【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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138 はた目には峰田ハーレムなんだよなぁ

 

 1月の休日。

 普段ならインターンやチームアップミッションなどがあるのだが、今日は日程を調整して完全な休みの日だ。

 そんな休みの日に何をするかというと……俺と峰田でデートである。

 

「遊園地かぁ。オイラも普段殆ど縁がないから新鮮だわ」

「俺は9月に透ちゃんと初めて遊園地行ったマン。楽しかったなー、お化け屋敷以外」

 

 行き先は遊園地で……え? お前ら二人とも彼女いるだろって?

 すまない、語弊があった。

 俺と峰田が二人きりでデートするわけじゃないよ当たり前だろ。

 今日は俺と透ちゃん百ちゃん明ちゃん、峰田と梅雨ちゃんのみんなで遊園地に遊びに行く約束をしていたのである。

 いわゆるダブルデートってやつですね。学生のノリで遊びに行く感じもだいぶ強いです。みんなでワイワイしようぜ。

 ちなみに緑谷と麗日ちゃんもどうかなって誘ったんだけどあいにく二人とも今日はチームアップミッションが入っちゃってたんだって。残念。

 後で水族館とか遊園地のペアチケ渡しておこう。麗日ちゃんはともかく緑谷はそういう所気配り出来ねぇだろうなという確信がある。ママがちゃんと気にかけてあげますからね。

 

 さて。

 今日の俺は明ちゃん開発の変装アイテムで髪色だけ弄って2Pカラーの青い髪色にして、気合入れて髪をセットして顔も化粧しています。美人系。

 峰田も事前に服は整えてセンス◎。有名税で人避けの為にデカ目の帽子もかぶっていた。ぶかぶかの帽子がちょっとおもろいな。

 そんな状態で二人で待ち合わせ場所で女子たちをお待ちしていた。

 寮が明ちゃん以外は一緒なんだから一緒に行けばええやんけ! というのは無粋だ。男として待ち合わせ場所には先について女子を待ちたいものなのだ。

 今日は幸いにして快晴、冬場でも温かい一日だ。これなら梅雨ちゃんも動けるだろう。俺たちがいるから何かあっても対処できるし。

 

「ん、今日のセンちゃん青い! お待たせー!!」

「ケロ。今日はまだ温かくてよかったわ。実ちゃんも素敵なおべべね」

「明さんが髪型を弄ってみたいとおっしゃられまして……いかがでしょうか?」

「こういう風に身嗜みを整えるのは初めてなので何だか照れますねフフフフフ!!」

「みんなめっちゃ可愛いッ!!」

「眼福ッ!!」

 

 約束の時間になり、彼女たちがやって来た。

 透ちゃんは相変らず透明だけど冬服がとってもかわいい。他の人には見えないだろうけど髪も高い所でふわりとまとめられていてイクノポイントプラス3。

 百ちゃんは逆に高い所でまとめている髪を解いてパーマをかけて来た。やだ……えっちな若奥様ですわよ!? イクノポイントプラス3。

 そして明ちゃん。普段は天然のドレッドヘアで中々ヘアスタイルを弄るのが難しく、またそういうファッション系には明るくない彼女だったが……今日は透ちゃんと百ちゃんに相談していたのか、めっちゃ可愛い着こなしの服をそろえており、髪もちぢれを少し緩めてふわふわさせたうえでツインテールにまとめて来た。可愛い。普段とのギャップ相まってイクノポイントプラス4!

 俺の彼女たちがこんなに可愛くていいのだろうか。いいんだ。俺は幸せ者です。

 

 あ、もちろん梅雨ちゃんもバッチリおめかししてる。苦手な冬なのでもこもこ厚着ではあるのだが、それでもちゃんと女子らしく整ったコーデにしてきた。黒ストッキングは攻めて来たね。おみ足えっち。

 髪も弄ってきてるな。肩口あたりで一度ふわっとまとめるウルフカットの様な感じにして、残りは真っすぐ後ろに下ろしている。梅雨ちゃんは俺より髪が長いからコーディネート無限でいいよなぁ。

 

「いいなー今日の梅雨ちゃんの髪型。ふわふわしてる。似合ってるぜ!」

「ありがと実ちゃん。ケロケロ」

 

 峰田が間髪入れず自分の彼女の髪型を褒めていた。

 偉いぞ。俺との付き合いが長いからな。とにかく女の髪は褒めろと性根に叩き込んでおいた成果出てるな。

 俺も髪の色は弄ってるけど一部パーマかけた上で編み込んでアクセントつけてふわふわさせてるよ? 俺も褒めろ?? ダブルデート終わるまでには誉めろな???

 

「さ、そんじゃ出発しますか」

「楽しみですわね、遊園地。中々行く機会もございませんでしたから……」

「私も初めてですねぇ!」

「あれ、明ちゃん行ったことなかったんだ? 開発ばっかりしてたのかなー。よしそんじゃ明ちゃんもたのしもー!」

「とりま電車で移動な。近くにある遊園地……結構人気があるってことだからそれなりに混むかもな」

「ケロ、遊園地だものね。待つ時間も楽しみましょ」

 

 早速出発。

 峰田は梅雨ちゃんと手を繋いで、俺は3人の彼女と交代交代に手を繋ぎながらお目当ての遊園地に移動するのだった。

 

 


 

 

『門をくぐれば君はヒーロー! 眠れる個性が目を覚ます♪ おいでよ! 行こうよ! フューチャーパーク!!』

 

 遊園地に到着した。

 フューチャーパークと呼ばれるそこは、ここ数年でかなり人気が出ているところだ。

 人気の秘密は最新技術を使ったアトラクションの数々。かつてI・アイランドに行ったことのある俺たちだが、その盛り上がりにも負けないくらいの人入りだ。

 

「わー、すっごい人!!」

「やっぱ人気あるなー。冬でシーズン外だってのにこれか。夏休みとかもっとヤバそうな」

「ムム……パンフレットを見ると最新VRを利用したアトラクションなどがあるようですね!! 乗りたいです!!」

「ケロ、それぞれ乗りたいものを決めて順番に回りましょうか。6人で選んで回ればちょうどよさそう」

「それで参りましょうか。……あら、あのタコの様な着ぐるみ! なぜお目目が一つなのでしょう!?」

「明ちゃんを一人にさせちゃいかんとは知ってたが実は百ちゃんも好奇心の塊だったか」

「二人で手を離さないようにしようねセンちゃん」

 

 にぎわっている遊園地を早速遊びまわる俺たち。

 絶叫マシン系は峰田が身長で乗れないので、子供でも乗れるようなアトラクションを中心にして乗り回ることにした。

 待ち時間もそれなりにはあったが、まぁアトラクション6つくらいなら全然一日で余裕で回れるやろ……と。待ち時間も学生らしくダベるのも楽しいもんだし。

 そんな風に午前中を過ごして、コーヒーカップでぐるぐる回るコーヒーカップを明ちゃんが勝手に改造しちゃって*1回転速度がヤバい事になって峰田が振り回されて爆笑したり。

 時々峰田がその身長で話題の仮免ヒーローグレープジュースだと気付かれてサイン書いたり。俺がイグジストであるとはまだバレてないから有名税はなんとかなりそうやなとも思ってた所だったんだけどね。

 

 それはみんなでお昼を食べ終えたあたりで唐突にやって来た。

 

「む。……ん?」

「ん? どしたのセンちゃん?」

「や、なんかベイビーの調子が……あれ、変装取れちゃった?」

「あら……センさんの髪の色がいつもの赤に戻ってしまいましたね」

「ムム! これは……電池切れですね!! センさん、もしかすると充電をサボってましたか? 充電切れは流石の私でもなんともできないですね!」

「そういや前に充電したの結構前かも……Oh。しまったな、ゴメン。完全に忘れてたわ。上鳴いればなー」

 

 俺の変装用ベイビーの効果が切れて髪の色がいつもの深紅に戻ってしまったのだ。

 明ちゃんに見てもらったら電池切れだって。確かにここ最近充電してなかったわ。ダイブセンサーやダイブワイヤーはスーツケースが充電機能付きだからしまうたびに充電してたけどこのベイビーは私用で使ってるからな……抜けてた。

 まずいですね。この人の多い遊園地で、余りにも世間に知られている赤い髪の俺が出てきてしまうと……。

 

「え、あれ!? あの子もしかしてイグジスト!?」

「赤い長髪、綺麗な顔……やだ本物!?」

「近くにグレープジュースもいるから間違いないって!!」

「キャー本物初めて見たー! サインくださーい!!」

 

 有名税を支払うことになるのだ。

 瞬く間に周囲からの視線を集める俺。ううん。そりゃ目立ちますよね。知ってた。

 年末のお茶の間に笑いを届けたイグジストでーす☆ 今日は勘弁してくださーい☆

 最低限のファンサとしてポーズ取ってウインクは返しておいたが、しかしこのままだと周りからの視線を集めすぎてしまう。

 みんなには申し訳ないが一旦人気のない方へ移動して退避した。

 

「まぁオイラこうなるだろうなって予想ついてた。イクノがいれば仕方ねぇわな」

「ごめんな俺が有名すぎて」

「ケロ、相変らず大変ね。さて、でもこれからどうしようかしらね……二手に分かれるのもつまらないし」

「それなのですが……もし皆さまが宜しければ、フューチャーパークのすぐ近くにあるもう一つの遊園地に行ってみませんか?」

「え、そんなのあったんだー?」

「はい。事前に詳しく調べておりましたら、お隣に……レトロランドという遊園地があるようですの。レトロというのも少し興味がありまして」

「ふむ? ……成程、マジですぐ近くなんな。ってか隣同士に別の遊園地ってどういう事かさっぱりわからんオイラ」

 

 さてこれからどうするかという話になり、俺が有名すぎることでみんなに迷惑をかけるのは申し訳ないと思いつつも……百ちゃんが出した案にみんな乗ってくれた。

 まぁ俺以外もヒーローである以上、いつかこうした有名税とは付き合っていくところあるし。みんなの優しさに甘えさせてもらうな、ありがと。

 

 


 

 

 そんなわけで俺たちはフューチャーパークを後にして、歩いてすぐ隣の敷地に併設されてるレトロランドへ。

 ……いやマジで普通に遊園地だな。え、歩いて5分だったんだけど。この距離で同じ遊園地じゃないってマジ?

 権利者どうなってんだろ。レトロランドっていうくらいだからこっちが先に有ったところにフューチャーパークが後から開発されたのかな。大人の暗い権利関係の話ちょっと見えてきますね。

 まぁええか。今日はその辺関係ないしね。さて楽しめるといいのだが……。

 

「人少なッ!!」

「ケロ、驚くほどガラガラね。休日とは思えない閑散っぷりよ」

「でも遊園地としての施設は……ちゃんとしてるよね? ちょっと年季入ってるし観覧車も小さいけど、一通りは揃ってるよね」

 

 ガラッガラだった。すごい。ここはVの者が介入する前のスペイン村だった……?

 でも施設はすごいしっかりしてるな。透ちゃんが言うように年季は入ってるけど、全部しっかり動いている。

 

「歴史の積み重ねが感じられますわ……おや、このパンダの乗り物なんか可愛らしいですわね!」

「ムム……フム……このベイビー、少々劣化が見受けられますねぇ。フフフフフ……」

「───!! おいイクノぉ!! とんでもねぇぞこの遊園地ッ!!」

「え、なにどしたの峰田」

「ジェットコースターの身長制限が100cmだ!! オイラ乗れるよぉ!!」

「全力でブン回すぞォッ!!」

「ケロ、実ちゃんも楽しめるのね。それならこっちのほうが私もいいわ、早速乗りましょ」

 

 んで色んな施設のパンフ見たらなんとこの遊園地、レトロだからか殆どのアトラクションが身長制限100cm以下!

 峰田も遊べるじゃん! すげぇぜ穴場だ! 何気にジェットコースター乗ってみてぇってずっと言ってたもんなお前!

 こりゃ塞翁が馬ですわ。人も少ないから待ち時間ゼロで乗れるし。ファンに取り囲まれることもないし、時々声をかけてくる家族ファンなんかには密にファンサできるし。

 え、マジで大当たりじゃん。午後はこっちで楽しんでいこうぜェ!!

 

 

 

 さてその後はみんなでめっちゃ楽しんだ。

 マジで待ち時間なしでアトラクション乗れるからめちゃくちゃ捗るまであったよね。峰田もジェットコースターに乗れて感涙までしてた。わかるよ。中学時代に俺らがこういう施設に遊びに行かなかったのってコイツの身長問題が大きかったし。梅雨ちゃんもそんな峰田の様子見てにこにこ笑顔だった。出来た彼女。

 身長174cmのむちむち百ちゃんがパンダの乗り物に乗って操作してるの可愛かったです。

 あと明ちゃんが年季入った施設にムムム! と開発欲を刺激されてたようでそれは俺と透ちゃんでめっちゃ止めた。勝手にやるのは駄目ですよ。

 

 さてそして一通りレトロランドのアトラクションを楽しんで一息つき、次はどこに行こうかと歩いてたところでまた新たな発見が。

 

「……お? ヒーローショーがあるんだって。見てってみる?」

「オイラ調子乗ってアトラクション乗りまくり過ぎた。ちょっと座って休みてェわ」

「ふふ、はしゃいでたわね実ちゃん」

「ちょうどよいですわ。ポップコーン片手にショーを見る……やってみたかったんですの!」

「ヤオモモもわかってるねー。んじゃ次はヒーローショー観戦だー!」

「ヒーローショーですか。初めて見るので楽しみですねフフフフフ!!」

 

 なんかヒーローショーやるんだって。

 おもしれ。我ら仮免ヒーローが本物のヒーローという視点からわいわい見てってやるぜ。

 峰田も疲れてるみたいだしな。今はベンチの上で梅雨ちゃんに抱えられて太ももの上。あのポジションも慣れて来たなアイツ。

 ポップコーンと飲み物も買ってきて、目立たない遠目の席に座ったところでショーが始まった。

 

『うおおお!! この俺が正義の力でみんなを守る!!!』

 

 切島じゃねぇか。

 

『ヴィランは全員フルボッコにしてやんよォォ!!!』

 

 爆豪ちゃんじゃねぇか。

 

「えぇ……何やってんだアイツら。いつの間にヒーローショーのスタッフになったの」

「そういえば最近爆豪くんと切島くんと、あと轟くんで一緒のチームアップミッション結構行ってたよね?」

「でしたわね。もしやヒーローショーのお手伝いに……?」

「ケロ。人選がよくわからないわ」

「女子も呼べばよかったのによ。他の学校から呼んでたりすんのか……?」

「このようなチームアップミッションもあるのですねぇ。先日私達で行ったクロオビさんをバズらせるのと同じように今回は遊園地をバズらせると!」

「俺呼べばトップ解決だったのでは?」

 

 切島と爆豪ちゃんがヒーロー役で、まぁありきたりな脚本の流れを若干棒読みでこなしていた。

 おもしれーことやってんなアイツら。轟も来てるってことだからアイツは火炎や氷で演出役かな。

 舞台裏をウォールハックで覗いてみてもよかったけど……まぁあいつらならしっかりミッションはこなすだろ。

 バズらせミッション。俺と峰田が最も得意としてる奴ね。お前らに出来るかなフフフフフ。

 とりあえずヒーローショーだけでバズることはないからね。俺なら高名な動画配信者をお呼びして広告打つね。つまり俺を呼べって話。

 

 さて、ヒーローショーも一旦いい感じにヒーローたちが一度退場して、ヴィラン役が悪いことをしようとし始めて、いつものノリでヒーローを呼ぶことになった。

 

『さあみんな! 大きな声でヒーローを呼ぼう!! たすけてーーーーーー!!』

「「助けてーーーー!!!」」

「ケロ、ちゃんと呼ぶのね二人とも」

 

 俺と峰田で全力でヒーローを呼ぶ。さぁ誰が出てくるか。切島か、爆豪か、轟か、はたまた他のヒーローか。

 …………ん?

 …………………ん? 出てこねぇな?

 

「遅くない?」

「ですわね……」

「なにかあったのかな?」

「つってもあの3人だぞ? こんなシンプルなショーでミスなんて考えられねぇわ」

「ケロ、そうね……」

「ムム。気になりますね」

 

 明らかに壇上のヴィラン役の人もそわそわと困っている様子だ。

 しかし俺たちはあの3人を信頼している。3人とも実戦経験値の高い立派なヒーロー。こんなミスを犯すはずもなく、爆豪ちゃんだってミッションには真面目に取り組むから嫌になって帰ったとかはないだろう。

 となれば、これは何かしらの緊急事態。

 

 俺は咄嗟にウォールハックで舞台裏、あの3人が準備しているはずの方を見る。

 すると、そこには明らかに今撃退されたって感じのヴィランらしき人影が3人と……慌てた様子の切島たち3人。と、小さいおじさん。とケミィパイセンもおるやんけ。

 状況は分からないが明らかに何かあった。けどすでに3人が撃退してるから終わったか……と思ったら切島と爆豪が舞台ではない、裏口にダッシュしていった。

 

「ウォールハックで見た。おそらくヴィラン襲撃。ヴィランらしき奴らは既に制圧済み。けど切島たちがジェットコースターに向かってダッシュしてる」

「!! センさん、わたくしたちが出来ることは!?」

「ヒーローショーは……ケミィパイセンが幻覚でなんとかしてって少女漫画轟ッ!!」

 

 事件発生を確認して俺たち仮免ヒーローは意識を切り替え、バイスタンダーとして動く。

 切島たちが向かった先、ジェットコースターも気になるが……ヒーローショーの方も心配だ。

 中止とでもなれば折角見に来てくれてる他のお客さんに失礼だし……と思ってると、急に壇上に少女漫画風に薔薇を巻き散らしながら綺麗な瞳をした轟が出てきた。

 あれはケミィパイセンの個性『幻惑』だ。前の合同訓練で俺と轟とケミィパイセンでチーム組んだときに見せてもらったやつだ。

 ケミィパイセンはあれで何とかするつもりか。なんか流れが凄い事になってカオスな展開になり始めたけどまぁあっちは緊急性はなさそうだ。

 

「……ムム!! センさん、私の『ズーム』でジェットコースターのレールを見ましたが、中腹のあたりに細工がされています!! そこをジェットコースターが通った時点で恐らく起爆するようなベイビー……いえ、人に害を為すように使うアレはベイビーとは言えません!! 許せないです!!」

「マジかよく見つけた明ちゃん! 峰田!!」

「おう!! 跳峰田スクランブルッ!!」

「ケロッ、私も行くわ!」

 

 明ちゃんがズームで遠方、切島たちが向かったジェットコースターのレーンを確認してくれていた。

 今は俺もダイブセンサーも望遠鏡も持ってきてない。遠くを精密に見るのはできなかったからな、機械に詳しい明ちゃんが見つけてくれて助かった。

 場所を確認して峰田と梅雨ちゃんが今にも発車されようとするジェットコースターに向かっていった。あいつのもぎもぎネットなら車体やコースターレーンにダメージを与えずに止めることも容易だろう。

 梅雨ちゃんが後詰めと、立体機動による乗客の避難もできる。ばっちりだろうな。

 

「私たちはどうする? 何かやれることあるかな?」

「切島たちも向かってるしジェットコースターの方は問題ないだろうな……とりま事情聴きに行こうか。みんな、手を」

 

 さてそうすると俺たちは何するかなのだが……今舞台裏で倒れてるヴィランたちの事情を聴いて、何かあれば指示を受けるというのもアリだろう。

 俺は彼女たち3人の手を取り……舞台裏にいるケミィパイセンのもとへワープを発動。

 ワープに持っていけるのは、俺本体と、俺のモノ。この3人は個性を通せばワープに相乗りさせることができる。

 一瞬で舞台裏まで移動した俺たちに、ケミィパイセンも轟も驚いたが……こういうことが出来るのをこの二人は知ってるからな。たまたまショーを見てて、ヤバそうなんで応援に来たと説明して理解してもらえた。

 で、話を聞けば……こいつらはヴィランではなくフューチャーパークの交渉役だって話で。レトロランドを潰しに来たとか言うことで。レトロランドの風評被害を起こすためにジェットコースターに爆弾仕掛けたとか。

 ええ……フューチャーパークヤバすぎんか? まぁその話が本当ならだけどな。

 普通に考えれば遊園地の関係者が権利関係で揉めてるとはいえ死人が出るレベルの事件なんて起こさないだろう。ジェットコースターに爆弾仕掛けたのが誰なのかモロバレなわけだからフューチャーパークの風評も同時に終わる。

 多分どっちの遊園地も潰したい立場の人なのかな……まぁその辺は塀の中でオッドアイにでも喋るんだな。あの人最近警察で聞き取り調査の手伝いしてるんだって。

 

「君は……あのセンシティブヒーロー、イグジスト!?」

「はい。急にお邪魔してすみませんねCEO。なんか起きてるの分かって放っておけなかったもんで」

「ジェットコースターの方はご安心下さい。バクゴーもレッドライオットも向かいましたし、グレープジュースとフロッピーが増援に向かいました。あの4人なら大丈夫ですわ」

「峰田たちも来てたのか……峰田がいりゃ安心だな。助かった」

「とりまショーの方もアドリブキメキメで何とかなったわマジヤバみ~。どんな話にしたのか覚えてね~ウケる。メンゴねCEO~!」

「いや、よくやってくれました! 斬新なストーリーにお客さんも大盛り上がりで……ジェットコースターも損害がなく止めてくれた。本当にありがとう、ヒーロー!」

 

 一先ずヒーローショーも謎の高評価を得て無事終了。

 その後、ヴィランの確保は透ちゃんと百ちゃんが手伝って。

 明ちゃんは峰田がもぎもぎネットで被害なく止めたコースターのメンテと、レーンについてた爆弾の解体。これは俺も付き合って万が一ボムっても無視して通り抜けられるようにして。

 梅雨ちゃんは切島、爆豪ちゃんと一緒にコースターからの人々の避難をお手伝い。大きな騒ぎになることなく無事に事件は解決した。

 そしてその後CEOからの強いご依頼を受けて、イグジストがレトロランドを訪れてみた動画を作ることを約束して。

 

 まぁ……なんだか騒がしくなってしまったが俺たちのダブルデートはこんな感じで終わったのだった。

 

「警察に連行されてたヴィラン、ちょっと話聞いたけどやっぱりフューチャーパーク潰す目的で来てたんだって」

「やっぱか」

「あちらの施設は警備も厳重で、だからこそフューチャーパークの関係者を騙ってレトロランドに被害を出して……という目算だったようですわ。被害が無くて幸いでした」

「お客さんもジェットコースターが加速する前に止められたからケガとかも無くて済んだぜ。発目のお陰で早く気付けてよかったわ」

「なによりです! それに私の方でCEOと話してレトロランドの施設設備を全て改造しておきましたからきっとこれから人気が出るでしょう!! 技術力ではフューチャーパークを超えましたね!!」

「ちょっと待って初耳」

「はい! ついさっきやってきました!! ですがメリッサさんに教わった安全設計の技術もちゃんと入ってますので問題はないと思いますよフフフフフ!!」

「後でまた来ようなイクノ」

「そうだね×1」

「ケロ。実ちゃんとセンちゃんがいると何か起きるのは仕方ないわね」

 

 なんだか俺の彼女の手によってレトロランドが革命的進化を果たしている様だが……まぁええか(現実逃避)。

 遊園地はそれぞれ楽しめたし、なんやかんやデートとしてとても楽しめました。よかったね。

 俺たちはみんなで満足して雄英に帰るのだった。

 

 

 夜はそれぞれ大人のデートしました(意味深)。

 

 

*1
もちろん降りる時に直した。

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