【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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69 はじめての束縛プレイ♥

 

 

 俺は位置を変え、ビルの上から見下ろすように二人の戦いを眺めていた。

 

「待ってって! 本当に戦わなきゃいけないの!? 間違ってるわけないじゃないか、君の憧れが──……!!」

「うるせェ……!! うるっせェんだよ、てめェはいつもいつもよォ!!」

 

 爆豪が爆破で突撃する。

 それに対して緑谷がフルカウルで抵抗。

 フルカウル8%。

 期末試験以降さらに伸びた緑谷の力に、しかし。

 

「その動きはもう何度も見せてんだろォがッ!!」

「かっちゃ……くっ!!」

 

 爆豪がその類稀なる戦闘センスで隙を突き、緑谷の腹に一撃。

 回避がギリギリ間に合ったが、緑谷のダサいTシャツの脇腹が焦げ落ちた。

 天才。

 その一言を煮詰めたような存在の爆豪は、緑谷の力を認めたことで己をより高みに引き上げていた。

 

「何でだよ……!! クソザコのてめェが力つけてよォ!! それがオールマイトの力だってっ……オールマイトに認められて強くなってんのに!! そんなテメーが、なんで!!」

「…………」

「なんでオールマイトを終わらせちまった俺よりも弱ェんだよッッ!?」

「っ!?」

 

 爆豪の慟哭が誰もいない訓練場に響く。

 聞いたのは緑谷と、俺だけ。

 爆豪の心の底に澱む苦悩。

 己が攫われたことでオールマイトが終わってしまったという事実に、苦悩していた。

 

 抱え込んでいたんだ。

 それを誰にも見せず、零さず、悩み続けていた。

 

 ……くっそ。

 何が隣にいてやるだよ。

 気付けてすらいなかったじゃねぇかよ、俺は。

 

「俺が攫われなければ……俺が強ければあんなことになってなかった!! オールマイトが秘密にしようとしてた……考えねぇようにしててもふとした瞬間湧いてきやがる!! どうすりゃいいかわかんねんだよ……!!」

「…………」

 

 あの爆豪が、涙すら零して叫ぶ。

 どうしようもない想いを、抱えて、限界になり、そうしてそれを零す先に……緑谷を選んだ。

 真実を知り、己を全てぶつけることで、きっと何かが見えるんじゃないかと。

 足掻いているように俺には見えた。

 

 ……でも、きっとそんな爆豪を救うのは、俺じゃない。

 俺の役目じゃあない。

 

「だあッッ!!」

「カッ……!!」

 

 爆豪の突進に、緑谷が飛び蹴りで迎撃し、頬を掠める。

 口元から血が溢れる爆豪を、真っすぐに見つめ返す緑谷。

 

 ああ、あいつも覚悟したんだ。

 爆豪の気持ちを今受け止められるのは、自分しかいないってことを。

 

「……かっちゃん……やるなら全力だ!! サンドバッグになるつもりはないぞ!!」

「来いや……デクぅ!!」

 

 覚悟を決めた緑谷が爆豪に飛び込み、爆豪もまた爆破で己の体を加速させ肉薄する。

 近距離戦。緑谷に分があるそこで、爆豪は爆破による跳躍からの高速機動で決して緑谷に主導権を渡さない。

 バックステップで回避して一度距離を取り次の手を考えようとする緑谷に対して、爆豪が己のスタミナに任せた連撃を繰り出して緑谷に考える時間を与えない。

 爆豪の利点であり緑谷の欠点。

 空中で軌道変更ができるかどうか。

 

「ッラァァ!!」

「ふぐっ……!!」

 

 爆豪の右フックが緑谷の脇腹に今度こそ突き刺さった。

 壁に吹き飛んだ緑谷に対し爆豪がさらに突進し……しかし緑谷もタダでは終わらない。

 かつて俺がそう評したように、緑谷もまた戦闘の天才。

 本能ではなく冷静な判断と知識で詰めてくる。

 

 それでもなお、フルカウル8%の力を読み切っていた爆豪が流れを掴んでいた。

 主導権を握るのは爆豪。

 緑谷はそれをいなしながら……お互いに、心の底からの本音で語り合いながら、傷を作りながらも戦いは加速していく。

 

 俺はそれを見て、ほんの少し。

 ()()()()()()()と思ってしまった。

 

 俺にはできない。

 俺が本気になるということは、()()()()()()()という事だから。

 相手が峰田だろうがミリオ兄さんだろうが、俺が本気になれば拳で語り合うことはない。

 俺が捕まえるか、相手が逃げるかだけで。

 俺には、拳で語り合うことはできないから。

 

「僕にないものをたくさん持ってた君は……オールマイトより身近な『すごい人』だったんだ!! だからずっと───」

 

 緑谷の声が大きく、執念すら、いや懸想すら感じさせるほどの熱を持つ。

 その身に纏う緑色の電流がより激しさを増して……速度が伸びた。

 フルカウルの上限を超えたのだ。

 

 10%。

 その状態まで、その身を引き上げていた。

 

「───キミを!! 追いかけていたんだ!!」

 

 蒸し暑い夜に、背筋がひやりとするほどの蹴りの速度。

 その速度は衝撃波すら生み、周囲の埃を巻き上げながら爆豪に襲い掛かる。

 爆豪もその一瞬で回避は不可能と直感し、爆破で受けて衝撃を緩和したが、それでも両腕に痣が残るほどの威力を緑谷はたたき出していた。

 

 ああ、これで勝負は決まった。

 

「これで俺を追い越したってか、デク─────甘ェんだよォォォ!!!!」

 

 ()()()()()()

 

 

 

 そこからの勝負は一瞬だった。

 速度に任せて後ろ廻し蹴りを繰り出した緑谷だが、勢いが乗り過ぎて隙を生み、爆豪の反撃が間に合った。

 吹き飛ばされたが速攻で姿勢を立て直す緑谷に、しかしどこまでも冷静に爆豪が対処する。

 

 緑谷も天才だ。

 だがその天賦の才は、あくまでも分析力と努力によって培われている。

 ここで一気に己の上限を伸ばしたとして、それを使いこなすには修練が必要なのだ。フルカウルに目覚めた時のように。8%に底上げするまで時間がかかったように。

 例え肉体が10%に耐えられても、その動きに己の感覚がついていけていない。

 

 そして、それを見逃す爆豪ではない。

 蹴り主体のシュートスタイルから隙を突いて拳を握った緑谷に対し、爆豪があえて右腕に隙を作り、そこを緑谷が拳で殴った瞬間に爆豪が爆破でその身を回転。

 威力を受け流しつつ、緑谷の袖を掴んで体勢を崩し─────爆破で空中へ。

 

 かつて、騎馬戦で見た光景だ。

 ビルの上にいる俺の視点の高さまで、二人の体が飛びあがって。

 

 しかし、今回の空中戦は────緑谷の力を一切無礼(なめ)なかった爆豪に軍配が上がった。

 

「ハァッ、ハァ……!! ハッ、ゲホッ、ガハッ……」

「ハァ……ハァ! ゲホッ、ゲホッ……!!」

 

 お互いに満身創痍。

 しかし、緑谷の顔面を片手で地面に抑え、全身で四肢を抑えつけている爆豪が……緑谷の生殺与奪を握った。

 

「───俺の勝ちだ」

 

 その勝利の宣言は。

 どこか空しく、訓練場に響いたのだった。

 

 


 

 

 二人の喧嘩が終わった後、オールマイトが現場にやって来た。

 俺もビルから飛び降りて、二人の横に着地する。

 

「……なんで、デクだったんだ……ヘドロん時からなんだろ……?」

「非力で……誰よりヒーローだった。君は強い男だと思った……」

「俺だって弱ぇよ……!! 弱ェから、あんたをそんな姿に……!!」

 

 この場で一番オールマイトに言いたいことを言う権利がある爆豪が、オールマイトと言葉を交わして。

 そしてオールマイトが爆豪の頭を抱き、謝意を伝えた。

 

「……長い事ヒーローをやってきて感じていたんだよ。爆豪少年のように勝利にこだわるのも、緑谷少年のように困ってる人間を助けたいと思うのも……どっちが欠けていても、ヒーローとして自分の正義を貫くことはできないと……思っていた」

 

 そしてオールマイトが、爆豪と緑谷を見て言葉を紡ぐ。

 

「どちらの想いも、ヒーローとして必要な力だと思っていた。実際に君たちは、お互いがお互いを認めあい、高めあって強くなった。これからはきっともっと強くなれる……助けて勝つ、勝って助ける。最高のヒーローになれるんだと……それがヒーローの在り方だと思っていたんだ。でも……」

 

 そしてその言葉の後、オールマイトの視線はこちらに向いた。

 なんでしょうか。俺は何も出来なくて、ただ隣にいただけなんですけど。

 

「……幾野少年のように、誰かの傍にいてあげられるのも強さなのかもしれないな。緑谷少年も爆豪少年も……A組のみんなも、いやB組や心操少年、発目少女すら……君に影響を受けて、強く前向きになっている。隣に誰かがいてくれるというのは、何よりも心の助けになるものだ……私とデイブがそうであったように。君のように、泣いている誰かを支えるというヒーローの形も、私は応援したい」

「…………なんも、できてないです。特に今回は……話を盗み聞きして、二人を見てただけだ」

「それでも、君は()()()()()()()()。二人の喧嘩が大事に至らないようにね。止める権利も、止める理由も、止める力もあって……止めなかった。その優しさを私は肯定する」

 

 これまでも常々言われてきたことだ。ヒーローとしての積極性に欠けると。

 爆豪みたいに、緑谷みたいに、みんなみたいに俺は一番を目指してない。

 ただ、辛い思いをして、視野が狭まって、苦しんでるやつがいたら隣にいてやりたいだけなんだ。

 俺のそんなヒーロー像を、しかし、それでもオールマイトが肯定してくれた。

 やばい。ちょっと泣きそう。意地でも泣かないけど。

 

「……そんな御託を聞きてぇわけじゃねぇんだよ…………ったく……」

 

 爆豪が体と心の疲労でとすんと尻を突き、そのまま体育すわりで組んだ腕に顔を埋める。

 涙を流しているのかもしれないが、流石にここで俺もそれを茶化しはしない。

 この夜の事を、誰にも言うことはないだろう。

 

「デク……お前、一番強い人にレール敷いてもらって……俺に負けてんなよ」

「…………強くなるよ。君に勝てるように」

「安心しろよ。二人がもっと強くなるように俺がケツひっぱたいてやる」

「ケッ。てめェも俺が超えるんだよ……ったく」

「僕だって、いつかは……超えたい。幾野くんを」

「待ってるぜ。マジでな」

 

 お互いに心の底まで見せあった緑谷と爆豪に、俺もまた飾りのない言葉で答えた。

 俺のしたい事。みんなのために、在れるように。

 

「ハァ……デクとオールマイトの関係知ってんのは?」

「リカバリーガールと校長……生徒では、君たちだけだ」

「相澤先生すら知らんのですか。……いやそりゃそうか、こんなこと」

「バレたくねェんだろオールマイト……誰にも言わねぇよ。俺も幾野も……クソデクみてぇにバラしたりはしねぇ」

「ああ。ここだけの秘密にします」

 

 爆豪の言葉に俺も頷き、秘密を守ることを誓った。

 まぁもとよりトゥルーフォームの存在すら知らされていた俺だ。信頼が足りないということはないだろう。

 俺も、口が裂けても言うつもりはないし……爆豪だって筋は通す。秘密が漏れることはないだろう。

 オールマイトが気を遣わせて済まないと謝るが、爆豪ちゃんの言う通りこれを知られるリスクとデメリットがデカすぎるだけだ。

 

「こうなった以上は爆豪少年と幾野少年にも納得のいく説明をしよう……それが筋だ」

 

 そしてオールマイトは、俺と爆豪に彼の力の説明を受けた。

 巨悪に立ち向かうため代々受け継がれてきた力という事。その力でナンバーワンヒーロー、平和の象徴になったこと。

 傷を負い、限界を迎えていたこと。そして後継に緑谷を選んだこと。

 

 その話を聞いて、俺は。

 

「継承の為にDNAを受け取るって……もしかしてオールマイトと緑谷ってセッ」

「そういう流れじゃないぞ幾野少年ンンン!!!」

「てめェはマジでクソバカ野郎だなァ!? ブッ殺すぞ!?」

「ライン越えたよ???」

「ごめん」

 

 ちょっとジャブ打っただけじゃんねー!!

 爆豪ちゃんも緑谷もめっちゃ怒ってくるじゃん!! コワイ!!

 いやだって想像するでしょDNAの譲渡で受け継ぐとか言われたら!!

 逆に髪の毛一本で継承されるとかそっちの方が信じられねーじゃん! 緑谷の部屋掃除してたらいつの間にかOFA継承しそうじゃん! どうすんだよ引子さんが受け継いでたら!!

 でもその辺聞いたらちゃんと受け継ぐ意志をもって渡さないと駄目なんだって。よかった。

 

「いつでも茶化して空気を緩めるのは君の長所でも短所でもあるな。まったく幾野少年は……」

「こいつマジでよ。……ったく、しかしどう聞いてもこんなのバラしたクソデクが危機管理足りてねェ。バカが」

「ごめん……」

「爆豪ちゃんだけでよかったな。まともなやつでよ」

 

 オールマイトに連れられて俺たちは職員室寮に歩いて向かいながら、先ほどの話から自分たちが抱えた秘密の重さを感じる。

 だが、それに負ける俺達ではない。

 

「結局……俺のやることは変わんねぇや」

「うん」

「今まで以上に強くなる。デク、てめぇの全部を俺のモンにして『選ばれた』お前よりも上に行ってやる」

「じゃっ……じゃあ僕はその上を行く! 行かなきゃいけないんだ……!!」

「そして俺はそんな二人のケツを叩いて引っ張り上げる役と」

「幾野、てめェは俺のサンドバッグになれや。レベル上げにちょうどいいんだよテメーは。メタルスライム野郎が」

「じゃあ僕も幾野くんをサンドバッグにする……!! かっちゃんよりも!!」

「緑谷お前頭叩かれすぎて変なテンションになってるな??」

 

 俺たちの形は変わらない。

 爆豪は、これまで以上に緑谷を認めて、さらに貪欲に高みを求めて。

 緑谷は、そんな爆豪に負けまいとオールマイトから受け継いだ力を開花させて。

 そして、俺はそんな二人を、A組のみんなを支える。隣にいてやる。

 

 きっと、その先に俺たちの求める答えがあると信じて。

 

 


 

 

 俺は浮浪者の様な男に襲われ、全身を縄で縛られ、束縛プレイを受けていた。

 

「試験終えたその晩にケンカとは元気があって大変よろしい……」

 

 ブチキレ相澤先生の捕縛布に巻かれてぎゅっぎゅと体に布が食い込んでいる。

 個性で無視してないのは俺の反省の証です。

 止めるのが寮長として正しい行動だとは分かっていたが止めなかったからな。俺も同罪。

 それにしてもキッツいなこの捕縛布。前に心操に訓練で縛られたことはあるけど拘束具合がダンチだ。

 

んっ激しいっこんなにキツい拘束プレイ初めてっ……♥」

「幾野」

「すんません。やらないといけない気がして」

「元気だね幾野くん……」

「コイツ一度脳ミソ洗われろや……」

 

 俺が口からオート冗談を零したところ、さらに先生の束縛がきつくなった。

 そろそろオート個性を発動させないのも大変になってくるんで流石に緩めてくれません?

 俺の珠玉のお肌に縄の跡なんて残ったら透ちゃんになんて説明すればいいんだよ。流石に怒られるわ。

 

「相澤くん待って、捕縛待って。原因は私にあるんだよ」

「はい?」

 

 その後、オールマイトが上手く理由を作ってくれたらしくて、相澤先生は納得しきれないまでも束縛を緩めてくれた。

 よかった。俺もオート個性を発動し直して一息。

 

「………んん……だからルールを犯しても仕方ない……で済ますことはできません。しかるべき処罰は下します。……原因は?」

「俺。俺がデク呼び出して仕掛けた」

「僕もけっこう……ガンガンと反撃を……」

「俺は二人が寮出てくの見つけて追って、んで止めませんでした。男同士の喧嘩って青春ですし」

 

 ここで俺が変に二人の言葉に止められないって思った……なんて言ってもボロが出るしな。

 つとめて普段の雰囲気を出して、止めなかった理由は誤魔化した。

 普段のノリが功を奏したか、俺が止めなかったことについては相澤先生は突っ込んでこなかった。

 

「爆豪は四日間!! 緑谷は三日間!! 幾野は二日間の寮内謹慎!! その間の寮内共有スペース清掃を朝と晩!! さらに反省文の提出!!」

「せ、先生! 幾野くんは僕たちが大怪我しないように見守ってただけで……!!」

「止める力があって寮長という立場でもあるのに止めなかった責任がある。文句はないだろうな幾野」

「ええ。欠片も」

「……チッ」

 

 俺も謹慎を受けたが、仕方ない。それも含めて俺は止めない判断をしたんだからな。文句があろうはずもない。

 俺に申し訳ないと思うなら強くなって返してくれりゃいいよ。謹慎なんてそうそう受けることないんだからむしろ良い経験だわ。

 

「怪我については痛みが増したりひかないようなら保健室へ行け! ただしよほどの事でなければリカバリーガールには頼るな! 勝手な傷は勝手に治せ!! 以上! 寝ろ!!!」

 

 相澤先生のため息と共に、俺達は捕縛布から解放されて寮に戻って行った。

 

 


 

 

「ケンカして謹慎~~~!?」

 

 これが翌朝、掃除機かけてる緑谷と爆豪を見つけた女子たちのコメント。

 

「なんでバニースーツなんだよ幾野!?」

「朝からとんでもないものを見せてこないでくれたまえ!?」

「せめてそこはメイド服とかじゃねぇのかよ!?」

 

 これがバニースーツで窓を拭いてる俺を見つけた男子たちのコメント。

 

 いやぁ……せっかく掃除だから俺も服とかエンジョイしようかなって……。

 謹慎とは言われたけど謹慎中の服については指定がなかったからな。校舎にもいかない、朝練にも行けないとなれば俺が服を躊躇う必要はない。

 緑谷も爆豪も負い目があって俺を止められない。無敵の人状態。

 峰田には早朝のランニングに付き合えない理由を伝えてあり、バカがよと肩を竦めて笑われた。理解あるダチで助かる。

 

「あ、謹慎中に俺みんなの部屋の外窓とベランダ掃除しておくからさ。女子とか部屋の中見られたくない人はカーテン閉めといてな。中には入らないし」

「ベランダに変質者がいるって通報されんじゃねーか?」

「流石にそん時は普通の服に着替えるよ」

「ってか外から窓拭くの? 内側は……って、そうか幾野だもんな」

「外側から窓を無視して内側拭けんのか。掃除に便利すぎるなコイツの個性」

「ゴミ出しは緑谷がまとめてくれるから授業終わって帰ってきたら部屋の外に出しといてね。あと夕飯は爆豪ちゃんが作るから」

「寮長として仕事してる時はマトモすぎる……」

「でも授業終わって帰ってきたときにどんな服になってるか怖すぎて怖い」

 

 俺は朝食を終えて登校するみんなをバニーの耳をぴこぴこ動かしながら竹ぼうきを片手に送り出した。

 みんな始業式と授業頑張ってきてね♥

 

 

 

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