【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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87 屋上へ行こうぜ……久しぶりにキレちまったよ……

 

 

「緑谷、今日の放課後時間作れるか?」

「ふぅっ、はぁっ……ん、補習もないから、いけるけど……どう、して?」

 

 翌日の早朝。

 いつもの峰田との朝練に緑谷も混ざり、今日はランニングは半分の距離で済ませて、戦闘訓練的な事をしながらの中で俺は緑谷に声をかけた。

 用件はシンプルで。

 

「エリちゃんがさ、こないだ相澤先生と面会に行ったときに……緑谷とミリオ兄さんのこと気にしてて。入院中にエリちゃんの方からそういう、俺ら二人以外の誰かに会いたいって自分から言い出したのは初めてだからさ。見舞いに一緒に来ないかって話。病院側からも今は落ち着いてるし俺ら二人以外を呼んでもOKだろうってことでさ」

「え、本当!? 行くよ、絶対行く! 僕だってずっと心配してたんだから!」

「なぁオイラは? オイラは呼ばれなかったんか?」

「残念ながら峰田は呼ばれてない」

「ロリからの関心ゼロかよオイラ。ショック深ぇわ」

「まぁあの事件で印象深いってなったらミリオ兄さんと緑谷だろな。峰田はもっと落ち着いたら見舞いすりゃいいさ」

「小学校通学することになったらオイラがしっかり付き合ってやるぜ。身長的に許されるだろ」

「犯罪だよ」

 

 エリちゃんのお見舞いに同行しないかという話。

 これまで俺と相澤先生で何度も見舞いに行っており、今は雄英近くの病院に転院もしている。行くのに困ることはない。

 轟のお母さんである冷さんの病院が傍にあることもあって、放課後にエリちゃんの病院に見舞い→帰りに俺だけ冷さんの病院に見舞い、というダブル見舞いをして実は最近は轟よりも見舞いに行ってる回数が多いかもしれないくらいだ。

 エリちゃんはまだ笑顔を見せてないが冷さんはかなり安定してきているように見える。あれなら一時退院も近いんじゃないかな。こないだはエンデヴァーも短い時間ながら見舞いに来てたって言ってたし。

 可愛い女の子と綺麗なお母様がいつまでも入院してちゃ勿体ない。無事に退院してほしいもんだ。

 

「じゃ、今日の放課後よろしくな。制服でいいから」

「うん! ……よし、じゃあ訓練に戻ろう。幾野くん、構えてくれる?」

「オー。さっきはまだ勢い足りてなかったな。オート個性すら発動しねぇんじゃ足止めにもなんねーからな」

 

 話は終わり、再び戦闘訓練に戻る。

 今やっているのは緑谷の新技『エアフォース』の練習だ。

 以前よりワンフォーオールの力の上限20%まで引き出せるようになった緑谷だが、事件後にまた少しずつ上限値が伸びて、一瞬なら25%まで引き出せるようになっている。

 で、普段のフルカウルの動きは10~15%で抑えつつ、攻撃の際だけ25%まで一気に力を引き上げて攻撃というのが基本スタイルになりつつあるのだが、20%以上の力で意識して攻撃すると衝撃波が発生する。

 これ自体とても強い武器なのだが、衝撃波が生まれるとちょっと広範囲に広がり過ぎて使い勝手が悪い時もあるため、発目ちゃんに手袋型のサポートアイテムを開発してもらい、風圧をまっすぐに飛ばせるようになったのだ。

 で、それの練習台として俺が受けてやっているわけである。

 

「俺程度の動きを捉えられないんじゃ実戦じゃ使えねーぞ! 意識したらシュパッと放てシュパッと!」

「くっ……幾野くんの動きも入学当初より伸びてる! 速い……!!」

「そりゃオイラたちも訓練してっからな。伸び続けなきゃいけねーのはお前だけじゃねーや」

 

 雄英敷地内にある森林公園の林の中で、個性使いながら飛び回る俺と、移動してそれを狙う緑谷。

 俺も移動は峰田の動きを真似て俊敏に動けるようにしており、緑谷もそれを捉えるためにフルカウルで走り回りつつ一瞬の隙でエアフォースを放って来る。

 が、上限値まで一気に力を籠める調整がまだまだうまくいっておらず、風圧が飛んできても外れたり、当たってもまぁITEッ! ってなる程度でオート個性すら発動しない、怪我にすらならないこともあった。

 何回俺に当てられて、かつオート個性が発動させられるか、という訓練で緑谷の力の底上げを行っていた。

 

 なお峰田は跳峰田スクランブルの練習である。これは俺らはスピード的に付き合えない。

 あれに緑谷がエアフォースを当てられるようになるのはいつの事だろうか。多分在学中には無理やろな。

 

「……っと、今のはオート発動した! 悪くねぇけどこれで一回目だぞ! あと1分! もう一発やってみろホレ!」

「ぬぅぁぁぁ……!!」

「無茶しすぎて指は折るなよなー。いっちゃんやっちゃいけねえのがそれだからよ」

 

 その後、秋風の吹き込む森の中で俺と緑谷と峰田は朝のいい運動をして汗を流したのだった。

 

 


 

 

 さてその日の放課後。

 俺と相澤先生、緑谷とミリオ兄さんはエリちゃんが入院する病院に足を運んでいた。

 

「愛しのお姉さんがやって来たよエリちゃん!」

「お姉さん!?」

「イグジストお姉さん……」

「え、性別のこと言ってない系? これ俺どうすればいいかなセン? 黙ってた方がいい?」

「いや俺が男であることはちゃんとエリちゃんに伝えてあるよ」

「男のお姉さん……!」

「だいぶひどい知識が入っちゃってるねアハハハハ!! リンゴの盛り合わせ持ってきたよ! 好物なんだってね!!」

 

 リンゴのフルーツバスケットを持って見舞いに来た。今日もエリちゃんは可愛いね。

 病室を見れば櫛が置いてあり、自分でも髪を整える癖がついてきているようだ。何より。

 

「会いに来られなくてゴメンね」

「リンゴ切るね! ウサギさんにするの得意なのさ!」

「大丈夫、です……二人の事も、イグジストお姉さんがよく話してたから……」

「おお、イグジストから聞いてたのかい! 俺の事なんて言ってた!?」

「世界一素敵なヒーローのルミリオンお兄さん……」

「テレちゃうよね! あはは! そうだよルミリオンお兄さんさ!!」

「ぼ、僕の事は……?」

「太もも大好きなデクさん……」

「幾野くんっ!!!!」

「事実陳列罪を犯してしまったか」

「アッハハハハハ!! センが言いそうだなぁ!!」

 

 リンゴを切りながら爆笑するミリオ兄さんとなんとか誤解を解こうとする緑谷。おもしれ。

 俺の方からも緑谷が太ももだけが好きなわけじゃない事を伝えて誤解の根は残しておきつつ、話は進む。

 

「ルミリオンさんも、デクさんも……私の事を守ろうとして、怪我したり大変な思いをして……謝りたかったの。私のせいで大変な、苦しい思いさせてごめんなさいって……」

「そんなこと……!」

「エリちゃん! 苦しい思いをした人なんていないさ!! センも言ってなかったかい!? 『エリちゃんが無事でよかった』ってさ!! みんなそう思ってるよ!! だからなーんにも謝る必要なんかないぜ!!」

「ミリオ兄さん、それ俺がもう言った」

「は、はい……だから、ええと……二人とも、助けてくれてありがとう、って言おうと思って……」

こりゃごめんなさいね!! 話の腰ベッキベキにしちゃったよね!?」

 

 アッハッハ! とミリオ兄さんが困ったように笑い、緑谷もエリちゃんからお礼の言葉を聞けて笑顔を浮かべる。

 うん、ちょっと兄さんが暴走したけどエリちゃんが伝えたかったことは伝えられた。

 しかし今日の本質はそこではない。

 

「エリちゃん、どうかな。この漫画みたいな顔のお兄さんと様々な肉欲をぶつけられてるお兄さんにお礼を言えて……」

「顔はお父さん譲りなんだよね!」

「僕の事なんて伝えてたか後で問い詰めるからね幾野くん」

 

「……笑えそう?」

「…………」

 

 俺と相澤先生の懸念はそこだ。

 俺達が過去に何度も見まいに来て、色んなお話をしたりゲームとかもしてみてはおり、エリちゃんも心を開いてくれてきているとは思うのだが……どうしても、笑顔が浮かばない。

 今もまた、ググググっと口を開いたり、ぐいーっと頬を引っ張ったり、顔の表情筋を動かそうとして、やっぱり駄目だった。

 その様子を見てミリオ兄さんも緑谷も事の重さを察する。

 幼い女の子が、笑顔を浮かべられない現状をはっきりと理解した。

 

「……んー。まだ難しいか。ま、焦る必要はないからねエリちゃん。これからもっと楽しいことに触れていけば……」

「……幾野くん!」

「ん、何。エリちゃんの前ではイグジストで頼むわ」

「いや、今思いついたんだけど……楽しい事といえば! これからあるでしょ、文化祭が!!」

 

 どうやらまだ急には難しかったか、と俺がエリちゃんの頭をぽんぽんと撫でてたところで緑谷が決断的発想に至り、その案を口に出した。

 ……なるほど、文化祭か。

 悪くない……ってか全然いい。今はエリちゃんの個性発動の為の角が縮んでる状態だから暴走の可能性は低いし、今年の文化祭は学内だけの開催になるから外部から接触されるような危険な可能性も低い。

 

「相澤先生、エリちゃん一日だけでも外出できないですか!?」

「無理ではないはずだ。というかこの子の引き取り先を今……」

「じゃあエリちゃんも文化祭に来られませんか!?」

「……なるほど。いい案だ。校長に掛け合ってみよう」

「緑谷ナイス名案! それだ!」

「ぶんかさい……?」

「エリちゃん、文化祭っていうのはね! 俺たちの通う学校で行うお祭りさ! 学校中の人が学校中の人に楽しんでもらえるよう! 出し物をしたり食べ物を出したり……」

「食べ物といったら甘ーい綿あめとか……チョコバナナも美味しいよ!」

「リンゴ! リンゴアメとか出るかも!!」

「リンゴアメ……?」

「リンゴをあろうことかさらに甘くしちゃったスイーツさ!!」

「さらに……!」

 

 話は一気に進んでいく。

 ああ、やっぱ緑谷は主人公だわ。俺の中にも相澤先生の中にも、エリちゃんを外に連れ出すっていう発想がなかった。

 どうしても常識にとらわれる。身寄りもない子供を連れ歩くっていう事に『危ないだろ』って発想で止まっちまってた。

 でも緑谷にそこは関係ない。エリちゃんの為になりそうなことであればまずベストを考えてくる。すげぇよマジで。

 んでもって話の流れでリンゴアメの甘さに想いを馳せてエリちゃんの口からよだれが出てた。可愛い。拭いてやろ。

 

「それじゃあエリちゃん……文化祭、どうかな!?」

「……私、考えてたの。助けてくれた時の、助けてくれた人たちの事……イグジストお姉さんや、ショータお兄さん……」

「ショータお兄さん!?」

「……デクさんや、ルミリオンさんたちのこと……もっと知りたいなって考えてたの」

 

 エリちゃんも乗り気なようだ。積極性は出会った時よりも出てきたかな。

 色々興味を持つお年頃だ。これが正しい在り方なのだろう。これまでに経験できなかった色んなことを経験させてあげたいと心から思う。

 

「いやってほど教えるよ! 俺達に任せてよエリちゃん!」

「校長にいい返事がもらえるように俺らも働きかけるか。青山からチーズ貰って来て賄賂送ろうぜ」

「まず賄賂から発想が始まる幾野くんが怖いよ僕。確かに青山くん美味しいチーズいっぱい持ってるけど……」

「……どうやら賄賂はいらないようだ。校長も前向きに考えてくれるとさ」

「朗報だよね! 俺最近インターン少なくなったし三年の単位は全部取ってるからエリちゃんとつきっきりデートできるよね!!」

「でぇと……?」

「蜜月な男女の行楽さ!」

「みつげつなだんじょのこうらく?」

「先輩何言ってんですか」

「エリちゃんとデートするのは俺に決まってんでしょ兄さん」

「お前らに任せておくのが不安でしかない」

 

 そうしてエリちゃんの文化祭への参加が決定した。

 こりゃええ。クラスのみんなも後で紹介してやりたい所だ。峰田も切島も麗日ちゃんも梅雨ちゃんも喜ぶだろう。

 

「しかし、となるとエリちゃんの外行きの服を準備しないとな」

「っすね。帰りに買っていきましょうか。看護師さーん! エリちゃんの体のサイズ測ってくれますか!」

「エリちゃん、どんなお洋服が着たい?」

「お洋服……よく、わからないの」

「そっか。なら可愛いのとかっこいいのならどっちがいい?」

「……可愛いの」

「よーしOK! お姉さんに任せなさい!」

 

 そしてエリちゃんが文化祭に来る時のお洋服を買うために、看護師さんに体の各サイズを計ってもらい、そのデータを片手に見舞いを終えて俺たちはデパートの子供服売り場へと向かった。

 

 


 

 

「制服で子供服売り場に来ることになろうとは……!!」

「ちょっと場違い感あるよね! アハハハハ!」

「保護者枠の相澤先生がショータ先生状態だからな。男子学生4人でいる場所でないことは確か」

「長居することもないだろう。ぱっぱと決めるぞ」

 

 俺たちは子供服売り場にたどり着いた。

 体のサイズはしっかり測ってもらい、服や靴に一家言ある俺がそのデータを把握している。

 身長110cmか。峰田を女装させるときに考えてたイメージで行けるな。

 とはいえエリちゃんは可愛い女の子。髪も長いし、アンニュイな雰囲気でもあるからそこはちゃんとしたセンスで選んであげないとな。

 女の子だもんな。少なくとも外出用の服は3セットは買って選べるようにして……小物はまだ早いか。シャツは多めに買っておきたい。

 今更だけど病院着しか服がないから、中で着れる用のパジャマとかも可愛いものを買ってやらんとな。

 センスを今の内から磨いてもらおう。あの子は将来美人になるぞ。

 

「これがサイズぴったりか。動きやすそうだ」

 

 そんな風に俺が脳内でエリちゃんにあうコーデを考えてたら相澤先生がなんか子供服を見つけて手に取った。

 そこにはNEKOと書かれてもっさりとした造りの激ダサトレーナーが!

 

「キレそう」

「急にどうした」

 

 ふざけんなよ相澤。また敬意吹っ飛んだよクソが!!

 女の子にとっておシャレってのは戦いなんだよ……!!!(真理)

 そんな服で学園を歩かせられるわけねぇだろうが!! 相澤先生に買ってもらったって聞いたら全校女子から大ブーイングだぞお前!!

 

「財布だけ出せばいいんだよ先生は……エリちゃんにそんな服を見せることすら許さねぇよクソがよ……完全に室内用のしかもキャラグッズだろうがおシャレのおの字もねぇよ……」

「幾野くん!? 目がイッてるよ!?」

「これはガチギレしてるね!? でも正直俺もその服はどうかと思うなイレイザー!!」

「そうか……? 可愛らしいのが子供は好きじゃないのか……?」

「黙れ。……ここは俺に任せてくれる? 緑谷もミリオ兄さんにも正直言うと女の子の服のセンス期待できない」

「うん、まぁ……ウチ妹とかいなかったし僕にセンスはないと思う」

「俺んちもだよね! ここは女装趣味が正しく活きる時だからセンに任せてみてもいいんじゃないかな!!」

 

 駄目だ、こいつらには期待できない。

 俺が守護らねぇと……エリちゃんの愛らしさを守護らねぇといけねぇ。峰田のように守護者になるのだ。

 

 そうして言質を取り付けた俺は、とりあえず店員さんに声をかけてエリちゃんの写真を見せつつ、センスがよくて着回しできてお洒落で動きやすい服を見せてもらう。

 こういうお店は店員に言えばタブレットで服の一覧見せてもらえるからな。

 で、それを見ながらベテランの店員さんとああでもないこうでもないと相談。いい服を選ぶコツは店員さんにちゃんと相談することです。

 そんな様子の俺をぽかんと眺める3人を尻目に、俺はエリちゃんに似合う感じの服をいくつか選び、それを全部持ってきてもらう。

 

「……ってなわけで服を着るのも楽な赤のワンピースに脚を守る黒タイツ。あとまだ腕の傷跡が残っちゃってるから長袖のシャツでまず1コーデ」

「大人びててすっごい似合いそう!! これは似合うよ!!!」

「次に冬も近いからロングスカートとタートルネック。エリちゃん髪色が銀髪で白目の肌だから茶色~黒系が似合うんだよね。シックな雰囲気重点で」

「これも絶対可愛いよね!! 顔もいいからなぁエリちゃん!!」

「最後に動きやすい、走り回っても服が崩れない感じのパーカーとジーンズ。ジーンズはまだ子供だからぴっちりはさせないけど、ふわふわ感をシンプルなパーカーが上乗せしてくれる感じ。色はあえてパーカーはアッシュで銀髪と合わせて雪色をイメージ」

「これからエリちゃんも成長するだろう。サイズはもっと大きいぶかぶかなものにしてもいいんじゃ」

「黙れ」

「……すまん」

「その都度買い与えるのが正しい女の子のセンス磨きってやつです。体のサイズが合わなくなったらフリマとかに出してもいいし。じゃあとりあえずこの3着は確定で」

 

 俺はそれらを丁寧に畳んで買い物かごへ。

 あとは室内用のパジャマと普段着で着られる楽な服……腕の傷跡が消えたら半そでタイプも欲しいな。

 フリル多めの服は子供の頃に着るのは少しレベルが高いんだよな。あと普段着使いするなら色は濃い目にしておくか。食べ物食べる時に汁が飛んだりして汚れても目立たないし。

 そういや下着も買わないと。おしゃれなものもいくつか買っておこう。勿論子供服だから色気出したりとかそういうんじゃないけど、色合いだけでも気に入った下着があればそれはお洒落の第一歩だ。

 靴下も……脚を隠すストッキングタイプの物からタイツまで……濃い目の黒系で調えておくか。肌が白いから茶系も似合いそうだけど白だと肌の色と混ざって印象が薄くなる。

 あ、あと靴か。靴……うーん……エリちゃん多分歩き慣れてないんだよな。デザイン重視の靴もいいんだけどそれだと靴擦れとか歩きにくさもあるからなぁ。ここは可愛らしさもあるふわふわタイプの長靴とかも買っておくか。ファー多めのにしておけば冬場も寒くないし歩いても脚を痛めにくい。ヒールタイプは歩き慣れてもっと大きくなってからだな。

 

「じゃあこれと……これと、この服も。あ、下着は上下5セットくらいお願いします。靴ってサイズ合わなかったら交換できます? 保証期間半年? 十分すね……じゃあこれも……」

「すごい。幾野くんの躊躇いなく女の子の服を選べる胆力とてきぱき感と慣れがすごい」

「流石に女物の下着を自分で買うのに恥じらいを覚えないだけはあるよね。正直俺達じゃ下着とかまで気が回らないし。センスも素直にいいしこれは適材適所だね!」

「…………最初のアレ駄目なのか……」

 

 その後だいぶ散財してエリちゃんの服を整えた。

 代金? 相澤先生が全部出してくれました。流石だぜ保護者。

 

 後日改めて見舞いに行ったときに買ってくれた服を着てくれてたのめっちゃ可愛かった。

 どこに出しても恥ずかしくない淑女だぜエリちゃん。可愛い。

 

 


 

 

 そんでもって学園に戻り、緑谷と共に寮に戻ってくるとなにやら叫び声が聞こえた。

 

「────雄英全員!! 音で殺るぞ!!!」

「「「バァクゴォォォオ!!!」」」

 

 えっ何。急なテンションの高さ怖いわ。

 なんか一話分くらい物語飛ばされてない俺達? 完全に蚊帳の外。

 緑谷も急なかっちゃんの叫びに「!?」って顔してる。俺もそう。

 

「え、どしたん。何があったんだ峰田?」

「おーお帰り二人とも。まぁクラス全員で出し物頑張ろうぜって意思確認が出来たって所よ。エリちゃん元気だった?」

「そっか。エリちゃんは元気だったよ。今度みんなにも紹介できそうだ」

「そーなん? それも後で教えろな。とりまこれから誰が何をやるか決める所だ」

 

 峰田に聞いてもよくわかんなかった。まぁ爆豪ちゃんも乗り気になったってんならいいことか。

 さて、んで俺らも戻ってクラス20人がロビーに揃った。

 今のところ決まったのは爆豪ちゃんがドラム担当。

 他にどうしていくか。20人分、演出とかを考えながらだからな。

 今夜は長い夜になりそうだ。

 

「……あ、もしもしランチラッシュ先生? ちと1-A寮に夜食デリお願いしていいすか」

『オッケー』

 

 俺は絶対に必要になると確信し、寮長としてみんなに夜食を提供するために事前に依頼を通しておいた。

 さて、学生らしい談義をしますか。楽しみだぜ。

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