機動戦士Zガンダム 静寂なる宇宙へ   作:くまたいよう

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 ティターンズとは?な一部からな回。


動き出した宇宙

 ティターンズはエリート集団。

 

 縁故の薄いか生粋な地球出身者でなければ下に見る。

 

 第一派として来た者達を撃破したアネッサ達からしたら友軍機が撃破された爆発を利用する域は初めてで、マチュも気圧された。ザビ家の派閥争いがあったジオンにいたレズンからしてもアネッサからエマという元ティターンズが捨て駒にされた話は聞いたが、このレベルでもやるのは想定外である。

 

【だが、やはりおかしい】

 

 鬼気迫るものがある。ラビアンローズに引き付けるつもりだったが、何やらアネッサのゼータを味方がどうなろうと構わない戦法で狙いたがっていたのが第一派とした時にアネッサは迂闊としたしソドンのクルーも気付いた。

 

「まあ、アネッサのゼータを恐れて遮二無二襲って来たってとこかね。ゼクノヴァを起こしてソロモンを消し飛ばしたから、落とそうとした側からしたら悪魔か何かだろ」

 

「人が住んでる場、しかも同胞や仲間いるかもな場に宇宙要塞を落とすのは悪魔じゃなくて、落とすのを結果的に阻止は悪魔だってか。地球に済む奴の発想がそれで良いんかよ、目には目、刃には刃にしてもミイラ取りがミイラになってますよ。まあ、だからこそシャア大佐のダカール演説な流れですがね」

 

 クルーの言う事は尤もだったしラシットも悲哀が滲んでいた。

 

 自分達、共和国から来た側には地球にコロニー落としをしたジオンと言うよりサイド3か一年戦争でジオン寄りな地の出身者だから辛い経験をした者が何名もいた。

 

 地球側がジオンに厳しいのはわかるが、それを権力闘争等の私的な事に利用をして戦争に参加してないか逃げ出した側どころかジオン寄りではない宇宙移民に迄危害を加えたりするのは見過ごせはしないのがアンブロシアに来た理由でもある。少なくともシャアは居場所をくれたからダカールの演説を信じる程度な認識はある。

 

 深刻になりそうなのでラシットは今は目の前の戦いに集中として、第二派が来るハズだからペッシェのエンゲージとフォウのガーベラを発進準備を命じた。

 

 

 

 そして、第二派は何やら及び腰に見える部隊だった。

 

 

 

 

『何だかやる気失せるね、腑抜けとは違うが』

 

「嫌な感じするけど・・・・そこっ!」

 

 レズンが言うような流れ、デブリに紛れて通り抜けようとするマラサイのパックパックをアネッサ機がビームライフルで撃ち抜いた。近くに来たハイザックのカメラをサーベルで突き刺した瞬間に悪寒がしたので後退したら機体が爆発した。整備不良で出たのかとしたら、今度は見慣れない機体が爆発からまたも飛び出して来た機影がある。

 

【バーザム】

 

 ティターンズカラーの新型機だ。

 

 レズン機にライフルを破壊されたのでサーベルで斬り掛かって来たのだ。ゼータの左手に持たせたサーベルで受け止めたが、何やら殺気が感じられない。パワーだけなら最初乗った時のガンダムMK―II程度はあるとしながら弾き飛ばしたが、そのままサーベルを投擲して来たので弾いて片足をロングビームサーベルで斬ったら機体の両手を上げた。

 

『と、投降する・・・・』

 

 わからないでもないが、ペッシェの時とは何か違うので戦場から離れてろと告げた。そして離れた場でビームに撃ち抜かれた。

 

「味方だろ!」

 

 此方にビームを撃ちながら迫って来たのでティターンズ側なハズの機体はゼータのビームを掻い潜りながら接近してくる青いエイやイカみたいな機体は地球で撃墜した機体に似ているが動きが全然違う。右手のクローで襲い掛かって来たがシールドで受けて弾いた。お返しを見舞おうとした瞬間に危険を感じた。

 

 以前、百式に乗った際にシャアに戻った時のクワトロと対戦した時と酷似した感覚なので距離を取ったが、これが明暗だ。

 

『ほう、良い勘だ!噂のアネッサちゃんだな。例の小アナベル・ガトーを知ってるか!?』

 

 お互い攻撃の隙を狙いつつ並行してバーニアを吹かすが、通信が繋がった。何となくわかった。

 

【以前に戦った。自分もろともランチャーで撃たれそうになった強いマラサイのパイロット】

 

「知るか、何故味方を撃った?」

 

『はっ、あのパイロットはお前の友達とは違うぜ。わかってんだろ!』

 

 お互いのビームが交差し始めるが、ペッシェとは違う気配があるのはわかってたとしながら小競り合いと【確認】が続いた。

 

『やはり、死んじまったのは気の毒としてやるか。これで以前の【借り】は返した事になるよな、じゃあ仕切り直しだ!会いたかったぜ・・・・小、じゃねえ。ゼータ!ヤザンとハンブラビが相手だっ!』

 

 事情は悟った。バレた時は割り切ったつもりだが、このパイロットは自分のお陰で命拾いをした【借り】を清算したのだと理解した。凄まじい殺気を感じてバーニアを全開で動かした。お互い変形を時折する高速戦が開始されて担当区域から離れざるを得ない。

 

 アネッサが以前に感じたような強さ、あの機体とパイロットには、マチュのゼータのような良く言えば汎用じゃ不利だったからこそ。

 

「貴方は、お・・・・自分が相手だっ!」

 

『そうでなきゃな!』

 

 

 

 

 ―――――。

 

 

 

 

 一方、後詰めで来たペッシェは戦場の異変に慌てた。

 

『マ、マチュ。アネッサが離れちゃってる』

 

「やむ無しよ、あの青イカだかエイみたいのアネさんでも厳し・・・・それだ。ペッシェ、それありったけ撃って来て!」

 

『おし、行け!フォウもだ。私も見たけどアネッサが危ないよ!』

 

『は、はいっ!』

 

 事態を悟ったレズンは後を引き受けた。今はあの新型を何とか出来るかが鍵だ。

 

 

 

 ――――。

 

 

 

「くっ!」

 

 ライフルが破壊された。やや大型なのが仇になったが、向こうは背部と腕部ビームだから決定打にはならない。来たタイミングでサーベルのカウンターを狙うが、相手は離脱するから気が抜けないとしてデブリ帯に向かう。彼処なら体勢をとする流れだ。

 

『逃がすか・・・・何っ!』

 

「うおりゃああっ!」

 

 逃げ込むと見せ掛けた動きはフェイント。最大パワーの一撃で片腕を斬るだが、怯まずに突っ込んで来てゼータを殴り付けた。

 

『腕は二本あるんだああっ!』

 

 鬼のような気迫に飲まれまいとしてヒットアンドアウェイの応酬になるが、ヤザンは更にアドレナリンを高めていた。

 

『ははははっ!楽しいなあ・・・・アネッサぁぁあっ!こうして、真剣に俺の相手してくれるお前と戦えるのはなあっ』

 

 上昇したゼータを追うが、ガーベラのビームが飛んで来たし。ペッシェのエンゲージは散弾バズーカを斉射した。新型可変機だが装甲はそれ程ではないので数発喰らってグラつかされるがヤザンは止まらなかった。

 

『ははははっ、これは正しく戦争。戦争だな』

 

『『ヤザン隊長!』』

 

『おっ、来たか!』

 

 後方からハンブラビの同型機が二機。マチュのゼータも別方向から来てお互いに交差をしたが、ペッシェが持って来た予備のマシンガンを受け取ったアネッサ機の射撃は後から来た一機の左肩に命中した。

 

『強いけど、隊長機に劣る!』

 

 マチュが言うようにラムサスとダンケルはヤザンには及ばない、だからこそな動きでお互いに四対三なチーム戦に突入して火線が飛び交うが、ハンブラビは一ヵ所に固まりながらアネッサ機に突っ込んで散開をしたが、意味はわかった。

 

「ぐああっ!」

 

『『あ、アネッサ!』』

 

【蜘蛛の巣】

 

 ハンブラビの三位一体攻撃であり、敵機を蜘蛛の巣状に張ったワイヤーで捕え様に電力を流す。アネッサは流石に悲鳴を出したとしたが誤算もある。

 

『貰ったぜ。任務は・・・・』

 

『っ!待てラムサス』

 

 ヤザンは違和感があったが、不用意に近付いたラムサスのハンブラビは真っ二つにされた。マチュが見つけたコアファイターを装着して組み直し、基礎耐久力から上がっていたので何とか持ち直せたアネッサ機は新型実体剣になっていたシールドでカウンターを見舞ったのだ。以前にサイド6で使おうとしたものだがアネッサはこの二つで命拾いをした。

 

『ら、ラム・・・・っ』

 

『ダンケル!』

 

 動きの鈍ったダンケルはガーベラの大型ビームライフルに撃ち抜かれた。フォウとて敵側が友軍を倒された隙を狙う程度な訓練はニタ研時代に受けていたのだ。爆散はしてないのでヤザンは抱えて離脱したが、ダンケルはそんな隊長の機体を自機の両手で押し放す。もう手遅れなのだ。

 

『ダンケル、駄目なのか?』

 

『た、隊長・・・・やっぱり、ヤザン隊長は隊長らしく・・・・戦っ、て・・・・』

 

 爆発した。ヤザン達は出来ればゼータを捕獲しろと言われてたが間違いであった。そこに何十もの火線が届いた。

 

『ちいっ!命広いしたな・・・・お前等。また会おうぜ、特にアネッサ!』

 

 ハンブラビを変形させて全速でヤザンは離脱した。誰もが追う気になれない・・・・全員が素手で野獣と向き合い、戦った気分であるのだ。

 

『す、スゴいやつだよ、キラキラに縁があれば強いワケじゃないんだね。アレとまた戦って勝たないとシュウジのとこに行けないんだ・・・・』

 

 マチュの言う事は尤もだとして帰還した。後方から来たのはサイド6の方面に逃げたジオンや連邦の脱走兵や海賊の集まりであった。これがクワトロがソドンをサイド6方面に向けた理由でもある。精々がゲルググタイプばかりな隊だが、数を活かせばやりようはある。

 

 実は間に合わなかったMSの持ち出しに成功した故だ。シャアでさえ一年戦争ではゲルググの慣熟飛行を終えられない内に戦争が終わったので未使用品すら多かった。

 

 この隊をラビアンローズに近付いた敵に数任せに向けるのがラシットの策であった。

 

「予備のライフル用意して下さい。あの新型また来ます」

 

「わかった。いきなり来たってとこね」

 

 スミレもアネッサから聞いていた。シオンだった頃に声を聞かせてしまう形に出会った強敵ヤザン。アネッサとなった一因はさておき、ティターンズには地上で出会わなかったのが幸いなくらい強い相手がいると話してはいたのだ。

 

 幸いにも機体が強化されていた故に一番厄介な段階を凌げた。皮肉にもヤザンの存在はラビアンローズを拠点にした側の結束を促した。

 

 

 

 

 

 

 ―――――――。

 

 

 

 

「そんなワケだガディ、ありゃ【鹵獲】なんか無理だ。次は撃墜させてもらうぜ」

 

「うむ、やむを得ないな。しかし、部下がやられたにしては・・・・」

 

「それはそれだ。アイツの相手は俺だ。ジェリドでもシロッコでもない、アイツを倒すのはこの俺よおっ!」

 

 ガディは異論を挟めなかった。ゼクノヴァに恐れを抱かないヤザンこそがゼータにぶつけるべき存在。

 

【何より、ガディなりな計算でゼータと正攻法の勝負をしたがるヤザンはうってつけとしている】

 

 

 

 

 その後、散発する戦闘はアネッサとヤザンの激闘が中心となる。

 

 

 

「ほう、良い感じだ」

 

 ハマーンは今の地球圏の勢力図を簡要な地図にしてまとめた。

 

 月、そして火星の辺りにアクシズ。

 

 月から見た地球の裏にルナ2。

 

 これらを地図の左下から途中に地球で右上にルナ2。

 

 多少移動したから、右下にラビアンローズ。そして左上にア・バオア・クー。

 

「これで拮抗したかな」

 

「わかりません、地上にはシャア大佐ですが。潰し合いになるか否か」

 

 ハマーンの意図は【分散】である。地球と宇宙の対立を自分の意図通りにするのにわるくはない図となった。そして、自分の元に招いた少年は右下に注目していた。

 

「アネッサ・・・・強くなるのなら強くなれ、その上で僕が殺す!」

 

 

 

 そのアネッサは、四度目の光景の中にいた。

 

 

 

『ゼータああっ!今日こそは落としてやるぞおおっ!』

 

「黙ってやれないんですかああっ!?」

 

 何度も続く戦い。ヤザンのハンブラビとアネッサのゼータの激闘を軸にした拮抗した戦いが繰り返される。エース機がお互い武器を使い果たしては他からのデブリやダミーや数任せを駆使した奇策で攻めきれないしラビアンローズ隊とティターンズの精鋭部隊と言うべき立ち位置な隊の激戦は決定打が与えきれない。

 

 

 

 そして、その光景はハマーンの元に届き、ヤザンの戦闘力に戦慄していた。ニャアンのキュベレイも小競り合いに交じっているが、ファンネルを使えなくなっているのは想定内だが、やはりエース機の激闘が肝だ。

 

 

 

 

「む、う・・・・」

 

「ハマーン様、このハンブラビという機体は一体・・・・機体カラーで思い出しましたが、まさかこれは【EXAM】を使った機体では?」

 

「いや、これはパイロットが違うのだ」

 

 ニュータイプを生け贄にして産み出した技術を使った機体は知っているし言いたくなる気持ちはわかるが、アナベル・ガトーのようなニュータイプに無縁でも恐るべき存在とした。

 

 一方のアネッサも危機感を煽られて素の腕が上がってるようだとしたし、ハンブラビの方も手応えのある獲物に対して狩猟本能が高まっている獣のようだが、どちらが厄介なのかとする疑問にシュウジは口を挟んだ。

 

「アネッサは、死神だ・・・・だけど、このハンブラビには、アネッサを死神に出来るハズが足りないものがある」

 

 ハマーンですら首を傾げるシュウジの言い分だ。この少年は大食い振り以上に言動が首を傾げるものの核心は見ているとしている。

 

(見た感じ。腕を高め合うとやらでは至れない域に・・・・ほぼ一対一で戦う中、待て。一対一だと?)

 

 自分なりの推測を組み上げ始めたハマーンだが、そのハマーンに対するセイラやアネッサ達の計算が実現する日が来て、ダイクン派を率いるハマーンを驚愕させた。

 

【ミネバ・ザビを擁立するハマーン・カーンの名の元にアクシズが地球圏に対して早すぎる宣戦布告をした】




 ヤザンは強い、強くなくてはならんのだ。原作からして強いヤザンが必要だが足りないものがあるんだ(意味深)な回でした。

 それにしても。何故かアネッサのゼータを鹵獲命令が出てたりで危機感やら戦闘意欲あるし機体強化されたアネッサですら運が良かったな内容の果てにハマーン様困惑な引き。
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