【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!! 作:そとみち
「I・アイランド? ってあれだよな、すごい科学技術の人工島」
『うん! 実はオールマイトに誘われて、エキスポのチケットを貰ったんだけど……』
俺は夏休みの日中、緑谷から来たライン通話に興じていた。
夏休みは正直一人で家にいても暇なんだよね。オカズを探すかシコるか自撮りを撮りためするかしかない。
最近オカズの割合が3割くらい葉隠ちゃんになってきてて流石にこれはまずいと新たなオナネタを探しにネットサーフィンしていたところに緑谷から電話が来たわけである。
で、話の内容はこうだ。
オールマイトがI・アイランドで開かれる祭典、I・エキスポのプレオープンに招待された。
チケットがオールマイト以外に3名分余っているということで、まず普段から目をかけられてる緑谷が誘われた。
で、残る二人に誰を誘うかは緑谷に委ねられたらしく、こうして一番に声をかけてくれたというわけだ。
『お母さんの事も含めて、本当にいつも幾野くんにはお世話になってるからさ。一緒にどうかな?』
「こっちこそお前にも引子さんにも世話になりっぱなしだけどな。折角誘ってくれたし、ぜひ行かせてもらうわ」
『うん! 一緒に行けるの、楽しみだよ!』
緑谷の誘いに俺は乗ることにした。
日程を聞けばちょうど体育館借りてる日とも被らないし、せっかくの経験だ。楽しませてもらおう。
I・アイランドって世界各国から観光客が訪れるところだもんな。可愛い子も多そうで楽しみだぜ。
ちゃんと外国の方も性癖歪めてあげるね♥
なお先日ちょっと触れた、長期の外出は控えるようにという学校側の要請についてだが、I・アイランドは離島でセキュリティしっかりしてるから特に問題ないらしい。
そもそもオールマイトに誘われてるしな。あの人がいるのに危険な場所なんてあるはずがない。
『で、もう一枚チケットが余ってるんだけど、峰田くんも誘わない?』
「あー……それがな緑谷。峰田の奴はもうその時期にI・アイランドに行ってんだよ」
『え、どうして!?』
「前にエキスポに合わせてバイトの募集してるのに応募して、当選したって上鳴と話しててよ。だからあの二人は俺らとは別ルートで向かうんだと思うぜ」
『そうなんだ!? わー……でも、向こうでも会えるなら楽しみだね!』
「な。あいつらがちゃんと仕事してっか冷やかしに行こうぜ」
さて最後にもう一枚のチケットどうする問題になったのだが、峰田は実を言うと既にカフェ店員のバイトとして応募し、臨時バイトとして雇われることになっている。
当選が決まった時には「オイラの英語力で金髪爆乳美女と仲良くなってやるぜぇぇぇ!!」とかほざいてた。
夢が叶うといいな(嘲笑)。
『うーん……じゃあもう一人、どうしようか。折角だから雄英の生徒でってオールマイトも言ってたんだけど。幾野くん、誰か誘いたい人とかいる?』
「そうなー…………あ。思いついた」
さてじゃあ誰を誘うよという話になり、俺も頭をひねったところで、不意に思いついた。
ああ、絶対喜ぶわ
「なぁ緑谷」
『うん、何?』
「誘うのさ、
『へ?』
俺はにやりと笑い、緑谷もよく知るその生徒の名前を言った。
「わぁ! 見えてきましたよオールマイト!! すごい……!!」
「ほえー、あれかぁ。すげーでかいな!」
「一万人以上の科学者たちが住む学術人工都市、I・アイランドですね!! フフフフフ、見るだけで興奮してしまいますねイクノさん!! お誘いいただきまして有難うございます!!!」
「御礼ならオールマイトと緑谷に言ってね、
「感激してくれたなら誘った甲斐があるというものだ。緑谷少年も、幾野少年も発目少女も、よく学び、よく遊ぶんだよ」
「はい!」
I・アイランドに向かう飛行機内。
オールマイトの隣に緑谷、そして向かいの席に俺と発目ちゃんが座る。窓の外に見えるI・アイランドの姿に発目ちゃんは既に興奮を抑えきれない様子だ。
俺がもう一人として誘ったのが、サポート科の発目ちゃん。
サポートアイテムを開発してもらったり、試作アイテムの調整に付き合ったりしている、お世話になっている子だ。
んだもんで彼女こそエキスポに行きたがっているだろうと思って誘ったら一瞬で「行きます!!!!」の返事が来た。
緑谷も体育祭の騎馬戦で組んだ仲なので二つ返事で了承。
こうして3人で向かわせてもらうことになったわけだ。
「しかし……今でもちょっと慣れないっすね。オールマイトの真の姿がそれなんて」
「サポートアイテムで常にマッスルフォームのような筋肉を維持できるようにすれば解決ですね!? どうやりましょうかフフフフフ!!」
「肉襦袢でよくない?」
「はは……まァね。勿論本気の時は全盛期の力はまだまだ出るが、私も歳という事だ。くれぐれも秘密にしてくれよ、二人とも」
「もちろんっす。口は堅い方です」
「ご安心を!! 興味ありませんので!!」
「発目さんちょっと言葉を選ぼう!?」
さて、こうして一緒の飛行機でI・アイランドに向かうオールマイトだが、その様相は俺らの知るムチッ♥ムチッ♥なナンバーワンヒーローの姿ではない。
ガリガリの骨と皮だけの姿となっていた。
ここに来る際に説明されたのだが、実はオールマイトの体は常にあのムチムチモード(マッスルフォームって言うらしい)を維持してるわけではないらしい。
普段は省エネ兼顔バレしないように、このトゥルーフォームというガリガリの姿でいるとのこと。
説明されて普通に驚いてしまった。オールマイトも「まぁウォールハックでどこかで私の姿を見たことがある幾野少年は知ってると思うが」とか言われたけど一回も見たことなかったです。マジで。
ま、秘密だってことだし誰にも言うつもりはないけどね。
I・アイランドではマッスルフォームを維持しなければならないので、飛行機の中では省エネ状態でいるとのことだ。ナンバーワンヒーローも大変だな。
I・アイランドに近づいたところで、機内にまもなく到着のアナウンスが流れた。
それに合わせてオールマイトがマッスルフォームに体を切り替え、見る見るうちに筋肉で体が膨張していく。
勃起みてえ。
「さあ、緑谷少年も幾野少年も着替えたまえ! ヒーローコス、学校に申請して持ってきてるんだろう?」
「はい!」
「世界中に俺の肉体美を見せつける時!」
「幾野少年は自重もしたまえ! あとは発目少女だが……」
「ご安心を!! ワタシもちゃんと余所行きの服を準備してきていますから!! イクノさんに誘われて先日買ってきたのです!!」
「流石にね、ここで普段のエンジニアスタイルでは行かせられなかったからね。事前に一緒に買い出しに行った俺を褒めてもろて」
「っていうか幾野くん、それデートじゃ……?」
「デート? そうだったのですかイクノさん?」
「どうだろね」
俺達も到着に合わせて着替えることにした。勿論ヒーローコスチュームは正装も兼ねるので俺は性癖破壊の為にきっちり例のスーツに身を包む。
発目ちゃんは何も言わなけりゃ絶対いつもの作業着で来るだろうという確信があったので前日に無理矢理呼び出して服を買いに行った。
女の子に恥をかかせてはいけません。発目ちゃんも俺が言うならと買い物についてきてくれたのでだいぶ信頼度稼げてると思う。
「さァ、では行くか!!」
それぞれ着替えた(もちろん発目ちゃんは別室で着替えた)俺たちは、I・アイランドに到着し、飛行機を降りた。
「3人にクエスチョン! この人工島が作られた理由は?」
「えーっと……世界中の才能を集め、個性の研究やヒーローアイテムの発明等を行うためです!」
「この島が移動可能なのは研究結果や科学者たちをヴィランから守るためと聞いていますね!! 警護システムもタルタロス並みの凄まじい技術が使われていると!! どんなものが使われているのかぜひ知りたいですねフフフフフ!!」
「俺の答える事ないなった」
入国審査の自動レーンを4人で移動して、俺達は入国ロビーに到着。
この時点でなんか……すげぇな。広いし。人いっぱいいるし。科学技術ぅ~って感じがする。
ほらもう発目ちゃんなんか今にも飛び出していきそうじゃん。俺絶対今掴んでる発目ちゃんのこの手離せないわ。
オールマイトからも言われてるけど発目ちゃんが暴走しないようにするのは俺の役目だ。めっちゃ荷が重い!
そして、ロビーを抜けてI・アイランドに出ると、そこは。
「わぁぁぁぁ……!!」
「おー……すっげぇなこりゃ! ワケわからん!」
「おや!! あのガシャポンのような飛行機械、どのように空を飛んでいるのでしょうか!? ムムっ!? 水が文字を作っていますよ!? ハープからも音符の立体映像!! これはこれはまるで私にとっては遊園地ですね!! さあさあ早く行きましょうイクノさん!!!!」
「ステイ。発目ちゃんステイ」
「ふむ、プレオープンだというのにこれほど人がいるとは……!!」
まるで夢の国そのもののような、色んな建物やアトラクションが集う光景が広がっていた。
こーれ凄いわ。普通にワクワクしちゃうね。早く色んな所回ってみたい。
早く回らないと俺の腕が発目ちゃんに千切られる。
潜行の個性を使って発目ちゃんの手と俺の手が一体化してるから逃がさなくて済んでいる。良かったよ俺の個性万能で。
「I・アイランドにようこそ……ってオールマイト!?」
「ウソ!? ナンバーワンヒーローの!?」
「すげぇ!!」
「サインください!!!」
うわめっちゃオールマイトに客が集まってきた。
これはあかん。俺は緑谷と発目ちゃんを連れてちょっと離れる。
「……って、あれ!? そっちの子ヒーロー殺し事件の映像で見たことある!」
「あ、もしかしてセンシティブヒーロー『イグジスト』!?」
「やだ、間近で見ても本当に女の子にしか見えない! サインください!!」
って俺もかよ。確かに日本人結構いるわ。
かーっ!! 顔が売れてるのつれーわー!! 人気者だなー! かーっ!!
なおその後めっちゃ俺もサイン書いた。発目ちゃんを逃がさなかった俺偉い。
最後に俺の事を知らない海外の観光客に向けてちゃんと性別は明かしておいた。オラッ脳破壊!!
そして少ししてようやく落ち着いたころ、オールマイトが旧知の友人に会いに行くという話を切り出して、緑谷はそれに付き合うとの事。
ふむ。俺は正直オールマイトのそれに付き合うほどでもない。普通に友人と懐かしい時間を過ごしてもらいたいし。
「じゃあ俺たちは先にエキスポ回っててもいいですか?」
「ああ、自由に見てくるといい!! 幾野少年、発目少女の事をよく見ておいてくれよ!」
「さぁさぁ早く行きますよイクノさん!! 他の方々が作ったベイビーたちが私を待っていますっ!!!」
「そだね、それじゃ─────」
「────マイトおじさまーーーー!!!」
しかしそこで新たな登場人物。
なんかホッピングみたいなアイテムに乗ってぽよんぽよんとこちらに向かって飛んでくる、金髪巨乳眼鏡のアメリカン女子。
は???(逆ギレ)
めっちゃ揺れてるが??? 誘ってんの?????
「マイトおじさまー!!」
「OH! メリッサー!!」
そしてオールマイトにそのまま飛び込んで抱きしめられてた。
もしもしポリス? 事案発生ですわよ??
さて、二人の話を聞くとメリッサさんはオールマイトの旧知の友人の娘さんという事らしい。
17歳だって。
その体つきで17歳は各方面に失礼でしょ(豹変)
うちのクラスの八百万ちゃん以外に謝って???
まぁ胸から下のスタイルは俺の勝ちなので許すが……。
「初めまして、メリッサ=シールドです!」
「初めまして、雄英高校ヒーロー科一年、緑谷出久といいます!」
「同じくヒーロー科一年、幾野潜です」
「ムムム……この移動アイテム、中々の発想です! シンプルな造形の中に理想的な力学ライン!! できますね!!」
「発目ちゃん挨拶しよ? ね?」
「はっ! 貴女がこのベイビーを作った方ですか!? 素晴らしい発想です!! ぜひどんな技術が組み込まれているか教えてください!!」
「話聞いてない!!」
「幾野くんがツッコミに回るの初めて見た」
「あら……ええと、おじさま、この子は?」
「ああ、発目少女は雄英高校のサポート科の一年だ!! アイテム開発に関して素晴らしい才能を持っていてね、きっと話が合うだろう!!」
結局目の前のアイテムに夢中になってしまった発目ちゃんの代わりにオールマイトが紹介し、同じくサポートアイテム開発でアカデミーで学ばれているというメリッサさんとは意気投合した。
俺の負担減るか……? いやメリッサさんも暴走系だとするとさらに負担が増えるか……!?
緑谷を生贄に捧げて緊急脱出装置を発動したくなる衝動を堪えて、改めてメリッサさんと話す。
彼女もまた初見のヒーローコスチュームに興味があるようで緑谷と俺のスーツをじっくり嘗め回すように見てきた。
えっちか? そしてやっぱり発目ちゃんタイプかこの人も??
「緑谷くんのコスチュームはオーソドックスな感じね……でも、腕の所がボロボロ。パンチの威力が強すぎるのかしら……」
「ちょっと近いですメリッサさん……!」
「幾野さんのコスチュームは……腰まわりに収納スペース……あら、この手首のパーツ、不思議ね……ワイヤー機構? でも、どこに射出装置が……?」
「あ、それは……」
「私がイクノさんのために開発したベイビーです!! 彼の個性である『潜行』の特性を活かして彼にだけしか扱えない特製となっています!! 腕の中に射出機構と回収機構を潜り込ませているんですよフフフフフ!!」
「まぁ、すごい!! 発想もすごいし、この細腕の中に実用化できるほどの装置を組み込んでいるのもすごいわ!! ……って、
「あ、俺男なんです」
「────────え?」
メリッサさんに性別を明かしたらフリーズしてしまった。
とうとう俺はアメリカの巨乳女子の脳すら破壊してしまったのか。
大丈夫かな? この人の脳ってすっごい貴重なそれじゃない?? 罪に問われないかな???
「オッホン!! メリッサ、そろそろ……」
「あ、ごめんなさい! つい驚いてしまって……えっと、性別は人それぞれよね!」
「いやちんちんもついてて普通に性別も男ですけどね」
「────────え???」
「天丼で脳を揺らしちゃダメだよ幾野くん!?」
「イクノさんは変わらないですね!! ムム!! このホッピングのようなベイビー、まさか伸縮自在!? 圧縮機構に使っているのは新素材のコンデニウムですか!? 成程興味深いですねぇ!!」
「あ、メリッサさん。後で発目ちゃんとはぜひアイテム開発で語り合ってもらえれば。この子ホントにそういう話好きなんで」
「え、ええ。それはこちらこそお願いしたいところだわ! でもまずはマイトおじさまをパパに会わせてあげないと! こっちよ、マイトおじさま!」
そうしてオールマイトと緑谷はメリッサさんに連れていかれて、発目ちゃんと俺でエキスポを回ることになったのだった。
たすけてください。
「見てくださいイクノさん!! このベイビーはドッ素晴らしい発想ですよ!? バイクに変形するのでしょうか!? 突起の内側にも小タイヤがあるということは機動性は確保されています!!」
「そうだね×1」
「ムム!! あのヒーローの持っている刀、明らかに柄の部分に特殊な機構が!! あれはもしや爆発で鞘走りを速くして居合抜きを加速させるものでしょうか!? 胸のパーツも気になりますね!!」
「そうだね×2」
「この警備ロボットも素晴らしいですね!! 無駄のないシンプルな機構に恐らくはオートバランサーを内蔵しているのでしょう! 多少の段差でも転ばないうえにコストも考えられています!!!」
「そうだね×3」
「分解してみましょう!!」
「だめだね×9」
発目ちゃんが止まらないですわ。
ずっと手を繋いで行動してるんだけどこれ手を離したら絶対飛び出してってどこかで暴走しますわこれ。
俺人選間違えたかなぁ!? 普通に葉隠ちゃんとか誘っておけばよかったかなぁ!?!?
「あ、幾野くんと発目さんだ」
「お、緑谷とメリッサさん」
「ムム! 先程の科学者の卵の方! ぜひお話をお伺いさせてくださいっ!!」
「あはは……元気な子ね、発目さん。ええ、一緒に回りましょうか!」
そこでオールマイトを友人と会わせてから出歩いてたのだろう緑谷とメリッサさんと合流した。
よかった……!! 俺の負担が減る……!!
メリッサさんはもしかしたら天使なのかもしれない。
「じゃあ行きましょうか。あそこのパビリオンもお勧めよ!」
「へぇ。んじゃぜひ行ってみましょう」
そしてメリッサさんの案内でパビリオンに入る。
「最新のヒーローアイテムがこんなに……!!」
「デクくん、発目さん、見て見て!! この多目的ビークル、飛行力はもとより水中行動も可能なの!!」
「すごいですね!! どれくらいの速度が出るのでしょうか!? 内部機構の設計書とかも見てみたいですねフフフフフ!!」
「高そう」
「この潜水スーツは深海7000mにまで耐えられるの!!」
「深い……!! あの薄さでなんて潜水能力だ……!!」
「素材が気になりますね!! あの薄さで可動域をキープできているとはドッ素晴らしい!! 後で素材分けてもらえないでしょうか!?」
「俺の個性でなんとかなるやつ」
「このゴーグルには36種類のセンサーが内蔵されてるわ!!」
「見え過ぎるーっ!! 遠くから近くまで、熱源感知もできるなんて……!!」
「36種類全てのリストはこちらですね!? ムム!! これなら簡易版は学校でも開発できるかもしれませんね!! このサイズにまとめるのが大変そうですが!!!」
「ウォールハックでなんとかなるやつ」
もんのすごい疎外感あるよね。
メリッサさんも張り切って楽しそうに紹介するし、発目ちゃんももう食いつきが最高だ。目がらんらんと輝いている。緑谷もオタク気質な所出てきててテンション上がってる。
峰田……お前と下らねぇエロ話で盛り上がりてぇよ俺……!!
俺を助けて峰田。お前の前の困ってる俺を助けてくれ。隣にいてくれるんだろ峰田ァ……!!
でもまぁ楽しそうにしてるメリッサさんと発目ちゃんが眼福だから許したろ!!
「実はほとんどはパパが発明した特許を元に作られてるのよ」
「へぇー、すごいなぁ!」
「これだけの特許とかマジでシンギュラリティ起きてそう。すげぇや」
「ぜひメリッサさんのお父様ともお話させていただきたいですねフフフフフ!!」
「お、発目ちゃんが名前覚えるの早かった。流石」
メリッサさんはその後の話で、お父さんのような科学者になるのが夢だ、と言っていた。
そのためにI・アイランドのアカデミーに飛び級で入って学んでいるらしい。
ああ、いいな。
それはとても暖かくて、優しい夢だ。
頑張ってほしいな。マジでさ。
ところでさっきから発目ちゃんが動き回りまくって俺の腕がゴム人間になりそうなのなんとかしてくんないすか??
「すごいや……! 僕もオールマイトのようになるためにもっと努力しなくちゃ!」
「デクくん、ホントにマイトおじさまが大好きなのね」
「ガチ勢ってやつですね。オールマイトオタクですから緑谷は」
「あら、そうなの?」
「お、オタクは言いすぎだよ幾野くん! 否定できないけど……!」
「うふふっ、照れてる」
緑谷がメリッサさんに負けないぞ、と自分の夢を語ったところで俺のジャブが入り、慌てた緑谷の様子にメリッサさんがくすくすと笑う。
なんだよ緑谷お前もしかしてメリッサさんまで堕とすつもりか? この天然オブ天パめ。
後で麗日ちゃんにチクってやろ。
とりあえずこの二人のツーショットをスマホで撮ろうとしたところで。
「─────楽しそうやね、デクくん」
「─────楽しそうだね、センちゃん」
ひゅっと息をのんだ。
何故か恐怖すら感じてしまう声色の、聞き慣れた女子の声が背後からかけられたからだ。
「どぅわ!? う、麗日さん!?」
「え、葉隠ちゃん……!?」
振り返ればそこには。
緑谷に嫉妬の笑みを浮かべる麗日ちゃんと。
このI・アイランドでも相変わらず全裸の葉隠ちゃんがいたのだった。