【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!! 作:そとみち
「第三試合!! START!!」
第三試合が始まった。
A組は轟・飯田・尾白・障子とバランスとしては悪くない。というより若干戦力過剰。
火力で言えば轟が遠距離、飯田が高速戦闘可能。尾白もタイマンならいい動き出来るし障子が索敵。
つまり普通に戦えば勝ちは零さないだろうというメンバーだ。
だからこそB組は正面から戦えない。
奇策をもって冷血を成す、そんな戦闘が求められる。
「……とはいうものの開幕のアレはどうなんだ?」
「鉄哲くんやってんねー」
「器物損壊しすぎんなってブラド先生の話聞いてなかっただろアイツ」
俺が見るB組のメンバー、その内鉄哲が鋼の体で周囲をぶち壊して大きな音を出し始めた。
あんだけ暴れりゃA組からもどこにいるかがハッキリだろうな。
逆に言えばA組が攻めてくるのを誘っているとも言える。この鉄哲の動きがどこまでマジなのか……骨抜がブレインだろうからアイツの戦略次第か。
「で、開幕は安定の轟の氷結ぶっぱか」
「おー! いつものヤツ!!」
「視界を遮る氷じゃないし相手の動きを止めるためのぶっぱだけど……どうだろうねアレ」
「火炎でもよかったんじゃねぇか? 最近轟も炎の火力スゲー上がってたよな? インターン行き始めてから」
「んー…………多分だけどアレ俺のせいだな」
「え? センちゃんなんか轟くんにしたの?」
さて開幕に轟がB組がいる方に向けて得意の氷をぶっ放したわけだが、これはA組メンバーとしては賛否両論。
轟もインターンでエンデヴァーの炎の使い方を見て覚え、以前よりも出力という意味ではすさまじい向上を遂げている。この範囲のぶっぱなしは炎でも出来たはずだ。
氷だと骨抜が柔化させられる部分が大きいが、炎ならその心配はない。
ただ……多分、あれは轟の優しさの部分なんだろう。
「相手がマジモンのヴィランなら炎でぶっぱなしただろうけど一応学友じゃん。殺しまでは行かなくても大やけどが残る可能性あるしな、今の轟だと。アイツまだ生身の人間相手の火力調整の経験が足りてねぇんだよ。出力だけが上がっちまってる」
「ん? 放課後の訓練でその辺も練習して……ああそうか。幾野が相手だったもんな」
「そゆこと。俺相手だと結局俺のオート個性ですり抜けるから火力の調整って意味じゃ練習になってなかったんだろうな。ただこればっかりは俺以外が相手するわけにもいかないし……実戦を繰り返して初めて身に着く部分だ。炎の出力調整の経験不足が故の氷なんだろな」
「なるほどー」
轟の火力。これ自体は強力な武器なのだが、広範囲に広げて放つとなると出力の調整が難しい。
この辺はエンデヴァーの本気を最近間近で見させてもらった俺だからこそはっきりとわかる。
エンデヴァーはあのビルが崩落した瞬間、まるで帯のように幾重にも炎の鞭を放ち、それを網のようにコントロールしてコンクリートを焼き切った。溶かさず焼き切る出力の調整をあの広範囲で一瞬にして行ったのだ。
あれこそ神業。エンデヴァー以外の炎系個性の人でアレが出来る人はいないだろう。
轟だってまだまだ及ばない。これがエンデヴァーだったら最初の一瞬で勝負がついていただろうな。
そんな感じで開幕轟が氷のぶっぱでの拘束を狙ったわけだが、当然B組としてはそれに対処するために動いていた。
っていうか骨抜の動きがマジで柔軟過ぎた。
「おお! 氷が柔らかくなってるぜ!?」
「すごいな……一部に触れただけで全体を柔らかくしてる! 触れたものの大きさや範囲が広い!」
「あそこまで個性通すのは私には無理だー! せいぜいパイプ一本透明にするくらい!」
「俺も無視を通すにせよ氷全部ってのは無理だな……体育祭じゃ氷山の一つまでだったし。すげぇな骨抜……」
骨抜の個性『柔化』がマジで広範囲。ぶっ放した大きな氷山全部を柔らかくしやがった。
これは俺らも驚きだ。そういう能力を持っているとは知っていても性能が夏の頃と比べてダンチ。相当個性を伸ばしやがったなアイツ……やりよる。
で、動きやすくなったB組が奇襲を仕掛けたA組を各個撃破に向かう。地形の各所まで柔らかくしてた骨抜のアシストを上手く使いつつ、ドリルの回原が尾白に突撃した。
二人とも近接戦闘で輝く個性。嚙み合いとしては尾白の尻尾での攻撃とガード不可のドリルでの攻撃でトントンか。
「……良い動き。近接戦闘の教科書だよアレ」
「尾白は個性が派手じゃない分格闘磨いてたもんなー。個性無しの殴り合いならA組トップよ」
「緑谷のフルカウルでも20%くらいまでなら凌ぐもんな」
「うん、尻尾の使い方が本当に上手なんだ。五体を使って手数で攻めてくる」
「回原もドリルの使い方磨いたぜ。拳藤と並んでB組近接戦闘勢だな」
「んー……参考になる! ガンヘッドマーシャルアーツと比べるとより相手を正面から打倒する感じの動きやね」
「奇襲特化に伸ばした私と相性悪そー。正面からだとダメそーな……やっぱ股間か」
「俺の彼女が闇の武術に目覚め始めた」
「ちんちんキュッってなるわオイラ」
透ちゃんがちんちんへの執念を見せ始めた。そういえば夜もなんかすごい……すごい成長を見せてるからな透ちゃん。もしや俺のせい……?
と、まぁ近接二人の戦いが始まったが……ここで飯田が救出に向かおうとしたところで骨抜に柔らかくされてたパイプに脚を取られて、そのまま氷の沼に落ちてしまった。
まぁアイツの機動力ならこっからでも何とでもなるが……しかしここで俺はもう一つの戦闘の場に視線を移す。
轟と、その背後で索敵を狙っていた障子に対して……鉄砲玉が放たれた。
文字通り鋼の体を持つ鉄哲が、凄まじい勢いで氷をブチ砕いて吶喊した。
「おお……マジか鉄哲!? あの野郎氷を砕いて……あの速度で動けんのかよアイツ!! 今の俺じゃあそこまで動けねェ、クソッ!! 成長してやがる!!」
「とんでもないパワーだよ!?」
「鋼質化のお陰で氷も炎も効かねぇとはいえ……マジでアイツ動きヤバいな」
「あー……そうか。鉄哲ってA組B組全員の中で唯一、轟に特効なのか」
「イクノを除けばな」
A組メンバーとしてはこれまでの訓練、戦闘で見て来た轟の実力に……頼りがいを感じていて、おおよその相手に有利を取れるのも間違いないという認識でいたのだが、しかし鉄哲が余りにも轟キラーだった。
接敵されたときに轟が出来ることが氷をパなすか炎をパなすかしかない。
俺以外には必殺のその攻撃も、鉄哲だけはどちらも強引に押し破って動けるのだ。
この組み合わせに持って行った骨抜も流石だが……それ以上に鉄哲のノビがヤバイ。
先程切島も悔しさをにじませていってた通り、動きが良すぎる。
並大抵の鍛錬じゃあそこまではいかねぇ。質の高さはまだ壁が一枚あるが……ミリオ兄さんの執念で鍛え上げた筋肉の輝きに似ている。
ああ────アイツ、マジで頑張ってたんだな。
あの夏。病室で俺らA組に土下座したその熱をそのままに真っすぐに、自分を高めることに費やしたんだ。
そうじゃないとあそこまで動けない。あの轟が完全に押されている。
「炎の壁も全く関係なくブチ抜いてきやがる……!!」
「障子は角取に向かったか……あの間には生身じゃ入れねぇな! でも鉄哲が怯まねェぞ!?」
「油断も隙もねぇわ。ひたすらに轟を潰すために必死だぜ」
「ヤバー!? まっ赤っ赤だよ鉄哲くん!!」
「チッ……それでも動きが衰えてねェ。こりゃ轟の負けだ。迎撃を選んで近寄らせた時点で勝負アリだ」
爆豪ちゃんすら認めた鉄哲のその実力。
初動はこの絵を描くための演技だったか……そう思わせるほどに鉄哲が本気だった。
轟も鉄哲相手に火力を躊躇わず、据え置きのカメラが熱で映像が歪むほどにまで熱を高め……エンデヴァー譲りの赫灼熱拳ジェットバーンを鉄哲に放つが、それが最大の隙となった。
氷ぶっぱの後の炎熱の大放出に轟の体力が吸われていたのだ。
鉄哲がジェットバーンを見事に読み切って回避し───鉄拳一閃。
腹に突き刺さった拳で轟が完全にダウンした。
すげぇ。敵ながら見事なジャイアントキリングだぜ鉄哲!!
「んん!! 流石だよォ鉄哲!! 夏以降は君が一番己を追い詰めていた!! 見事な大将首を見せてもらったよねェ!!」
「かー!! 轟がやられた!! マジかよ!?」
「相性もあるけど鉄哲がとにかく伸びてたなマジで。切島こりゃ負けてらんねーな?」
「ああ……!! さっきから武者震い止まらねーよクッソ!!」
戦闘時間も極めて短く……それゆえ、他の援護が間に合わなかった。
まぁあの高温の場に援護に行けるヤツってのもほとんどいないけどな。今のA組メンバーで言えば全身コスチュームを身に纏ってる飯田くらいのもので……しかしその飯田は骨抜が柔らかくした氷から抜け出るのに時間を使ってしまった。
だが、抜けだせば飯田の神髄が放たれる。
「来るな……あのエキゾースト」
「だね! 飯田くんの必殺……レシプロターボだ!!」
「まだ3対4。飯田の速度なら一瞬で盤面を返すことも出来るだろうな」
鳴り響く聞き慣れたエキゾーストに俺たちA組は飯田のレシプロターボが放たれるものと察する。
……が。そのターボが放たれる前のエキゾーストが若干、長い。
なんだ? 凍り付いて脚のエンジン故障したか? でもカチカチになっても放てるよな今の飯田なら?
と、俺も首をひねっていると……急に飯田から響く音がキィーン……と高音に変化した。
「なんだあの音!?」
「聞いたことがねぇぞこんな音!?」
「何するつもりだ委員長!?」
「精密に見るか……」
俺はウォールハックの精度を高めて、バイザーモードからヘッドギアモードにダイブセンサーを展開して飯田の姿を観察する。
ヘッドギアモードなら音すら拾える。余りにも甲高く透き通るような音に変わった飯田のレシプロは……必殺技名の叫びと共に放たれた。
『稼働時間は二分の一に、しかし速度は二倍となる……僕の奥の手を見せよう!! レシプロターボ・セカンドシフトッッ!!』
レシプロターボの倍速……遠目から見ている俺のウォールハックの視界すら一瞬でブチぬいて、音より速く飯田が駆けまわり始めた。
駄目だ。俺の目で追えない。視野をさらに広げて広域……それでも姿が目に映らない。ヤバすぎる。
「何だあの速度ォ!?」
「奥の手かよォ!? 速すぎんだろアレ!?」
「走るだけじゃない、脚のエンジンからのブーストが加速を後押しして……っていうか制御できてなくない!?」
「真っすぐか壁にぶつかって直角にしか曲がれてねえぞ!?」
「でも速い……!! 得意を伸ばしたんだ!!」
その走りは以前よりも真っすぐに。とにかく真っすぐに走って壁にぶつかるか思い切り角度を変えて走るか。走ってる途中は直進しかできないみたいだな。
体育祭の時の俺や、ミリオ兄さんに指摘された……「機動が直線的で読みやすい」という欠点をアイツは速度を上げることで上書きした。
あんな速度で走られたら読みもクソもない。サーチアンドデストロイが出来る。
閉所の峰田が縦横無尽に跳峰田スクランブルで出す最大速度に匹敵するか……いや、上回ったか。ホークスの本気の速度ってのを俺はまだ見てないが、それでも上回れるかどうか。
突き抜けやがったなアイツ……!!
「ッ骨抜がやられた!! 一撃かよ!?」
「ああ、けど角取ちゃんは音でヤバさを感じて角で空に逃げたか……いや適切な判断だわ。あれ地上にいたら一撃だ……って次は回原狙ってるか!?」
「半分の時間って言ってたから5分間はあの速度が続くのか……回原はかすったか!? 閉所に逃げて上手く身を隠してるけどアレでもすげぇダメージ……って急に方向転換したぞ!?」
「向かう先は……轟か? 救助に向かったか、確かにあのままだと鉄哲か角取ちゃんの角で牢屋に運ばれちまうしな。回原がめんどくせぇ所に逃げたから一旦救助優先したか」
真ゲッターみたいな軌道を描きながら飯田が縦横無尽に爆走する。
近くにいた骨抜は地下に沈む前に蹴りの一撃で意識を持ってかれた。角取ちゃんはその音でヤバさを感じて空に逃げた……アレは適切な回避だな。おっぱい。
で、回原も一撃かすってヤバいと見て一気に逃走に回ったが、その前に飯田は倒れてしまった轟を守りに向かったようだ。
意識が落ちても牢に入らなければプリズンカウントに入らない。今はまだ誰も牢屋に入ってないとはいえ……轟が倒れたままだとそれを運ばれる可能性あり。
今倒れてる骨抜を檻に運ぶ時間はまだ十分に残されている。一度轟を障子と尾白に合流させて固めた後に再び走り抜けて相手を牢にぶち込む算段か……と、見ていてふと気づく。
────鉄哲どこ行った?
「ッんなァッ!?」
「ギャー!?」
「大事故ぉー!?」
次の瞬間、凄まじい金属音があたり一帯に響いた。
まるで鉄の扉にショットガンをぶっ放したような鈍い音が運動場γ全体に響き渡る。
何が起きたかと言えば────超高速で轟に駆け寄る飯田のその進路上に急に鉄哲が姿を現し、その体で飯田を受け止めたのだ。
……成程。飯田にばっかり注目してたんで俺も気づかなかった。
鉄哲の奴、地面の中に隠れてたんだ。骨抜の個性か……飯田にぶん殴られて意識が落ちる寸前に、鉄哲を隠すために地面の一部を柔らかくしてた。
で、鉄哲もその意図を読んで地中に隠れた。なぜそうしたかというと、飯田が必ず轟を助けに来るだろうという読みだ。
轟までの道はあいつ自身の火炎で周囲が焼けて開けている。飯田が走ってくるなら正面からまっすぐ走ってくるルートができてしまったんだ。
飯田が突撃してくる道は読めていた。だからこそ鉄哲はその瞬間に飯田の正面に出て、己の体を壁にして受け止めたんだ。
いや、受け止めたと表現するがこれはとんでもない衝撃になる。
飯田は勿論そのスピードで鉄の塊にノーガードで突っ込んだようなもんだ。間違いなくムチウチになっていることだろう。交通事故発生。ヒーロースーツもバッキバキに砕けて気絶。
もちろん鉄哲も飯田の体重を真正面から受け止めた。先ほどまでの氷や火炎とは違う余りにも物理的な暴走機関車に飛び込んだのだ。
凶器に飛び込む狂気。それを成した鉄哲の恐ろしさよ。
だが流石にアイツもぶっ飛んで気を失った。ダブルノックアウトだな。
「とんでもねェこと考えやがるな鉄哲……!!」
「ジャイキリに次ぐジャイキリだぜ。飯田もあの速度じゃ急に避けらんなかったか」
「アレの真正面に立とうなんて考える事すら恐怖」
「……勝ったな」
「アア?」
エヴァみたいなやり取りをする物間と爆豪ちゃんにちょっとクスっとしてしまった。
現状はA組が轟と飯田が気絶。障子と尾白はまだ戦闘可能。
B組は骨抜と鉄哲が気絶。回原がダメージ甚大だがまだ意識はあり、角取ちゃんが空に……って、そうか!!
「……っ、やられた!!」
「あ!? マジかクソッ!!」
「智将……!」
上空から全てを見ていた角取ちゃんが、咄嗟の行動に出た。
彼女が動かせる角は
そして同時に、B組3人の体もそれぞれ角に乗せて浮かせたのだ。最後の一本で自分が飛んでいる。
終わった。
気絶してる人数はお互い同じで、回原のダメージが大きいからこそ普通に戦えばA組にまだまだワンチャンあったが……今残っているA組二人は近接戦闘しか戦う手段がない。
空を飛ぶ角取ちゃんに有効打が打てないのだ。
角取ちゃんが妨害される前に浮かせたA組の二人をプリズンにぶち込んで……B組の3人を空中に浮かせたまま、タイムアップまでの時間を稼いだ。
地上に残る障子も尾白もこれには何もできない。空を飛べず遠距離攻撃もない二人には空を浮く角取ちゃんを落とす技はない。
牢屋に叩き込まれる前に飯田か轟を奪取できればよかったが、それを許さぬためにも角取ちゃんは一度高く全員を持ち上げてから運搬したのだ。
……負けた。
「見事な戦術だったぞB組ィ!! 0-2!! B組の勝利ィィィィ!!!」
時間になり、ブラド先生がめっちゃ嬉しそうに勝利を高らかに宣言した。
いやー……やられた。個性の噛み合いもあるけどマジで全員成長してたなー。
「見事な作戦だよ角取さん!! 一瞬の判断で飯田くんと轟くんを牢屋に入れたのは素晴らしいよねェェ!! 真正面から戦うだけじゃあないんだよねぇB組はァァ!!」
「物間がすっごい嬉しそう」
「いやでもやられたわー……索敵の必要無くして障子が力活かせない状態にされてたな」
「ってか鉄哲の覚悟と骨抜の戦略眼がヤバかったな! くそー仕方ねぇ!! 敵ながらあっぱれだぜ!!」
「ハッ!! 初動の氷ブッパが余計だったんだよザマァ!! くっだらねェ負け方しやがってよォ!!」
「爆豪の情緒が不安定だ」
「けなすのか発破かけんのかどっちだよ」
俺もこの結果にはあっぱれとしか言えないわ。骨抜の柔軟な戦略と鉄哲の覚悟、そして角取ちゃんの判断の速さが勝敗を分けたな。
もちろんA組もそれぞれ成長してた面はあったんだけど……飯田が己の速度の自負もあり、守ることに注力しすぎたか。先に骨抜を牢屋にぶち込んどけば……いやでもそれでも鉄哲との正面衝突があったら1-2で負けてた可能性もある。
この試合のキーマンは間違いなく鉄哲だった。轟→飯田の撃退はマジであっぱれ。強くなったなアイツ。
試合も終わり、倒れた轟や飯田、あとレシプロの被害に遭った骨抜、鉄哲、回原が運ばれて行った。
ダメージだけで言えばB組の方が甚大だけど、だからこそ策がハマったなぁ。
うん、見ごたえのある試合だった。
「さて────じゃあ次は俺らの番か」
「ケッ! 瞬殺で行くぞゴラァ!!」
「油断じゃないけど負ける気しねーわ」
「ウチ出番なさそー。やれることやるけどさ」
続いての試合は俺が入る第四試合。
俺の力をなんも縛られてねぇからな。エースの爆豪ちゃんも機動性抜群の瀬呂もかわいい耳郎ちゃんもいる。
任せろって。A組の勝ち越し決めてくるからよ。
「ラスボス戦かぁ~……しっかたない! やるかぁ~……!!」
不敵に笑う取陰ちゃんがこっちにウインクしてきたので俺もウインクして返した。
悪いけど手加減しないからね。