機動戦士Zガンダム 静寂なる宇宙へ   作:くまたいよう

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 フィリップが~~~な回。


ターニングポイント

 ブライト・ノアはフィリップ達と合流して直ぐにシオンが先日交戦した敵に声を聞かせてしまった経緯の報告書は読んだ。

 

 フィリップがケジメとして修正を見舞ったらしいが、その場の状況を切り抜けたの良しとする場合、シオンのやった事は正しい・・・・下手をしたら味方毎撃とうとしたランチャーの狙撃でガンダムどころかシャトルまで消し去られていたからだ。交戦したマラサイも意表を突かれたのか追撃は控えたようだ。わざわざ敵に呼び掛けられた状況も手伝っているとした。

 

「報告は読んだ。シオン、君には【覚悟】をしてもらうかもしれないが、大丈夫か?」

 

「はい、あのままよりは良いと判断しました」

 

 気丈とすべきかだとした。あのままでも危険な流れだったが、シオンが奪取したMK―IIにそのまま乗ってパイロットをしているとティターンズに知れたら、グリーン・ノアに残った家族や知り合いに危害が及ぶのが確定するだろうと推測し、奪取作戦後ティターンズ脱出時の戦闘で無人のハズの方が動いたからシオンが使ってたか判別し難い状況を利用し、声すら聞かせないでいる路線を取っていた。解析不可能な変音機の類いがまだ準備出来てなかった故だ。これに関してはミライ達を地球に残しているせいかブライトは自分にしては頭を回したのだと思っていた。

 

「わかった。交戦したマラサイのデータをまとめておけ」

 

「了解です」

 

「ああ、それからフィリップとはどうだ?」

 

「?・・・・はい、あの後に艦長も見ていたような感じで過ごしてますが・・・・」

 

「そうか」

 

 どうやら、今のところアムロみたいに捻るような心配は無いとした。後の事が心配だから落ち着いたら詳しく話をして見るかとするブライトであるが、アムロにとってのリュウのようになってくれているフィリップに感謝した。

 

 

 

 一方で、設立間もないティターンズにおいてはアーガマのような最新鋭な艦はそれなりにある。その中で、ジェリドとカクリコンが一旦は合流した艦のMSデッキ内で、ある騒ぎが起きていた。

 

 

 

 

「やめて下さい!ヤザン隊長!」

 

 ヤザン隊の新兵アドル曹長はヤザンに呼び掛けていたが、先程の件で交戦した敵機より排除すべき対象への怒りで止まらずにいた。

 

「こんな廃棄待ち品、さっさと外に放り出すべきだろうが!」

 

「ヤザン、何をやっている!?」

 

「見りゃわかるだろ、お前等の持ち込んだ廃棄待ちを放り出すんだよ!今度は艦内の事故とかで【味方殺し】を企む気なのかっ!?」

 

「「・・・・っ!」」

 

 騒ぎを聞き付けたジェリドとカクリコンは事態を察した。ヤザンもろとも白いMK―IIを試作型なランチャーで撃とうとした蛮行の報復である。しかし、ジェリド達の誤算は失敗だけではなかったのだ。

 

「ヤザン隊長、手伝いますよ!」

 

「同じく!おっ!?そっちのは確かどさくさ紛れに上官殿を踏み潰そうとしたら失敗しただけでなくて、その隙にガンダム奪われるなんて結果に繋げた奴だな!」

 

「丁度良いぜ!MSで人間を踏み潰すのを迅速にやる事の手本を見せてやる!安心しな、外してはやるさ!」

 

 ヤザン直属の部下であるラムサス・ハサとダンケル・クーパーが乗るハイザック二機が同調して、更に騒ぎが大きくなっていた。

 

 阿鼻叫喚である。

 

 言葉通りに外してくれたのが幸いだったが、周りからしたらやっても構わん状態だった。アドルでさえ事情を聞いては二名を庇う事は出来なかったのだ。

 

 ジェリド達とは違って、ヤザンと言う頼れる上官か粗野だが有能な戦士として見る男を敵もろとも撃とうとした側と同時に徐々に広まった不祥事の当事者達等は消えて欲しいに決まっているからだ。

 

 この騒動は言葉通りにランチャーにエネルギーを供給した側のハイザックだけは外に廃棄されたのだ。ヤザンが言うように、過度な負荷を掛ける供給システムはMSと言っても厳禁であって、解体すら危険であったからどのみち同じであったのだから。

 

 騒ぎの後に【証拠の片方】を無くして貰ったも同然だから感謝しろと言わんばかりの視線にはジェリドとカクリコンは成す術は無く、営倉代わりに空いていた部屋での謹慎が下った。ティターンズの野獣と恐れられ、合わない人間からは好き勝手言われてはいるヤザンであるが部下や理解者からの人望は極めて高い事を考えてなかった故の結果であった。

 

「全く!何であんなお坊っちゃんがティターンズなんだ!?あのMK―IIのガキの方がまだマシだぜ!」

 

「【ガキ】・・・・っ、隊長。奪取されたMK―IIのパイロットはガキなのですか?」

 

「あ~、うん。アドルよりはってとこだったなあ?」

 

「はあ・・・・?」

 

 休憩室で愚痴るヤザンはアドルに言うのは止めた。呼び掛けられた結果、命を救われた相手に妙な貸し借りがあるままなのは気分の良いものではないから黙っているつもりでいた。只しアドルについ聞かせたのは失敗だったかもしれない予感が頭に過ったのである。

 

 

 

 

 そして、ヤザンが何故か気になるガキは早急な流れに身を投じていた。

 

 

 

 

「ぶっつけ本番に近いとは・・・・」

 

『坊主。自分が設計したものの試作品なんだから自信を持ちな!増長は問題だが、自分のやった事に自惚れられないのも問題だぜ?』

 

 ギリギリのライン攻めてる発言だが、フィリップの言う事にも一理はあると思っていた。電撃作戦が決定したのでジャブローを攻めるのだがシオンに宛がわれたのはバリュートを用いたものではなく?

 

【フライング・アーマー】

 

 SFSにしては破格なものでゼータ・ガンダムのプランが採用された結果の産物だから、強ちシオン絡みなのは間違いが無かった。

 

 ガンダムに乗ってある程度経ったが、シオンは違和感が拭えない・・・・あの新型と交戦した日からと考えたが、元々何故か記憶が曖昧と言うより、この世界の本来の流れが思い出せないでいたが、発進のコールが掛かったので出撃準備に入った。そう・・・・次は地球!

 

『シオン、大気圏突入は甘くはない、予定コースから外れるな?』

 

「了解です」

 

 クワトロからの一言が掛かり、集中を高め始めた。文字通りこれからが本番なのだ。

 

「ガンダムMK―II・・・・出るぞ!」

 

 フライング・アーマーに乗ったMK―IIは宇宙移民が重力の井戸の底と呼ぶ場に向けて飛び出した。




 一年戦争の教訓を活かすブライトな回。
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