【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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70 びっくりするほど驚いてくれないんだよね!!

 

 

おかえりなさいませ、ご主人様♥」

「来ると思った!!!」

 

 俺は放課後、みんなが寮に帰ってくるころにメイド服に着替えてみんなをお迎えしていた。

 完璧なカーテシーでロングスカートを摘み、恭しくお辞儀をしてやる。

 来ると予想していてもその衝撃を受け流せていないのか何人か白目をむいていた。また性癖を壊してしまったね。

 脳破壊は気持ちいいゾイ!!

 

おかえりなさいませ、お嬢様♥」

「女子向けのセリフもちゃんとやってくるやん」

「ケロ、見た目が良すぎて茶化せないわセンちゃん」

「我が家のメイドと比べてもいい勝負ですわね……この慣れよう」

「センちゃん、私にも言ってー!」

「────おかえり、透」

「やー!! 耳が幸せー!!」

「バカップルやめろー?」

 

 女子にももちろん迎えてあげますよ。

 透ちゃんには耳元で囁いてあげたら喜んでくれていた。可愛い。大天使。

 そしてみんなが寮内に入れば、そこには。

 

「なんかピッカピカなんだけど!?」

「廊下こんなにツヤ出てたっけ!?」

「天井までなんか白い……気がする……」

「あ、天井は俺が全部綺麗にしといた」

「掃除のプロか??」

 

 匠の手によって生まれ変わったハイツアライアンスが!

 共用スペースの掃除としか相澤先生は言ってなかったよなぁ……?

 つまりどこまで綺麗にしたって構わねぇってことだよなぁ!?

 

「みんなのベランダと外窓も綺麗にしたし1階共用スペースの壁全部拭いたし廊下は爆豪ちゃんと緑谷に死ぬ気で磨かせたよ」

「僕人生で初めて業務用研磨洗剤使ったよ」

「業務用ポリッシャーっつったか……悪くねェ。磨き殺してやったわクソが」

「物事に熱中させると強い二人を上手く使いすぎている……」

「寮長としてこの上ない仕事を見せつけてくるのやめろ??」

「すげぇ……マジで埃の一つも落ちてねぇ……」

 

 朝晩の掃除っつったけど朝から晩まで掃除しちゃダメとは言ってねぇよなぁ!?

 二人は実際昨日の喧嘩でケガしてるから筋トレとかよくないし、体をほぐすためにも死ぬほど掃除で体動かしてやったわ。

 緑谷も爆豪ちゃんもなんだかんだやり始めるとこだわるタイプなのでちゃんと道具を渡せばよく動いてくれました。

 爆豪ちゃんのポリッシャーさばきが天才マンだった。いい仕事してくれんぜ。

 明日は風呂場と調理場シメんぞォ!!

 

「で、料理は爆豪ちゃんが全部作ってくれました。みんな着替えたらあっためて食べよっか。6時半に集合ね」

「ケッ。辛さは控えめにしといてやったから食う時に自分で調整しろや」

「あ、僕みんなの部屋のゴミ集めるよ。夕飯前までに部屋の前に出しておいてね」

「どした? 緑谷も爆豪もどした??」

「今日一日で何があったの……」

「やる気出させるの上手だよねーセンちゃん」

 

 どうしたって言われても……二人に家事の楽しさを教えただけだが??

 なんだかんだ掃除って自分との対話なんだよね。真面目にやらないと出来にはっきり表れる。

 その分真剣にやればやるほど楽しくなってくるもんなのだ。緑谷は少なくとも掃除の楽しさに目覚めたようで何よりだ。

 爆豪ちゃんは元々掃除しっかりやるタイプだったと見た。そういう場合はさらに綺麗にできる道具を渡してやればより真剣に取り組んでくれるもんよ。

 俺と峰田がいる限りこの寮は清潔を保ち続けるからよ……止まるんじゃねぇぞ……。

 

「しっかしお前らがいねぇから妙に教室が静かだったぜ!」

「ケロ、そうね。B組の物間ちゃんもセンちゃんがいないからって久しぶりに元気よく煽って来たわ」

「たまにはアイツにもガス抜きさせてやらんとね。元気そうで何よりだわ。そういやB組と心操も全員仮免合格だったんだっけ?」

「そう言ってたねー。心操くんともちょっと話したけど、物間くんがすっごい頑張ってたんだってー」

「物間の方は心操がいい働きだったっつってたけどな」

「あの二人割と相性いいのかもね」

 

 冷えたお茶をみんなに出しつつ、俺は今日の始業式の様子を聞く。

 俺がいないことで物間が元気になってたらしい。なによりだ。再び相まみえる時が楽しみだね♥

 心操も含めてB組全員仮免合格と聞いてそこもホントに何よりなことである。

 これで全員でインターンが出来るな。

 

「今日のマイク先生の授業……ヤバくなかったか?」

「上鳴もか……?」

「当然のように未履修の文法が現れた……青天の霹靂……」

「オイラそんな難しく感じなかったけどな」

「お前は英語喋れるだろーが峰田ァ!!」

 

 なんか男子組が授業の進みの速さにショック受けとる。

 

「インターンの話さぁ、ウチとか指名なかったけど参加できないのかな」

「私もなかったんだよねー。でも前に職場体験させてもらったとこでやらせてもらえるんじゃないのかなぁ?」

「やりたいよね……折角仮免取れたんだし」

 

 耳郎ちゃんと透ちゃんと口田がインターンの話しとる。

 どっちも俺にとっては影響がないというか。授業は全部予習済みだしインターンもミリオ兄さんや天喰先輩に話聞いてるから知ってる話なんだけどな。

 でも緑谷と爆豪にとってはその辺は初見だ。緑谷なんか「たった一日ですごい置いてかれてる感……!!」って顔してる。

 

「『たった一日ですごい置いてかれてる感……!!』という顔だね謹慎くん!」

「キンシンくんはひどいや! ねぇ飯田くん、インターンってどんなことだった? 前に幾野くんが言ってたのは聞いたことあるんだけど……」

「僕は怒っているんだよ緑谷くん! 授業内容などの伝達は先生から禁じられた!」

「ん。じゃあ俺が教えてやろーか緑谷? 爆豪ちゃんも……」

「……と幾野くんが言いだすだろうと相澤先生が仰り、謹慎が解けるまで君は二人に伝えるのは禁止だとも伝言を受けたぞ! 確かに伝えたからな!!」

「相澤先生するどすぎん?? ダツかよ」

「うわー……すっごい気になる……!」

「悪いが二人ともその感をとくと味わっていただくぞ! 聞いてるか爆豪くん!」

「っるせぇんだよわかってらクソメガネ!!」

 

 飯田委員長に緑谷と爆豪への説明NGをくらって俺はんにゃぴ……となった。

 うぅん。でも謹慎だもんな。仕方ないか。

 仮免も取ってないのにインターンの説明を詳細にしてもな……と俺も峰田も特にクラスメイトにその辺を説明していなかったのだがなんか申し訳ないな。

 

 その後爆豪ちゃんは夕食の準備に入り、俺は風呂を準備しに行き、緑谷はゴミ出しに向かった。

 

 


 

 

【side 緑谷】

 

 

(気になる……)

 

 みんなの部屋から集めたごみ袋を全身で抱えながら、僕は先ほど寮で耳にした話を思い出していた。

 授業の遅れもそうなんだけど、やっぱり気になるのはインターンだ。

 さっき耳郎さんと葉隠さんが指名とか職場体験って言ってたから、プロヒーローの何かに係わるものなんだろうと思うんだけど。

 前に話したときに幾野くんにしっかり聞いておけばよかった。ううん、気になる……! 明確に取り残されてる……!!

 冷静に考えてこの三日の謹慎めっちゃ痛手だぞ。

 幾野くんはインターンも知っているし勉強も高校の範囲は完全に予習済み。かっちゃんは天才だからすぐに追いつくだろう。

 けど僕は一歩ずつ歩くしかない。差がついたら遅れを取り戻さないといけない。

 頑張らないと……掃除ばっかりしてるだけじゃダメだぞ僕……!!

 ああでも今日掃除しっかりやったらすごい達成感感じちゃったのも事実なんだ……!!

 幾野くんは人をその気にさせるのが上手すぎるよ!

 泣いてる人の隣にいることを望むからこそだろうか。人の気持ちを汲み取るのが本当に上手い。

 オールマイトも認める強さだ。僕の、かっちゃんの目指す強さとはまた違うけれど……僕も彼の強さには尊敬を抱かざるを得ない……辛い過去があってもなお前を向ける幾野くんはすごい……そしてそれに導いた峰田くんの優しさもだ……ブツブツ……幾野くんも峰田くんもお互いに全幅の信頼があって認め合っているからこそお互いに全く遠慮していない……ああいう関係は正直羨ましい……僕もかっちゃんといつかあんな風に……ブツブツ……

 

「─────(ニコッ)」

 

 なんかいた。

 

「ゴミね。食品とかも可燃で出しちゃって大丈夫だからね」

「……あ、はい。有難うございます」

「んん!! 反応薄っす!!」

 

 ゴミ捨て場に続く道の壁に、なんだかキャラデザが簡単な顔が出ており、にこっと笑いかけて来た。

 それに対して僕の動揺が少なかったのは、幾野くんの個性を普段から見ているからだろう。

 彼も同じようなことをよくすることがある。「地面に桃がなってるよ♥」とか言ってお尻から出てきたり。唐突にゼロ距離に顔を出してきたり。よくやる。

 だから動揺しなかった。すぐにお礼を伝えたところ、向こうもなんか動揺してた。

 そのまま壁に潜っていくのを見送って。

 

 ……あれ。

 もしかして、この人って。

 

「───元気な一年生って君だよね!?」

「わっ。足元から急に出てこないでください、踏んじゃいますよ」

「この慣れっぷりだよね!! ビックリすると思ってやってみたけどやっぱセンのクラスメイトじゃあダメか!! アハハハハ!! まァ俺の事はじきにわかるんだよね!!」

 

 そして次の瞬間に唐突に足元から出てきたが、やっぱり僕はそういう動きに見慣れてたので動じない。

 この程度で動じてたら幾野くんとの組手はできないのだ。

 近接格闘できるA組の生徒ならみんな見慣れてるだろう。何度も一緒に訓練してたから。

 

 そして、僕はその謎の上級生に心当たりがあり、それを口にした。

 

「その、もしかして……()()()先輩、ですか?」

「おや!? 俺の事知ってるんだね!? もしかしてセンに聞いたかい!?」

「え、ええ。雄英に従兄がいるとは聞いてたので……似たような個性だから、そうなのかなって」

「そっか!! じゃあ君がもしかして緑谷くんかな!!」

「あれ、僕の事も聞いてたんですか?」

「自撮りを送ると喜ぶ子だって聞いてるよ!!」

「誤解です!!!」

 

 幾野くんはさぁ!!

 そういう所だよ本当に!!!

 

「はっはっは!! 大丈夫だ緑谷くん!! 俺もセンにはいつも自撮り送られてるんだよね!!」

「え、自分の従兄にまで送ってるんですか幾野くん……!?」

「めっちゃくちゃ困るよね!! やめてって言っても止めないしさアイツ!! 信頼する相手には甘える癖があるからね、緑谷くんもそうなんだろうね!! ある程度まで付き合ってやってくれると助かるよ!! いつもウチの従弟が悪いね!!」

「あ、いえ、もう慣れましたので……」

「そっか!! それは本当に有難いけど自分を見失わないようにだけは気を付」

 

 その言葉を言い切ることなくスッと地中に潜っていったミリオ先輩がふたたび浮上してくることはなかった。

 

「……すごい。ちょっと話しただけなのに幾野くんの血筋だって確信できた」

 

 僕は謎の納得を得てしまった。

 顔しか見れてなくて、そこは全く似ていなかったんだけれども。幾野くんってお母さん似なんだろうな。

 でもちょっとの言動だけでも、その勢いだけで何となく幾野くんイズムを感じてしまった。

 ううん。すごい出会いをしてしまった。

 後で幾野くんに報告しておこう。

 

 


 

 

 そんで二日目はチャイナ服で脳破壊しつつ風呂場と台所とランドリー綺麗にして、俺はその日で謹慎終了して翌日復帰。

 その翌日に緑谷もやる気満々で復帰して、さらに翌日に爆豪ちゃんも復帰して、久しぶりにみんなが揃った教室。

 朝のHRで相澤先生がインターンに関わる話をしてくれるとの事だ。

 

「爆豪も戻った所で本格的にインターンの話をしていこう。職場体験とどういう違いがあるのか直に経験している人間から話してもらう……入っておいで」

 

 相澤先生の合図で、A組の教室に入ってきた3人。

 

「お?」

「お」

 

 俺と峰田は思わず声を出してしまった。

 余りにも見覚えのある顔がそこに在ったから。

 

「多忙な中都合を合わせてくれたんだ。心して聞くように。現雄英生の中でもトップに君臨する3年生3名─────通称、ビッグ3のみんなだ」

 

 ミリオ兄さんやんけ!!

 天喰先輩やんけ!!

 後もう一人は一度だけ昼食ご一緒させてもらったねじれちゃんパイセンやんけ!!

 

「雄英生のトップ……ビッグ3!?」

「あの人たちが……そんな人がいるとは聞いてたけど!」

「びっぐすりー!!」

「めっちゃキレーな人いるし……そんな感じには見えねー……な?」

「あ、この間の……」

 

 えー? 俺これどんな反応すればいい?

 俺に雄英にいる従兄がいることはクラスの全員に伝えてるけど名前しか言ってないし写真とか見せてない。

 つまり目の前に従兄がいるのにみんなそれを知らないっていう微妙な状況なんですけどー?

 えー? これ静かにしてた方がいいやつー?

 面白そうだから静かにしてよ(愉悦)

 

「手短に自己紹介……よろしいか? じゃ、天喰から」

 

 まず最初に天喰先輩からの自己紹介か。

 ふむ……天喰先輩は鋭い目つきの割に恐ろしいほどの陰キャだ。そのままの挨拶だときっと難しいだろう。

 よし、俺がアシストしてやるか。

 

 俺がアシストしてやっていると、まず天喰先輩がクラスを見渡して、ギンッ!!! と鋭い眼差しでA組の皆を見た。

 一瞥だけで相当な迫力だと感じているだろうな。目の前の飯田なんかすごい感動してるまである。

 だが甘いな。あれは天喰先輩なりに緊張を解そうとしているんだ。

 さぁ俺を見て天喰先輩! リラックスして!!

 

「────ダメだミリオ……波動さん……」

 

 したら天喰先輩の駄目な部分出てきちゃった。

 なんで。俺がこんなにアシストしてるのに。

 

「緊張を解そうと幾野と峰田の顔を見たら……あいつら変顔で俺を笑わせに来やがった……!! 笑いをこらえるのに必死で頭が真っ白になった……辛いっ……!!」

「あ、逆効果だった」

「オイラ渾身の顔芸だったのに」

 

 そう、俺は最後尾の席で天喰先輩の緊張をほぐすために変顔で迎えたのだ。

 ミリオ兄さんの真似を俺の顔でやっていたと言えば分かるだろうか。初見は絶対笑わせる自信があったのに。

 そして峰田も同じ発想に至ってる辺り俺たちダチだわ。

 

「え、なんで幾野と峰田見て……?」

「あ、俺ら同じ中学の先輩後輩で超仲良しなの」

「こないだ一緒に帰省したくらいの仲よ」

「お前らビッグ3と知り合いなのかよ!?」

 

 顔芸を戻して尾白の質問に答えたら上鳴からツッコミがきた。

 まぁなー!! 俺たちが一緒に早朝の清掃活動してた頃からミリオ兄さんも天喰先輩もめっちゃ個性伸ばしてたからなー!!

 俺らもそれ見て追いつくためにめっちゃ頑張ってたしな。お互いに研鑽しあった仲ですよ。

 天喰先輩めっちゃ強いからな。そりゃビッグ3にもなるってもんよ。

 

「あ、聞いて天喰くん! 幾野くんも峰田くんもきっと緊張解すためにやってくれてるんだよ! 逆効果だったね! 不思議!」

 

 そしてねじれちゃんパイセンが電子黒板に頭をくっつけて笑いをこらえている天喰先輩のフォローに回る。

 でもあの人ものっすごい天然だからな。A組なんていう面白クラスに来たら……

 

「けどしかしねぇねぇところで君はなんでマスクを? 風邪? オシャレ?」

「これは昔に……」

 

 それちょっと障子の地雷ですよねじれちゃんパイセン。

 こないだ寮でカミングアウトの流れになった時に俺の過去、障子の過去、轟の過去についてみんなに伝えたのだ。俺も障子の過去を聞き、辛い思いを分かち合った仲だ。

 

「あら、あとあなた轟くんだよね!? ね!? なんでそんなところを火傷したの!?」

「………それは────」

 

 だから地雷だっつってんでしょうがねじれちゃんパイセン!!

 この人悪気ゼロだから逆に何も言えねぇな! ド天然おっぱいがよ! おっぱいがデカければ何でも許されると思ってんじゃねぇぞ!!

 とりあえず今はまだ許します。おっぱいデカいから。

 

「芦戸さんはそのツノ折れちゃったら生えてくる? 動くの!? ね? 蛙吹さんはアマガエル? ヒキガエルじゃないよね? ねぇねぇ尾白くんは尻尾で体を支えられる? ねぇねぇ答えて気になるの!」

「天然っぽーい。かわいー」

「幼稚園児みたいだ」

「オイラの頭のタマにも前に突っ込まれたなー」

「俺は男なのになんでそんなに可愛いのって言われたな」

「お前ら既にこんな巨乳美女先輩とも知り合いかよ!?」

 

 前にミリオ兄さんと一緒にお昼取ってるところにお邪魔させてもらったんだよね。

 その時に峰田は頭のもぎもぎをもぎ取られて、俺は顔が綺麗すぎるの何でって褒められた。峰田のもぎもぎが手にくっついて驚いてたな。懐かしい。

 俺も貴女のおっぱいがなんでそんなに大きいかいつも気になってます。挟んでほしい。

 

「────合理性に欠くね?」

 

 そんな風にして二人の挨拶が見事に失敗したところで相澤先生から圧が漏れだした。

 うん、まぁね……3割くらいは俺のせいかな。5割くらいは峰田のせいです。2割はねじれちゃんパイセンのせい。

 でも大丈夫。まだミリオ兄さんがいる。

 

「イレイザーヘッド安心してください!! 大トリは俺なんだよね!!」

 

 ぐっとサムズアップを見せて、ミリオ兄さんが構える。

 むっ。あの構え……来るな!! 今日の四字熟語はなんだ!?

 

「……前途────!?!?」

「「多難──────!!!!」」

 

 俺と峰田が全力で応えてやるよォ!!

 中学時代からよくやってたよなぁ四字熟語当て!! 今日は難易度低めだぜェ!?

 

「ハイ大正解!! 流石だなセン! 峰田くん!!」

「ッシャア!! ミリオ兄さんの夕飯奢り確定!!」

「後でまたメシ食いに行きましょうねミリオ先輩!! バイキングで許しますよ!!」

「え、またお前ら知り合いかよ!?」

「ってか幾野……え、兄さんって……?」

「あ、俺はセンのいとこなんだよね!!」

「「「ええ!?!?」」」

 

 ああうん。いとこがいるとは伝えてたけど名前しか言ってないし、男とも言ってないしな。

 俺に似てる人だと思ったらこんな漫画みたいな顔の人が来るとは思わなかっただろう。

 しかし俺と峰田の知人であり勢いの強い人だとわかれば、クラスの雰囲気もなるほどと随分と緩んだものになった。

 

「よォしツカミは悪くないな! ハッハッハ!! 改めて俺は通形ミリオ!! センのいとこで雄英三年だ!! まずはみんなよろしくね!!」

「おー、幾野と同じでコミュ強か!」

「血を感じる」

「ケロ、入学初日のセンちゃんを思い出す強さね」

「よろしくおなしゃーっす!!」

「うんうん! 元気でいいね! じゃあ君たちまとめて俺と戦ってみようか!!!

「「「なんで!?!?」」」

 

 そして唐突にミリオ兄さんがA組にケンカを売ってきた。

 オイオイオイ。マジで言ってる?

 ミリオ兄さんと今のA組全員での試合だって?

 そんなん勝てるわけないじゃん。

 

 ウチ(A組)が。

 

「俺たちの経験をその身で体験した方が合理的でしょう!? どうでしょうねイレイザーヘッド!!」

「……好きにしな。手っ取り早いのは好みだ」

「よォし!! じゃあジャージに着替えて体育館γに集合だ!! あ、センはどうやっても千日手になるから見てるだけね!!」

「知ってた」

 

 俺たちはミリオ兄さんの勢いのままに、みんなで体育館γに向かったのだった。

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