【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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134 緑谷……ひとつになろっか♥

 

 

 爆豪ちゃんの新スーツが翌日無事に完成し、その日の午後の授業。

 本来は昨日やるはずだった実践報告会で、俺たちA組はそれぞれ磨き上げた技を入試の時の敵ロボ相手に繰り出していた。

 

「わたあめんまーい!」

「午後のデザートにいいね!」

「わたがし機だ、と私がきた、か……センス×」

「やかましいぞ幾野少年」

 

 授業にはすっかり復帰した相澤先生の他、オールマイトも参加しており、挨拶にネタを仕込んできたわたがし機で作られた綿あめをみんなでパクパクしながらの授業だった。ゆるい。

 

 まぁとはいえみんなそれぞれ見事なお披露目が続く。

 まず青山と芦戸ちゃん。

 青山は前から光を剣にして保持するネビルセーバーを武器に出来ていたが、その持続時間がかなり伸びた。腹痛耐えられるようになるのはデカいな。腹から触るだけでヤバい剣が生えてるってだけで相当近接戦闘で有利取れる。

 で、芦戸ちゃんは前より酸の量も濃度もすっごい増えた。どろどろのトロトロですわ。トロトロ芦戸ちゃん。エロイな。

 

「へへへー、どーよ私のアシッドマン! アンブレイカブルからパクってみた!!」

「おォ!! いい技だったんじゃねーか!!」

 

 で、芦戸ちゃんがぶるるん! と犬みたいに顔を振って酸を飛ばした後、なんか切島に向けて技のモチーフにしたぞーという話と共に、ニヘっと舌を出して笑顔を見せて……切島もそれに笑顔で応えて……

 何だお前ら冬休みの間にデキたか???

 完全にその距離感はデキてね? え、これでまだお互いにそういうんじゃねぇとか言い出す奴?

 俺が切島に聞いたところ違うからって話されたし。透ちゃんの方で芦戸ちゃんに聞いたところそういうんじゃないからって言ってたし。

 なんだ? お前たちはどこを目指してるんだ??

 仕方ねぇ俺と透ちゃんでちょっとやらしい雰囲気にしてきます!! あとでな!!

 

「クリアリング伝達範囲めっちゃアップ!! 半径20m!! ネックストーン成功率アップ!!」

「ワープ距離増加!! 多分最長で20キロくらい!! 赤の他人でも300m!!」

「オイラはもぎもぎ変形速度、範囲向上と跳峰田スクランブル速度向上。音速超えたわ。後で見せてやるぜ」

「俺は充電できる電力増えたのとライトニングボードでの飛行速度伸びたぜ! あと雷撃をある程度狙ったところに飛ばせるようになった!!」

「テープの強度と射程、射出速度伸ばしたわ。また立体機動のスピード上がったぜ。もう幾野にゃ負けねぇな」

 

 俺たちチームラーカーズ組もそれぞれ成果発表。

 とはいえ劇的な変化もなく。特に俺と峰田なんかは多分やれることっていう意味じゃ頭打ちだからな。やれる精度と威力を高めたって感じだ。

 俺たちが参加した冬休み中のインターンでは事件解決率100%を叩き出している。特に俺は油断を削ったって感じか。

 火力面では逆立ちしても敵わない奴らが増えたからな。カバー力と出来ることの多さで勝負よ。

 

「着実に出来ることが増えてってるな。いい傾向だ」

「ふむ……みんな流石だな! この調子で各々インターンの経過を見せてくれ!!」

 

 その後もみんなそれぞれ出来るようになったことを発表。

 スゲーなってなったのが耳郎障子口田の索敵組。それぞれが個性をさらに伸ばして、範囲で言うと俺よりも遠方まで確認できるようになってた。

 俺は半径2キロくらいが精密に見れる限度だけど音っていう意味じゃ耳郎ちゃん10キロ先まで聞けるってよ。障子も3キロ。口田もなんか額が開いてカッコいいツノ生えてめっちゃ動物や虫たちへの伝達命令が速くなってた。ツノカッコいいなって褒めたら照れてた。

 飯田はセカンドシフトを超えてサードシフトまでできるようになったって話だし。常闇はホークス不在の事務所を一人で切り盛りして第二のホークスって呼ばれるほど活躍したみたいだし。

 切島はめっちゃカチカチになって鉄よりも固くなったし。尾白は尻尾のパワーとスピード上がりまくってて緑谷の30%でも押し切れるくらいになってるし。

 麗日ちゃん梅雨ちゃんも連携力めっちゃ伸びてるし。梅雨ちゃんなんかスクランブル前の跳峰田くらいの速度で跳び回れてるし。

 百ちゃんはさらに効率よく創造が出来るようになったらしい。俺の物になってから回復役もこなせるようになったからマジで一家に一台欲しい子になった。やらんぞ。

 

 さてそして最後、エンデヴァーの下にインターンに行ってた3人。

 

「とりあえずスピード。氷と炎を同時に使うのももう違和感はねぇ……次やりてぇ技も見えてる」

「僕は黒鞭の更なる持続時間向上と使いこなしを。エンデヴァーのヘルスパイダーが凄く参考になりました」

 

 轟が総合力向上。コイツ氷の方が使うの得意だったけど今はもうそれも均一化されてバランスよく同時に氷と炎が扱えるようになっている。

 それだけでもスタミナ相当伸びただろうにスピードも上がっててさらに次にやる必殺技も考えてんだって。親父さんの背中そろそろ超えそう。

 

 そして緑谷は黒鞭をほぼ完全に自分の物に出来たようだ。ダイブワイヤーの移動よりも速い。チート個性がよ。

 瀬呂がまだギリギリ立体機動速度じゃ上回ってるけど、黒鞭は掴んだりすることも出来るからな。便利だよなアレ。

 

 さて、新コスチュームに身を包んだ爆豪ちゃんが最後の発表になったが。

 

 KABBBBBOOOOOOM!!!

 

 昨日開発した背中のクラスターの必殺技一発でロボ全部ぶっ壊しちゃった。

 

「……やべぇな!?」

「あれがかっちゃんの面制圧重装機動ストレイフパンツァー……!! なんて範囲と威力だ!! ニトロをチャージする時間はあるけど放つ範囲も調整できるって言ってたからヴィランがどれだけいるかによって適切な火力を出せるし背中から放つから両手もフリーになって飛行しながらでも撃てる! これがあれば轟くんの範囲攻撃にも並ぶ、いや爆発力が加算されるから攻撃力ではクラス一まであるぞでも汗を溜め続けることで更なる副次効果も狙ってるからうかつに放てない必殺技でもある判断力が求められる扱いの難しい装備だでもそれを装備して初日からしっかり使いこなせてるかっちゃんはやっぱりすご」

「ブツブツうるせェぞデク!! 今のは準備運動だろうが……本番はこっからだ。オウ、まずデク……んで切島、飯田、幾野、尾白、常闇。てめェら全員で一斉に俺にマジでかかってこいや。アレ出すぞ」

 

 緑谷がブツブツモード突入して爆豪ちゃんがいつもの顔になりつつ……しかしそこから更なる闘志に溢れた笑みを零して、俺たち近接戦闘組に声をかける。

 やりたいことはみんなが理解している。これまでの放課後訓練でもなんとか出そうとしてできてなかった、掌以外からの爆発を利用した回避術……オーバーフロウの再現だ。

 反射を超えた速度で動けるそれで、ミリオ兄さんのファントムメナスすら避けた技。アレを出そうとしているのだ。

 その証拠に爆豪ちゃんの顔には煌くような汗が流れている。この冬場でこれだけ発汗してるってことは……やる気だ。

 

「かっちゃん……うん、行くよ! フルカウル40%……!!」

「リカバリーガールは呼んどけよォ!! 安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)!!」

「先ほどサードシフトを見せたばかりで冷却が追い付いていなくてね。セカンドシフトでお相手しよう……レシプロターボ!!」

「容赦はせん。我が闇に呑まれぬ煌きを見せてみろ……ダークシャドウ!!」

「ゼロ距離での接近戦なら息合わせられるから……緑谷、切島、尻尾注意してくれよな。マジで振り回す!!」

「俺はみんな気にせずアタックしてね。爆豪ちゃん泣かせちゃおうぜ」

 

 爆豪ちゃんを囲むように俺たちは陣取り、そして一斉に突撃。

 複数人での攻撃ってのも放課後訓練のお陰で慣れてる。誰が攻撃して、誰がそのカバーをして……っていうのはもう自然と出来てるんだ。

 しかも近接戦闘に秀でたA組の6人。これなら多分全盛期オールマイトでもマジでいい勝負できると思うよ。俺もいるし。

 

 さて、そうしてまず飯田がレシプロターボで突撃して、なんならその一発で終わるかとさえ思うほどの廻し蹴りが放たれた。

 ダイブセンサーを起動してなおギリギリ見えるかというほどの速度で放たれたそれは、しかし。

 

「──────右脚、頭」

「ぬぅっ!? ……見事だ爆豪くんッ!!」

 

 やった。

 爆豪ちゃんが己の側頭部と肩口から小規模の爆発を起こし、飯田の蹴りを最低限の動きで回避した。

 とうとう出来るようになったのだ。オーバーフロウを。

 

「エアフォース! ……くっ!?」

「移動速度も爆破の据え置きか……!! 加速の起こりがないとは!!」

「クソッ!! どこでもやれる跳峰田スクランブルみてェなモンかこの技!!」

「反射神経も尋常じゃない!! 尻尾入れた俺の手数でもかすりもしない……!!」

「おかしいだろこの間合いで俺が掴めないのってェ!!」

 

 緑谷もエアフォースを試したが、それをサイドステップ一つで回避して。

 常闇と切島と尾白の息の合った連携も上体を逸らすだけで避けて。

 んで俺の物理無視したがむしゃらな突進もマジで!? って体の動かし方して避けられた。

 ワープを使って無理矢理体の中に潜り込むところからスタートすれば多分捉えられるだろうが……しかしもうこの時点で頭おかしいんよ。

 なんで今後ろからブッ飛んできた飯田の蹴りを避けられんだよ。爆豪ちゃんが遠い存在になっちゃうよぉ!!

 

 さて、しかしここまでの攻防で10秒くらい費やしたところで。

 

「……っ!! ヤメだァ!!」

「っと。みんなストップ!!」

 

 爆豪ちゃんからギブ宣言。

 なんや。勿論訓練なんでみんな追い打ちなんてせずにそれで止めたけど。もしかして持続時間が厳しいって感じか??

 

「……ふむ。大丈夫か爆豪くん。確かに今の動き、かなり体に負荷がかかる様だったが……」

「チッ……スーツのお陰で掌以外からの爆破の痛みは小せェ。スタミナももう少しは持っただろうがよ……ただこの技はまだ未完成だってのがありありとわかっちまった。てめェらの体がその答えだ」

「アン? つっても俺ら何の攻撃も受けて……って。そういうことか爆豪?」

()()()()()()()……?」

「んー? 回避行動の合間に隙を突いて攻撃できそうだけどな?」

「ブン殴るだけならな。けど爆破でやろうとすっと多分加減がきかねェ……しっくりくる反撃ができねェんだ。()()()をとれてねェ。後の後取ってから無理矢理速度で超えても意味がねェ、避け続けるだけじゃジリ貧だろうが……クソッ!!」

 

 爆豪ちゃんが言うには、このオーバーフロウという技は相手の動きを見てから放つ都合上、どうしても『後』を取る技だという事だ。

 後手が確定する技。すなわち『後の先』を取れるならカウンターがきっちり決められて威力も十分で一撃で決めることも出来そうだが、その勘をまだ自分の中でつかめてないという話で。回避に注力しすぎるということのようだ。

 なるほどね。確かに普段の爆豪ちゃんは『先の先』を取る戦闘スタイルだ。体育祭で見事に俺がやられたように、相手の動きを潰す、読み切って攻め込むタイプ。それだけだって超強いのだけど。

 でもそれでも敵わないようなヴィランに立ち向かい、この技で『後』を取ったのちに……その『先』を狙えるような経験値。これが足りてないと。

 

 ふむ。達人の間合いの取り方見てぇな話しやがって。

 でも確かにこないだクリスマスにやった叩いて被ってジャンケンポンでもコイツ守りの時にワンテンポ遅れてたもんな。爆豪ちゃんの性格が余りにも攻めに向きすぎておる。

 まぁその辺は訓練で何とかしていくしかねぇわな。後の先を得意とする奴なんて俺も心当たりがないし。

 

 ────()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「…………」

「ん、相澤先生? 爆豪ちゃんの奥の手に何か意見でも?」

「……いや。何でもない」

 

 そして組手を終えてからみんなの所に戻ればなんか相澤先生が思慮深い顔してたんで聞いてみたけど特に何もなかった。

 いや相澤先生の事だからまた報連相足りてないだけかもしれん。この人常に説明不足なんよ。

 

「うむ! みんなしっかり揉まれてきたようだな!! しかしまだまだプルスウルトラだ!! 引き続きインターン頑張ってくれ!!」

「今後はインターンやチームアップミッションの時間を考慮して座学授業の密度を減らす。それに甘えずよりよい経験を積めるよう、それぞれが考えて現場に臨む様に。では今日の授業は以上だ」

 

 それぞれが先生方からも講評を得て、実践報告会が終わった。

 

 


 

 

 さてその日の放課後。

 俺は緑谷と爆豪ちゃんと一緒に、仮眠室でオールマイトと話をしていた。

 話の内容は勿論OFAに関することだ。

 

「黒鞭も無事習得できた今……次のステップに進まねばならない。これが私の方で調べた歴代継承者の個性をまとめたノートだ」

 

 そう言ってオールマイトが差しだしてきたのは学習ノートだ。

 なんか既に使い込まれた感があるノートが出てきた。ここにOFAの歴代継承者の事が記載されているらしい。

 しかし俺はどうしても突っ込みたいところがあったので話に出す。

 

「今の時代に手書きのノート……? ワードでまとめて編集でもよかったのでは?」

「データ残したら流出する可能性があンだろうがボケが!」

「あ、そっか。その辺まで考えてたのか……流石オールマイト!!」

「……いや、PC関係苦手で」

「台無し!!」

 

 オールマイト……アンタ教師向いてねぇよ……!!!

 いやまぁね。手書きの良さってのもあるし爆豪ちゃんの言う通りデータ化するとどっから漏れるかわからないけどね。使えないってのはまた話が別じゃないかな!?

 もしかしてサーナイトアイがサイドキックだったときに全部書類関係任せてたりしてない? あり得そう。後でサーに聞いてみよ。

 まぁいいや。とりまみんなでノートの中身を読む。

 

「……2・3代目は手がかりも見つかってねェのか」

「時代とOFAの性質が相まって記録から探るのは不可能だった……個性が宿るとわかっていれば歴代も何かしらの形で残していただろうが……」

「黒鞭って何代目の個性だったん?」

「……5代目みたい。第五代継承者『ラリアット』……本名、万縄 大悟郎……」

「チッ、ノート貸せやデク! てめェ読むの遅ェんだよ焦れるわ!!」

「えっ、普通じゃない!?」

「いや遅い。速読は基本スキルだろ」

「かっちゃんと幾野くんが速いだけじゃない!?」

 

 みんなで読もうとしたけど緑谷が速読覚えてなかったんで俺と爆豪ちゃんでざっと読んで中身を覚える。

 ふむ。しかしまぁ……なんていうか。俺が言う話でもないんだろうが、歴代継承者って……。

 

「……どいつも特に強ェ個性持ちってわけじゃねェんだな。名前も聞いたこともねェ奴ばっかだしよォ」

「かな。黒鞭もこの力単独でってなるとパワー不足が否めないし……感知能力のこれもOFAのパワーありきかもな。爆豪ちゃんみたいに何でもできるタイプってのは少なそうだ」

「二人の言うことも間違いじゃないな……AFOはOFAに固執していた。今では考えられないほどに治安が悪く悪が力を持っていた過去の時代にAFOは強い者を徹底的に潰していった。歯止めの利かない悪意と支配がそれを可能にしていたんだ……地獄の中を藻掻き息絶える中で、歴代はこの力を未来に託し紡いできた。彼らは選ばれしものじゃない。繰り返される戦いの中で、ただ『託された者』であり、『託した者』だった……」

「……なんかそれ聞くとナマ言ってすんません緑谷の中の人!! その想いについては頭上がんないっす尊敬してます!!」

「僕の方向いて土下座しないで!? いや確かにみんな僕の中にいるんだけど!!」

「ケッ。……どーりでどいつも早死にしてるわけだ」

 

 オールマイトの言葉に速攻で反省する俺。

 そうだよな。個性の強さで想いがブレることもなく、強く戦い続けた人たちだったのだ。敬意しかない。

 しかもその力をOFAに残して緑谷に託そうとしているんだからスゲェ人たちだ。機会があったら俺も話したいな。

 緑谷の中に潜れば話せるかな。

 やってみるか。

 

「緑谷……あなたと合体したい……♥」

「アクエリオン!? ってか急に何!? やめて……来ないで! 無視使って僕と一つになろうとしな……やめろ!! 来るなァ!!!」

「アホがよ。……で、オールマイト。次はデクに何習得さすんだ」

「円滑な進行してくれる爆豪少年がここにいてよかったと心から感謝してるよ」

 

 結局ガチギレされた緑谷に50%デコピンを構えられて俺も諦めました。つまんね。

 最近キレるの早くなってきたよな緑谷も。誰のせいやろ。

 

「次に緑谷少年に覚えてもらう技は─────『浮遊』。私のお師匠の個性だ」

「なんで???」

 

 俺は素で突っ込んだ。

 

「……え? いや、戦闘で空を飛べるのはアドバンテージだよね? 私も跳躍で近い事はしていたし……爆豪少年だって飛行できるからこその活躍があるだろうし……」

「いやそこは同意なんスけど今の緑谷は黒鞭バッチリ覚えて空中機動ならかなーりできるじゃないすか? エアフォースの反動使って浮遊に近いことも出来る。だからこそ浮遊よりも優先して覚える技いっぱいありません?? 危機感知なんて俺のダイブセンサーにも勝るとも劣らない感知能力だし……まずこれでは? あと今できない技が出来るようになるって意味なら煙幕もありよりのアリで……浮遊はその後でもいいのでは?」

「俺もまァ同意だ。まず危機感知だろどう考えても」

「えっえっ……いや、でも浮遊便利だよ……?」

「便利さしか推してこない。なぁ緑谷、お前心の空間みたいなところで歴代継承者の皆さまの姿見てんだよな? 浮遊……オールマイトの前の人か。女の人だったよな、どんな人だったん?」

「え? えっと、志村菜奈さん……髪型は僕の母さんに似てたかな。でも背が高くて、きれいな人で、女性に対してこういうのは失礼かもだけど、マッシブで……幾野くん風に言うならスタイル抜群。ミルコを一回り大きくしたような」

「完全に私情入ってるじゃないっすかオールマイト!! そんなドスケベお姉さんに師事を受けてたとかクソッ!! 羨ましすぎて血の涙出るわコノぉ!!」

「そッ、んなことはないぞ幾野少年ンン!! お師匠の個性が便利なのを私が見ていたからだ!! まずは私も見たことのある個性から覚えていった方がいいだろうし師匠の技久しぶりに見たいし」

「速攻バラしてんじゃねェか。アホしかいねェのかここは」

 

 オールマイトが私情マシマシで浮遊覚えさせたいとか言い出したけどどう考えても危機感知の方が優先度高いだろ。俺のダイブセンサー以上の精度で索敵できて奇襲も感知できるんやぞ。

 その後もオールマイトと激論を交わしたが、しかし結局のところどの個性が次に出てくるかってそもそもコントロールできなくね? という事に気づき、新しく出てきたら順々に習熟させていきますか、という話で落ち着いた。

 まぁ何が起きるかまだまだ分からねぇしな。俺も爆豪ちゃんも注意してみてくって所はガチよ。

 ダチが大変な思いしてるの助けない選択肢はねぇからな。

 

 


 

 

 その日の夜。

 

「何してたんだよ遅ェよ謹慎ボーイズ!!」

「早く手伝わねーと肉食うの禁止だからな!!」

「ワリぃワリぃ。手伝うわ、俺は食器並べるか」

「すぐやるね! フルカウ……」「ルは寮内禁止!」「……はい」

「肉を禁じたらダメに決まってんだろがァ! イカれてんのか!?」

「えぇ……」

「お前がイカれてるよ爆豪」

 

 今日は鍋パなのだ。冬休み明けの決起会も兼ねている。

 だがオールマイトとのんびり話し込んでしまったせいでみんなに準備を任せてしまうことになった。ごめりんこ。

 俺は食器並べ、緑谷は飲み物準備、爆豪ちゃんは食材カットで速攻仕事を手伝って。

 百ちゃんが天然発揮してお茶っ葉入れようとしたのを止めたり、轟が不器用カットしたニラに爆豪ちゃんがキレたりしつつ……鍋の準備も完了。

 B組も後で合流する予定だ。明日は休みだしな。いっぱい楽しんでいこうぜ!

 

「では! インターン意見交換会、兼!! 始業一発気合入魂鍋パだぜ!!! 会を始めよう!! カンパーイ!!!」

「「「カンパーイ!!」」」

 

 鍋パ楽しいうっひょー!!!

 

 

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