【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!! 作:そとみち
緑谷の筆おろし(意味深)は次回から。
【① 緑谷くん、おうちデートしよ♥】
時は体育祭一週間前。
俺は最近よく放課後に戦闘訓練を共にするようになった緑谷と一緒に下校していた。峰田も一緒だ。
明日は授業が午前で半ドンで体育館も借りてないのでちょうどよいと思い緑谷に声をかける。
「なぁ、明日緑谷んち遊びに行っていい?」
「へぇあ!? きゅ、急に何で!? ぼぼぼ、ぼっ、僕の家大したものないよ!?」
「ボボボーボ=ボーボボの話始めるのかと思った」
遊びに行きたいと伝えたところ何故か緑谷が急に動揺し始める。
なんや。別に変なこと言ってないよな?
中学時代は峰田んちに何回も遊びに行ったし友達の家に遊びに行くのってそんなにおかしなことか?
「いやさ……俺、最近みんなと一緒に鍛錬する中で気付いたことがあんのよ」
「え、それってどんな……?」
「自分の言動がおかしい事にようやく気付いたか?」
「言動に恥じるところはない」
「恥じろよカス」
「なんつーか、俺ってヒーローに関する知識、全然足りてなかったんだなーってさ」
「……あー、うん……それについてはなんか僕もゴメンいつも早口で」
「いや緑谷が良く解説してくれてむしろ助かってる」
何で遊びに行くのかというと、緑谷の家にあるヒーロー情報誌などの読み込みが目的だ。
雄英に入学してから感じたのだが、俺の中のヒーロー知識が余りにも乏しい。
峰田と共にエロに走り続けた中学時代、俺たちが注目するのは女性ヒーローで大体エロ目的だった。男性ヒーローは大きなニュースになったりランキング上位だったりの数名程度しかよく知らん。
それでも中学時代は問題なかったが、雄英のヒーロー科にいる生徒としてそれはどうなん? となり、緑谷に助けを求めたわけだ。
「お前のその知識はマジでスゲーって。で、よかったら緑谷んちにあるそういう情報誌とか読ませてもらいながら、解説なんかしてもらえたら助かるなって思ってさ。頼るばっかりで悪いけど」
「あ、そういうことなら……僕は全然大丈夫だよ! 普段訓練に付き合ってもらってるし、そのお礼になれば! えへへ、家に友達を呼ぶのって初めてだ」
急に悲しいことを言い始める緑谷。
そうか……そういえばコイツ中学までは無個性だったっけ。個性社会の闇が垣間見える。
初めてのお家に呼ばれたお友達となれば親御さんにはしっかり挨拶しねぇとなぁ!!
学校帰りに寄る事になるから制服なのが惜しいぜ。私服なら緑谷を大混乱に叩き込めたのに。
「緑谷、オイラも行っていいか? ってか行くわ。お前の性癖をオイラは守らなきゃならねぇ」
「どういうことなの峰田くん!? もちろんいいけど! でも峰田くんが求める様な本はうちにはないよ……!?」
「いやオイラも普通にヒーローの勉強付き合うからな? オイラもイクノの事茶化せるほど知識ねぇからよ」
「えっ、ごめん……」
ついでに峰田もついてくることになった。まぁ言い出さなけりゃ俺の方から声をかけたけど。
お菓子と飲み物買っていかないとな。あと秘蔵のグラビア雑誌を貸し出してやろう。緑谷にも女慣れしてもらわんと。
麗日ちゃん相手にはだいぶマシになったけど入学当初は女子に声を掛けられるとビクっとしてたコイツの事だ。将来的にはやはりヒーローになるのだから男女の区別なくコミュ強にならなければ。
ん?
そこでふと思った。
「なぁ緑谷」
「ん、なに?」
「俺って可愛いよな」
「脈絡!? いや否定はしないけど……! モデル顔負けだとは思ってるけど……!」
うん、とりあえず俺の顔を緑谷はちゃんとメス顔として認識してくれてるらしい。
しかし、それだと普段の様子に説明がつかない。
訓練もそうだが、その前から緑谷は俺に対しては普通に男子に接するように話してくれてるのだ。
なんで?
「ほら、緑谷って女子と話す時アガる癖があるじゃん?」
「それも否定できないね……これまで全然女子と話してこなかったから」
「闇か。……でも俺には普通に話せてるよな。なんで? ってちょっと思った」
「あー……それは……」
うーん、と緑谷が僅かに悩む。
言葉を探しているようで、俺と峰田はそれを待つ。
「……うん、実を言えば入学初日なんかはまだ女の子だと勘違いしてて……アガってたのも事実なんだけど……」
「だったな」
「それはイクノが悪い」
「うん、でも……ちゃんと男子だって言うのはその日のうちにわかったからさ。その、見た目で態度を変えるのって、やっぱりよくないと思ったんだ」
「っ……」
「幾野くんは男子で、こんな僕にも気さくに接してくれるから。その、友達として……友達に余計な気を遣わせたくないから、早く慣れたいなって思って。それで結構意識して、緊張しないようにしてた」
緑谷の語る内容に、俺はトゥンク……と胸が鳴ってしまう。
何だコイツイケメンか?
顔はともかく心がイケメンすぎんか??
「ちょっとホレそう」
「逃げろ緑谷!! ここはオイラに任せて早く行けェ!!」
「冗談だよね!? あはは……でも、こういう冗談も度が過ぎなければ楽しいよ。それに、なんていうか、幾野くんの顔で慣れてきたのか最近は女子とも前ほど緊張せずに話せるようになってるし。僕の方こそありがとうって感じ」
「精神的イケメン初めて見た」
「これがヒーロー……」
成程、この会話で改めてわかった。
緑谷は、心がどこまでもヒーローなのだ。なんでもまっすぐに向き合うやつなのだ。
いいやつだ。これは俺も来週からの戦闘訓練にさらに精を出さなければならない。
「明日はエロ本何冊持っていけばいい?」
「やめてね!? ウチ父さんが単身赴任で母さんしかいないからそういうのバレたらヤバいからね!?」
「ってかイクノの見た目でそれやられるの親御さんに見つかったらマジで緑谷への風評被害がヤバい事になる」
「そだね。それじゃあ……緑谷の部屋でこっそり……ね♥」
「やっぱウチくるの断っていいかな!?」
けらけらといつものように緑谷をからかいながら、俺たちは多分青春っぽい何かを過ごしたのだった。
なお遊びに行ったときには緑谷のベッドの下にグラビア雑誌を2冊ほど仕込んでおきました。時限式地雷。
【② なんだかんだで信頼度稼いでます】
「イクノ! 私は気付いたことがありますっ!!」
「どしたの芦戸ちゃん」
午後のヒーロー訓練を終えてホームルーム前の時間。
更衣室から教室に戻ってきて、芦戸ちゃんが俺に声をかけてきた。
「イクノの個性っていっつも発動してるじゃん!」
「せやね。こないだ説明したね」
「イクノの個性って壁もすり抜けて見えるじゃん!」
「せやね。色は見えないけど」
「いつでも女子更衣室覗けるってことじゃん!?」
「失礼な」
芦戸ちゃんの言葉に、俺はふんすと鼻を鳴らして答える。
いや、正直なところいつか言われるとは思っていた。実際、この力に目覚めたころに峰田にも言われたことがある。
やろうと思えば覗ける、それは事実だ。
だが、それをしない理由がある。俺は女子が泣くことは嫌いなのだ。
「そもそも本気で女子の着替え見たいなら初日の時点で女子更衣室に入ってるよ」
「う! そ、それはそうかもしれないけどー!」
「……俺の個性、悪用しようと思えばマジで何でもできちゃうからさ。だからこそマジでやらかすようなことには使わないよ。ヒーロー目指してるしな」
真面目な表情を作りながら芦戸ちゃんのくりっとした黒い瞳を見据えて俺は答える。
さっき言ったことが俺の想いの全てだ。
やろうと思えば覗きどころかすり抜けて突入だってできるだろう。この個性は悪用するという意味で言えば証拠すら残さず何でもやり放題になってしまう。
でも、だからこそ俺はこの個性だけはそういうコトに使わないと決めてるんだ。
葉隠ちゃんはどうなんだって? あれは別枠。本人が脱いでくるんやもん。透明だから個性使わないと可愛いおめめが見えないし。許可取ってるし。
「あー……芦戸、それ実は俺も思ってたんだけどさ。そうじゃねーんだよ」
「ん、切島? なに、聞いてた?」
「ああ。確かに幾野はエロバカなんだけどよ、そういう所きっちりしてんだ」
「エロバカはひどくない?」
「事実だろ。ま、でもフォローしておくと、俺も切島も幾野が覗きしてないの知ってっからな」
「上鳴も? え、どゆこと?」
そんなところに切島と上鳴がどうやら俺の助けに来てくれたようだ。助かる。
「幾野のやつ、更衣室で絶対女子更衣室側に顔向けねーんだよ」
「逆側の壁の方をずっと向いて着替えてんだよな。個性知った今だから分かるんだけど、あれ女子の方見ないようにしてんだろ?」
「……まぁね。そもそもウォールハックだってしてないけど、見た目には使ってるか分からないからな俺の個性。余計な詮索されないように逆側向いてる」
「そーなんだ!? ……あれ、これなんか私ゴメンだな!? イクノのこと疑っちゃってたな!?」
「いや、当然の疑いだと思うから全然怒ってないよマジで。むしろこれですっきりして他の女子にも大丈夫だって言ってくれれば助かる」
切島と上鳴の弁明により俺の無罪が証明された。
更衣室で着替える時、俺は必ず女子更衣室側に視線を向けないように努めている。
俺の個性は場合によってはオート発動することもある。それで着替え中の女子を見たら申し訳ないからな。
芦戸ちゃんが謝ってくるが全然気にしてない。にっこり笑顔を返しておいた。プリティスマイル。
謝罪により頭を下げた結果前かがみになって少し揺れた芦戸ちゃんのおっぱいが眼福です。
「それに見たいときには真正面から見せてってお願いするから」
「イクノのそういう所だよ!?」
「そういう所に惚れちゃった?」
「ポジティブの塊!!!」
「行動は尊敬するくらいマトモなんだけど言動が余りにもエロバカなのが厄介なんだよなコイツ」
「初日の男子更衣室でちんこ披露してきたからなー。あん時はマジでビビったぜ」
「─────え?」
上鳴が零した入学初日の俺のちんちんアピールの話を聞いて芦戸ちゃんがフリーズした。
どしたの。俺の顔と股間を交互にチラチラ見てくるけど。
えっちか? そういうのに興味あるお年頃?
「……あ、そうか、男子なんだもんね……?」
「今更?」
「いや、その、待って。男子だとは知ってて男子として話してたけど、え、そうか、ついてるよね……そりゃ、その」
「大丈夫か芦戸?」
「……え、その顔で……え、つ、ついてるの? どんなのが……?」
「落ち着け芦戸!? お前今脳破壊されかけてるからな!? やべぇ事口走ってるからな!?」
「平均サイズという自己評価」
「あっ……ああ? あ、あ、あ……?? こんなにかわいいのにおちんちんついてる……?」
「リカバリーガール!! リカバリーガール呼べ!! 要救助者一名!!」
「落ち着け芦戸!! 俺達も更衣室で着替えるたびに同じような葛藤を味わってるから大丈夫だ!!」
「慣れるためにも一度見せるべきかな?」
「幾野お前は黙ってろ!!」
芦戸ちゃんが性別のパラドックスに陥ってしまいどうやら脳破壊が進んでしまったようだ。
罪深い男ですわ。いやー罪深い。己の可愛さがつらい。
その後芦戸ちゃんは虚無顔になりながら女子たちに慰められて、なぜか俺は女子たちに睨まれた。
俺何も悪い事してないよね?????
akip様よりファンアートを頂いたので紹介させていただきます!
①葉隠ちゃんのヒーロースーツのコスプレをするセンちゃん@乳盛
【挿絵表示】
葉隠ちゃんのコスプレをするセンちゃんを描いてもらいました。
謎の光よありがとう……!!(多謝)
普段からこれの葉隠ちゃんやっぱ露出性癖だって。盛乳は個性の応用とかそんな感じですね多分。
ファンアート心より感謝申し上げます。有難うございました!