【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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141 そうか……わかったぞ……完璧で究極のゲッターとは!!

 

【side 拳藤】

 

 今回のチームアップミッションはB組の3人、私と希乃子とポニーでの参加。

 現場はなんとアイドルイベント会場。複数のアイドルグループがライブやったりファンサービスやったりするところで仕事なんだってさ。

 

「すごい熱気だな」

「アイドルとファンがいっぱいメニーいまぁす!」

「ノコ~!」

 

 華やかなライブ会場と、それに声援を送るファンたちの熱気がすごい。

 私達のうち、特に希乃子が嬉しそうだ。アイドルヒーロー目指してるもんね。

 さて、そんな会場に今日私達を呼んだヒーローは誰なのか。呼び出しの手紙にはヒーロー名が書いてなかったんだよね。

 指定された待機場所で待っていると……そのヒーローは時間通りにやって来た。

 

「───おう! 今回のチームアップは雄英のヒヨッ子どもだな!?」

「あなたは……ミルコ!!」

 

 珍しい、私服のミルコだ。肌の色と耳で分かったけど、本人も変装を意識してるのか普段ほど目立った外見はしていない。

 トップスはぴっちりした黒のスポーツタイツ、下もぴっちりさせたジーンズという攻めたファッションだ。

 すっげぇ。身体に自信がないとあの格好はできないよ。

 幾野とズイッターで勝負してたスタイル勝負で僅差で勝っただけあるわ。私もミルコに投票したけど。

 

「公安の依頼で私も呼ばれた側だが……お前らに合わせるつもりないからな。尻尾引っ張るなよ!」

「もちろん! 食らいつきますよ!」

「ハッ! その意気だ! んじゃミッションの説明する。最近アイドルが活動休止する事件が相次いでるんだが、聞いたことはあるか?」

「知ってるノコ! 他のイベント中で、アイドル同士が普段は絶対言わないようなこと言ってケンカして大炎上したノコ」

「Oh! 恐ろしい事件デス」

「個性使ってアイドルの人気を落とそうとしてる奴がいる。そのヴィランを調査するミッションだ」

 

 ミルコの説明を聞けば……最近アイドルが明らかにあり得ない発言して炎上して休止するっていう事件が起きてるらしくて。

 事件後にアイドルに聞けばそんなことを言うつもりもなかったということで、個性による犯罪であることが疑われる。

 で、今回のアイドルイベントでもそのヴィランが出てくる可能性が十分あるってことで、警護兼調査、って感じなわけね。

 OK了解。索敵力が求められる感じか。

 

 ふと、その作戦内容を聞いてA組のバカの顔が頭に浮かぶ。

 アイツがいたらダイブセンサー連動のウォールハックで一瞬でケリがつきそうだけどね。ま……アイツにばっかり雄英みんなが頼り切りってのは全く持って健全じゃない。

 私らだけでもしっかりヒーロー活動やり切らないとね。大切なのはプルスウルトラ。

 

「そんじゃ早速ミッション開始だ。ヴィランが出たら蹴っ飛ばせ!!」

「はい!!」

「YES!!」

「ノコ!!」

 

 そして私たちのミッションが始まって──────私たちはアイドル衣装に着替えさせられた。

 なんで。

 

「もしかして……今回はアイドルとして潜入するノコ!?」

「そーゆーこった。ヒーローとしてこの場にいたらイベントの雰囲気を壊すかもしれない。この場はアイドルでいた方がいい」

「なる、ほど……!」

「Oh。ケンドー、笑い堪えてマス」

「多分年末番組見てたノコ。ミルコの衣装がJK服に覆面被っただけだから……」

「ハハハ! 学生時代のヒーロースーツが元ネタなんだよあん時のJK服。今の私はミルコじゃねぇ、タイガーバニーだ!!」

 

 説明を聞けばアイドルとして周りから浮かないように潜入するということで。私達もミルコも目立つヒーロースーツではなくそれぞれアイドル衣装に着替えたという話だ。

 でもなぁ。ミルコのそれが女子高生の服に覆面被っただけのそれなんだよ。

 年末の笑ってはいけないじゃ覆面つけてなかったけどアレ思い出して思わず笑っちゃった。ごめんなさいミルコ。

 

 さて、いつまでも腹筋にダメージを与えてはいられない。

 アイドルとして扮装するならアイドルらしくしないとね。

 

「つっても私歌ったり踊ったりってのはできないしなぁ。ミスコンでも演武だったし……そんじゃ私は正拳突きアイドルと行きますか!」

「お、いいぞ。やるか? 寸止め組手だ!」

「お願いします!! 一手ご指導を!」

「オー! これがアイドル活動というものデスね!!」

「違う気がするノコ……」

 

 とりま私はミルコと組手することで殴って蹴れるアイドルとして目立つことにした。

 ミルコもノリノリだったしむしろ暴走させないためにはアリだったんじゃない? ミルコも楽しそうだしさ!

 

 ポニーは天然の母国語を零し、帰国子女推しで愛され系アイドルとして注目されてるようだ。得意分野活かしてるね。

 希乃子も即席でアイドル衣装にリボンやカチューシャ、キノコのヘアクリップなどをつけて目立ちだした。その可愛さでちゃんとファンもついたようで、私達のアイドル溶け込み作戦はひとまず成功。

 この調子で会場内を回ってパトロール。しっかりヴィランを見つけてやろうね。

 

 


 

 

 事件はパトロールを始めてしばらくして起きた。

 

『ご来場の皆さまにお知らせです。今日のメインイベントがまもなくメインステージで開催されます。観覧チケットをお持ちの方はステージ前にお集まりください……』

 

 ん。会場内にアナウンス。

 そういえばヒーロー活動するってことでこの会場でいつにどんなイベントやってるかは調べて来たけど、メインイベントはネット限定でチケット配ってたようで何やるかは知らなかったんだよね。

 ヴィランがそこを狙ってくることもあり得る。私たちはメインステージの外周、チケットなしでも立ち見で見られるところに集まったんだけど。

 

「人が多い!」

「すごい人気デス!」

「何が起きるノコ?」

「フン……ヴィランの隠れ蓑にはうってつけか。注意してろよ、周りを見ておけ」

 

 めっちゃ人が集まってて。さっすが、メインイベントと銘打つだけあるわ。

 ヴィランが動くならこの瞬間の可能性大。さて、何が起きるのか……

 

『今日のメインステージ、各アイドルグループのリーダーがそれぞれ集いコラボダンスを披露!! そしてさらにゲストとして────イグジストがきてくれていますっ!!!』

「「「ワァァァァァァーーーーー!!!」」」

 

 わぁぁぁぁぁー。(白目)

 何やってんだよ幾野ぉ!? アンタいっつもホントにさぁ!?

 

「Oh! イクノサン、いつの間にアイドルになったのデスか!?」

「あいつほんと仕事を選ばないノコ。私より先にアイドルになってやがるノコ」

「……」(ソワッ)

「待ってミルコ負けん気発動してステージに飛び入り参加しようとしないでくださいダメですからね」

 

 ステージに現れる各アイドルグループのリーダーと、最後に出てきたのは赤い長髪を靡かせる幾野。

 どうやらアイドルグループのゲストとして呼ばれたようで、衣装もフリル多めのガチアイドル衣装。ヒーロースーツは着てないからダイブセンサーは使えないか。

 マジで何やってんだアイツ。いやまぁ呼べばそりゃ話題にはなるし人は集まるだろうけど。今日の盛況はコイツのせいかよ。

 

「ゲストとして呼んでいただきました、センシティブアイドル『イグジスト』でーす!! 男だけど……それでもいいかなー!?」

「「「いいともーーーーーー!!!」」」

 

 めっちゃ舞台慣れしてんなぁ。コールもいつの間にか作られてるし。マジで何やってんだアイツ。

 周りのアイドルたちもちょっと悔しそうにしてんじゃん。まぁ残酷な話だけどアイツに顔とケツで勝つのはめっちゃ難しいからね。化粧も乗ってるし今日の幾野はガチ女装。ドンマイ。

 歌って踊ってもアイツ死ぬほど上手だからなぁ。前の文化祭で踊ったダンスは動画にされてラーカーズのチャンネルで公開されてるから色んな意味で世間の脳は焼かれている。

 アイツを捕まえた方が世の中の為になるんじゃないか……?(錯乱)

 

 さて、しかしそこで本当の事件が起きた。

 

『では続けて、右から順番に自己紹介をどうぞ!』

「ハーイ、隣のイグジストが私より綺麗でぶっちゃけキレそうでーす☆」

「すごい腹割ってきますね!?」

「イグジストのヒモになって楽な主婦生活したーい☆」

「すみません彼女募集はしてなくてぇ!」

「男に欲情するファンの為に踊る必要あるかなーって思ってまーす☆」

「LGBTQに配慮のある社会を実現したいんスよね結構真摯に!!」

 

 明らかに壇上に上がった他のアイドルの発言がおかしい。

 ……いや幾野がめっちゃ頑張って場を回そうとしてるからファンは荒れてないけど! ギャグかな? って顔で見てるけど!!

 でも流石にアイドルが壇上で言っていい発言じゃない……いやギリあるか……? いややっぱない!

 これは例の事件だ。多分。恐らく。幾野のせいでノイズが多すぎるんだよくっそ!!

 

「流石にファンもあそこまで言うとざわついてきたノコね」

「騒ぎになりかけてマス!」

「匂うな……ヴィランの仕業だ。周辺警戒!」

「了解!」

 

 私たちは気を引き締めて周囲の警戒に入る。

 けど、事態はすぐに動いた。今回のヴィランはどうやらマヌケだったようで。

 

「うおおおおーーー!!! 俺は『リアリスト』!! 偶像になどうつつを抜かしてないで現実を見ろぉぉぉ!!!」

「男のアイドルなんて許せねぇぇぇぇ!!!」

「未だに俺は男だと信じてないからなイグジストぉぉぉぉ!!!」

 

 急遽あたりが騒がしくなり、見れば黒いフードを被ったヴィランが3人、騒ぎながら走り出す。

 どうやら触れることで個性を発動し、その人の本音を、思ってることを声に出させる個性のようだ。

 あとなんか幾野に脳破壊された腹いせも混ざってる。幾野お前責任とれよお前。

 その後も何だか事情を叫んでたが、結局は応援してたアイドルに相手にされなかった腹いせにアイドルに嫌がらせしてるらしい。関係ない人まで巻き込むんじゃないよバカな奴ら!

 

 でもまぁマジでバカだなコイツら。

 ここには私達と、ミルコと……ついでに幾野がいるんだぞ。

 

「ッシャア!! 踵半月輪(ルナアーク)ッ!!」

 

 まずミルコが一瞬でファンの頭を超えて跳躍。かかと落として一人捕えた。

 

「ノコ! 胞子を肺に送って足止めするノコ!!」

(ホーン)(ホウ)!! 悪い人逃がさない! (ホーン)プリズン!」

「ナイス足止め!! 『大拳』っ!!」

 

 私たちは慣れた連携で足止め、拘束、確保。もう一人を捕えた。

 そして最後の一人は。

 

「───勝手に期待して勝手に絶望するまではいいけどよ!! 周りにそれを押しつけんなっての!!」

 

 ヴィランの目の前に一瞬でワープしてきた幾野が、ひらりとフリフリスカートを翻して長い脚をブン回した後ろ廻し蹴りでアゴを打ち抜いてノックダウン。

 流石にアイドル衣装で首絞めはしなかったか。

 でも流石、魅せるね。そのヴィラン確保の動作でファンがさらに湧いてんじゃんか。

 

「フン! スーツ無しでもここまで動けるか……流石だなイグジスト!」

「ん、って……ミルコ!? ぶっは!!」

「ツボってんじゃん幾野」

「JK衣装ミルコとエンデヴァーが弱点になってマスね」

「可愛い衣装羨ましいノコ!」

「あれ、拳藤ちゃんに角取ちゃんに小森ちゃんも!? なんで!?」

 

 ヴィラン全員を私の大拳とポニーの角できっちり拘束したところで、私達の存在に気付いたらしい幾野が驚いた顔で見て来た。

 いやむしろこっちが驚きなんだけどね。アンタがここにいるとは思ってなかったし。アイドルとして来てるとも思ってなかったし!!

 まぁでもヴィラン確保はスムーズに済んで、メイン舞台も幾野のキャラのお陰で他のアイドルグループの風評もそこまで落ちることはなく、ギャグで済んで。

 私らは警察と連携してヒーローとしての仕事をしっかりやり遂げて、幾野はイグジストとしてメインステージに戻って行った。

 

 合間に見てたけどアイツのダンスがキレッキレすぎて他のアイドルより目立ってたよな。

 歌声もエロいし。アイツ呼んだ主催者マジで人選完璧かよ。

 

 


 

 

「なんか……面白いミッションだったね今回は」

「デス! ちゃんとヴィランも捕まえまシタし、イクノサンのダンスがカワイイよかったデス!」

「私も将来目指すアイドルヒーローとして初めてのファンが出来たノコ! ありのままの私でいいってミルコと幾野見て自信がついたノコ!」

 

 ミッションも終えて帰りの電車内で、スマホ片手に雑談する。

 あれだけ大きな会場で起きたヴィラン事件で、かつイグジストも絡んでる事件となればネットニュースにも大きく取り上げられており。

 その映像にはインタビューを受けるミルコや私たちの姿も写ってた。ちょっと私写真写り悪いな。後で幾野にコツ聞こう。

 アイドル衣装の幾野はまぁやっぱり相当目立ってたようで、イベントは大盛況で終わったって話だ。

 

 それにしてもアイツ、マジで自由だよなぁ。

 帰ったらどうせまた物間がこのニュース見て発症してるだろうな。

 しかたない。また彼氏の愚痴を聞いてやりますか。

 






次回から原作に戻ります。終わりの始まり。
シリアス多くなっちまいます。ご了承を。


区切りにもなったのでいつもの活動報告あげてます。
近況や今後のお話の見込みなども軽く触れてます。
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