【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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108 ヤバイって! 完全にロックオンされてるって!!

 

 

 脳無を倒して、荼毘を撃退して、その後の顛末。

 

 とりあえず俺達4人は周囲のヒーローと協力し、救助活動に精を出した。

 またヴィラン連合の襲撃が来たりなどはなく、瓦礫の撤去がメイン。本当にホークスとエンデヴァーが頑張ってくれたおかげで建物の崩落に巻き込まれた人とかもいなくて、死者はゼロ。重傷者もいなかった。

 落ち着いたころにミルコは跳んで行ってしまった。あの人マジでフリーダムだな。あとで自撮り送ろう。

 で、簡単にインタビューなども受けてからエンデヴァーは実は脇腹にそれなりの傷があったのを焼いて塞いでたので結局現地の病院に一泊。

 ホークスは地元だし、一人で帰るのも今は危険だというエンデヴァーの判断で俺も一緒に病院で一泊。*1

 特に怪我してないので学校のみんなに無事を知らせるラインを送って、夜にシコろうか悩んだけど透ちゃんが待ってくれてるってラインくれたから我慢して。

 翌日に病院に常駐してた治癒系ヒーローの個性で完治したエンデヴァーと共に退院。

 ホークスが空港まで見送りに来てくれて、俺とエンデヴァーは静岡に帰ることになった。

 

「二人といると変装しなくていいから楽ですね」

「君は目立ちすぎる」

「俺も羽根があるから目立つけど幾野くんほどじゃないなぁ」

 

 全員ヒーロースーツじゃなくて私服だし、早朝に空港に来たからあまり人もいないけど。それでも俺は目立つわねー!!

 んー、今回の事件でさらに世間に顔が売れたからなぁ。そろそろマジで変装めんどくさくなってきた。

 発目ちゃんに相談するか。変装用のアイテム作ってもらおう。顔を変える様な何か。

 

「それよりもホークス……あの脳無だが、真っすぐに我々を狙いに来た。我々が到着したその日に……あれは偶然だろうか」

「あー……新トップ2に新世代のニューフェイスが駅前歩いてりゃ目立つし、ワンチャン狙ってた敵さんの目についたんでしょうかね」

「荼毘が見つけて俺らに脳無けしかけた……って感じなんすかねー。脳無自体は割と危なかったんで一匹だけでよかったっスよ。あと最後に出てきてやられて帰ってった荼毘はマヌケでしたねなんか」

「ヤツはイグジストを舐め過ぎだ」

「それはマジでそう。にしてもやれることが多いねホントに幾野くんは。あんなワープまでできるとはね……最速の称号譲っちゃおうかな俺」

「いやあれ一発限りの奥の手っすから。ホークスの最速の称号を継ぐのは少なくとも俺じゃないっす」

 

 エンデヴァーが零した懸念点に、俺達で推論を述べた。

 確かに、なぜかその日に来た俺達に急に襲い掛かって来たんだよな。俺もなんでやろなって考えてた。

 駅前で俺とホークスがばっちりファンサしてたからそりゃまぁ目立ったのは間違いないし、それを荼毘が知って……即戦力を投入した、というのは推論としては筋が通ってる。

 でもその後急にアイツまで姿を現したのはホントに分からない。やるんだったら静かにやればよかったのに。なんでわざわざ顔出してきたんやろ。

 なんか言いたいことがあったのか……まぁそんなの聞いてもどうにもなんねぇけどな。ヴィラン連合の都合なんて知らんわ。人殺して社会に不安をあおるヴィランの言う事なんて聞いても何にもならん。

 次ヴィラン連合と会うことがあれば今度こそ逃がさないように心がけるだけだ。油断はしない。

 

「……脳無の噂自体がヒーロー狩りの撒き餌って可能性はありますよね。連合捜索チームに連絡付けないと……」

「気を付けることだ。……ホークス、貴様が今後もその調査を続けるのなら、あれクラスが現れても対抗できるよう協力を仰いだ方が良い」

「物理耐性持ちと行動束縛系のヒーローが欲しいですよね。結局脳無も物理だから個性の組み合わせ次第で無力化できるだろうし。俺もチームアップ呼ばれりゃいつでも行きますんで」

「……ハハ、そっすね。幾野くんもありがと! 前向きに検討しとくよ!」

 

 改札をくぐる寸前に、エンデヴァーから珍しくホークスを心配するような言葉が溢れた。

 やだもーここにもツンデレが! なんか俺のまわりツンデレ多くない? 爆豪ちゃんといいミルコといいさぁ。

 でも流石にオッサンのツンデレは見てても嬉しくないかな!! そういう可愛さをエンデヴァーには求めてないところが俺もあるよね!!

 ってかそのデレを家族に見せろって話ね!! マジで!! 俺にもかなり気遣ってくれるようになったんだからそれを夏雄さんや冷さんにも見せようねエンデヴァー!!

 

 さて改札についた。

 ホークスともここでお別れだ。

 

「じゃあまた。幾野くん、あの店運営再開したらまた誘うね!」

「楽しみにしてます! ホークスさんもお元気で!」

「油断するなよ」

 

 エスカレーターに乗って、俺はバッチリホークスに振り返って手を振って。

 エンデヴァーも振り返りこそしなかったものの、手は挙げてホークスに挨拶した。んもーツンデレ!

 そして俺たちは飛行機に乗り、静岡に帰るのだった。

 

 しかしその空の道中で。

 

「……幾野くん。冬美が絶対に君を食事に誘えと連絡してきた。帰りに時間は取れるか」

「え、良いんスか。じゃあお邪魔させてもらっちゃいますかー!! 冬美さん待っててねー!!」

「……お見合いの場を設けてもいいぞ」

スンマセン冬美さんのことはマジで大人の女性として大好きなんすけど心に決めた彼女いるんです俺……!! 気の多いエロガキですんません……!!」

「そうか……今どきの若者は分からん」

 

 なんか轟家がマジで俺の体狙ってない???

 いや冬美さんはマジで……マジで美人だし優しいしママみあるし大好きなんだけど!! 俺透ちゃん一筋だから!! あの子が俺の大天使だからさぁ!!

 なんもかんも可愛くて素敵な女性が多いのが悪いんや……ちんちんに抗えない俺の弱さ。プライスレス。

 

 


 

 

 さて無事に静岡に帰りつき、エンデヴァーと一緒に轟家へタクシーで到着した。

 

「お父さんおつかれ! 幾野くんも本当に、ありがとうね!」

「お疲れ様な幾野くん! 大活躍だったな!!」

「幾野、無事だったか?」

 

 冬美さんとまさかの夏雄さんとまさかの轟がいて。

 んで、さらにまさかまさかの。

 

「……おかえりなさい、あなた。幾野くんも……本当に、うちの人を守ってくれてありがとう」

 

 三つ指をついて深々と頭を下げる冷さんが、そこにいた。

 

「え!? 冷さん!? ど、どしたんスか何でご自宅に!? 頭上げてください俺大したことできてないっすから!?」

「いや親父を助けてくれてたろ。見てたぞ映像」

「焦凍くんはちょっとお静かに!! いや待ってついていけてない。せ、説明! 冬美さん!!」

「実はお母さんの一時退院が昨日だったの! それであのニュースを見てね! 大仕事お疲れ様でしたってことで、一緒にごはんでもって!」

「すごい行動力!! いやでもご回復されたんすね冷さん、マジでよかったです!!」

「ええ、ありがとう。……あなた、お食事できてるわよ」

「……ああ。まず食事にしよう。幾野くんも腹を空かせている。楽にしてくれ」

「あ、ハイ。そんじゃまずいただきます!!」

 

 唐突な展開についていけてない俺。でもエンデヴァーは別段驚いた感じでもないからこれを知ってたのかな?

 言ってよぉ!! めっちゃびっくりしたじゃん俺!! 夏雄さんも焦凍も来てるなんて思わないじゃん!!

 冬美さんとエンデヴァーだけだと思うじゃん! 何度もお邪魔させてもらってるんだからさぁ!!

 冷さんまでいるとかンモー!! 言ってくれたらちゃんと化粧整えて来たのにー!!

 

 さて。

 一先ず机のいつものポジションに座らせてもらって、夏雄さんから活躍について熱く褒められちゃったりして照れつつ。料理もそろってみんなで座っていただきますをして、食事が始まった。

 もしここで俺がいなければ沈黙の食卓になったかもしれんがなにせ俺がいる。イグジストが存在してる。

 めっちゃ和気あいあいとした食卓にしてやるからよォ!!

 

「───んで、ホークスとエンデヴァーと一緒に駅前歩いてたらまぁファンから声かけられて。そりゃ目立ちますよねー」

「一位と二位と、幾野くんだもんね! お父さんどんな様子だった?」

「それが聞いてくださいよ! ファンの子が握手したそうにしてたのに気付いて、珍しくエンデヴァーから近寄って「遠慮するな」って手を差し出したのに、その子ガチ勢だったから『エンデヴァーは握手なんてせん!! 違うやろー! 変わってしもたよあんたー!!』って逃げられちゃったんすよ!! ホークスも俺もめっちゃ爆笑で! ぽかんとしてましたもんエンデヴァーも!!」

「マジかよアッハハハハハ!! 報いだぜクソ親父!!」

「くすっ。……あなたらしいわ」

「む。……俺は間違ったことはしてないぞ」

「ナンバーワンになっても変わってねぇじゃねぇか」

「いやまぁ聞けよ焦凍。親父さんも割と親切にしてくれたのよ俺に。その後ホークスお勧めの焼き鳥の店で一緒に飯食ったんだけど俺に焼き鳥分けてくれたりさ。あの店めっちゃ美味くて! 九州行くときはマジでお勧め! 美味しかったっすよねエンデヴァー?」

「……ああ。風味があったな。いい店を知れた」

「っすよねー。あのビル崩れちゃったのはマジで残念だけど人的被害はゼロで済んだし……そこはマジでエンデヴァーとホークスが頑張ってくれてましたよ。俺だけじゃ全然、助けることはできてないっす。えらい。なんでみんなでエンデヴァーを褒めてもろて」

「お父さん、頑張ったんだね!」

「偉いわあなた」

「よくやった親父」

「人の為になる事ちゃんとやったか」

「…………釈然とせん」

「ははは!」

 

 うん。

 もうみんなの性格も知ってるし遠慮なんていらねぇよなぁ!?

 エンデヴァーを話のタネにして、茶化す時は夏雄さんに、ヒーロー活動の話の時は焦凍に。

 で、冬美さんがナチュラルな話題で回してくれて、冷さんはお子さんたちが笑顔になったら一緒に笑顔になってくれる。

 エンデヴァーもこんなに会話する食卓って初めてなんじゃねぇかな。食事中の礼儀も大切だけどそれ以上に今は会話でしょ会話!

 無限の会話デッキ持ってるからよォ!! ビルボードチャートのMCの話もまだ残ってるぜェ!? 焦凍の学校生活のネタだっていくらでも持ってるしよォ!! 自撮りコミュニケーションしてやったっていいんだぜェ!?

 

 と、まぁとにかく騒がしい食卓にしてやった。

 家族に必要なのは会話です。

 その大切さを多分誰よりも身に染みて味わってる俺だからこそ。

 みんなの隣にいたいよ俺は。

 

 


 

 

 さて食事も終えて。後片付けも冷さんと冬美さんを手伝って。

 エプロン借りてテキパキやってあげました。掃除後片付けは俺の本領発揮だから。

 三人でエプロン姿になったから折角なんで自撮り撮影させてもらった。美人母娘に挟まれる俺。峰田に送ってやろ。

 

「……少し、家族で話をしよう」

 

 食卓でテレビを見て無言の時間を過ごしてたエンデヴァーが切り出し、夏雄さんと焦凍がそれに顔を向ける。

 テレビの向こうではマウントレディのCMが流れてた。が、誰もそれを見ていない。どうして。

 ……なんていうのはどうでもよくて。

 ようやく家族みんなで話せる場を作れたか。ミッションコンプリートと言えるだろう。

 

「じゃあ俺は帰りますね。ご飯はバッチリごちそうになっちゃいましたし」

「幾野……いいんだぞ、いてくれても」

「いや、帰るさ。十分お邪魔させてもらったからな、轟家に。あとはみんなでしっかり話し合いな。『家族』でさ」

 

 焦凍が縋る意味ではなく、気遣って呼び止めてくれるが……もう、お互いの距離は十分に近づいた。

 俺の言葉に冷さんもエンデヴァーも、分かって頷いてくれる。俺が出来るところまでは出来たのだ。

 あとはお互いがこれまでの想いを、これからの想いを紡ぐ時だ。前に歩み出せるようになった轟家に、俺はもういなくても大丈夫。

 みんなが変わったからな。俺はもう心配していない。

 

 それに透ちゃんが待ってるからさ!!

 オナ禁4日目に突入するんよねそろそろ!! MCやって翌日に九州行って一泊して帰ってきてるからさ!!

 最近自覚したけど俺ってなんかデカい事件解決した後ってすっごいムラムラするんよね!! 愛する彼女が俺の欲望受け止めるために待ってくれてるから!!

 このまま轟家にいるとなんかもう一泊くらいしちゃいそうだし!

 そうなったら俺冬美さんを前にして我慢できる自信ないし!!

 

「そろそろ性欲が我慢の限界を迎えそうなんで帰ります」

「どうして口に出すんだよお前」

「幾野くんのそういう所マジで俺尊敬するわ。おもしれーヤツ」

 

 口に出したら焦凍と夏雄さんに突っ込まれた。

 コイツも最近峰田に影響を受けて鋭いツッコミを返すようになってきたな。いい事だ。

 でもその言葉を聞いた冬美さんがなんか……なんか赤面してじっと俺を見て照れてしまわれている。

 やめてくださいえっちですよ。まんざらでもない表情やめてください……!!

 

 そして俺は逃げるように轟家を後にした。

 いやマジで色々あり過ぎたわ。少しゆっくりしたい所ですよ。

 透ちゃんのおっぱいに癒されなければならない。

 

「その……幾野くん。また、いつでも遊びに来てね? ……いつも本当に、ありがとう」

 

 帰り際、玄関で冬美さんがこう……なんか壁に手をついてしゃなりと照れ笑いのような表情をして見送ってくれた。

 誘ってんのかよこのドスケベ女教師が……!!

 ちんちんが暴発する前に丁寧にごあいさつして轟家を後にしました。脱兎のごとく。

 お邪魔しました。また遊びきますね。

 

 


 

 

 そして変装して電車を乗り継いでようやく寮に帰宅した。

 クラスのみんなからめっちゃ無事を心配されて、頑張ってたなと褒められて。

 でもとりま疲れてるから風呂入らせてねと透ちゃん見ながら言ったらみんな『あっ……(察し)』って表情でしめやかに撤収していった。

 察しのいい友人たちで助かるわ。

 

 

 

 なおその日の夜はめっちゃ燃え上がりました。

 プロミネンスバーン(比喩表現)

 

 

*1
俺は個室だった。いつもの。






(今後のお話)
また何話かチームアップミッションを挟んでA組B組対抗戦になります。
多分この作品で一番描くのが大変だよ対抗戦!
カットの嵐とかご都合展開でも許してな(戦闘考える労力ヤバい)
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