【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!! 作:そとみち
ヴィラン連合との戦いは終結を迎えた……。
二人の英雄、デクとイグジストの活躍。そしてヒーローたちが一丸となって社会を守り、平和を取り戻した。
一年にもわたるヴィラン連合の事件と、永きにわたるオール・フォー・ワンの暗躍にとうとうピリオドが打たれたのだ。
これから先の社会はどうなっていくのだろう。
オール・フォー・ワンが完全に力を失った影響は計り知れない。あらゆる機関、あらゆる分野に彼の者の魔の手は伸びていた。それが徐々に摘発され、社会は更なる平和に向けて進むのか、それとも新たなる闇が生まれてしまうのか。
だが、未来を決めるのは老人ではない。
新たな世代のヒーローがこの先の未来を創っていくのだ。
ならば、その先には希望があると信じよう。
なぜならば、そこには必ず『彼ら』がいるのだから……。
「ではこれより第二回ドキドキ☆女装大会を開きます」
「色々とちょっと待て??」
後に『災禍戦線』と教科書に載ることになる大戦が終結し、色々事後処理も終えた戦いの翌日に、俺はA組寮の共用スペースにみんなを集めて第二回ドキドキ☆女装大会の開催を宣言したところでめっちゃ切島からツッコミ入った。
なんや。ヴィランは全部捕まえたしA組のみんなもB組も参加したヒーローも全員無事で完全勝利だったやろがい。
この戦いに関しての学生の休みは明後日までなんだからやるなら早い方がいいやろがい。
「いや待て!? まずなんだよさっき流れたなんかいい感じのオープニングロール!?」
「ダイブセンサーで作ってみた」
「どうしてそんな暇なことしてんだ幾野……」
「つーか何で女装大会なんだよ!? 今!? このタイミングで!? 絶対もっとやることあるだろ俺たち!?」
「そうだぞ幾野くん! 確かにヴィラン連合もAFOも全員無力化し捕らえたが社会の混乱はまだ収まり切っていない、パトロールなどに呼ばれるかもしれないから準備だけはしておけと言ったのは君だろう!?」
「イクノはいつも説明が足りねぇよなァ!? ちゃんと理由説明しろオイラも止めるぞマジで!!」
「まぁちゃんと理由はあるんだけどな。ハイこれ」
「あるのかよ」
「騙されたらアカンよ。センくんがこういう事言い出す時はたいていノリと勢いなんよ」
「ケロ……この資料は……公安から?」
みんなの総ツッコミを受け止めつつ俺は机の上に今しがた受け取ったチームアップミッションの用紙を広げる。
内容は公安から。
ミッションの内容は簡単に言えばこうだ。
『社会は平和を取り戻したが緊急事態宣言とか自粛で国民みんな疲れてるからなんかいい感じに元気が出る動画作って』
はい。
とりあえずあの後どうなったか色々説明しますか。
えーと、まずAFOね。
俺が個性消失弾ブチ込んだ影響で無個性になったアイツは速攻で復興したタルタロスの病棟に運ばれた。
もう危ない個性も何もないただのしょぼくれた老人でしかないんで、俺の予想だけど寿命が尽きる前に迅速に刑の執行になると思いますね。
アイツの持ってる情報とか裏のルートとか……っていうのもオッドアイがいるから速攻で抜けるだろう。聞き出す事聞き出したら今回の一連の事件の首謀者として早々に刑を執行して公表することで市民の安心を生むんじゃねーかな。
それ以上でもそれ以下でもないです。大ボスは完全に無力化した。それはよし。
で、続いてヴィラン連合ね。
まず死柄木。コイツは緑谷のOFAエネルギー全放出パンチで個性細胞の塊だった肉塊を宇宙に吹き飛ばされて、AFOの残滓のような意志も完全に浄化された。
で、その後に残ってた例の少年だけど……記憶も個性も完全に無くした一般人男子のようだった。名前も思い出せないと。現在は死柄木なのかどうかをめっちゃ警察が調べている所である。
緑谷が言うにはOFAの力で死柄木の中にあった悪意を全て浄化した結果……って話だけど。よくわかんね!
こうなるとかなり扱いが際どくなって、殻木とかAFOからも死柄木の過去についてもっと情報引き出したうえで、オッドアイとか使ってショタに死柄木の記憶があるかも調べて……本人であると確証がとれれば刑罰の執行、本人だと断定出来なければヒーローのもとで保護観察で様子見……になるのかな多分。戸籍もないやろし。
まぁその辺はひとまず警察に任せよ! もし悪意も何もない純然たるショタになってて死柄木とも別人だって判断になりゃあの子の人生はこれからだからな。それを超えて個人的判断で裁く……なんて考えたらそりゃヴィランなんよ。また梅雨ちゃん激おこ案件だよ。
緑谷が面会に行きたがってたんでそこにはついてくつもりです。死柄木の記憶が戻ってたら個性事故の件で話しておきたいし、not死柄木だったらショタと仲良くしよう。
はい。
続いて荼毘。轟家の長男、燈矢さんだと判明したアイツ。
アイツはもうすぐ寿命が尽きようとしている。
……殻木からも聞いた情報だけど、どうやらアイツは山火事で死んだと思われてた体を脳無の素体にするかもってことで殻木が回収したけど、結局改造することすらできずにそのまま朽ち果てる体だったと。
でもそれをエンデヴァーへの執念の炎だけで体を維持し続けてたらしくって。その辺はよくわからんけど……でも、先日の大戦でエンデヴァーと共に心中アタックしたときに、どうやらエンデヴァーへの執着が消えてしまったらしい。
そうなれば後は体が朽ち果てるだけ。セントラル病院に厳重な警備と共に入院しているが、意識が戻っても反抗して炎を出すようなこともなく……死を受け入れてる、って話だ。
昨日轟家として見舞いに行ってきた焦凍からその辺の話は聞かせてもらった。
エンデヴァーがエリちゃんによる巻き戻しの治療を燈矢さんにかけるように話も出したらしいが、燈矢さん本人が治療を固辞したらしい。
うーん。正直かなりモヤッとするところはあります。
エリちゃんの巻き戻しでも個性細胞は変化しないというのは相澤先生と白雲さんで証明されてるから、仮に大火傷する前の子供時代に戻しても今の成長した個性で燃え尽きてしまうのでは? というところもあるし。
じゃあ個性破壊弾で個性消せば生き延びるのでは……と思うところもあるけどもう緊急事態は終わったから俺も個性破壊弾持ってないし。俺個人の判断で使えるはずもないし。
ちゃんと治療受けて罪を償ってほしい気持ちも強いけど多分寿命伸びても死刑か終身刑で結末は同じだろうし……今の境遇自体がアイツにとっての罪の様な気もするし。モヤッとボール100個くらい投げたいわクソッ!
半月はもたないという話も焦凍から聞いてるから、向こうが許せば俺も面会には行こう。何話せばいいかわからんけど。あと轟家の皆さまのメンタルケアもしとこう。
ただ、焦凍曰く「家族みんな受け入れる努力してる」って話でもあった。なんで俺はエンデヴァーがまたなんか変な方向に思い切りが良くなりそうだったらそん時は止めに行こう。荼毘に寄り添うのは厳しいけど、辛い想いをした轟家のみんなに寄り添ってあげたいとは心から思っている。
この件については因果応報。ありのままを受け入れます。
はい。
んでもって他のヴィラン連合……トガヒミコ、スピナー、あと捕まってるトゥワイスとかコンプレスとかギガントマキアだけど。
こいつらは普通に裁判にかけられて普通に罪を償うことになります。
未成年のトガヒミコは少年法で守られるだろうけど、他は多分死刑か終身刑かなぁ……まぁ仕方ない。それだけ大きなことをしてたわけだから。
法治国家である日本が定める裁判の結果は仕方ない。それすら捻じ曲げたいと思ったらそれはヴィランと同じなんよ。
こうして全員捕まえるまでに何人もの命が奪われているのが事実で、それを法で裁くために俺たちヒーローが頑張ったんだから。悪い事したら罪は償う。当然のことだ。
ただ、トガヒミコに代表されるように……アイツらが堕ちた理由ももちろんあって。その辺の情状酌量がどうなるかってところかな。
一先ずは一番アイツらに狙われ続けて、アイツらを捕まえたヒーローという立場として、面会とか裁判の傍聴とかには出来る限り行こうと考えてはいます。
何話せばいいかわからないし、何もできないのかもしれないけれど、何もしないのとはまた別だと思う。
やっぱこの辺は後でA組B組でディベートだな。落ち着いたら企画しよ。
あと世間に残るダツゴクと異能解放戦線のメンバーについて。
これも今後のパトロールで捕まえていく形にはなるが、そもそも今回の大戦の際に攻め込んできたメンバーは全員確保して、全国各地でヒーローたちがめっちゃパトロールして、ここ数日で残り人数ももう3桁を切るくらいまで減っていた。
こうなると普段の全国のヴィラン事件数なども考慮しても緊急事態宣言を続ける理由にはならず……今日をもって緊急事態宣言は解除されることになりました。やったぜ。
さて、そしてヒーロー側の損害だけど、まぁさっき言ったようにほぼゼロで完封勝利です。
雄英が浮上したのを降ろすのが大変だったけどそれだって俺や麗日ちゃんを代表として便利な個性がいっぱいいる雄英高校。問題なく元の敷地に原状回復させましたよ。
俺らA組もAFO誘き出すために使ってた仮設要塞トロイアから元のハイツアライアンスに寮を戻して。で、一晩経って今朝の俺達がいます。
もちろん夜はプロミネンスバーン×3した。めっちゃ出た。
この戦いで傷ついたヒーローたちももちろん多いけれど……ミッドナイト先生はエリちゃんに後で治してもらうって話らしいし、他のヒーローだって命が危うい感じの損害は出ていない。
これから壊れた建物やら緊急事態宣言で混乱した社会情勢を元の社会に戻していく苦労もあるけれど、それは経済が回る事と同義だ。決して悪い事にはならないはずだ。
あと青山。
コイツは無事にA組に戻って来た。
前に俺が言ってたように、青山家族が陥っていた状況は緊急避難に該当する、脅迫を受け続けていた状況なわけで。重い実刑を科すには余りにも情状酌量の余地がある。
もちろん取調べとかは受けるわけだけど、そこに対しては青山家は全面的に警察への協力をすることで意志を固めている。となれば警察も変に身柄拘束する必要もない。諸悪の根源のAFOはもう捕まえたんだから。
ご両親は公安の監視がついて、青山本人は俺らA組と学校が監視になる。
俺らA組……この大戦で最も活躍したヒーローみんなの希望もあり、青山も無事雄英に戻れたわけである。
で、俺にしてもらったように青山にもみんなからそれぞれ一発ずつ拳を入れてケジメをつけて、俺と緑谷に対しては青山からも拳で反撃してもらった。
これでひとまず全部チャラです。これからのお前に期待してるぜ。
そのほかにも色々あるが……まぁ取り立ててやべーぞ! ってなるほどの事はない。
ジェントルは刑務所へ逆戻りではなく拘留という扱いになり、改めて今回の事件で刑務所脱獄を防いだ功を認められれば仮釈放になるだろう。
レディ・ナガンも俺の訓練手伝ったりホークスとチームアップしてダツゴク確保に邁進してくれてたのでだいぶ減刑も考えられるとのことだ。あの人が出所したら教師とかやってほしくない? 絶対会いに行くんだ俺。またおっぱいに腕を埋めたい。おっぱい。
雄英に避難してきた人たちは緊急事態宣言が解除されてから順次自宅へ帰られているとの話だ。
アメリカから来たスターアンドストライプは個性の調子を見るためにI・アイランドに行って検査するのだと。コーイチさんは日本で少し過ごしてからアメリカに帰るんだって。奥さんが向こうで待ってるらしい。
黒霧の体を巻き戻して復活した白雲さんは黒霧時代の情報や経歴もあるから今はまた再び拘留されてるけど……これも悪くなる見込みはないって相澤先生が話してた。まぁ性格は完全に白雲さんのに戻ってるってオッドアイも言ってたしな。証言して証人保護プログラムっていうんだっけ、そういうので守られる見込みらしい。完全に身柄が開けたら雄英に復学するんだって。
あ、あと緑谷の個性は歴代継承者の個性が使えなくなってたけどOFAの根幹、超パワーは体に残ってたみたい。よかった。ヒーロー続けられるな。
そういやミリオ兄さんたちの卒業式だけど来週行われる予定らしい。卒業すれば入学式もあるわけで、3月上旬に行われた入試の結果はもう公表してたけど緊急事態になって雄英が戦場になったから新入生たちも来週から入学するようで、そっちのフォローも俺たち先輩がしっかりやってやらないと……
……いや事件が大きすぎてマジで色々あり過ぎてまとまらねぇなクソッ!
まぁとりあえず一言でまとめると。
俺たちは無事に平和を取り戻したってこと。
そんくらいシンプルでええ! 難しい事とか面倒なことはその都度考えていけばええ!!
「で、早速俺たちに課せられたチームアップミッションがこれってわけよ」
「ん! 内容は分かった! でもなんでこれセンちゃん宛てで来たんだろ?」
「まぁ公安委員長と割と俺も付き合い出来ちゃったからね。そこは送りやすい相手だったんだな……ミッションのメンバーがこの戦いに参加したすべての学生ヒーロー、ってのがおもろいよね。仲介役を全部俺に丸投げして来やがったあのオバさん」
「センさんほど顔の広い学生ヒーローはいないでしょうからね。ある意味では適材適所かもしれませんわ」
「でもこの依頼がなんで女装大会に繋がるんだよ!?」
「いや……みんなで女装してそれを映像にしてラーカーズのチャンネルで流せば見た人が笑ってくれて元気が出るかなって……」
「発想がおかしいよお前」
「基本的に女装して喜ばれるのはお前か轟くらいのものであって他全員が女装してもおぞましい何かにしかならねぇだろうが」
「幾野くんが変わらなさ過ぎて安堵すら感じるね」
「もうちょっとこう……一般的な何かで世間受けを考えられんか?」
「ケッ。もう俺は女装しねェぞクソが」
「僕も流石に二度目はいいかな……」
そして公安から来たミッションのために女装大会開催の宣言をしたところで猛反発を受けたのが今の俺というわけである。
ダメかなぁ? 駄目か。まぁ駄目かもなと思って提案したところが俺の中にもなくはないけど。いつもの茶化しを入れて空気を日常に戻したいなと思ってのそれではあったんだけど。
……ってかまぁ、公安がこのミッションを俺に速攻で依頼したのも色々考えるところあるよな。
多分だけど、AFOも捕まえてヴィラン連合も拿捕して……後の社会の混乱を整えるのに、もう学生ヒーローをあまり巻き込みたくないんだろうな。
ハッキリ言ってしまうが、俺たち学生ヒーローが今回の事件では活躍しすぎた。
超常解放戦線への襲撃もそうだし、その後の社会の混乱でも俺と緑谷が二人の英雄としてめっちゃ働いたことは世間に知られてるし、最終決戦でも学生たちが中心となって……というのもネットの噂レベルで流れている。
これ以上俺ら学生が頑張り過ぎてもプロの面子にもかかわるだろう。勿論プロヒーローたちだって俺が捕捉してたダツゴクを捕まえるのめっちゃ頑張ってくれてたし、エンデヴァーを筆頭にみんながみんな、全力で頑張ったからこその平和である。その辺りは上手く世間の評価を促したいところだね。
俺達もインタビューで俺らだけが頑張ってた! なんて言わないようにしようね。気を付けるまでもないだろうけど。物間だけは後で釘刺しておくかアイツ。
ふむ、しかし女装大会は駄目か。
ここであんまりにも俺の意志を押し通すのも全く持って本意ではない。話のきっかけは作ったわけだからじゃあ何を作るかをみんなで考えていきますか。いつものやつ。
「じゃ、どうやって社会盛り上げよっか? 俺らもこれから新学期で卒業式入学式の準備もあるし……2週間弱は緊急事態宣言で授業も受けてないからインターン減らしてコマ増えるだろうし。あんまりみんなで大掛かりなことして……ってのは厳しいよな」
「社会を盛り上げて~、ってのもだいぶふんわりとした依頼だよなー。動画って指定があるし」
「この依頼を出すことで、学生はこれ以上は無理しなくていい……ていう気配りなのかな」っっっ ←汗の表現
「あー、そういうのありそうねー。まぁ私達もようやく普段通りに戻れるんだからもうあんま無茶したくないよー、色々あり過ぎたよ……ちょっちゆっくりしたいのが本音」
「まぁな……緑谷と幾野がいなくなっちまって青山の件もあって……轟とかはまだ大変ではあるけどよ」
「ん……まぁ俺んちの事はある程度心の整理はついてるからよ。気にすんな切島」
「そっか? ……悪ィな」
「なにかあったらいつでも相談してくれよ轟くん。……さて、しかし社会に活気を取り戻すとなれば……ふと思いついたのだが」
「ん。なんか案があるかね委員長」
「ああ。動画となるそれを見て、元気が出る……つまり楽しめればいいのだろう? それならば僕たちは既にやっているじゃないか。
「文化祭? ……あー! ダンスなー!! 歌とダンス!!」
「お、懐かしいなー! アレ楽しかったよなぁ!!」
「あの時は練習大変だったけど……でもアレのお陰で体幹が鍛えられた感じもあるし、ダンスのキレっていうのは今でもできそうね」
「ダンスか。……いいんじゃねぇか? 俺もそれに一票だ」
「轟が割とノリノリである」
「あん時も推してたもんなー」
「今も青山ビーム光らせられんのか?」
「やろうと思えばね。ミラーボールになるならいくらでも」
さてみんなで意見を出し合って相談してたところで、委員長から一つの案が出た。
ダンス動画。ふむ。
確かに俺たちA組は前回の文化祭のダンスでめっちゃウケた。あれも動画になっててかなりバズったし……あん時は生演奏での一発勝負だったけど、MV動画にするならさらに細部を詰められるだろう。
今は動画編集スキルマしてるラブラバの援護も得られるしな。チームアップミッションだし。あの人ならそんな手間でもなくいい感じの編集できるだろうし。
MV。……悪くないな?
「……よし!! とりま方針はノリノリで楽しめるMV動画作成ってことで行くか!!」
「おー! それならいいんじゃねーか? もちろん歌は響香だよな!!」
「え、ウチ!? いやMVってんならプロとか呼んでもいいんじゃないの?」
「響香ちゃんのお歌だってプロ並みやん。ええと思うよ、私ら学生なんやし!」
「ケロ、盛り上げる演出とかも考えないとね……みんなで一斉に踊る感じにするのかしら?」
「幾野のミスコンみてぇなワンマンも盛り上がったけどチームアップミッションで来てるしな、みんなで笑って歌って踊っての方がそれっぽくね?」
「動画にするならマジでダンスきっちりやんないとなー! リアタイじゃないダンスは細部まで見られるし!」
「お、三奈もやる気出てきたな」
「でも今回のミッション参加はA組だけじゃなくてB組とか先輩とかも参加だろ? ……他の学校の生徒にも声かけんのか幾野?」
「その予定。俺らA組だけってんじゃないしね。みんなにこんなダンスして~ってお願いして回るようになるかな。まぁ収録のための移動は俺のワープでいくらでもできるし打合せもオンライン会議で余裕だけど。あんま難易度高いダンスだと他の人が大変になるかも?」
「ってか別にこれ学生ヒーローだけ、って強制的な縛りもないんだろ? イクノの人脈使って有名なヒーロー全員参加させちまえばいいんじゃねぇか?」
「峰田の発想が天才すぎる。採用!」
「おー、ってなるとフラッシュモブみてぇな感じで色んなヒーローが出てくるみたいな?」
「あー面白そうな。ちらっとでもプロヒーローが映ればどこに誰がいるのかー、みてぇな考察動画も作られそうだしよ」
「編集が大変そうだけど……その辺りはラブラバさんにお願いすればなんとかなるよね!」
「ラーカーズの3名は間違いなく強制参加になるでしょうね……センさんが中心となって人脈を集めるとなれば」
「ダンスの主軸で踊る誰か……っつかまぁそこは幾野と緑谷でいいとして」
「え、僕も!?」
「緑谷も今や日本中に知られるヒーローだろう。旬な今だからこそ顔は売っておくべきだ」
「……で、ウチの歌や演奏組は音も後で編集して整えられるからダンスにも参加できる。演奏シーンとかもだしてさ……あとはMVってんなら演出も重要だよね。フラッシュモブ感出すなら寮内、雄英内だけじゃなくて他の学校とか街中とかで撮影もできるといいかもね」
「幾野、このチームアップミッションの期限などは定められているのか?」
「や、特に期限はないよ。いつまでもだらだらってのもアレだから一か月以内くらいには作りたいな」
「ではタイムスケジュールから決めていきましょうか。みなさんの意見をまとめていきましょう。付箋とホワイトボードを準備いたしますわ」
「ウム! では本格的に打合せと行こう!! 皆、それぞれ意見を出してくれ!!」
社会復興支援のテンション上がるMV作るかーって決まってからはノリノリで話がまとまっていく。
結局のところ俺たちはこういうノリなのだ。
前を向いて、笑って歩んでいける。
そんな平和を取り戻せたことに万感の思いを抱えながら、みんなでまた一つのものを作り上げていった。
これから先も俺たちは色んなことがあるだろう。
でもきっと大丈夫だ。みんなでプルスウルトラしていこう。
俺たちはつかみ取った平和をかみしめるように、いつまでも和気藹々といつもの平穏を過ごしたのだった。
なお一か月後に発表した動画は最終的に世界一の再生数を誇るMVになりました。
みんなの笑顔が良すぎましたね。
MVイメージはゾン100のOP(後期)みたいな感じですね。
センちゃんが海から出てきて空を見上げるシーンが感動的でしたね……(存在しない記憶)
次回、最終回。