイド6にキュベレイMK―II等に乗せたニャアンを連れて来たり、シュウジがいたりしたのは想定外ではあったが基本はこうだ。
恐らく、ハマーンはシャアとは相容れないのでシャア派とすべき自分達はハマーンが二人に関しては触れない事にした。
アクシズを厄介者や介入して来た勢力と見た場合、近付いて来てるがどうもサイド6にいた方のと連絡が取り合えてないかもしれないのでソレを想定した。
連携も何も無い同士では地球圏に来た場合、シャアのガンダムを探すのを優先している側とでは二の足を踏んでくれるかもしれない。
敵とした場合は、その隙がチャンスに繋がるかもなので詮索はしないと決めた。元々サイド6やルナ2で暗躍していたのは確かなので急に現れても驚くべきではないとした。
基本的に不用意に地球側と開戦したい側なワケではないカイザス達とは利害は一致してるしラシット達も悪い流れではないとした。
「次の話題、マチュが探していたシュウジという者がアネッサと顔を合わせたら殺す気になった理由が・・・・【アネッサがララァだから】?」
「それって、一年戦争でシャア大佐が見出だしてパイロットにて活躍したけど、ソロモン陥落後の戦いでアムロ・レイに倒されたニュータイプだろ。アムロ・レイがメディアに付き合ってた頃、ララァの話題辺りから益々に浮世離れして軟禁までされる一因になったとかだ」
フィリップが言った流れは本当だ。あの時期のアムロはアネッサ達には知られたくない程に病んでいてクリスがいてくれなかったら酒に溺れたフリすらしなかっただろう。それより問題がある。
【シュウジがああなるからには、実際にララァを知っている側はどうなのだ?】
フィリップは一旦アネッサを退室させる。シャアとララァ、実際にはアクシズ潜伏時にお偉いさんの娘達を含めた噂が交じるシャア絡みの下衆な話を統合した事を逆利用した事。
アネッサには見抜かれるだろうが体裁から何からがある。
「おい、まさかクワトロ大尉がアネッサに目を掛けてたのって?」
幾ら何でもとするが、結果的にフィリップの狙い通りにはなった。フィリップはシャアをそれ程に疑ってはいないが、敵に悪用されたら不味い部分なので特にアネッサ以外のパイロット達に告げる。
「良いかエグザベ君もだが、付き合い長い嬢ちゃん達。ジオンやティターンズのブタヤロウ呼ばわりすべきな連中。それと万が一はクワトロ大尉からアネッサちゃんを守ってやれ!」
下世話に聞こえるが、わかりやすいしマチュはやるべきとしたがクワトロ大尉については複雑なのでもう一押しが来た。
「ど~もな、悪い予感するぜ。最初からいた俺が気付くべきだったんかもしんねえ。クワトロ大尉、つまりシャアがアムロみたいでララァみたいなアネッサ見たら何か考えちまってるかもしれね」
『狙い通りかもしれんぞ』
アルフがマリオンを連れて来た。これはマリオン自身が感知したからでもある。
「どうやら、全員セーフなようだ。話すべきかもな事を話しちまいな。どうせ後で知る」
「わかった。ここには乱暴な人はいない」
そして、マリオンは自分がジオン時代に受けた仕打ちを語る。どうせならやるだけやった方が良いのだとしてシステムに取り込まれる前に【ジオン側の蒼い機体に乗っていた男に受けた仕打ち】・・・・それが、戦闘兵器としてのニュータイプやシステム構築の方向性を一つ示した。
【奇しくも、最悪に数えられる可能性において同じようにされたニュータイプがいたとは知る術は無い】
怒りに震えるメンバーの中でエグザベが真っ先に怒りのままに声を上げた。
「さ、最低だ・・・・!最低だああっ!」
「エグザベ君、落ち着きなさいよ!でも、それなら先日の騒ぎってまさか・・・・」
つまり、マリオンが受けたような仕打ちに近い真似をして。戦闘兵器として都合良くする為にゲス共を近付けたのがいるとした。
「だから大人なんて嫌いだ!子供を傷物にしてでも戦争の道具にしたい、アネさんをそんなにしたいんかあっ!?」
ラシットやフィリップが自分達も大人だと言いたいマチュの叫びは本音混じりだ。クワトロは開き直ればそこまではやらないが近い事はやるとしている。
ペッシェも怒りを堪えている。場合によっては自分やアンブロシアで療養するロザミィもそんな仕打ちを受けていたし、同じく他人事ではないフォウがマチュを宥めた。
「だっ、大丈夫だよマチュ!アネッサは、アネッサは私のだ!私がそんな目に遭わせないよ、やるなら私が絶対に許さない!」
色々すっ飛ばし気味な気がするが、落ち着けるべきラシットとて女なので今は気の済むまで怒りを吐き出させるべきだとした。そして、任せされた形にマチュはニャアンに交渉を開始した。
「え、私を・・・・ソドンのパイロットに」
「そうだよ、キュベレイのサイコミュが危険かもについてはさ、アレ実はスミレさんがアクシズにいた時に出したプランだから対処するってさ!ニャアンはマリオンみたいな目に遭ってまでハマーンの近くにいたいっての?なら帰れ、違うなら私達と一緒に戦ってよ!」
「・・・・い、良いの?」
「良いの!エフェメラさんの事もよくわからないけど、なんかわかったんでしょ!どうせなら私達に悪さする連中をMSでだろうとハマーンがやった大量破壊兵器紛いな何かでも何だって良いからぶちかまして懲らしめてやるんだ!」
「だっ、駄目だよマチュ・・・・そんなんじゃ私みたいになっちゃうよ」
ニャアンが言ったのはカッカすると、先日のマチュとシュウジを乱暴に鎮圧しようとした時のように派手に暴れ出す傾向があるからチワワみたいになっていたのが自分だった内容。それに関しては偉ぶりながらヒス起こしガチなマチュは自分もそうなので責められないとした。
「それはニャアンが一人で生きて来たからでしょ、でも今は全然違・・・・っ」
【私だって贅沢だったよ】
マチュが思い出したので二人はキラキラとしている光の中で見た。シオンだった頃のアネッサの悩みを自分みたいのからしたら【贅沢】と斬り捨てたが、それをフォウは自分にも当て嵌めるべきだったと聞いた。
一人で生きていたら、その弊害が大き過ぎたと気付いたが、それが出なかったのはシオンが都合良すぎる存在だっただけな話だ。
計算してアウドムラに投降した自分は絵本のシンデレラにとっての王子なんかいない、いても精々これくらいと仮定するより都合良い存在に巡り合った。マチュの乗るゼータで見た世界の自分に当たる存在が見たら嫉妬で暴れ狂うだろう、ソレを想定しても足りない相手が戦争をやる程に増える。ならば自分達は戦いを止めれば良いのか、否・・・・それでも戦わないといけない。シンデレラの憧れるものは後だ。
【銀色のドレスなんかではなく宇宙を駆ける為の力を纏うべきだ】
その辺りでマチュは待ったを掛けた。アネッサの正体はともかく、フォウの想いは丸わかりにしても礼儀がある。
「ニャアン、プライバシーだからストップ、私はアネさんのお姉ちゃんだから、妹の幸せに干渉もシュウジがアネさん殺すのも許せないから止めたいの!一緒に戦って!」
「うん、マチュの妹な人守る・・・・その過程でシュウちゃんを止める為に、私で良ければ。私も一緒にいさせて!」
そして、ソドンには新たな戦士が誕生した。だが、マチュは見落としていた。結束の光が強まったが、光があるからこそ浮き彫りになる影があった事を。
結局、上層部との利害が一致してるからソドンは比較的に好きにやれてるな回でした。マリオンについては小説版ブルー基準。
とにもかくにもニャアンは味方になりました。