【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!! 作:そとみち
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長い作品を大変ご愛顧頂きまして真に感謝です。
翌日、朝5時の少し前。
「ァ゛…………ァ゛ァ゛…………」
「ゾンビが来た」
絞られすぎてまるでゾンビの様な様相で百ちゃんの部屋から降りてきたのが俺です。
いやぁ……5回は三途の川を渡りかけましたね……。
ヤバかった。どんなに「らめ゛っ♥ も゛ぉ゛む゛りっ♥ じぬ゛っ♥」って言っても止まらないんだもん3人とも。
最後のほうは都市伝説の赤玉が出るかと思ったもん。
生きててよかった。
どうやらいつの間にか気絶してたようで、でもいつも通り朝の5時に目が覚めた。
久しぶりに寮に戻って来たんだ。この時間は俺と峰田の神聖な時間である。寝過ごすわけにはいかないんですわ。
共用スペースに降りれば、やっぱりそこには俺の親友がいて。絞られた俺の顔を見て苦笑を零してくれていた。
「水分補給して顔洗って来いよ。待ってっから」
「うい」
ゾンビ顔をいつもの顔に戻して、俺は一度洗面所に向かい、顔を洗い共用大型冷蔵庫から常備されてる牛乳をいただく。
……が、よく見れば牛乳の賞味期限がギリギリになっとる。寮長である俺がいつも気にしてたところだな。4日も空けちまったらこうなるか。賞味期限切れそうになったら牛乳プリンにしてみんなに食わせてたんだけどな。
まぁいいや全部のんじゃお。ごくごく。ぷは。うまし。
さて、そうして肌艶もいつもの俺に戻り、共用スペースに戻ってくると……そこには、なんと。
「お、やっぱ起きてたか幾野」
「グッドモーニング幾野くん☆」
「おはよう幾野くん。生きててよかったね……」っっっ ←汗の表現
「おはよーセンちゃん! もー、私も起こしてよね!」
「目覚ましよりも早く起きられるのですねセンさんは! 私も洗面台をお借りしてよろしいでしょうか!」
「大丈夫ですよ、わたくしのタオルをお使いください明さん」
「ウチも顔洗ってこよ……流石にこの時間はちょっと眠いわ」
「俺も。少し待っててくれな幾野」
「─────え? みんな……?」
いつの間にか共用スペースに、A組のみんなと明ちゃんが集まっていて。
え、あれ? まだ5時だよな? みんなどしたん?
「びっくりした顔だなイクノ」
「峰田……え、なんで?」
「オイラが昨日提案した。たまにはみんなで走らねーかってよ」
楽しそうな峰田に聞けば、俺に秘密でみんなを誘ってたらしい。
自由参加でいいって話にしたんだけど、爆豪ちゃんも含む全員がそれに了承し、5時に集まってきてくれたと。明ちゃんは透ちゃんと百ちゃんが誘ったとか。
「幾野くん、おはよう。……なんか、また申し訳なくなっちゃうね」
「緑谷。お前…………なんか痩せこけてね??」
「言わないで」
緑谷も起き出してきたけどなんかコイツだけさっきの俺みたいになんか……搾り取られてた。
……そうか。セカンド童貞を奪われたのか緑谷。見れば確かに麗日ちゃんがなんか内股気味だし。
あのデクマグナム*1を受け止めたのか麗日ちゃん。大人の階段上っちまったか。
そうして俺たちA組で、一斉に寮を飛び出してランニングが始まった。
でもそれは、今までのように俺と峰田が全力疾走で駆け抜けるようなそれではなくて。
「うおっしゃー!! 幾野には負けねぇぞ!!」
「ハッ!! 俺が最速だゴラァ!!」
「ん。っしゃ、負けてたまるか────」
「止まれや」
「ぐえっし!!」
「ガッハ!」
「んぶっふ!! 峰田お前もぎもぎロープはズルいだろうよぉ!」
「今日はいいんだよ、全力で走らなくても。みんなでペース合わせていこうぜ……麗日と芦戸がツラそうだしよ」
「セクハラ!! 峰田くんセクハラなんよそれ!!」
「いやでも実際ちょっとペース落としてくれると助かるわ。キツい」
「悪ぃな三奈……その、無理すんじゃねぇぞ」
「あ、お茶子さんも……うん……背負おうか?」
「だいじょぶ」
「へーき」
「いつからA組はこんなに赤裸々なクラスになってしまったのだ……!」
「幾野が入学してからじゃねーかな」
「初日から詰んでるじゃねぇか」
「いやでも幾野本人が脱いだり性癖茶化したりの時はまだマシだったと思うぜ?」
「……つまり葉隠か」
「んなー!? なんだー! 私はセンちゃんを愛しただけぞよー!?」
「愛が深いし広いし明け透けすぎたんだよ」
「オープンすぎて他の女子も絶対影響受けてるよね……」っっっ ←汗の表現
「禁断の花園……」
「まぁ……わたくしと明さんは間違いなく影響を受けておりますわね」
「ですね!! まぁ私はサポート科ですが!!」
「ケロ。まぁ……羨ましいと思ったことは否定しないわ。私もそれで踏み込んだわけだし」
「ウチもかな……」
「なんだなんだー! いいじゃんジョシコーセーなんだから恋したってー! ねぇセンちゃん?」
「完全に同意。人は愛を知ることで強くなるところあると思う」
「否定できねぇのが辛い所だよな」
「実際葉隠も八百万も幾野と関係を持ってから凄まじい活躍だからな……」
「───お!! やっぱこの時間だった! おはよーA組!! 幾野も緑谷も元気そうでよかった!!」
「え!? 取陰ちゃん!? B組のみんなも!?」
「オッス!! おはよう!!」
「峰田にこの時間に走るって聞いてたからな。B組も時間合わせてランニングだよ」
「やぁいい朝だねェ幾野くぅん!! 戻ってきて早々元気そうで何よりだよ!! どうせ昨日は蜜月を過ごしたんだろうさ……つまり今なら君にダッシュで勝てるという事だねェ!?」
「やめなさい」
「ンッフ!!」
「すげぇ……意識を失ったのに走ってるぞ物間の体」
「器用な気絶のさせ方してんな」
「ん」
「みんなでランニングなんて初めてデス! 朝の空気が気持ちイイデスね!!」
「低血圧なんでちょっとウラメシいよ私」
「無理はすんなよ柳」
「……ってか、なんで発目までいるんだ?」
「フフフフフそれを聞きますか心操くん!! 私は昨日の夜にセンさ」
「もう何も言わなくていいよ」
「そう言わず聞いてくださッ──────」
「洗脳が入った」
「いつもと同じアホ笑顔だからあんまり違和感ないな発目の場合」
「俺の女の素敵な笑顔がアホっつったか今……?」
「めんどくせぇ奴が突っ込んできたぞ!!」
「心操さん、いくら学友の猥談を防ぐためと言えども洗脳をうかつに使ってはいけません……それに洗脳するなら私にかけ……ごほん!」
「ん、ごめん。咳が出てるけど塩崎さん、喉大丈夫? 季節の変わり目だから気を付けなよ、無理しないで」
「っ……! は、い……」
「罪深い」
「ここにもまたクソボケが一人」
「幾野と深くかかわるヤツはみんなクソボケになる運命なのか……?」
「男子たち相変らずバカやってんねー」
「ってかさ、せっかくだし緑谷も幾野もどんなふうに飛び回ってたか聞かせてくんね? 無茶したのは馬鹿野郎の一言なんだけどよ、どんな風だったんだ? ダツゴクの80%も捕まえたんだろ?」
「4日で7~8000人のダツゴク確保って相当だよな。どうやったんだお前ら? それもOFAの力なん?」
「ん……僕の力だけじゃ全然、その1割も捕まえられてなかったと思うよ。ダツゴクを捕捉したのは全部幾野くんだしさ」
「俺の無視が暴走してたせいでセンサーの範囲がクソ広がってさ。半径20キロ以内のダツゴクを顔認識でピックアップしてマーキングして、小物はチームアップしたヒーローに回して、大物は俺と緑谷で狩って……って感じだったかな」
「半径20キロってやべーノコ」
「ムム。私の索敵範囲の10倍以上ですぞ……」
「半径20キロを索敵できる奴なんて他にいるわけねーだろ! B組はあんま索敵特化いねぇしなー。宍田以外だと塩崎と取陰くらいか」
「私の茨ではせいぜい半径500m程度ですね……恐ろしい力。その大いなる力が己が身をも滅ぼしかねなかったのですね。救済の祝福があったことに感謝を」
「アタシも分離して目や耳飛ばしても1キロ先が限界かな。A組はその辺強いよねー、索敵三人衆いるし」
「まぁ……俺達も幾野に負けまいと随分と伸ばしたからな。俺の複製腕のフル稼働で5キロの音と視界といったところか」
「僕の動物使役は時間がかかるけど、鳩とか飛ばせば20キロは超えられるかな……センサーほど何でも捕捉はできないけど」
「ウチは今なら30キロまでの音拾える自信ある」
「マジかよ俺のセンサー距離超えてんのかよ。伸びすぎでしょ耳郎ちゃん……ん? ……まさか上鳴!?」
「フッ。何も言うな幾野……巡り巡ればお前のお陰でもあるんだからよ」
「自慢すんなバカァ!!」
「アビビビビ!!」
「仲いいなこいつら」
「30キロ……すごいや! 全盛期のオールマイトは東京にいながらに大阪の助けを呼ぶ声を聴いたって話だけど!」
「緑谷のオールマイトオタクな所も戻ってきたな」
「ってかオールマイトのそれは流石にガセだろー! 今の緑谷が80%でもそんな耳良くないのに」
「あ、でも頑張れば10キロ先の声とかは聞けるかも……」
「マジか」
「危機感知じゃなくて素の耳でそれか」
「ウチの立場無くなるからそれ以上耳進化させんな? ってかマジで聞いてた時のアンタらの移動速度速すぎてビビッたけどね。ギガントマキアの倍は速かったなー」
「ギガントマキアか……アイツは時速150キロは出てたよな。明らかに」
「懐かしいね。柔化で埋め込んでもなお暴れまわってたな……次はあれも埋めきるくらいに範囲を広げたいね」
「まぁギガントマキアは脱獄してなくて今も特別施設で眠らされっぱなしらしいけどな」
「そーなんか。まぁアイツはな……死柄木とAFOを捕まえるまでは眠っててもらった方がいいだろーな」
「巨大化の個性をなんとかしたいところですわね。二度と相対したくありません」
「……ってかちょい待ち。え、緑谷と幾野はなに、300キロ近い速度で飛び回ってたの……?」
「えっと、多分。僕は黒鞭と浮遊とOFAの力で、ビル街とかなら相当速度出せたから……」
「緑谷は所々マッハ超えてたな。俺はたまに速度で置いてかれたけどその分はワープで稼げたしね。緑谷の危機感知も使って事件とか解決しながら……4日で2万キロは飛び回ったんじゃないかな」
「────はっ!! 目が覚めましたよ!! だからあんなにベイビーたちがボロボロになっていたわけですね!! 納得しました一年ずっと使い続けたような摩耗だったので!! もちろん二人のベイビーはきっちり修復・改造済みですよ!!」
「ありがと……今改造って言った?」
「発目さん?? メリッサさんも何つけたか教えてくれる???」
「センさんのベイビーは活動履歴を見るとバッテリーの消耗を無視できているようだったので個性を通す限り半永久的に使える動力にしてその分ワイヤーの速度、センサーの演算力、ブースターの加速力を増強しました!! 緑谷くんのガントレットとアイアンソールは試算上では100%の力にも軽く耐えられるほど頑強にしておりましたねメリッサさんが!!」
「こいつらヤバい」
「でも……確かにA組のみんなと、っていうか葉隠さんと八百万さんから逃げる時には95%までは力が使えたから……もう少しコツを掴めば100%まで行けそうなんだ。有難いよ、後でメリッサさんにもお礼を言っておかないと!」
「……ケッ。したら今日は飯食ったら体育館いくぞデク。てめェの100%を相手に模擬戦すりゃ俺らの実力はさらに底上げされる。そもそも100%だろうがオールマイトじゃなくてデクが使うんじゃ宝の持ち腐れだ。俺が素で超えてやるわボケが」
「っ……うん、負けないよかっちゃん!!」
「待てよ、俺も混ぜろ緑谷。お前にブッ放した氷の新技もう一回確かめてェ」
「オイラもやるぜ。閉所での機動力じゃあ未だにオイラがナンバーワンよ」
「おやおやおやおやァ……A組だけで美味しい所を持っていこうとしないでほしいよねェ? 折角世界最強が学友なんだ。僕たちB組もお邪魔させてもらおうかなァ!」
「おー、いいぜ! 俺らも超常解放戦線で死線くぐって掴んだモン確かめねーといけねーしな!!」
「ったく、みんなズルいよな……俺は末端支部の方にチームアップ回されてたから大して成長も出来てねぇってのに」
「んなこと言ってっけどよ心操、お前すごかったらしいじゃねーか! ほぼ一人で支部にいた1万人潰したんだろ!?」
「誇張だよ。一度に洗脳できる人数は50人……それでヴィランの初動潰して同士討ちさせて、周りのヒーローと連携してようやくって感じでさ……まだまだだよ。塩崎さんにも相当助けてもらったしさ」
「いやお前ヤベーこと言ってっからな」
「叫ぶだけで50人を無力化するバケモノ」
「化物とは人聞きの悪い。心操さんのお声は悪を処断する祝詞のような物……私も微力ながらお力にならせていただきました」
「塩崎さんは一瞬で100人単位から蔓で掴んで千切っては投げてだったよ。多少の個性は蔓の質量で押し切れるんだから流石だね」
「っ……有難うございます」
「匂うな」
「匂うね」
「これでダツゴクはほぼ殲滅、残党はこれから探すとして……超常解放戦線も壊滅状態。脳無も通形先輩が潰してる……で、あと残りはヴィラン連合の幹部数人と死柄木とAFOか」
「いっちゃんやべー奴らが残っちまってるよな」
「その辺どうなるんだろうねー。先生からの指示はまだ貰ってないよね?」
「相澤先生もブラド先生も、緑谷と幾野が戻ってきてちょうどいいから一度アタシらは休めって言ってたよ」
「ウム。昨日に委員長が呼び出されて、今日は学生たちは全面的に体を休めろとのことだ……聞いているのかね模擬戦希望の諸君!!」
「ケッ。ガチでブチ殺しあうわけじゃねーんだ。ちったァ大目に見ろや委員長、コミュニケーションだろが」
「やるなとは言わん、万が一が無いように気を付けて僕も混ぜろという話だ!」
「飯田も混ざるんかい」
「結局またどうせ全員でやることになるだろうさ。リカバリーガールには連絡を入れておこうな」
「僕もまた個性をお借りしておこうか。随分と治癒の使い方にも慣れてきたところだ」
「エリちゃんも呼ぶか? 訓練見るの好きだもんな」
「いいね、んじゃ朝飯食ったら9時に体育館γ集合な!!」
「おっけー。そーいや今日の朝食何だっけ?」
「A組はランチラッシュ先生のC朝食と手作りクラムチャウダー!」
「B組はアメリカンモーニングデス!! 楽しみデシたネ!」
「角取さんの母国だもんね」
「たまに鱗の母国の中華料理も出てくるぞB組は」
「国際色豊かだよなB組」
「まぁ日本で食う中華は中国で食うそれとはまた味違うんだけどな」
「そーなんだ? 本場のもいつか食ってみてーな!」
「そういやメシと言えばさ……」
…………………いつまでも。
いつまでも、俺たちは学生らしく、たわいもない話に花を咲かせながら走って。
峰田と二人きりで、緑谷も混ざって三人で走り続けるのではない朝の時間。
みんなで一緒に走るのがこんなに楽しいんだってのを、俺はようやく気付くことができた。
その日は一日中、みんなと過ごした。
飯を食べて、訓練して、駄弁って、家族に会って挨拶したりして、学生っぽい楽しくも落ち着いた時間を堪能して。
英気を養って。
そして、その翌日から。
俺たちは日本を救うために、ヒーローに戻るのだった。
試しに会話だけでわちゃわちゃ感出してみた。
(余談)
ちょっと前に最終話まで書き溜め完了したのでオマケみたいな感じで本作のR18シーンを投稿してみました。
気になる人は作者ページから自己責任でどうぞ。