【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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104 俺の体が狙われている(確信)

 

 

 ビルボードチャートの発表会も終わり、俺もMCとしての仕事を終えた。

 やり遂げたぜ。なんだかんだちゃんと場は回したしマウントレディは弄れたし他のヒーローとも交友が出来たし。わざわざ出演した甲斐があったな。

 

「さて……んじゃ皆様にご挨拶してくるか」

 

 自分に用意された控室で一息ついてから、改めて各ヒーローにあいさつ回りをしてこようと思い立ち俺は部屋を出た。

 上位10人がいる場なんだぜ? 折角こんなとこまで来たんだからあいさつ回りしてこねぇとなァ!

 ラーカーズの3人はともかく他の7名はこれまでもお世話になってたりこれからもお世話になりたいヒーローだ。MCではっちゃけたことも含めて謝罪と挨拶はしておくべきだろう。

 んで連絡先交換して、ビルボードチャート上位10人に自撮りを一斉に送ってみるのだ。

 誰が一番面白い返事を返してくれるかな。……いやこれ面白そうだな? 動画にしちゃおうかな。バズりそう。

 

 ではまずはチャート一位、エンデヴァーの控室へ。

 こないだ一緒にそばを食べた仲だし、自撮りもよく送ってるし、まぁ……決してエンデヴァーも俺のことを疎ましくは思っていないと思う。

 冷さんや轟と親しくして、悪い影響は与えてないと思ってる。このままエンデヴァーとも仲良くなって轟家の関係復興を目指すのだ。

 夏雄さんのトゲが一番大きいんだけどそこをなー。なんとかできねぇかなー。

 こないだチームアップミッションの帰りに一緒に飯食って愚痴聞いたりしたんだけど中々昔からの気持ちって難しいよなぁ。切っ掛けがあればなー。

 

 さて控室について、扉をノックノック

 

「イグジストでーす。エンデヴァーさんいますかー? お義父さーん?」

\そう呼ばれる筋合いはまだないぞイグジストォォォ!! ……入れ/

 

 扉の向こうからツッコミが返ってきてから、入室OKの声があり俺は控室にお邪魔させてもらう。

 そこにはいつもの如く燃えてるエンデヴァーと……おや、ホークスだ。

 もしかしてワンツーで話してたかな。邪魔しちゃったか。普段からウォールハック開いてないもんでわかんなかった。

 

「お邪魔します。……すみませんね、お話し中でした?」

「今終わったところだ」

「や、イグジストくん。……あ、そうだ。イグジストくんも急だけどちょっとお願いがあってさ、いいかい?」

「え、何スか?」

「ホークス! イグジストはまだ学生だぞ……彼も呼ぶつもりか」

「雄英襲撃事件でも保須市でも既に相対してるでしょこの子は。実力も十二分……アリだと思うんですよね」

「え、何? 俺の体が狙われてます? やだえっち二人がかりなんて大胆……優しくしてね♥」

「違ァァァァう!!」

「ハハハ!! 悪いね、エロい話じゃなくてさ……真面目な話」

 

 ジャブとしていやん♥と偽乳を隠すように手を交差させたらエンデヴァーが炎上(物理)してた。

 この人とも距離が縮まったなぁ……からかって楽しくなってきた。信頼の証でもある。ごめんね。

 で、ホークスは笑い飛ばしてから……少し真面目な雰囲気を見せて、微笑んで俺に伝えてきた。

 

「───チームアップのお願いさ。ビルボードチャートナンバー1とナンバー2、そして世間で今一番顔が売れているイグジストくん。この3人で組んでみない?」

 

 


 

 

 緊急チームアップミッションにより連泊することを相澤先生と飯田委員長に伝えて、俺は発表会の翌日にホークスの地元である九州に来ていた。

 3人で並んで街中を歩く。この通りも割と最近歩いたなー、緑谷と爆豪ちゃんとも一緒に。

 しかし今回俺と一緒にいるのはエンデヴァーとホークス。ナンバーワンとナンバーツーのヒーローだ。周囲の視線がすごい。

 

「エンデヴァーさん好きな食べ物あります? そこの水炊きスゲー旨いんですよ、鳥の味がしっかり出てて。焼き鳥もいいですよ!」

「焼き鳥といえば前連れてってもらった店っすよね? 焼き鳥『ヨリトミミドリ』! あそこめっちゃ美味かったっすよねぇ! レバーがクセになるウマさ!」

「お、イグジストくんもあそこのレバーの良さ分かる? そんじゃお昼あそこにしようか!」

「やったー! でもお高いお店。奢ってくれます?」

「イグジストの分は俺が出す。日頃の礼もある……俺は飯は何でもいい」

 

 この二人なら本気出せば空飛んで高速移動できるだろう。でもそうすると俺がついていけるかギリギリの速度になるから俺にもしかして合わせてくれてるかな?

 ……や、そうでもないか。今はチームアップの上でパトロール中なので、勿論事件があれば速攻で解決をしている。

 特に俺のダイブセンサーとホークスの噛み合いが凄くいい。

 以前にチームアップしたあと、ホークスも自分のバイザーにデジタル表示を出せるようにしてくれたのでダイブセンサーの情報を連動できるのだ。

 俺が感知し、ホークスが剛翼で瞬殺するムーブが出来ている。

 

 ここに来るまでにまず露出狂の男を一瞬で気絶させて警察に連絡済み。汚らしいもん見せようとするんじゃないよ。俺を見習え。

 で、さらに歩きながら道路に飛び出したワンちゃんを助けたり、重い物を持って歩道橋を渡ろうとしたおばあちゃんの荷物を運んでやったり。

 エンデヴァーが何もできてないな。いや、普通に指示を出せば間違いなくやってくれるだろうけどぶっちゃけ今は戦力過剰。

 何か大きな事件が起きた時に働いてもらおう。ナンバーワンヒーローに指示出す日が来るとは思ってなかったところはあるよね。

 

「おー!? ホークスやん!!」

「普通に歩いとうの珍しかー!」

「どもー」

「オイオイ隣はエンデヴァーか!?」

「ホークス2位おめでと! 見たぞ昨日のー!」

「待ってそこの女の子もしかしてイグジスト!? キャー本物ぉー!!」

「はーい♥イグジストでーす♥俺は男ですよー」

「ホークス、ホークス! 写真撮ってー!」

「イエーイ☆ これでよか?」

「イグジストも一緒に写真よかと!? その、サインも……!」

「いいっすよー。博多弁可愛いですねぇ、サインのお名前は?」

「彩香! 彩香です! 彩りに香るで彩香!」

「オッケー、彩香さん、いつも応援ありがと♥」

「キャーー!!」

 

 そしてもちろんファンサも欠かさない。

 まぁ目立つこと目立つこと。エンデヴァーが体デカくて燃えてるしホークスも翼が目を引くし俺は赤い髪が靡いてるし。

 イケメンのホークス、貫禄のエンデヴァー、脳破壊の俺。

 互角……といったところですね。周りから物凄い撮影されてる。またウインクしちゃお♥

 

 しかしファンサに応じる俺とホークスとは違い、エンデヴァーはその辺は身持ちが固い。

 直接握手やサインを求めてくるファンはおらず、遠巻きに眺めるのみだ。

 勿体ない。この人割と最近丸くなったから応じてくれるぜ?

 

「お前サイン貰って来いってー。エンデヴァー好きって言っとったやん」

「嫌やし! 好きやけど! 違うやろ!!」

 

 声の方を見れば、金髪で短髪の少年がサメ頭の友達からエンデヴァーからサイン貰って来いやとからかわれていた。

 ふふ。なんかあの子爆豪ちゃんに似てるな。

 いいなぁ、子供同士の仲がいいの見てるとホッとする。

 そしてエンデヴァーもその声に気付いたらしく、ズイっと大きな体を向けて近寄って行った。

 

「わ! 来とう! こっち来とう!!」

「え、え!? ウソ!? ウソォ!! ヤバイヤバイヤバイ!! 新コスかっけぇ!!」

「……遠慮などしなくていい」

 

 限界オタクになり始める少年に、エンデヴァーが手を差し出して握手に応じようとする。

 ん。いいね、ナイスファンサ。少しずつ丸くなってるなぁこの人も。何が原因かは知らんけど。象徴として在る覚悟が出来たという事なのだろうか。

 これはファンの子も大喜びだろう……と、思ってたのだが。

 

「─────違う」

「違うのか!」

エンデヴァーはファンサとかせん……!! 媚びん姿勢がカッコイイったい……!! 変わってしもた!! 変わってしもたよあーた!!」

「ガチ勢やったんか……」

 

 どうやらファンの子はエンデヴァーガチ勢だったようで新たな一面を見せたエンデヴァーに解釈違いを起こして限界オタク反応を見せて走り去ってしまった。

 超ウケる。エンデヴァーも何故だ……って顔してる。ウケるわー。周りのファンからも苦笑が漏れている。

 うん、でもそういうことからが第一歩だと思いますよエンデヴァー。

 貴方の変化、俺は応援してます。

 

 


 

 

「ハハハハ! そりゃ言われますって、キャラじゃないですもん」

「俺はいいと思いますけどねー、あの子も決して嫌がってたわけじゃないでしょうよ。……んまっ! やっぱここの焼き鳥んまっ!」

「……イグジスト、俺はもういらんから俺の分も食え」

「いいんスか! ゴチです! んまかー!」

「あ、ズルいやイグジストくん。俺も狙ってたのに」

 

 ビルの最上階にある料亭『ヨリトミミドリ』で舌鼓打つ俺。ホークスもよく食べる人だ。焼き鳥好きなんだろうなぁ。

 体のデカいエンデヴァーはあまりガツガツ食べないタイプだった。まぁ轟家って和風で格式あるお家だからな。ご家族みんなそうだけど礼儀正しくご飯食べてる。人前だしあまりがっつく姿を見せたくないのかもな。

 まぁ焼き鳥くれたから許したろ! ここのレバーマジで美味いんすよ……うっめ!! いつか峰田や透ちゃんやマウントレディにもこの店教えたろ!

 

「今はお互いインターンもあってやる事多いっスよねぇ。そちらはショートくんとバクゴーくんですよね、雄英のトップエースの二人。あの二人なら戦力として十二分でしょう」

「フン……雄英出身でもないのに詳しいな。だがあの二人はまだ青い。俺の背を見せてやっているところだ」

「二人とも何としてもエンデヴァーから技盗むんだーってイキってましたよ。もっとちゃんと教えてやってくださいよ、エンデヴァー強いんすから」

「ハハハ。うちに来てくれてるツクヨミも成長が凄くてねぇ。イグジストくん、君たち学校でどんな訓練やってるんだい?」

「授業は普通っスけど、放課後の自主トレじゃあみんな俺相手に真剣組手っす。手加減無しで全力で個性使ってやってますからね、技の実験も連携も打てる。高めあってますよ、みんなで」

「なるほど! 若さだねぇ……みんなでプルスウルトラか。雄英らしいや」

「…………」

「あ、焦凍くんもめっちゃ頑張ってますよ。みんなからも一目置かれてる。最近は俺からも10分平気で逃げ切るし火力もヤバくなってきてるし……今や俺が置いてかれない様に必死ですよ。マジで」

「……そうか。焦凍の事、今後もよろしく頼む」

「モチです。親友ですよ、あいつは」

「ん。信頼されてるねイグジストくん」

 

 話は自然とインターンの事に。チームアップミッションもやってるが、基本的にはエンデヴァーもホークスもそこまでチームアップミッションを依頼することはない。俺らを前にホークスが呼んだのは力を見たいって意味合いが強くて、力が必要だってわけでもなかっただろうしな。エンデヴァーはまだチームアップミッションを一回も申請してないはずだ。

 で、俺が雄英でやってる自主トレの話なんかしたところでエンデヴァーがそわそわっと炎を揺らし始めたので、俺が察して轟の事を話題に出したら表情が柔らかくなった。

 不器用なパパなんだからー! でも根っこは絶対優しいんだよなエンデヴァー。自撮り送ったりしてもガチギレしてブロックとかされないし。クソみたいなコメントだけどちゃんと返事くれるし。

 どっかでこう、家族全員で腹割って話せばなんとかなるかなぁ。そう信じたい。

 

 

 さて。

 俺もホークスも食べ終えて、少し落ち着いた時間となったところで。

 

「……そろそろ本題を話せホークス。こんな話をしに九州くんだりまで来たんじゃない」

「ん。……俺は席外しますか?」

「いや、イグジストくんも同席してほしい。君にも無関係な話じゃないしね……まだ『噂』の話だけどね」

「改人『脳無』。ヴィラン連合が持つ悪趣味な操り人形の話だ」

 

 話が本題、至極真面目な話になったので俺も正座して佇まいを正す。

 ここに来るまでにヴィラン連合の絡みである事はホークスから聞いていたが、脳無の事だったか。

 

「神野で格納されていた数十体をAFOもろとも捕えて、それ以降ヴィラン連合に動きはあれど脳無の出現は確認されていない」

「マウントレディがぶっ潰したビルにいたやつらっすよね。改造されてたのがいたって聞いてますけど……」

「1、あれで全部だった。 2、まだあるけどオールフォさんしか場所知らない。 ……のどちらかって見解みたいですね、ヒーロー本部と公安は」

「……で、そんな脳無の噂って?」

「ああ。ここ俺の地元の九州でなんか脳無の目撃談が増えててね……それでお二人にチームアップお願いしたってわけ」

 

 なるほど。それなら脳無相手にも火力負けしないエンデヴァーと、調査に特化した俺をメンバーに入れた理由が腑に落ちた。

 じゃあ午後からはそっちの調査かな? とはいえウォールハックとダイブセンサーで調査するにせよとっかかりは欲しい。どこの調査になるのか……。

 

「噂、というが……貴様、俺達にチームアップを頼んだからには何かしら確証は得ているんだろうな?」

「っすよね。どのあたりが怪しいんスか?」

「得てないですガチ噂です」

「会計だ!! 俺は帰る!!」

「帰りにお土産買っていきましょうねエンデヴァー!!」

 

 このヘラ鳥がよォ!!(爆豪ちゃんワードセンス)

 せめてとっかかりくらいはないのかよ! 流石の俺も九州全域を調査なんて一日じゃできないですわよ!?

 街中歩いて通行人の会話全部拾ったりとか周囲全部透かして調査なんて出来ねーのよ! そもそもヒーロー免許持っててもやりたくないわそんなプライバシーの欠片もないような調査は!

 

「待ってくださいよ待って。つーかね……脳無の目撃談はここだけじゃないんですよ。知らないでしょ」

「いやまずそこから説明しましょうよホークス」

「耳が痛いね。……実は九州だけじゃなくて全国でそういう噂が立ってるんです。取り立てて記事にされるほどでもないけれど……しかし奥様方の井戸端会議で、あるいは小中学校の下校の会話の中で。脳無の話が出ている」

「…………どういう事だ」

 

 ホークスが情報を小出しにして、新たな情報を提供してきた。

 九州だけじゃなくて全国で脳無のうわさが流れていると。始まりはホークスが地元の人から聞いた噂が最初で。

 で、警察とも協力して混乱を避けるためにこっそり九州を調査したが何も情報は出ず。

 さらにホークスが個人的に全国飛び回って調査をしてみたのだと。こういう時スピードヒーローは流石だね。

 

「……調査の結果は」

「違いはあれど似たような噂話が全く関連のない地域で湧いてましたね。結果的にはどれも確証ゼロの『噂』でしかなかったんですけど」

「……おかしくないスか? 何も起きてないのにその噂が全国的に広がる理由がないっスよね? しかもネットを介さずだ。ネットにはそんな噂流れてなかったはずだし」

「イグジストくんの言う通り。……俺の抽象的な見解になっちゃうんですけど、雄英、保須、神野を経て『改人』というヴィラン以上に不気味な存在をみんな知ってるわけじゃないですか。どっかのアホウが不安をあおる目的でホラ吹いてそれを全国に伝播してるんじゃないかな」

 

 推理が進む。

 テレビやネットを介さずに噂話が広がるなんて昨今のネット社会じゃまずまず考えられない。

 ネットすらない時代にポケモン初代でミュウを出したりレベル100にする裏技だったりは小学生が無限に噂を広げて全国に伝わった、なんてことがあったらしいけど。今や子供だってスマホを持ってネットを見る時代だ。

 ラーカーズの鬼バズりしか俺も興味はなかったけど、でもネットで脳無の噂が流れてるのを見たことはない。そういうヒーロー関係の情報に詳しい緑谷もそんな話はしたことなかった。

 つまりは口頭で伝聞してる……のかも、という話だ。

 ははーん成程バカだなそいつは? 効率の悪すぎる手段を取ってやがる。

 もしくはそうせざるを得ない理由があったのか。

 

「…………もったいつけるな。事情と推測は分かったが、結論を言え。貴様はどうしたいんだ」

「結論は……ナンバーワンのあなたに頼れるリーダーになってほしい!! 立ち上がる噂話を『あなた』が検証して! 『あなた』が「安心してくれ」と! 胸を張って伝えてほしい! イグジストくんはエンデヴァーの人気を高めるために根回ししてほしい!」

「なるへそ。で、ホークスは何するんスか?」

「俺は特に何もしない!」

「スタンスどうなっとるんだ貴様!!」

「ようはナンバーワンのプロデュースですよねー。俺は楽したいんですよ本当(マジ)で。適当にダラダラパトロールして、今日も何もなかったとくだを巻いて床に就く! これ最高の生活! ……ヒーローが暇を持て余す世の中にしたいんです」

 

 ホークスの結論が述べられて、その想いに俺は……色々複雑な気持ちを抱く。

 や、ホークスのスタンス自体は全然いいと思う。かつて俺も飯田にそんなことを言った覚えがあるが、ヒーローが忙しいってのは犯罪が多いっていう証拠だからな。ヒーローが暇を持て余してる。なんて幸せな社会なのだろうか。俺の目指す物の最終形はそこかもしれない。

 で、そのためにエンデヴァーをオールマイトに次ぐ新たな象徴になってほしいという事だ。それをプロデュースするのがホークスで、俺とか話題性の高いヒーローなどに根回しをして……という事なのだろう。

 

 ああ、それはとてもいいことだ。

 象徴の不在で不安になっている世間に本当に必要なヒーローは、真に力を持つ者だ。

 俺もラーカーズをバズらせたり、マウントレディの人気を高めるために日々努力はしているが……国民全員がそのヒーローの背中を見るっていう意味であれば、俺はエンデヴァーを推す。

 この人の事件解決数、そしてヒーロー活動に対する真摯な在り方は応援したい。

 まぁマウントレディを一番に考えるのはそうだけど、それ以外で手伝えることだったら全然やってもいいね。

 もちろん轟家の事情を改善するっていう副次効果もプラスでさ。

 

 うん、この話を聞けて良かった。

 脳無の噂話については今後検証が必要だろうが、ホークスのスタンスが分かっただけでもチームアップでここに来た意味はあったな。焼き鳥美味しかったし。

 じゃあ午後は改めてパトロールしつつ、エンデヴァーにもしっかり活躍してもらわんとな。

 ホークスが先に解決し続けるようじゃアカンやろって話で───────

 

 

「────────!」

 

 

 ──────まず。

 まず最初に()()に気づいたのは、ホークスに向かい合うように立って窓の方を見ていたエンデヴァーだった。

 

 

「っ……!?」

「エンデヴァーさん、イグジストくん」

 

 

 気配が変わったことで俺もホークスも()()に気付いた。

 

 窓の外、小さな影が空を飛んでいて─────凄まじい速度で迫ってきている。

 即座にダイブセンサーを起動し、望遠スコープで確認する……暇すらなく。

 

 見る見るうちに迫ってきた()()の姿を全員が見た。

 

 

 ───────改人、脳無。

 

 

 話題の化物が、俺達に向かい吶喊していた。

 

 

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