【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!! 作:そとみち
治崎は出番カット。
【side レディ・ナガン】
私は少年の裸体を眺めていた。
「……割といいモンついてんな」
いや、別にそういう趣味があるってんじゃねェんだよ。
ただ私はAFOに与えられた任務を遂行するために、アイツから押し付けられた個性『ホークアイ』を使って敵を待っていただけなんだ。
脱獄の際にAFOから与えられた任務は
『緑谷出久を捕える事』。
そのために、私は情報を仕入れて潜伏していた。
どうにも2日くらい前から、ダツゴクの逮捕ニュースが飛び交うようになっていた。
逮捕された場所と時間を逆算すると、誰かが猛スピードで動きながらダツゴクの位置を捕捉しているようで……猟犬としての私の勘は
次に
で、ビンゴはビンゴだったわけ。
予想通り、ニュースに出てない謎のヒーロー、緑色のヒーロースーツを着た奴がビルの屋上でメシを食べてるのを見つけた。
私がもらった個性『ホークアイ』は、だいたい7キロ強の距離まで、まるで鷹が俯瞰するかのような視点で周囲を見渡すことができる。
それで発見した、屋上で飯を食べ終えたらしい少年。コイツを確実に狙撃できる位置に近づく。
『ホークアイ』のほかにもう一つAFOから貰った個性『エアウォーク』のお陰で移動はそんなに苦でもない。
悪くない個性のかみ合わせだよ。
空中を移動出来て、7キロ先まで視界が通る。
私の現役時代は狙撃距離は3キロって言われてたけど、ありゃ視線が通る距離の限界だっただけ。
7キロ先までバッチリ第三の目で見えてる私なら……この風雨の影響もあるとして、それでも5キロ以内に入れば間違いなく必中。
確実に狙える距離まで近づくために、雨の降る夜空を駆けた。
で、だよ。
それはもう間もなく確実に狙える距離だなって所まで移動したときに不意に来た。
「──────ッッ!?!?」
別に何かあったわけじゃない。
少年が動いたとか、大きな音がしたとか、そういうのじゃない。
ただ、私の狙撃手としての勘がガンガンと警告音を鳴らし始めたのさ。
根拠のないただの勘だが、私はその感覚に従うことにした。
狙撃を成功させるコツは己の勘を信じる事だ。
エアウォークを停止、もっとも高く狙いやすいビルの屋上に一度足を下ろす。んでもって改めてホークアイを発動。
右腕の銃を抜き放ち、少年の位置を改めて確認しようとしたところで冒頭の全裸に戻るってわけだ。
マジでデカ……じゃない。私の半分も生きてないガキに何考えてんだ私は。
「……………………まァ……服くらいは着せてやるか。AFOの前に連れてくのにマッパってのもな」
じっと見てればなんか泡立てはじめたから、この雨で体を洗っているのかね。
シャワーを浴びる暇もないくらいに働いてるってか。あんな年齢の少年が。
……まったく、ヒーロー社会の闇だ。
休ませてやれよ。あんな少年に偽りの希望を重ねて縋るようだから公安もヒーローもクソなんだ。
やっぱヒーロー社会は破滅するべきだ。私の様な存在をこれ以上生まないためにも。
さて、そうして狙撃の姿勢をとって少年が体を洗い終えて、スーツを着用し直すのを待った。
服を着直して……なんかキレてるみたいだけど、まぁこんな仕事押し付けられちゃキレるよな。
気持ちは分かるよ少年。私も同じような任務をいっぱいやったさ。同情はする。
でもこりゃ私にとっちゃ久しぶりの任務だ。手加減はしない。
「……連絡はさせない」
着替え終えた少年が携帯端末を取り出したところで、私は一呼吸。銃身に息吹を籠める。
この距離に合わせた銃弾を髪から生成し、弾込めして………FIRE。
狙いを定めた弾丸は狙い通り、まず携帯端末を貫くことに成功した。
身体を狙っても一撃で死ななけりゃ連絡される恐れもある。させねェよ。
「───緑色の……少年。着替えは済んだな? これから
銃弾に籠めたスピーカーから声が出力されるようにインカムに続けて呟く。
「大人しく従えば手足は残してやる。動くなよ」
念のための降伏勧告。
まァAFOを倒そうなんてトチ狂った少年だ。私の言葉に頷くはずもないんだけどな。
それでも一縷の望みを籠めて呟いたが……やっぱ駄目だった。
「ッ……気取られんのか、この距離で」
多少は銃弾の軌道が読まれないように曲射したんだが、それでも私の方を真っすぐ見てきやがった。
なんだ……そういう能力なのか? だがAFOがあれほど気に掛けるくらいだから破壊系の何かだとアタリをつけてたんだがな。
まぁでもやることは変わらない。
彼我の距離は5キロ強。
この距離を埋めるのに何分かかる? 私はその間に何発打てると思う?
一秒に一発は撃てる。さらに距離が万が一にも詰められれば狙いの制御も連射も利く。
仕留めるよ。逃がさねェ─────な。
「嘘だろッ……!!」
とんでもねぇスピードで真っすぐ一直線に突っ込んできやがった。
なんだあのスピードは。私がもらったエアウォークなんて笑いものじゃねぇか……マッハを超えてる。
5キロの距離なんて20秒とかからないだろう。
嘘だろ……どんなバケモノに狙われてんだよAFO!!
「くっ……だが真っすぐ突っ込んでくるのは悪手だガキ!」
このスピードでもし射線を切られながら近づかれれば万が一もあり得たが、しかし身を隠すことはなくビルの間を黒い紐みてぇなもんでワイヤーアクションして突っ込んでくる。
その動きはぎりぎり読める。ホークアイと私の勘を全力で使ってだが……狙える。当たる。
当たると直感した瞬間に
放てば必中。当たるという結果がその後には必ず生まれる。そういう撃ち方しか私は知らない。
終わりだ。まず腕を奪う。肩口からブッちぎれ─────
「────ハハっ……
その光景を見て、へらっと笑いが口から零れてしまった。
なんだ? 今私の銃口から放たれたのは私の髪弾だよな?
なんでそんな、銀玉鉄砲みたいに弾かれちまってるんだ?
こっちの弾丸が来るタイミングが読める……のか? いや、それだけじゃ説明がつかない。
余りにも弾の捕捉が
銃弾の速度に目が、反射が慣れている。
まるでそんな速度など普段から見ていると言わんばかりの自然な対処。
「……うっ、そ、だろ!! 私、がっ、いない、間、に! 何が、起きて、んっ、だよ!! クッ、ソ!!」
14連射。
髪を千切っては一瞬で狙いを定め、最早腕とは言わず胸、腹、下腹部と的のデカい部位を狙って連発する。
曲射も織り交ぜて、背後から、真横からと同時射撃で狙った少年は……しかし。
それすら全て弾き落とし、時には回避して、銃弾の雨の中を潜り抜けて来た。
……レベルが違いすぎる。
少年が私の元に真っすぐ突っ込んできた理由はこれなのだ。
極限まで高まった反射神経を用いれば、銃による攻撃はもはや敵ではなかったのだ。
私がマシンガンではなくスナイパーライフルを武器にして戦う限り、勝敗は明らかだった。
クッソ。ふざけんなAFO。
なんで私をコイツにけしかけた。
どうやっても勝てない。
お前もしかして、この少年の力を見誤ってるんじゃないだろうな。
まるで全盛期のオールマイト……いや、それ以上にも感じられるほどの絶対的な力。
「──ッ!!」
稲妻を纏う少年がもう目前に。
私はイタチの最後っ屁で、銃撃の瞬間を読ませないゼロ距離の銃口生成を行い近接戦闘に備えるが……無駄だった。
飛び込んできた少年から急に煙が放たれ、それに驚いた一瞬で─────
「80%……マンチェスターSMASH!!」
少年の蹴り脚が、私の右腕の銃身を砕いた。
「銃身を砕いた……!! 終わりです、レディ・ナガン!!」
私の砕けた右腕に、さらに黒い糸が巻き付いて離脱を許さない。
負けた。スナイパーに絶対有利の条件からの戦いで、盤面からひっくり返された。
最後、近距離戦を仕掛けるためにエアウォークで空を飛ぼうとしていた私の体は、腕が折れた衝撃で個性が解けて地上へと落下して────
「……レディ・ナガン。あなたほどの元公安直属のヒーローが、なんで……!!」
「…………」
行く、前に。
黒い鞭が私の体を包み、落下から救われた。
……本当に、甘い。これが今のヒーローか。
「……甘い。私に聞くべき情報はそこじゃねェだろ。AFOの情報なんじゃねェのか」
「勿論、それも聞きたい……けど!! 元ヒーローだった貴方がなんでAFOについたのか……どうしても気になるんです!!」
「何でだ……」
「
「っ」
「最初のスピーカーの貴方の言葉……僕が着替えてる時から位置を捕捉してたはずです! 全裸見られたの恥ずかしいんで謝ってください!!」
「そこなんだ?」
「冗談です!!」
「冗談かよ」
「
「…………なんだよ。激甘じゃねェかよ今どきのヒーローは……」
でも、そんな言葉を述べる少年の、目が。
私の瞳を見るその目が、闇に呑まれずに光を宿しているのを私は見ちまって。
……私がいつか失くしちまった光。それを、コイツはもっていて。
「……疲れちまったのさ─────」
私はいつの間にか、口から私の過去を零しちまっていた。
【side 緑谷】
捕えたレディ・ナガンの口から、彼女の悲しく悍ましい闇に埋もれた過去を聞いてしまった。
夢を見た少女が闇に堕ちるには十分すぎるその内容に、僕も思う所は大いにある。
この世界は、白と黒だけじゃない。
世界のほとんどはグレーで、不安や怒りが渦巻いている。今の社会がそれを表している。
「……だからこそ。
「………ハリボテ教育の賜物だ。綺麗ごとで……私が、吐き気を催すものだ」
「それでも。今の話を聞いて確信した……闇を知っているあなたなら、これから照らすべき方向も分かるはずだ。
レディ・ナガンの話には矛盾がある。
本当にヒーロー社会を憎んでいるならば、さっき話した通り……僕を仕留める最適な手段が、タイミングが合った。
僕が着替え終わるまで待ってくれるような情けを……優しさを捨てきれていないこの人は、まだヒーローのままなんだ。
「─────どんだけだよ、緑谷出久」
「ナガンさん……!!」
そして、僕の言葉に……ナガンさんは観念したような、柔らかい笑顔を浮かべてくれて。
僕の気持ちが伝わったことを確信させるような微笑みに、僕も笑顔を返そうとしたところで。
闇が、僕たちに襲い掛かる。
「ありがとな。久しぶりに
「ナガンさんっ!?」
黒鞭で救出し、屋上に着地していたところだった。彼女の体を僕はつかめていなかった。
いや、掴んでいてもきっと彼女は僕から逃げただろう。
それは僕に捕まりたくないから、じゃない。
僕を巻き込まないために逃げたんだ。
彼女の体からまるで、爆発する瞬間の爆弾のように光が生まれて。
彼女の顔から、口からそれが零れだして───
「────これ、アンタのもんじゃないよな?」
───唐突な爆発による爆炎に僕たちは包まれた。
そして、爆炎が晴れて────僕たちは。
僕たち
「………………は?」
レディ・ナガンが自分の体を見て驚いている。
それはそうだろう。僕も驚いている。
間違いなく爆発したんだ。たぶん……AFOがレディ・ナガンの体に忍ばせた爆弾か。
いや、爆弾を埋め込むなんてしたら外科手術で除去も考えられる。恐らくは個性、自爆する個性なのか爆発させる個性なのか……でも。
そんな時は、いつだって隣にいてくれる彼が。
「────ったくよぉ。こんなドスケベな刺客ならバッチコイだけどリョナは違うじゃん!! 爆発オチは使い古されてるっての!!」
「────幾野くん!!」
きっとなんとかしてくれるんだ。
【side 幾野】
いやーギリッギリだったよね!!
まぁまず俺は緑谷にナガンを任せてオールマイトの近くにワープ。
で、案の定ヴィランに襲われそうになってたんで速攻で迎撃したった。雨の日だからダイブワイヤーの電撃が良く通りました。
気絶させたから捕縛はオールマイトに任せた。
「幾野少年……!! 通信が途切れたぞ!?」
「レディ・ナガンが来ました! AFOの刺客で間違いない!! 緑谷が迎撃に向かってます!! この周辺もうヴィランもいねぇんでオールマイトはここ……この位置にエンデヴァーかホークス呼んで!! 並みのヒーローじゃ狙われて対処できない!!」
「ム!! 分かった!! キミは……」
「当然、緑谷の援護に行く!!」
オールマイトの無事を確保し、増援のお願いをしてから俺は再び緑谷に向けてワープを発動。
すると、緑谷のすぐ後ろにワープできたのだが……一瞬で距離を離された。全速力でブッ飛んでってる最中だったのだ。見ればレディ・ナガンはすぐ近くで。
コイツ、真っすぐに突っ込んでやがったな。無茶ばっかりしやがる。
だが……不意をつかれない弾丸であれば、今の俺たちなら目で追える。
なんてったって俺らは毎日、マッハを超える速度の委員長やらブドウ頭やら相手にしてるんだからな。
A組およびB組の反射神経は日々鍛えられている。フルカウルで反射神経も高まる緑谷、オーバーフロウで限界軽く超えていく爆豪ちゃん、あと反射神経の限界を無視する俺なんかが筆頭で。
なんでまぁ、素の状態で誰かかばいながら弾丸避けられるミリオ兄さんほどではないけれど、俺ら全員銃弾を見切るくらいはできるのだ。
さらに今は緑谷はフルカウル60%。黒鞭も使ってぶっ飛ぶ中で、自分に向けてしか飛んでこない弾丸を危機感知でタイミング測れる状態ならばはじくのは難しい事ではなかったのだろう。
レディ・ナガンの接敵まであと数瞬。流石にこれは俺の出る幕はないかな。
で、緑谷が見事にレディ・ナガンに接敵し、右腕の銃を砕いたうえで黒鞭で捕縛した。
黒鞭でぎゅって縛られてレディ・ナガンのおっぱいが強調されてる!!!
とはちょっと思いましたが。
しかし俺もこれでおしまい! 敵のドスケベ年増お姉さんゲット!! とはできない。
なにせAFOのクソ野郎が派遣したヴィランだ。最後まで油断はできない……緑谷が言葉をかけているが、俺はその間に感づかれないように注目の無視を広げながらナガンに近づきつつ……その体をウォールハックで精査。
するとナガンの体内……嫌なものを見つけたのだ。
これまでも話していた通り、俺の『無視』は限界を超えている。
前にはできなかった体内の精査も出来るようになり……そして、個性細胞の熱量もある程度は見えるようになってきた。
OFAを継承してる緑谷とか見てるとちゃんと7~8個の熱量というか、光が見えるしな。どんな個性かまでは分からないけど、その個性細胞の在り方でヤバそうかどうかってのは見えるようになってた。
で、ナガンの体内よ。
元から持ってた右腕の個性の他、目と脚と……そして胸元に何か一つ無理矢理埋め込まれたような感じの光があり。
そのうち、胸にある個性細胞が急に熱量を高めたのだ。
自爆。
それを察した俺は咄嗟に目の前のレディ・ナガンに向けてワープを発動。体内に潜り込んだ。
ナガンの体内に潜り込んだということは一つになったという事だ。
そしてナガンの体にあるモノのうち……自分の個性である『ライフル』以外は全部AFOから付与された個性だろう。
つまり元々あんたのモノではない。
ってことは、
俺はもはや個性の限界は超えている。
そんな屁理屈をつけて自爆する個性を俺のモノとして認識。爆発の瞬間に、『爆発』に全ての物理的衝撃を『無視させた』。
盛大に爆発したように見えるけど爆発元のナガンも近くにいた緑谷も全くのノーダメージである。
いやーギリギリだったよね!!(二回目)
「今の爆発ッ……って、無事かい緑谷くん!? 先輩も!!」
「ホークス!! 来てくれたんですね!!」
「遅いっすよエンデヴァー!!」
「遅れてスマン!! 雨は苦手でな!! 状況を!! ナガンのほかに敵はいないかイグジスト!!」
「問題ないっす!! 周囲にダツゴクは隠れてない……ヴィランも! ナガンは無傷で確保!! 緑谷が説得したんで味方になりました!!」
「ハイ!! ナガンさんはまだヒーローです!!」
「なに、が……」
で、そこでホークスとエンデヴァーが合流。
勢いでナガンにトドメ刺されちゃ困っちまうんで俺と緑谷で勢い任せに味方扱いする。
緑谷にナガンが話してた内容は俺も聞いていた。公安の闇……それに耐えきれなかった女の、悲しい殺人。
俺が殺人を肯定することは一生ない。断言できる。
だからナガンも、その罪を償わなければならない。
……だが、罪を償う方法が刑務所に収監されることだけだ、とは言わない。
この人は加害者だが……被害者でもあると。俺はそう受け取った。
そして、AFOに唆されて緑谷を狙ったが……緑谷がユーモアあふれさせて述べた通り、この人にはまだ優しさが残っていた。
緑谷を、子供を殺したくないと思う心が残っていた。
ならば俺も緑谷の説得に水は差さないさ。
少なくともこの社会が平和になるまでは、俺達の手伝いをすることが彼女にとっての償いになるだろう。
俺はそれを認める。おっぱいだし。おっぱい。
ってか……話聞いてたけどナガンが殺人を犯した時ってかなり心神喪失に近い状態だったのでは?
刑事責任能力とかそのへんちゃんと調べた? もしもし公安?? やっぱクソ組織か???
「ナガンさん、俺はホークス。貴方の後釜っす! まったく、AFOなんかに唆されよってから!」
「後釜……? ってか、今私、爆発して……」
「時代が変わったんすよ先輩。若い力が今もの凄いんです。そんくらいならなんとかしちゃえる新しいヒーローたちの時代はもう始まってる……だからこそ、貴方もその力になってやってください。AFOなんかに利用されて終わっちゃ駄目でしょ、ヒーロー、レディ・ナガン」
「お前……公安の後釜、ホークス……お前も沢山、ろくでもない事やらされて来ただろう?」
「ええ、まぁ」
「……なのになんでそんな……キラキラした目でいられるんだ。社会が混沌に飲まれようとするこの時に、なんで……お前たちは……そんな顔でいられるんだ?」
「───支えてくれる人がいて、支えなきゃならない後輩たちがいるんス。俺、楽観的なんで……この子達ならきっとやってくれるって。信じてるんですよ」
「……そっか。お前たちは……まぶしいな。まるで星の瞬きみたいだ。そうか、今は光を信じてもいいんだな」
「ふふん。誰よりも輝くイグジストがここにいますからね!! レディ・ナガンもおっぱい揉ませてくれれば緑谷狙ったことは許しますよ!! 俺寛容なんで!!」
「キミの性欲に限度はないの幾野くん」
「急に何言ってんだコイツ……」
「イグジストォォォ!! そういうのは冬……いや!! 今はそんな話をしている場合ではないだろう!! ナガンを確保し、AFOの情報が取れるならば話は早い!! AFOは今どこにいる!! ヤツは何を狙っているんだ!! 全て吐け!!」
「言い方ァ!! そういうとこっすよマジでエンデヴァー!! 女性には優しくすんの!! そんなだから一回家庭崩壊してんすよ!!」
「ホントに胸にグサッとくるから言うなイグジストォォォォ!!!」
「はは。イグジストくんがいるといつもこうだよ」
「慣れましたよ。A組ですから僕」
「なんなんだお前ら……? いや、AFOから聞いた話は言うけどよ……」
ホークスがナガンの後輩ってことでヒーロー社会に対する希望を話して、ナガンもそのホークスの瞳を見て観念したのか、呆れ交じりのため息を零して……ようやく、ふっと柔らかい微笑みを見せてくれた。
堕ちたな(確信)。
んでいつもの茶化しが零れだして緑谷が突っ込んで、エンデヴァーがマジで女性に対する言葉遣いじゃなかったので釘ブッ刺したらダメージ甚大だったらしく膝が笑ってた。ウケる。
雨も……いつの間にか止んでいた。
俺たちの旅はようやく前進だ。ナガンがケガも小さい状態で味方に出来た。右腕の銃だけは緑谷がブッ壊しちまってるが……個性由来ならリカバリーガールで治るはず。強力な戦力ゲットだぜ。
ホークスと一緒に動いてもらえば更なるダツゴクの捕獲が進みそう。この人物凄い速度で捉えまくってるからな。そこに視界広げられるスナイパーがいればさらに仕事が早くなりそう。
「私がAFOから聞いた指令……二カ月以内に灰堀の森林にある洋館にターゲットを連れてくること、だ。私のほかに声をかけられていた人間が数人いた。第二第三の刺客はいるとは思うが……」
「……どースかね。もしかするとこれまでに俺が知らず知らずのうちに捕捉して捕まえてるかも。周囲5キロ以内に入られたら俺が見つけてますし」
「可能性あるね。でも……その洋館に何かあるかもしれない。まずはそこの調査かな。頼んだよ幾野くん」
「慎重に行くぞ、初めて掴んだAFOの手がかりだ。ナガンがこうして襲撃を仕掛けてきているということは、まだ向こうはイグジストがそばにいると認識していない可能性が高い」
「この一回で情報ブッコ抜きたいっすね。頼んだよイグジストくん。罠の可能性もある」
「モチっす。何があっても全部情報抜きますよ。欠片も零さねぇぞクソAFOがよ」
「頼もしいよ幾野くん」
そしてナガンが零したAFOの情報……洋館に緑谷を連れてこいという命令。
そこにAFOがいるのか……いや、いなくても何かしら情報は抜けると信じたい。これでスカったらブッ殺すからなAFO。早く平和を取り戻すんだから俺たちは。
「……なぁ。スマンが一つ聞いていいか?」
だがそこでナガンが首をかしげて俺らに問いかけて来た。
なんでしょ。
「ム。なんだナガン」
「……いや。アンタはエンデヴァー。ナンバー2……いや、今はナンバーワンか?」
「フン。オールマイトが不在の、だがな」
「で……そっちがホークス。私の後釜、公安の後輩」
「ええ。一応ビルボードチャートはナンバー2です」
「……おまえは緑谷出久。AFOに狙われてる緑色の少年」
「ハイ。その辺りの事情は後でご説明します」
「────で。