【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!! 作:そとみち
【side ホークス】
ある程度の信頼は得られているとは思う。
翼に発信機と盗聴器を付けられ、かなりの自由を奪われた形ではあるが……その分、異能解放戦線の中枢にこうして面通しが許される程度にはなった。
やることが速いとトゥワイスに褒められたりもするが……しかしこのトゥワイスとトガヒミコ、そして荼毘の口からは決まって同じ少年の名前が次いで零れる。
「で、俺の大切なタマぁ潰したイグジストはいつ捕まえられそうなんだよホークス! 俺はあいつのタマ潰すまで死ねねぇんだよな!!『でも片っぽの方が強いって言うぜ!』」
「ちょっと仁くん下ネタやめてください! イグジストは私が殺すんですよ!!」
「ごめんトガちゃん可愛い許して!」
「前も言ったじゃないですかトゥワイス。イグジストと今遭遇するわけにはいかないんですよ……あいつの透視能力は特別製だ。俺につけてる盗聴器見つけられて疑われちゃうんですよ。そうなると表の情報を仕入れられなくなる」
「チッ……ゴホッ、だったら人質とりゃあいいだろうが。大して成長してねぇ学生どもならお前のスピードで一匹や二匹捕まえられるだろうがよ。最速の称号が泣くぜ」
かすれた声で荼毘が俺に向けて明らかな敵意を向けてくる。
かつて九州でイグジストに撃退された荼毘は、自傷した負傷の影響で右肺が機能しなくなり、呼吸機能に障害が残り、同時に声がひどくかすれることになった。
イグジストくんを舐めた罰だね。同情も何もないけど……でも片玉ロスしたトゥワイスと片肺ロスした荼毘はとにかくイグジストへご執心だ。
今もまた荼毘が人質作戦を推してきた。確かに幾野くんに対して最も有効と思われる手段は人質を取る事だろう。
彼の身近な友人、彼女……誰かでも捕えて人質にすれば彼は間違いなく助けに来るし、そこを襲うことも出来るかもしれない。
無敵の個性に対してはその発想はあり得る。
しかしそれも、俺の方で何とかうまく言いくるめている。
「だーから、それもダメですって……見たでしょ、イグジストの
「……チッ」
「クッソチート野郎がよぉ! アイツがいるせいで俺たちの活動も全然大々的にできねぇ!『そっちの方が楽だけど』」
「今はアンタッチャブル。何をやっても殺せない……作戦通り、AFOと死柄木の力を解放してから個性を奪うのがベストだろうね。下手に動けば台無しになるっていうホークスの話に俺は頷くよ」
「はーぁ。なんであんなのが雄英にいるんでしょうねぇ。トガはイグジストの気持ちが全く分かりません。何でもできる癖に、檻に自分から入るなんて」
幾度となく繰り返した、彼を襲えない嘘をつく。
公安で嘘を嘘と見抜かれない話し方は覚えている。二重スパイをしていることをバラさないようにこっちもひやひやだよ。
そして幾野くんから聞いたという話、それ自体は嘘ではない。ただし聞いたのは全く違う情報で、対象の相手によってワープで飛べる距離は変わるし、連発はできないということだった。
だがそれが表に出ればヴィランに突かれる可能性もあるので、ヒーローとして表に出す情報は濁し続けるという話も聞いていた。
だからこそこの嘘が通じている。世間の知るイグジストは、緊急時には躊躇いなく急に現れる。どこにだって
この嘘がいつまでも通じるかは怪しいが……少なくともあと2カ月強、蛇腔総合病院への急襲まではもたせるつもりだ。
もしこいつらにバレても自分も誤魔化されてたという話で通じるしね。死柄木の本拠地は既に割れてるのだからあとは完璧な作戦になる様に俺も秘密裏に情報を公安につなぐだけさ。
既に十分すぎるほどの情報のピースは揃っている。気付かぬうちに猛スピードでお前らは丸裸にされている。
結局のところ、アンタたちは人を殺し社会を蝕むヴィランだからね。同情はしないよ。
「では今日の報告はこんなところで。俺は今日は久しぶりに地元に戻らなきゃいけなくてね」
「ン? なんでぇホークス、事務所は自分無しでも回せてるって言ってなかったっけ?」
「流石にひと月以上も空けちゃうと周りに疑われちゃうんですよ。いくら俺が唯我独尊キャラだって言ってもね。変に疑われても困るじゃないですか。チームアップミッションでガキの御守りして来ますよ」
「そっか!! 早く戻って来いよな!『手土産に雄英のガキ引っ張って来い!』」
「はは。すぐ戻りますよ……それじゃ」
嘘と真を織り交ぜた情報の報告を終えて、俺は会議室を後にして翼を広げた。
さて、そうして地元九州で行われるチームアップミッションに合流した。
今回のメンバーは緑谷くん、常闇くん、そして峰田くん。
それぞれがスピード自慢。ミッションとしては窃盗ヴィラングループの掃討ということにしてあるが……いやいや、これはなかなか。
「黒鞭……からのフルカウルッ!! ツクヨミ、フォローお願い!」
「承知! ダークシャドウ!!」
「アイヨッ!」
「そっち追い詰めろォ! 閉所に入ればオイラが一網打尽にしてやるっ!! くらえグレープラッ───」
三人ともまぁ随分と速い。
緑谷くんは前のチームアップミッションで呼んだ時には使えなかった不思議なワイヤー移動が出来てる。エンデヴァー事務所でエンデヴァーさんよりも早く事件解決しろ、っていう無茶なミッションを受けてるって聞いたけど……成程、その成果か。流石だねエンデヴァーさんは。
常闇くんは9月のインターン以来ずっと見てたけどまぁ成長したこと。飛行速度じゃ負けないけど制圧力という点じゃもう俺と肩を並べるかも。ホークス事務所でほぼ俺が不在にしてるのに解決率が落ちてないのは間違いなく常闇くんのお陰だね。卒業後のサイドキックは逃がさないよ。
さぁ、そして噂の峰田くんだけど……閉所に入った瞬間から動きが一変する。まだ峰田くんも本気じゃないだろうけど、冷や汗が出てくるよね。俺の本気とどっちが器が深いのか……俺らしくもない、確かめたいなんて思ってしまうほどだ。
ま、それでも俺は負けてらんないのよ。スピードヒーローとしてね。
三人が追い詰めたヴィランに、彼らより先に剛翼を放ち捕らえた。あぶね、一瞬の差だったな。
「───はいお疲れ様。いい連携だったよ」
「オイラの見せ場が取られた!!」
「幾野くんかな??」
「流石は我が師……速度ではまだ敵わぬか」
「いやいや、3人ともすごいスピードだよ。まぁ俺も負けてないけど」
「余裕あるゥ! くっそー、イクノの言ってた通りだぜ……はえーのなんの。本気のオイラでも敵わねぇかも」
いやゴメン、今めっちゃ俺本気だったよ峰田くん。
でもここで万が一にも俺が負けちゃったら俺の翼につけられた監視カメラで俺が負けた場面が映っちゃってさ。学生の強さ、君たちの強さが連合に知られちゃうんだよね。
前のエンデヴァーさんの時はマジでビビったよね、緑谷くんたち俺の速度に追いついてくるんだもん。
あの時こそ本気じゃなかったし、力を見るために手加減してたって理由でヴィラン連合は学生の力を侮ってくれたけど……ホント、彼らの成長は油断できない。
その根本に幾野くんがいるんだろうなぁ。あの子がいるからヒーローの勝利を疑ってないところあるよね俺も。
君たち若者の未来を暗いものにするわけにはいかないんだよ。俺だってイグジストくんには借りがあるしね。
またうまい焼き鳥食べに行くんだから。
「さて、ヴィランは捕まえたし後は警察に任せておしまい! ファンサの時間だね」
「あ、終わったー? ホークス一緒に写真撮ってー!」
「はいはい順番にねー。ピースピース」
「活躍見てたー! 流石、すごいねホークス!」
さて、チームアップミッションのネタとして追ってた窃盗ヴィラングループも捕まえ終えて、後始末も終えてファンたちとの交流に入る。
今日はたまたま女性ファンが多かったのでそれに囲まれることになっちゃったんだけど、そんな俺を峰田くんが恨めしい眼差しで見て来た。
「うっ……羨ましいィィィ……!! 美女にばっかり囲まれやがってよォォ……!!」
「梅雨ちゃんがいるでしょ峰田くんには」
「貴様にも麗日がいるだろう緑谷」
「あれ、二人とも彼女持ち? やるじゃん! ……ツクヨミは?」
「そこに触れるなホークス」
「ごめん」
ファンから離れて話を聞けば峰田くんも緑谷くんも彼女いるんだって。へぇ。見る目あるねその女の子。
そういやイグジストくんも彼女いるんだっけ。英雄色を好むというけど……進んでるね雄英はその辺も。
頑張れ常闇くん。君もデザインいいから愛する女性はきっといるよ。
さて、しかしこうしてもいられない。
今日は3人の力を見るために呼んだんだ。特に峰田くん……彼の力は知っておいて損はない。
そのために考えていた自然なシナリオを遂行することにした。
「さてと……今日の仕事も終わったし。羽休めに家帰ろっかな」
「家……!」
その一言で目の色が変わった3人。
特に常闇くんは俺のファンだしね。興味は出るだろう。峰田くんも顔から「モテる秘訣が隠されてるに違いねぇ!」っていう気持ちが読み取れる。判りやすいねこの子の顔。好きだなこういう奴。
「ハイハイ! オイラも行きたい! ホークスの家見たい!!」
「ん? 一緒に来る? 別にいいけど」
「本当ですか!? お菓子持って行かないと!」
「ホークス宅……俺もまだ見たことがない未知なる領域!」
「よっしゃああ!! モテる秘訣をゲットしてやるぜェェ!! んでそれを覚えて梅雨ちゃんにもっと愛されるゾォォ!!」
「峰田くんの一途な一面が出てきた」
釣れた。この後にも色んな仕掛けを考えてたけど一個目でバッチリ釣れた。何でも興味を持つってのはいい事だね。
さ、それじゃ鬼ごっこを始めようか。
「じゃ、俺についておいで!」
「「「はい!!」」」
すたすたと俺の家に向かって走り出し……しかし途中から俺は剛翼を使って空を飛び始める。
その時点で3人とも表情が変わり……これが俺の出した試練であることに気付いたようだ。
さっすが。エンデヴァー事務所で揉まれてる緑谷くん、俺が揉んでる常闇くん、そして幾野くんに揉まれてる峰田くんなだけはある。
鬼ごっこさ。楽しんでいこうよ。
「一筋縄ではいかんということだな……!」
「ほらほら、追いつかなきゃ見れないよ!」
ばさりと羽を広げて30%くらいの速度で飛行する。
空を飛べるというアドバンテージはあるけど……飛行は常闇くんも出来る。『黒の堕天使』だっけ。9月に見せてもらった頃と比べると今なら相当速度も上がってるはず。
緑谷くんもあの黒鞭ってやつと増強型個性の合わせ技なら相当いい速度出せるだろうね。エンデヴァーさんに鍛えられた力を見せてもらおう。
二人で俺を誘導して峰田くんのフィールドに誘い込んで……って感じで来るかな。飛行スピードだけで言えばまだまだ緑谷くんにも常闇くんにも負けないしね。
「あ、ホークスだー! なにしてるのー?」
「鬼ごっこ!」
「キャー! いいなー! 一緒に鬼ごっこやりたーい!」
「どうかな、俺逃げるの得意だから捕まえられないかもね」
「ぬぅぅぅ……ファンサしながら舐めプしやがってェ!! 絶ッッ対捕えてやらァ!! 緑谷ァ!! 常闇ィィ!!」
「うん! 3人チームアップだね……!!」
「3人の得意を活かす……征くぞ!!」
たまたま女子へのファンサをしたところ峰田くんに火が付いた。
それに呼応するように他の二人もバッチリ真剣に。さぁどうくるかな3人とも!!
「ダークシャドウ!!」
「アイヨッ!」
「黒の堕天使か……おお!! 前より速くなってる! すごい!!」
「俺自身の得意を伸ばしたまで!!」
まず吶喊してきたのが常闇くん。予想通り、飛行できる黒の堕天使で突っ込んできたけど……いや相当速度上がってるなぁ!
9月の頃はまぁ飛べてるな、くらいだったけど……この速度は十分に武器だ。俺の50%よりは速い。並のヴィランならこの速度での空中戦に追いつけないだろう。
なるほど、俺が不在の時に事務所を支えてくれてるだけはある! 嬉しくなるよね!
「でも……俺の方が速かったね!!」
「くっ!!」
60%まで速度を上げて、飛行の軌道を急転換して常闇くんをやり過ごして空中へ逃げた。
咄嗟の軌道変更は難しいタイプかな。俺の羽根はその辺が融通利くからその差が出た。直線飛行ならいいランデブーが出来そうだけどね。平和になったらいつかやろうよ。
「あれホークスじゃない?」
「ヤバー! 好きー!!」
さて、そうして空に飛びあがった俺にファンから声をかけられ、ファンサで手を振り返すが……ゴメン返事する余裕ない。
俺の背後に緑谷くんが突っ込んできてるんだ。黒鞭使ってさ。剛翼でそれを感知してる。
……いやこれ速いな!? エンデヴァーさん教えるの上手すぎでしょ!?
「おおっと!!」
「ッ!!」
緑谷くんを迎撃するように翼をばさりと振るい、突進の軌道を逸らすが……うわちょっと待って黒鞭が飛んできてる!!
思わず80%まで引き上げてその鞭を回避。壁で遮るように飛行するが……誘い込まれたのは狭い路地裏。
なるほど、黒鞭で捕まえられなくてもここに誘い込むつもりだったか。次の手まで考えられているいい突撃だったよ。
さて路地裏。
ここに誘い込んだってことはそういうことだよね。
──────峰田くんが来る。
「ここならよォ……地の利はオイラにあるっ!!」
コミカルな体型のヒーロースーツを身に纏う峰田くんの、その両手両足が頭のもぎもぎと同じ紫色に染まっている。
幾野くんに聞いていた彼の必殺技だ。もぎもぎを変形させて両手両足に纏わせて、超高速の乱舞を繰り出す。
その名は───
「───跳峰田スクランブルッッ!!!」
──────ッ
速っや
目で追え る
ギリ
マジか 俺より
直線機動 否
俺の方が 点と点を結ぶような
こんなのと日頃から雄英は
投
なんだ 玉
いやアレは ネット状に
確か半径5m
5mって ヤバ
回避
右
狭すぎる
自由に飛べない
意地でも 避けて
ッ 誘われた 機動が変則的
しまっ
あっ
「────ッシャア!! 捕えた!!」
完全に
俺の背中、翼のあたりを峰田くんががっしりと掴んでいる。
───スピードキングの俺が負けた?
いや、この路地裏は狭くて俺が最高速を出すには……いや、それも言い訳になる。
もぎもぎネットのあの速度、範囲……アレを連打されたらこの空間で俺になすすべはない。
…………思えば。
速度で俺が負けるのはこれが初めてか。
ああ。
ああ、こんなにも───ハラワタが煮えくり返るほどに悔しいなんて。
「ッ!!」
「んのっ!? おわぁぁぁ!?」
舐めてた、わけではない。
幾野くんが言っていた通り、速いんだろうと。彼があれ程評価してるのだからそりゃ速いだろうと思っていた。
もちろん、総合力ではまだ俺の方が上だろう。峰田くんと違って俺の速度は場所を選ばない。開けた空間なら圧勝。ここまで狭い路地裏だから負けたというのは事実としてある。
けど、そもそもスピード勝負で負けるってことが、どうやら俺は許せなかったらしい。
俺の知らない一面を知れたよ。それだけでもこのチームアップミッションをやった甲斐があった。
……ああ、笑わないと。
本気出してませんよアピールして、ヴィラン連合に油断させないと。
思わず本気で羽根から振り落としたなんて、おくびにも出さないようにしないとね。
「…………残念、翼はハズレ判定。惜しかったね峰田くん」
「ちっくしょォォォ!! ズルいぞホークスぅぅぅ!!!」
「ダークシャドウ、受け止めてやれ」
「アイヨー」
「いい勝負だったけど……でももぎもぎネットなら! もう一回行こう峰田くん!」
羽根から振り払われて自由落下してた峰田くんだが、常闇くんのダークシャドウがちゃんと受け止めた。
もっとも彼自身、自分の手の変形させたもぎもぎをさらに変形させてロープのように変化させようとしてたからそれを壁に着けてリカバリーはできたんだろうけどね。
ってかあの伸縮性と粘着性のある素材でロープにも出来るわけ? マジでヤバいなこの子。
「あ、いや俺の負けでいいよ。ってか実際翼掴まれたわけだしね。3人ともこれ以上マジで来ると加減利かなさそうだしさ」
「勝ち逃げズルいっすよォォォ!? また閉所に誘い込めば今度こそオイラが勝ったのにィ!!」
「ハハ、またの機会にしよっか。3人ともいい動きだったよマジで。もう少ししたら俺も抜かれちゃうかなー」
「エンデヴァーよりも速く飛べるのに、謙遜ですよホークス。高みを見せてもらいました」
「まだまだ学ぶことは多く。しかしいずれは頂へ。今後もご指導ご鞭撻をよろしく頼む、ホークス」
「ん! 最近忙しくしてて悪いけど、いつかしっかりとね。常闇くん」
これ以上は追いかけっこしても意味がない。3人の実力は見せてもらったし、次また閉所で峰田くんとやったら正直勝てるかどうかわからないし。
なので両手をひらひらと挙げて降参の意を示す。峰田くんは不完全燃焼だったみたいだけど、二人は納得してくれた。
まぁ、本気でスピード勝負するのは全部がまるっと解決してからにしようか。
その時までに俺もマジで鍛え直しておくからさ。次は負けないよ峰田くん。
「じゃ、今度こそ俺の家に行こうか。こっちだよ」
「はい!」
「せめてモテる秘訣を教えてもらわねぇとなァ!」
「欲にまみれし男……」
その後は3人を引き連れて、俺の部屋へ。
まぁなんてことない部屋だったので、緑谷くんなんかはストイックなヒーローだと思ったことだろうね。
お茶を入れて学校生活の事なんて聞いて楽しませてもらってから、改めてチームアップは解散となった。
ま、こっちは本当の俺の部屋じゃない。公安から支給された仮の宿。
本当に落ち着く時間は、俺が選んだ俺の家で。
3人と分かれてから、誰にも見られないようにそっちに移動して。
(……やっぱり、自分で選んだ家が一番落ち着くよね)
常に盗聴されている生活でも、ここにいる時だけは落ち着ける、俺だけの空間。
いつかここで、心の底からのんびりコーヒーが飲めるように。
いましばらく闇に潜る決意を固めて、苦いコーヒーで喉を潤した。