日本。この地において、活動を止めざるを得ない者がいた。
「ねえ、カイさんは一体どうしたの?」
「さあ、少なくとも今はソッとしといてあげましょう」
レツが言うように塞ぎ込んでいた。
レコアからしたらムラサメ研が壊滅して、自分はレジスタンスの情報員。向こうは記者やりながらの立場なりに調べて回収したデータを見たが、その時以来。カイの中で何かが壊れてしまったように映る。
今のコバヤシ家は古来からの日本の静岡で敢えて古風にした家で暮らしているところにカイとレコアは世話になっているが、未だ色褪せない急世紀からの暖房器具な【コタツ】になる床テーブルを囲んで三人で話をしていた。レコアとて話題は進めてあげたいので重い口を開く。
「シオンが言ったらしい【五人目】について調べて直ぐにだったみたいね」
「ニャンニャン・・・・」
キッカはホワイトベースにいた頃のように如何にも幼女な砕けた言い方をしてまで気分を剃らしていた。ハッキリ言えば怖いのだ。カイに起きた事は嘗て、ア・バオア・クーで体感した事に近い感覚があるが、それをやれなかったではなく。
【やらずに良かった】
その内、シオンが宇宙にいるハズと聞かれたが多分とした。一応は地球の風土病で死んだ事にしているのを知らないキッカは会いたいとしているようだが、何やら曖昧だ。
「正直言えば半分は・・・・けど、その・・・・もう半分は、怖いんです」
「【怖い】・・・・レツ君も似た気分なようね、多分それで良いのよ。一年戦争で当時のアムロ・レイからアナタ達のような・・・・人間・・・・?」
レコアは全力で思考に待ったを掛けた。聞いた限り、もしも目の前にいる子供達がア・バオア・クーで体験した事こそがニュータイプの力であるとして、それが過剰に働いているのがシオンの現状でカイに掛けた発言の真相だとしたら、カイは。
【最悪の真実を知った】
(私、もしかしてジャブローに入れもしなかったのが幸せだった?)
居合わせない幸せに遭遇した。クワトロに思うところはある。女装させられて迄の策謀に巻き込まれていアネッサと名乗るシオンの方がまだマシとせざるを得ない。
そのアネッサはアクシズ接近を知った策謀か否かの中にいた。ラシットとコモリはまたも微妙な空気だ。
「シャ・・・・いや、クワトロ大尉が宇宙に帰るですか。それにしては何処でどうやって、更にどの辺りに行くか全然なのは・・・・またアネッサを使えですか?」
「だろうな・・・・何度も頼った側にいる私達に言えた事ではないが」
意図してないが先日迄の激戦もアネッサが何やら強敵を予想していたからが有利に働いた。
スミレからしても、相手を殺すのではなく味方の危険を減らす為に使うとする算段だが?
「ザビ家には合わなかったな」
それだとした。左遷された側のエゥーゴスポンサーにもだろうとコモリは見ている。
ニュータイプ関係無しに、普通に頼られようと潤滑油みたいになる役割りだろうと、真相はどうあれギリギリのところではお偉方の気分優先だ。いちいち口出したりしているように映ったらひどい目に遭うのが組織というものだ。アネッサが地球で会ったユライア・ヒープ等がわかりやすい。エゥーゴにいたらジャブロー攻めに猛反対していて左遷なり干されるなりだったろう。
今の状況はベター以上ベスト未満なのかもしれない。
「大尉は此方には来ません。理由は・・・・ハマーンがいるからです」
アネッサは、本物なのはサイド6にいた側だとしているが、アクシズにいる方が本物だとしたらアレと変わらないか同等以上な力持ってる事も有り得るので、そう考えるのが安全なのは一部ある。
そもそも何の通達も来ていないし何よりも旧ジオンにいた側にどう映るかが心配だ。
そして、地球から上がって来たクワトロは会いたかった男の一人であるヘンケンと対面していた。ブレックスが別なのが残念とする自分は良い意味でクワトロなのだとした。
「良く帰って来た」
「ダカールでは道化を演じてしまった」
「大尉がシャアだとキッパリと明かして、益々エゥーゴ内は慌ただしくなった。それにアネッサもな」
ソロモンを消し飛ばした現象の事。ロベルトやシャノン達、ダカールでアネッサ達と分かれた者達も顔を青くしていた。特にグリプスやジャブローで一番危うかった時期を目の当たりにしているエマはだ。ヘンケンは新参なエマの心配顔が何やら琴線に触れたのを誤魔化すように話題を進めた。
「さて、どうする気だ。アクシズが迫って来るから大尉の演説を既に知られてるかもしれん件について、場合によっては大尉と言うよりシャアが実はダイクンの遺児どころかザビ家を内部から倒した男だと知られているかもしれん」
「その件だが、私はルナツーでブライト艦長に合流したい。理由はルナツーとラビアンローズからの攻めでゼダンの門を叩きたいからだ」
「いや、しかしアクシズがエゥーゴに先に構い出したらどうする?」
「エゥーゴと言うより私を【粛清】だろうな」
何度も繰り返し考えにエゥーゴ内で騒がれている。シャアはダカールでザビ家を悪質と断罪した事から内部からザビ家を倒した男と調べられているとすべきであろう。ア・バオア・クーを平面地図に出して算段を説明する。月の左上に当たる部分がア・バオアクーとすると、その下にあるのが。
「サイド3だ。何と言ってもアクシズの者達が帰って来たかった場だ。先ずはそこで駐留したがるだろうな、そして?」
青ざめさせられた。仮にこれが当たるならシャアの劇薬振りは想像以上だったとすべきだろう。
そして。ついに、アクシズが地球圏にあと僅かな距離に近付いて来る。
それに対する対象はティターンズはベターな流れだった。
「待つ、か・・・・」
「はっ、エゥーゴは旧ジオンが逃げ込んだ組織でもあります。現にシャアの演説以来、共和国内の者共がかなり消息を経ったようですな」
「内部が勝手に慌ただしくなるし、サイド3付近にいたがるハズのアクシズ内はどうなるか待つ、ふむ・・・・組み上げ中や配置が進む新型も多いからな」
バスクにしては慎重だが、悪くはないとするジャミトフな一方。
「却下です」
タイガーバアムコロニーから月への通信にマーサは一言で答えた。何故だとするウォン・リーは心外である。今の自分は左遷された場が位置的に最適であるし、自分の立場の弱みを危険な場に向かわせるには打ってつけと逆利用もしたが問題がある。
「ミスター・ウォン。連邦の親スペースノイド派とされつつあるエゥーゴが迂闊にザビ家の残党と接触したらティターンズにどう取られるか言わせる気ですか」
ぬぐぐとした顔をするウォンにマーサは更に追い討ち討ちを掛けた。
「それに、相手が例えば交渉するならシャアを連れて来いとか言われたらどうする気です?」
『な、ならばクワトロ大尉を呼んでくれ。彼はもう一パイロットだけな立場ではなかろう、良い機会だ』
「【一年戦争でザビ家を内部から倒したと噂され、ダイクンの遺児だと世界に明かしつつザビ家を断罪した男】をですか、連れて行ったら内部で拘束か粛清をされかねません!何故、そんな事を考えてない内容の即答をなさるっ!アクシズの介入を防ぎたいなら、彼にアクシズ内のダイクン派だった者がいないかな事を聞くべきではないですか!駒不足の組織運営者としては戦わずに勝つを目指すべきでしょう!?」
マーサは芝居を含めて、目を丸くして信じられないものを見る目を向けながらウォンを黙らせながら気付いた。
【仮にダカール演説をやる前で権限が残っていたら本当にシャアを連れてアクシズに行ったとした】
ジャブローが身に染みていないか責任を感じて迷走している姿に溜飲を下げるより仕方なさが勝ってしまっている事を押し殺してカードを切る。
「ならば、足が着かない特使を向けさせます。グラナダは昔、ジオンの基地に使われていた場です。そこか近くにいるスペースノイドで、エゥーゴにおいては【クワトロ大尉の正体を最初から知らなかった側】と見られる人間が橋渡しには最適でしょう。高確率で【帰ってこれない覚悟】を受け入れる人材を向かわせましょう」
矢継ぎ早に現スポンサー実権を握る者としての論に黙らされたウォンは通信を切った。
マーサとしてはウォンが二の足を踏むままでない場合な策は用意しているが、結成当時の実働部隊の心中を察してしまった。スポンサーだけでなく指揮官や参謀として口出ししたがるとはと。
「貴方はどう思うの?」
スポンサーの一人の息子がフォン・ブラウンで家を無くしたので下働きをさせているが、まだアネッサよりは下な年齢だ。
「み、ミスター・ウォンは気性は激しいですが真剣にスペースノイドの未来を考えているからこそと父から聞いてます・・・・」
「真剣・・・・【単に良い格好したかっただけ】と言われてもいるけど?」
クワトロ達の推測からレベルを落とした言い分だが、流石に怒りを顔に出した。
「み、ミス・マーサ!撤回をして下さい。真剣に考えてはいた御方をそのように言うのは恥ずかしい事です」
「【恥ずかしい】・・・・ですか、ではジャブローの件を含めて先程迄の愚策な失言がミスター・ウォンを筆頭にした初期スポンサーの失態だと考えに入れてますか?入れてないなら、試しに入れてみなさい。やれないのなら、そんな自分と失態を犯した者達を恥ずかしいとは思えないのですか?」
「あ、ああ・・・・う。も、申し訳ありません」
「宜しい、ならば自分を見詰め直しなさい。それが出来るかが始まりです」
マーサの半分本心な言い分である。何やら柄ではないが、この発想力を復讐に使いたがるのが彼女の不幸である。
そして、マーサの傍目には恐るべき人選からの動きは開始されたが、担当者が思わぬ事態に向き合う。アクシズから先攻する戦艦グワバンにて会談が始まっていた。
「このパプティマス・シロッコ、ミネバ様の為ならば、この身を犠牲にしてでも尽くす所存にございます」
「良い心掛けだ。エゥーゴにいるシャアとの連絡を初め、我々の為に頑張って欲しい」
(こんなバカな男もいる・・・・か)
ミネバを補佐するハマーンは何となく察してしまった。
マーサに【裏】を見抜かれている故な人選。前時代的な玉座に座るミネバに片膝を着くシロッコからしたら立て直しの難しさを感じた故だ。
「ところで、ハマーン様は近付いている地球圏に何か感じますかな?」
「ふ、正直だな・・・・勿論、あるぞ?」
シロッコは、ハマーンに気圧されていた。何かおかしい、情報を元に推測した事が全て当てはまらない。シロッコが【強化措置】を甘く見た故である。
「我々は昔のジオンともデラーズ・フリートとも違う、だが私の名を語る者は・・・・早期に行った」
ミネバも正直怖いのだが、話しは通して賛同をしている。地球に興味を抱いてる故に。
「我々は、父マハラジャの意思により、嘗てのジオンとはやり方を変えようとした者達だ。パプティマス・シロッコよ、このグワバンの客室を特等席替わりにして見ているが良い。前段階として我等は地球で核を使用する愚行を行ったティターンズに先ずは【正義の鉄槌】とやらを下そう。計算上でアクシズをぶつける事によりゼダンの門を粉砕出来るのだよ!」
何かが違う。この女には真剣さしか無いが見えているものが違うとシロッコは顔を青くしてしまう。
「その後はルナツーだ!彼処には、地球を全面核攻撃も容易い核がある。私の名を語るものはソレやコロニー落としすら考えに入れているから地球圏に先に帰って策謀を巡らす痴れ者よ、ザビ家を支えつつ地球側との融和を望んでいた亡き父の意思を継ぐ者として!父の願いを汚す愚行を企む愚か者共を【このハマーン自ら】成敗してくれる!」
はい、そんなワケでサブタイトルのは地球に全面核攻撃やコロニー落としすらを視野に入れてもいて父の意思をガン無視な形に戦乱を広げようとしているハマーン様を成敗しに来た偽ハマーン様(正体はセラーナ)でした。
地球に対しては実際にコロニー落としやったハマーンは地球に対しては父の意思を踏みにじる形にカーン家の名を使う存在なのは事実故に。仮に本物と偽物が逆だとしたら何一つ間違ってはいない。
他パートはそれなりで、ウォンさんのアクシズに対する交渉は完全な人選ミスだろな回。よりによってシャアと木馬のキャプテン連れてっただから。