【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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「爆豪 女体化」で検索したら異様なヒット数でした(報告)



25 緑谷に後で秘蔵のエロ本を進呈しようと思う

 

 

「お、爆豪ちゃん戻ってきたな」

「おーう何か大変だったな悪人面!」

「組み合わせの妙とはいえとんでもないヒールっぷりだったわ爆豪ちゃん」

「うるせぇ黙れ」

 

 A組が集まる観客席に麗日ちゃんを下した爆豪ちゃんが戻ってきた。

 相変らずキレてんなこの子。

 

「まぁーしかしか弱い女の子によくあんな思い切りの良い爆破出来るな」

「上鳴こそ可愛い子にまったく遠慮してなかったじゃねぇか」

それ自分で言うのかよ幾野!? お前が全力で来いって言ったよなぁ!?」

「フンッ!! ……麗日のどこがか弱ェんだよ」

 

 上鳴が爆豪ちゃんを茶化したので俺がカウンター気味に上鳴を茶化したところで五月蠅かったのか爆豪ちゃんがどかっと腰を下ろして鼻を鳴らした。

 揺れてる揺れてる(幻覚)。

 でも最後に零した言葉は本心だな。やっぱこいつツンデレ金髪ロリ巨乳か。可愛いね♥

 

『さーそろそろ始めようかぁ二回戦!! 今回の体育祭 両者ともトップクラスの成績ッ!!』

 

 しばらくしてマイク先生のアナウンスが入り、とうとう轟と緑谷の試合が始まる。

 

「センちゃん、次の試合でしょ? 控室行かなくていいの?」

「ああ……葉隠ちゃん。ちょっとね……この試合は見届けたいんだ」

 

 家庭の不幸に、親に縛られた轟が。

 それを受け止めてなお前を、上を向ける緑谷が。

 俺に何を見せてくれるのか。俺は見届けなければならない。

 

「イクノがシリアスな雰囲気出してるけどチアガール服で台無しなんだよな」

「ケロ、真剣なときの顔は本当に綺麗なのにね」

 

 黙れ峰田。梅雨ちゃんも続かないで。

 

 

『緑谷バーサス轟!! STARTッッ!!』

 

 

 そして試合が始まった。

 

 開幕の攻防は一瞬だった。

 轟が開始の瞬間に氷結をぶっ放す。

 ただしそれは瀬呂に放ったような広範囲高威力のそれではない。範囲を絞り直線に放つ氷の波。

 それに緑谷がフルカウルで応じ、横っ飛びに回避。凍り付くのを防いだ。

 

『おオオオ!!! 避けたああああ!!! すっげぇぜあの反射神経!?』

『跳躍の速度も相当のものだ。化けたな緑谷……』

 

 フルカウルの時の緑谷はそれこそ峰田の跳躍に勝るとも劣らない。

 峰田はもぎもぎを付けた上で脚でしかできないが、今の緑谷は四肢全てを使い高速で動き回る事が出来る。

 

 だからこそ、その後の攻防で俺は驚愕を覚えた。

 

「すげぇな…………()のやつ」

「あん? 緑谷が見事に避けてんだろイクノ。オイラでも平地じゃあそこまでは無理だぜ」

「ああ……でも轟が追い詰めてる。次か……その次だ」

「へ?」

 

 俺は正直な所、最初の攻防でこの試合緑谷に分があるものと思っていた。

 フルカウルの速度をキープし続けられれば、氷結を回避できる。轟は氷結を使いすぎると恐らく体温が下がって動きが悪くなるからそこで緑谷が攻めに転じれば……と。

 だが轟の戦闘センスがそれを上回った。氷を無造作に放つのではなく追い詰めるように緑谷の動きをコントロールし、必中のタイミングで放ったのだ。

 

 あれは緑谷に厳しい。

 脚か体が凍り付いてしまえば今度は中々フルカウルの力では割れない。フルパワーで撃つにしても怪我が───

 

「んぬ゛っ!!!!」

「……!」

 

 だがその瞬間に緑谷が決断的な行動に出る。

 いや、最初からここまで考えてたのか。フルカウルでできる限り回避し、回避できなくなったらフルパワーのデコピンで氷ごと粉砕。

 決して足を止められないように自分の出せるリソースを徐々に削りつつの持久戦。

 大したやつだ。緑谷はわかっていたのだ。

 

「爆豪、おめーも轟も強烈な範囲攻撃ポンポン出してくるからなー……」

「ポンポンじゃねぇよナメんな」

「おん?」

「個性だって身体機能だ。奴にも何らかの限度はあるハズだろ」

 

 ちょうど今、切島と爆豪ちゃんがその話をしていたので俺も混ざる。

 

「轟の限度は寒さだろ。使うたびに体が冷えてってるはずだ」

「……男女、テメェ知ってたのか」

「轟とはよく戦ったからな。障害物競走の時、最後の方明らかに轟の右半身が冷たかった。騎馬戦の時は騎馬の八百万ちゃんの事を考えてかあまり氷を積極的に使ってなかったけど……思えば前にやった戦闘訓練の時もそうさ。氷をぶっ放した後、轟の右半身は冷え切ってる。動きが悪くなるんだ」

「チッ……だがその読みで間違いねェな。今も半分野郎の動きが鈍い。体に霜も降りてやがる……ゲームのMPみてえなもんか」

「瀬呂の時の規模がおよそ最大限なんだろうさ。この持久戦……緑谷に分があるぞ」

 

 俺は轟との対戦回数がクラスの中でもダントツに多い。その分、アイツの個性については理解できているところがある。

 轟は氷結しか使わないせいで、体が冷えるのだ。それを温める手段があるのに使っていない。

 緑谷は恐らくそれを読んでいたのだろう。だからこそ持久戦に持ち込んだ。

 フルカウルの維持がかなり際どいが、まだ指は3本しかイッてない。

 それに対して既に轟は顔に霜がつき始めている。爆豪ちゃんのいう通り、動きが鈍ってきた。

 

「緑谷……」

 

 お前の出した答えは、それなのか。

 勝つことで、轟の想いを超えるのか。

 

 答えの分からない俺が緑谷の勝ちを確信し、呑み込み切れない思いを抱えていた。

 クラスメイトも、観客も、轟の敗色が濃厚になってきたことを感じ始めた。

 このままいけば、緑谷が勝つ。

 

 だが。

 あいつは。

 

「震えてるよ……轟くん」

「個性だって身体機能の一つだ、君自身冷気に耐えられる限度があるんだろう……!?」

「でもそれって左側の熱を使えば解決できるもんなんじゃないのか……?」

 

 轟を挑発した。

 いや、あれは挑発ではない。

 それは、きっと。

 

「っ……皆……本気でやってる!! 勝って目標に近づくために……一番になるために!!」

()()の力で勝つ!? まだ僕は君に傷ひとつ付けられちゃいないぞ!!」

 

「全力でかかって来いッッ!!」

 

 きっと、激励なのだろう。

 緑谷の疲労も極限だ。痛みもひどいものだろう。

 だが、それでも、緑谷は真正面から轟と向き合った。

 ()()()()向き合ったのだ。

 

「……何のつもりだ。全力……? クソ親父に金でも握らされたか……? イラつくな……!」

「遅い……! フルカウル……5……いや……8%ッッ!!」

 

『モロだぁーーーーー!! 生々しいの入ったあっ!!!』

 

 緑谷。

 緑谷、お前は。

 

「何で……!」

「ぐっ……腕が……! でも、氷の勢いも弱まってる……!」

「何で、そこまでっ!!」

「期待に応えたいんだ……!! 笑って応えられるようなかっこいいヒーローに……()()()()()()っ!!」

 

 お前は。

 一番を目指す想いを持ちながらも、俺が目指すものも。

 

「だから全力でやってんだ!! みんな!! 君の境遇も君の決心も僕なんかに計り知れるもんじゃない……でも……全力も出さないで一番になって完全否定なんてふざけるなって今は想ってる!!」

「うるせぇ……!!」

「だから……僕が勝つ!! 君を超えて!!」

 

 俺が目指す、誰かの隣に寄り添ってやりたいと思うそれすらも。

 お前はやっちまうのか。

 

「親父を────」

 

「君の! 力じゃないか!!」

 

 

『これは────────!?』

 

 

「勝ちてえくせに……」

「ちくしょう……敵に塩送るなんてどっちがふざけてるって話だ……」

 

「俺だって……ヒーローに……!!」

 

 

 俺は、轟焦凍の原点(オリジン)を見て。

 そして、それを導いた緑谷のフルカウルの輝きが、どこまでも眩しく見えた。

 

 


 

 

 緑谷と轟の試合が終わった。

 決着は、轟の勝利。左の炎の力を解禁した轟が水蒸気爆発のような大爆発を起こし、緑谷を吹っ飛ばしたのだ。

 セメントス先生のコンクリの壁がなければマジでヤバかっただろう。流石に全方位にあの衝撃をぶっぱなされたら緑谷がいくらフルカウルしても避け切れず弾け飛ぶ。

 逆転勝利の結果に終わり、そして続くは俺と飯田の試合だ。

 

「なぁ峰田、そろそろ髪型変えてったほうが新鮮で可愛いかな?」

「お前さっきまでシリアス面で観戦してたよなァ!?」

「ねぇ、葉隠ちゃんどう思う? ツインテールとサイドテールならどっち好み?」

「え、えっ? わ、私は今のポニーテールなセンちゃんも、す、好きだけど……でもツインテールも見てみたいかも?」

「よしツインテールで行くわ」

「人の話聞いてない!」

 

 いや、峰田に言われなくても感動したよ。

 むしろ俺まで叱咤激励された感じだ、緑谷に。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、と思わされた。

 余計なお世話を焼いただけに見える? バカ言え。それがヒーローの本質だって従兄が言ってたよ。

 くそっ、緑谷ともやりたかったなぁ!

 

『よしステージの補修が終わったぁ!! それじゃ続いての試合は幾野と飯田! だけど幾野お前まだ観客席にいるじゃねぇかーーー!! とっとと降りて来いハリァーーーップ!!』

 

 俺が八百万ちゃんに追加のヘアゴム作ってもらってツインテールに整えていると次の試合がもう始まるころのようだ。

 マジか。セメントス先生頑張ってんな……あの人この体育祭で一番頑張ってるんじゃないか。

 

「せ、センちゃん言われてるよ!? 早く行かないと!!」

「向こう側に飯田くんもう出てきとるよ!?」

「わかってるって。んじゃ行ってくる……よっと!!」

 

 俺は思いっきり勢いをつけて、観客席の上段から試合会場に向けて()()()()()

 

「のわー!? センちゃーん!?」

「幾野何やってんだお前ェ!?」

「20mはあるぞ!?」

 

 みんなが心配の声をかけてくれるが、俺にとっては全く問題ない。

 

『ホゲェーーーーッ投身自殺ゥゥゥーーーーーーッッ!?!?』

『違うだろ。本当に派手好きなやつだ』

 

 試合会場前に体が着弾するかと思われた瞬間に個性を発動。

 脚が地面に潜り、普段よりも透過率を下げることで衝撃を吸収し、ノーダメージで()()する。

 衝撃を殺し切ったところで再度ジャンプ。ひらりと空中で一回転してから、試合会場に降り立った。

 一瞬遅れて結い上げたツインテールがふわりと舞って、観客席から大歓声が生まれる。

 

『な、なんとこの高さからとんでもねぇ勢いで降りてもノーダメージッッ!! お前観客沸かすの上手すぎだろォ!?』

 

「……ふっ、幾野くんらしい派手な登場の仕方だ」

「ごめん、待った?」

「いや、俺も今来た所さ」

 

 試合会場で見据える先、飯田がこっちに好戦的な笑みを向けてくる。

 それに返すように、俺もにぃっと口角を上げる。

 今の俺は随分と昂ってるんだ。悪いが様子見なんてしねーで本気で行くぜ、委員長!

 

『っしゃ場が温まったなぁ!! このままいくぜぇ幾野バーサス飯田!! レディーーー……START!!』

 

「さあ、どう来る幾野くん!」

 

 試合開始直後、飯田は突撃してこなかった。

 わかっているのだ、俺に不意打ちは通じないことは。

 アイツはルールの上で俺に勝つべく最善手を打った。

 すなわち、まずは10分逃げ切って引き分ける。

 俺との追いかけっこなら飯田に分がある。その判断は正解だ。だから。

 

「こう行くんだよォ!!」

 

 俺は開始地点から動かずに、()()()()()()()()

 『潜行』の真の恐ろしさを見せてやる。

 

『おおっと幾野がまず地面に潜り込んだァーーーー!! これがアイツの個性の真骨頂かァ!? フィールドには飯田がただ一人残されるゥ!!』

「事前に幾野くんとルールのすり合わせしてるけど、試合会場から潜り込むのはセーフ! でも当然場外から体を出したらアウト判定よ!! 出てくるなら場内のどこかからね!!」

 

 地中に潜った俺はマイク先生とミッドナイト先生の声を聴きながら、ウォールハックを発動させて上を向く。

 飯田は俺が地中に潜ったことで一瞬悩んだようだが、すぐに打開策を考えて行動した。

 レシプロバーストではない、己の個性で出来る最高速で試合場内を駆けまわり始めたのだ。

 

『どっから出てきても掴ませないために飯田が駆けまわるゥゥーーー!! こりゃ逆に幾野が厳しくなってねぇかァ!? 息切れで出てきちまうんじゃねぇか幾野よぉ!?』

『あのバカがそれを考えずに潜ると思うか?』

 

 相澤先生は俺の事をよくわかっていらっしゃる。

 そう、上にいる者には中々イメージできないだろうが、下から眺めている立場からすれば、飯田がどんなルートで走ってくるかというのは、割と読める。

 山の中で、峰田の跳峰田の速度と3年間やりあい続けてきたんだぞ。

 例え飯田と言えども、平面上を駆け抜けるだけならば、待ち伏せるのは難しくない。

 さらに言えば呼吸だって可能だ。俺が地面を潜り抜けて呼吸してるんだから呼吸できるんだよ。

 

 飯田のルート確認。

 3。

 2。

 1。

 今。

 

「ッッ!?!?」

「捉えたァ!!!」

 

 飯田が駆ける脚の、着地の瞬間を狙って俺は足首を掴んだ(グラップリング)

 俺の勝ちだ。

 

『ああっと幾野の腕が地面から生えてきて飯田を捉えたァ!!! がッ!?』

 

「この瞬間……俺が全力で逃げるとは思わなかったのか、幾野くん!!」

 

 俺が足首をがっしり掴んだ瞬間に、飯田がレシプロバーストを起動する。

 ああ、わかってたさ。お前がそうすることくらい。

 だがそれでも無駄なんだ。

 

「レシプロ……バーストッッ!!」

 

 凄まじい速度で飯田が駆け巡る。

 普通に足首を、いや体を掴んでいたとしてもこの速度では振り落とされてしまうだろう。

 

 だが俺だけはそうはならない。

 何故かって?

 既に足首を掴むことで、()()()()()()()()()()()()()()()だ。

 

「………な、にッ!?」

「全力で走るたびに自分の体のパーツが取れたりするか? 取れねぇよな?」

 

 飯田の凄まじい速度で俺が地中から引っ張り上げられ、赤い長髪とスカートが翻り靡くが、その手は離れない。

 潜るということは一つになるという事。

 飯田の体内に負担をかけぬままに、俺は脚から徐々にずるりと潜り込んで離れない。

 

 ……ここで俺の個性を切れば、飯田の脚が千切れる。

 もちろんそれをやるつもりは微塵もない。それだけは二度とやりたくない。

 だが、相手の体内に潜り込めばこんな便利な機能もある、ということだ。

 

 つまり、俺が体に潜ればもう逃げられない。

 

『飯田がとんっでもねぇ超ッパヤで走るけど幾野が離さねぇーーーー!! どころか何の影響もないように飯田の体の中から登ってくぜ!? 体勢をゆっくり整えてやがる!!』

 

「幾野くん……」

「終わりか? 遺言くらいは聞いてやるぜ」

 

 レシプロバーストも終わり、機動力を失った飯田はその場で脚を止める。

 179cmの大きな体に、俺が背中におんぶするようにしがみつく形となっていた。

 なお、俺の腕は飯田の首にかけられている。まだ本極めではないが、チョークスリーパーの形。

 力を入れれば一分と掛からないだろう。当然、振りほどくことはできない。

 

「……あえて言おう」

「おう」

「君はズルだ!!」

「ははははは!!!」

 

 俺はその言葉に大きく笑い、ふわりと空にツインテールを泳がせてから、キッと力を籠めてチョークを極めにかかる。

 腕力だって素の男子の中じゃ上位である俺のチョークで、飯田がゆっくりと沈んでいく。

 お互いの顔は至近距離。耳元で、飯田がカエルがつぶれたような声でもがく。

 

「ぐっ……な゛あ゛、いぐの゛ぐん……っ」

「あんま喋んな、苦しくなるだけだぞ」

「……づ、ぎ、は……」

「………」

「つ、ぎは……負げ、ないぞ……! もっど速ぐ、走っ、で……ぎみに゛、がづ……!!」

「……ああ。マジで楽しみにしてる」

 

「───!! 完全に極まっていると判断しますっ!! この試合、幾野くんの勝利!!」

 

 俺のチョークスリーパーが極まりきっていると判断したミッドナイト先生が勝利を宣告。

 すぐさま腕を解き、ごほごほとせき込む飯田の背中を軽く叩く。

 顔を上げた飯田も、悔しさをにじませながらも苦笑を浮かべ、差し出した俺の手を取ってくれた。

 

 




今更ですが原作とあんまり変わらない部分の描写はあっさりしてます。
原作漫画読むかアニメ見て脳内補完してくだされ。

※補足と予防線※
本作中の決勝トーナメントの場外判定について。
出た瞬間にKO判定になるのは変わりありませんが、出る出ないの判定はドラゴンボールの天下一武道会タイプではなく幽遊白書の暗黒武術会タイプです。
何言ってるかわからん? んにゃぴ。
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