【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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115 どう考えても塩崎ちゃんがヤバい

 

 

 演習の説明も終わり、全員でくじを引いてチームと戦う順番を決定していった。

 組み合わせは以下の通り。

 

 

【第一試合】

A:切島・上鳴・口田・梅雨 +心操

B:塩崎・宍田・鱗・円場  +相澤

 

【第二試合】

A:常闇・葉隠・八百万・青山

B:吹出・黒色・拳藤・小森

 

【第三試合】

A:尾白・轟・障子・飯田

B:鉄哲・骨抜・角取・回原

 

【第四試合】

A:幾野・耳郎・瀬呂・爆豪

B:泡瀬・鎌切・取陰・凡戸

 

【第五試合】

A:芦戸・麗日・峰田・緑谷 +相澤

B:小大・庄田・物間・柳  +心操

 

 うん。

 うんうん。

 

「完全に俺のチームが戦力過剰」

「オイラもその気アリ」

 

 A組のチームだけの振り分けで言うとちょーっと偏りが激しいかな!

 索敵組の耳郎ちゃん、口田、障子、俺のうち耳郎ちゃんと俺が被ったし。

 火力組でも飯田と轟、俺と爆豪ちゃん、緑谷と峰田が同じ組だし。

 まぁでも逆に言えばそれくらいか。何も出来ねぇこのチーム! ってのはなさそう。

 あとはB組がどれだけ対策を打って来るかってところかな。今回の演習はお互いの手の内が分かってる、つまりヒーローとして実際に現場に出た時のことも考慮されている。

 その上でお互いが相手の能力をどう推理し、作戦立案し、戦うか。

 戦術で勝敗が分かれるだろう。俺のチームだって油断は出来ない。相手が何やってくるかわからんしな。

 

「オールマイト、どっちが勝つと思います?」

「どうだろうねぇ……A組の実戦経験の多さに分があるようにも感じるが、B組も訓練はA組以上にこなしている。放課後の訓練を見ればチームアップしたときの強さはトントンといったところか……あとは組み合わせと戦術次第かな」

「あ、オールマイトとミッドナイトが来たー! 熱愛!?」

「やめて年上は管轄外。年下よねぇやっぱり……♥」

「相澤先生が狙われている」

「B組に合流しててよかったね」

 

 第一試合のメンバーがそれぞれの自陣に移動してもう間もなく始まりそうといったところで、オールマイトとミッドナイトが見学にやって来た。

 芦戸ちゃんがその二人のペアをみて熱愛かー!? と女の子座りの可愛いポーズしながら盛り上がってたけどこの二人は既に心に決めた人がいるから。

 相澤先生と緑谷の体が狙われてるから……。

 相澤先生はガチで狙われてそうだな。13号先生と言いミスジョークと言いエリちゃんと言いあの人鈍感系ハーレムやってんなぁ。どうしてこうなってしまったのか。

 

「じゃあ第一試合始めるぞ!! STARTだ!!」

 

 ブラド先生の合図により、第一試合が始まった。

 

 


 

 

 なお試合の見学は俺がウォールハックで試合場全体を見た映像と、据え置きの監視カメラの映像が大型モニターに映されて行われます。

 え? チームそれぞれの視点で試合が展開すると思ってた? 無理言うなって。*1

 

 さて第一試合だが、まず開幕宍田と口田で索敵合戦。

 しかし口田は動物を介して行われるので咄嗟の相手の動きを読み切れない。そこを突いたのが宍田と円場と相澤先生だ。

 宍田はビーストモードでパワー+スピードで正面から。その背中に乗る円場がエアプリズンで束縛。その上でA組の戦闘能力を完全に把握した相澤先生が絡め手に。

 この時点でA組相当敗色濃厚だったんだけど梅雨ちゃんと心操と上鳴ががんばった。

 唐突に叫んだ梅雨ちゃんが峰田もびっくりするほど高く真っすぐに跳躍。着地すら考えてなさそうなその急な行動で3人の視線を上空に集める。

 3人がお互いの口元から目線を切った瞬間に、心操がペルソナコードで相澤先生の声を模写して『オトリだ! 周囲から目線を切るな!』と声出し。

 相澤先生は勿論引っかからなかったのだが、他二人はその声色、アドバイスの内容、そして声帯模写の精度の高さに思わず返事をしてしまった。「ム!」と声を出しただけの宍田が洗脳されるんだから威力も上がってやがるな。

 まぁ宍田はビーストモード中はテンションハイだしな。真面目だし。教師に声かけられちゃそりゃ返事するか。

 上鳴がライトニングボードで飛翔して梅雨ちゃんの着地を助け、切島が硬化して相澤先生の攻撃から逆に宍田と円場を守る。洗脳解かれちゃたまらねぇもんな。

 分が悪いと見た相澤先生は一度撤退。宍田はサイズが大きくて檻にしまうのが大変なもんで、一度梅雨ちゃんが円場だけ檻にぶち込みに行って……一人減らしたか、と思ったところでA組も口田が奪われていたことに気付いた。

 塩崎ちゃんだ。相澤先生がA組の意識を集めてたところで茨を伸ばして音もなく一瞬で口田を捕えてそのまま運んでいってしまっていた。それ以上蔓を伸ばすと存在がバレると思ったのだろう。適切な判断だったと思う。

 だが宍田は洗脳から起こせなかった。心操の命令で宍田が自分から檻にぶち込まれて行って、これでA組4人:B組3人。

 

「宍田まで捕まえられたのがデケぇな。お互いに索敵要員がいなくなったか……」

「それな。梅雨ちゃんのとっさの判断流石だったわ。マジ天使。心操もよく意図を読んだぜ」

「心操は俺にも常に鋭いツッコミ入れてくるからな。雰囲気に乗る話の挟み方が上手いんだ」

「それはセンちゃんが普段からアホなこと言いすぎてるからだと思うよ?」

「んにゃぴ」

 

 ウォールハックで全体の動きを透かしてスクリーンに映して、誰が何をしているのかを全体図で表示しつつ、戦闘シーンは設置されてるカメラがウインドウ形式で映しており、それをみんなで眺めながらここまでの攻防を各々が討論していた。

 A組もB組もなくそれぞれが意見を出しての検討会だ。こういうのいいよね。ディスカッションが出来てる。みんなが戦略について考えるから各々の戦略眼の向上につながる。

 

 

 さて、一旦それぞれが自陣に引いたところで……再び攻めたのはB組だった。

 索敵できる口田がいなくなったのでA組は迎撃する形を取ったが、なにせ相手が塩崎ちゃんと鱗と相澤先生だ。遠距離メインな感じ。

 奇襲次第ではこっからひっくり返ることもあるだろう。

 茨を広範囲に広げる「ヴィラドロローサ」で相手の位置を察知しながらゆっくりと進んでいく塩崎ちゃん。なんかラスボスみたいだなあれ。実際ラスボス級の強さがある。

 茨のどこかに触れたら場所がバレる上に拘束されて、その上で本人は茨で全身を覆って防御も出来るし。個性伸ばしで出来ることが一気に伸びた筆頭とも言えるだろう。

 上鳴相手でもアースで電撃逃せるし。切島相手でも包んじまえば終わりだ。A組が塩崎ちゃんを制圧するためには心操の個性をブチ込まないといけないわけだが、B組の人数もこれだけ減っちまえば連携のための声出しは不要。お互いが自分の判断で動いても問題ないだろう。相澤先生もそのつもりで塩崎ちゃんの援護に回っている様だ。

 鱗もマシンガン持ちだから切島以外なら当てりゃ割と必殺。まだまだA組は油断できない。

 

「それはそれとして塩崎ちゃんのヒーロースーツ、鎖骨と腋が露出しててえっちだよね♥」

「遠くても茨を伝わって聞こえていますよ幾野さん? 穢れた眼差しで私を見ないでください、後で裁きを─────」

 

 

 ─────()()()()()()()()()()

 

 

「心操……やりやがった」

「マジか!? チームにいないイクノの声で通したのかよ!?」

「あー……でも逆にあの場にいない声だからこそ無警戒か!」

 

 とんでもねぇ精度で心操がやりやがった。

 俺らがいるモニター前は戦闘区域と近い。そして塩崎ちゃんの茨は糸電話の要領で音を伝える性質を持つ。茨を広げれば遠くの音まで拾える……と言うのは、俺が一緒にインターンしたときに聞いている能力だ。

 だからこそチャンスと見たか、心操があの場にいない俺の声を作って真面目な彼女がツッコまざるを得ないセリフを放ったのだ。

 茨を伝わって響いた声でも洗脳は通じるらしい。対象に意識を集中させないとダメって前に聞いたことがあるけど……本体じゃなくて茨の先に意識集中してもやれんのかアイツ。

 完璧だよ。実際俺そう思ってたもん。あんなのが聞こえたら塩崎ちゃんならツッコむわ。

 これがあの場にいる誰の声を使っても塩崎ちゃんなら反応しなかっただろうが、戦いの場にいない俺の能天気な声だったからこそ有効だった。

 俺の会話デッキを有効に使いすぎてやがる。あざとい語尾のあげ方まで完璧に模倣しやがって。

 

 

 さて、心操の洗脳がブッ刺さって塩崎ちゃんの茨の動きが止まる。

 それに気づいた鱗と相澤先生が危機的状況と見て、まず鱗が鱗弾で塩崎ちゃんを起こしにかかるが……その瞬間を勝負所と見たか、茨を伝って梅雨ちゃんと上鳴がそれぞれ高速機動で突っ込んでいって攻勢に出た。

 茨に包まれた塩崎ちゃんに鱗弾が届く前に梅雨ちゃんが接敵する。

 鱗も梅雨ちゃんに目標を切り替えて鱗弾を撃つが……心操の洗脳は性能が伸びている。

 操られた塩崎ちゃんの茨が今度は敵対するのだ。本体にダメージが行かない限り洗脳は解けないし、心操の指示は蔓を通して塩崎ちゃんに伝わっちまうし、塩崎ちゃんは自分の蔓で全身をガードしている。

 最強の味方が最強の敵に変わる恐怖。

 蔓が襲って足を奪われた鱗に梅雨ちゃんキックが炸裂。思い切り顔を蹴飛ばされて意識を飛ばされた。

 相澤先生は流石の判断で距離を取ったが……ライトニングボードで空を飛ぶ上鳴が場所をずっと確認している。

 切島も追いついて、最終的に4対1の状況になりA組がトドメを刺さんと先生に突撃していった。

 

「……すごい」

「オイラでもあそこまで粘れるかちょっと自信ない」

「流石先生だね……」

 

 だがそこから相澤先生がマジで粘った。

 梅雨ちゃんの速度に追いつき、切島の硬化パンチを捕縛布で受け流し、上鳴の電撃を捕縛布の絶縁で防御し、時にはそれで同士討ちを狙う。実際に梅雨ちゃんが一発電撃かすってゲロって声出てた。

 心操もまた捕縛布使って攻め立てるけど経験が違い過ぎた。周りにあるパイプとかブチ折って落としたりして攻撃したり防御したり。どんだけ視野広いんすか相澤先生。

 最終的には心操が塩崎ちゃんの茨も使って逃げ道をふさいで、切島がブン投げた上で電撃まとった上鳴の南斗人間砲弾で無理矢理痺れさせて茨で捕えてギリ捕獲。

 

 A組4名生存、B組全滅で勝負は決着した。

 

 


 

 

「反省点を述べよ。俺も最後に述べる」

「硬化を活かせてねェ。宍田と円場と先生が来た時に俺がもっと正面戦闘で守れてりゃ口田を持ってかれることなく迎撃できてた。守る盾になれてなかった」

「動物を使った索敵の速度が足りずに初動の奇襲を読み切れませんでした……あとは近接戦闘での力不足。虫への命令の出し方もっと広げて、あとはツルに掴まれても藻掻いて脱出できるくらいに体も鍛えないと」

「俺は悪く無かったっしょ!! ……って言いたいんすけど何気に電撃ほぼ対策されちまっててバッチリ効いた一撃がなかったっす。得意を押しつけられてねェ。電撃威力の調整とポインター頼りの攻撃ばっかにならないように放ち方考えてぇっす」

「口田ちゃんを失ったこと。隙を生むために高く飛んだ時にもっとよく周りを見ておけば茨ちゃんの蔓にも気づいたかもしれないわ。心操ちゃんの個性に頼りすぎた部分もあるかも」

「洗脳は初見殺しでたまたま上手くいっただけ。捕縛布の扱いも実戦じゃ先生の足元にも及んでない……出来るはずの事をやれてない。悔しいです」

「ふむ。……俺は指示を受けて動いていたという前提もあるが、体力切れで最後にお前らに負けたのが反省点だ。動きやすい体になったとはいえ動きすぎると疲労が早くなった。最後にもっと粘れば蛙吹と上鳴はスタミナ切れに持っていけて捕えられた可能性もあった。お前らにも言える事だが、状況が悪くても最後まであきらめず粘り続ける様なヒーローになれ。最後まで足掻くのはやめるなよ」

 

 相澤先生のA組への講評が入った。

 勝ったからヨシ! 終わり! とはならないのが訓練である。

 A組の動きも悪くなかったけど初手で3人が一気に攻めてきたとき、心操の洗脳が刺さらなかったらワンチャンあれで詰め切られてた可能性あるしな。塩崎ちゃんが一緒に来てたらなおのことヤバかった。

 あのあたりはB組としては撤退も視野に入れた判断だったんだろうな。心操の個性の成長を読み誤ったってところか。咄嗟の場面であればあるほど心操の個性は輝く。宍田という個性使うと理性削れるタイプが相手だったのも噛み合いが悪かったかな。

 B組の方でもブラド先生が全く同じように検討会していた。

 

「宍田を軸にするか塩崎を軸にするか!! もしくは相澤一人に初手の牽制を任せて引っ掻き回したところで刺しに行けば勝てた内容だぞ!!」

 

 うんうん。相澤先生というプロを正しく活かし切れなかったかもってところは俺も思った。

 抹消なしでもこの地形じゃあそこまで動けるんだなー……瀬呂や峰田が活きるように相澤先生も閉所で活きる。

 元々裏の仕事もやってたヒーローだしな。路地裏の様な地形こそ本領発揮か。

 

「心操さん……あのような(はかりごと)で私の気を逸らすとは。許されない事です」

「……卑怯じゃないヴィランなんていないでしょ。俺の個性は確かにヴィランみたいだけど……」

「個性の事ではありません! 貴方の力は人を助ける素晴らしい力です! 問題は言葉の内容です! 幾野さんのお声を使われたとはいえあんな、は、破廉恥な……!!」

「…………あぁ、そこは素直にゴメン。幾野ならあんなこと言ってそうかなって。塩崎さんのことは綺麗だとは思ってるけど邪な目で見てるわけじゃないんで大目に見てくれる?」

「───ッ! あ、貴方も幾野さんと同類の咎人です! 業火に焼かれて!」

「同類にされたかとうとう」

「こっちの水は甘いよ心操♥」

「近寄るな」

 

 心操が塩崎ちゃんに問い詰められてた。ウケる。

 まぁ塩崎ちゃんも心操の個性の在り方に対してじゃなくて諮った内容についてだったしな。女子が普通あんなこと言われちゃ怒るわ。A組が耐性つきすぎてるだけともいう。塩崎ちゃんその辺潔癖っぽいから俺も面と向かってエロ話しないようにしてたし。

 だからこそむしろ洗脳が刺さったか……あれこれB組が負けた理由に俺がワンチャン?

 

「やっぱり連携が重要だね……今できることのアイデア挙げてこう!」

「よしゃ! コンボきめてこ!」

「油断も隙もなさそうだもんなB組」

「僕たちも煮詰めよう。軸は轟くんでいこうか」

「アタッカーが多いからなこのチームは」

「ばくごー! ウチらも相談!」

「お前と幾野の索敵で見て幾野の指示を軸にして油断しねーで即殺が基本だろォが」

「幾野をどこまで攻めに回すかバランス考えねーとな」

「俺が突出しすぎるのも怖いよね。咄嗟に戻る手段もあるにはあるけど連発できないし」

 

 さて先程の試合内容を受けて俺達A組もそれぞれのチームで連携について詰めることにした。

 B組も同じようなことしてる。まぁ当然だな。第一チームはそういう意味じゃ即席の作戦立案力も求められてたかもな。

 俺らのチームは……まぁ爆豪ちゃんという天才マンがいるのでなんとかなるやろ。積極性の欠如。

 

 

「では……第二試合を始める!! チーム2! 準備を始めろ!!」

 

 

 少しのインターバルを取って、第二試合が始まろうとしていた。

 

*1
41人の能力者の戦術を詳細に描写しながら5試合も書くのは無理だって!!! マジで無理!! 実際一試合目は途中まで真面目に書いてみたんだけどこれ一試合ごとに3万文字超えるな? ってなったので許せサスケ。





左右LR様よりファンアートを頂いたので紹介させていただきます!

①脳破壊されるセンちゃんを描いたポプテピ風4コマ

【挿絵表示】

脳破壊されたセンちゃんを描いてもらいました。
理解度高っけェ~!! 完璧な出来で思わず爆笑させてもらいました。
峰田のポプテピ画風の馴染み具合が凄い。透ちゃんが介助してたり爆豪ちゃんがキレてたり緑谷が(∩∩)ってなってたり。解像度高い。すごい。
ファンアート心より感謝申し上げます。有難うございました!





ちな対抗戦前までの各話あとがき&ここすき紹介を活動報告に上げてます。
今後の展望とかもちょろっと触れてます。
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