【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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88 俺の歌を聞けェェェ!!!

 

 

「わたくし、幼少のころから教育の一環でピアノを嗜んでおりましたが……何かお役に立ちますでしょうか?」

「わー! じゃあヤオモモはキーボードだ!」

「シンセはクラブミュージックに欠かせないポジなの。ヤオモモ助かるよ!」

「がんばりますわ!!」

 

 さて、そうして始まった我らがA組の出し物、ダンスの役割配分。

 とりあえず演奏組を決めてからって感じかな。

 八百万ちゃんがピアノ出来るらしくてシンセサイザー決定。ベースは耳郎ちゃんがやるとのこと。

 先程爆豪ちゃんがドラム担当になったらしくてあとはギターとボーカル。

 

「で、それ以外の人はダンス組か?」

「ダンスだけだとつまらなくねぇ?」

「盛り上がるにはあれだ……あの、映像でみたバカ騒ぎする奴の──」

「───演出を加えなきゃー!!」

 

 で、ついでにダンス中の演出についても考える。

 火花やテープやミラーボールや、まぁ騒がしくキラキラしてる感じの演出についても必要だと。

 そりゃそうだ。盛り上がるために出来ることはなんだってやりたいもんな。

 

「じゃあねー、例えば例えば! 麗日が轟と切島を浮かしとくでしょー!? でね! 轟の氷を切島がゴリゴリ削ってスターダスト!! 青山がミラーボールになってるからキラキラ光が舞い落ちる!! チームスノーマンズ!!」

「負担が一番デカいの青山になるな」

「前に話してたチームコンボか! 実にいいと思う!! 盛り上がりに華を添える大事な要素だ!!」

「僕がミラーボール☆? いいじゃない☆」

「轟の氷も……天井近くに足場とか作って演出する分には使えるんじゃね? ダンスと兼任できるかは流れ次第だけど」

「……悪くねぇな。こないだの仮免以降、氷の形コントロールするのも覚えてきたところだ。行けると思う」

 

 とりあえず演出組はミラーボール役として青山が決定。

 あと俺の案で空中足場役に轟が参戦。演出役の裏方も大切な仕事だもんな。

 うーん……そうなると俺どうすっかな。やっぱダンス組になるのかな。

 正直な所色々やってみたいという気持ちが強い。とりま流れを見守るか。

 

「で、ボーカルなんだけど……誰が行けるかな」

「へ? おうたは耳郎ちゃんじゃないん?」

「いやまだ全然決めてない……」

「ボーカルならオイラがやる! モテる!」

「ミラーボール兼ボーカルはそう、この僕☆」

「オウ! 楽器は出来ねーけど歌なら自信あんぜ!!」

 

 そうしてボーカルを決めることとなり、耳郎ちゃんの名前が挙がったところで参戦してきた三人。

 峰田、青山、そして切島。

 いや峰田お前そんな歌上手じゃねぇだろ。がなるだけだろ。

 

「……歌といえば。私センちゃんが歌ってるの聞いたことないなー」

「ん、俺?」

「あら、意外ですわね。カラオケなどにお誘いなどはなさらなかったんですの?」

「あー……そういや行ったことなかったね。んー、歌か……」

「聞いてみたいー! センちゃんの歌!!」

「えー? ……んー、彼女にそこまで言われちゃ披露してみますか。あんま期待しないでね」

 

 そんな流れで唐突にカラオケ大会が開かれることになった。

 俺は寮の物置に常備しておいたカラオケセットを運んできて準備する。

 

「なんでサラっとカラオケ機材出てきた?」

「こういう事もあろうかと。寮長は常に備えるのだよ上鳴くん」

 

 ガラ鑑でジャンク品で売ってたのを買って発目ちゃんに直してもらったやつだけどな。

 でも新しいデータ入れられるし普通に採点機能もあるよ。クラスのみんなでパーティとかやる時に使おうな。

 

「よっしゃーそんじゃミュージックスタートぉ!!」

 

 芦戸ちゃんがノリノリでデュエル開始の宣言をした。

 

「ーーーーーーーーー!!!」

 

 一番手、切島。

 ジャンルが違うと断じられてボツ。点数は91点と高評価。

 

「~~~~~~~~!!!!」

 

 二番手、峰田。

 がなってるだけだってやっぱそれ。点数は75点。ざぁこ♥

 

「ハ────────☆☆!!!」

 

 三番手、青山。

 裏声でした。女声にすらなってねぇ。点数は82点。音だけ合わせても無駄だぜ。

 

 

 さて、では四番手で俺。

 選曲は適当にアニソンでいいや。

 

「センちゃんのお歌……! 楽しみ……!」

「幾野くん……普段から完璧な女声も出せてるし、やっぱり歌も上手いのかな」

「普段の声だってハスキーだし下手ってことはねぇだろ」

「ケロ。峰田ちゃん、センちゃんのお歌はどうなの? ……峰田ちゃん?」

「何で耳ふさいどるん??」

 

 

「──────♥♥♥」

 

 

「「「歌声エっっっロ!!」」」

 

 

 知ってた。

 言われると思ったよ。中学時代に峰田とかミリオ兄さんとカラオケ行ったときによく言われたよ。

 別に狙ってやってるわけじゃねぇんだよこれ?

 ただ何というか……女声を練習してた感覚と、あと素の声のブレスのタイミングと、俺の音楽センスが奇妙に噛み合って……なんかエロい歌声になるらしいよ。

 自分の声なんで俺も自覚して出してるわけじゃねぇんだけどね。なんかね。

 なお点数は87点でした。ふつー。

 

「耳から孕みそう」

「正気に戻ってくださいませ葉隠さん!? いえ私も、その、脳が蕩ける様な感覚を味わってしまいましたが……!」

「歌声まで18禁とかどういうことだよ幾野」

「流石としか言えないな……存在そのものがセンシティブだな幾野くん!」

「これは文化祭では流せないねー」

「観客が歌声だけに集中しちゃいそう」

「ドラムと限りなく嚙み合わねぇ歌声」

「下手ではないんだけどなー……上手でもないっていうか……別種の恐ろしさを感じるというか……」

「カラオケでマイクを握らせたら怖いやつ」

「なるほど……峰田ちゃんが耳をふさいでた理由が分かったわ」

「センシティブヒーロー……」

「自分でも自覚あるからそんくらいにしといてくれんか???」

 

 みんなから物凄い困惑した顔を向けられた。ごめん。

 いやまぁカラオケとかなら俺だって積極的に歌うけどさ。これA組の健全な出し物じゃん。

 そこに俺の歌声は合わないよ。その辺俺は真面目です。

 だからこの歌声はミスコンで使わせてもらうね♥

 

「んじゃ耳郎ちゃん。トリ飾って」

「アンタの後に歌うのめっちゃハードル上がるんだけど……」

 

 耳郎ちゃんにマイクを渡して撤退。ぶっちゃけ耳郎ちゃんに決まりでよくない?

 

 

「──────♪」

 

 

 はい。

 満場一致で耳郎ちゃんに決定しました。

 

 


 

 

「じゃあウチがボーカルとして……で! あとギター!! 二本欲しい!!」

 

 ボーカルが決定して次はギター。バンドの華とも言えるだろう。

 

「やりてー!! 楽器弾けるとかカッケー!!」

「やらせろォォ!!」

 

 ここで名乗りを上げたのがアホ面晒す上鳴とリベンジに燃える峰田。

 上鳴は耳郎ちゃん狙ってるからな。俺は推すよ。経験ないのかもしれないけど頑張れよ。人は死ぬ気で頑張れば大抵の事は何とかなる。

 で、その大抵の事に当てはまらないのが今の峰田である。

 

「……キャラデザのせいで手が届かねェよ……!!」

「おおよしよし」

 

 泣いてる。おいたわしや峰田……キャラデザの都合で手が弦に届かないのだ。

 俺の胸で泣いていいよ。よしよし。知ってた。

 そして峰田の手から離れたギターを、なんと常闇が手に取って慣れた手つきで切ない音を奏でだす。

 コイツ……経験者か!?

 

「常闇!? 弾けるのかお前!? なぜ黙ってた!?」

「Fコードで一度手放した身ゆえ」

「なんて切ねェ音出しやがる……!!」

 

 Fコードってなんやろ。俺はギターに全く触れてこなかったのでよくわからん。

 が、まぁ経験者であることは間違いない。候補の一人だろう。

 

「峰田。お前が諦めるならば俺がお前の分まで爪弾く」

「……託すぜ常闇。オイラの悲しみを背負って最高の曲奏でてくれよな……」

「承知」

 

 峰田の想いは無事に常闇に受け継がれたようだ。よしよし。悲しみをぶつけなかった峰田偉い。

 撫でてやろう。コイツの頭撫でづれぇな。

 

「センちゃんが菩薩みたいに穏やかな顔してる……」

「ケロ…………ケロ……」

 

 上鳴と常闇が鳴らすギターの音でなんか小声が聞き取れませんでした。何だったんや。

 

「じゃあ後はダンス隊と演出隊の振り分けかな。演出もどうするかある程度は考えておきたいね」

「ダンスっつってもただ踊るだけじゃなくて色々楽しませるような演出とか演技とか入れるって話だよな?」

「あ、それなら私思いついたことがありますっ! とうっ!!」

 

 そうして話はさらに進んで演出を練る段階へ。

 そこでまず俺の透ちゃんから案が出て、彼女が個性の新たな活用方法をみんなに見せた。

 

「おお!? スゲー!? なんだそれ!?」

「葉隠じゃなくて服が光るのか……どういう原理だそれは」

「いやでもこれ目立つー! アクションにバッチリかもね!!」

 

 これまで覚えていた集光屈折ハイチーズと透明伝達クリアリングの合わせ技だ。

 自分の着ている服がキラキラと輝きを放ち、まるで万華鏡のように明るい色に光り出す。

 これはみんなもびっくりだ。いやぶっちゃけこれヒーロー活動に使えるかといったら微妙な能力なんだけど。こういう盛り上げる場ならピッタリだろう。

 

「……面白いな。それぞれの個性をどっかで活かしてダンスすんのもいいんじゃねぇか?」

「アリだね。緑谷ならフルカウルで飛び回ったり、尾白なら尻尾で跳ねたり……」

「飯田のレシプロは流石に壇上じゃあぶねーか?」

「峰田と梅雨ちゃんなら飛び回れそうだよな」

「あ、それありかも。障子の複製腕なら大きな動き演出できそうなー」

「……! 圧倒的閃き─────」

 

 そしてそれぞれの個性を生かした見せ場を取り入れようという話になり、そこで俺は素晴らしいひらめきを思いついた。

 イケるか。いやイケるやろ。

 

「俺と透ちゃんでペアを組むじゃん」

「ふむ? そんで?」

「で、社交ダンスみたいにぐるぐる回って目立つようにして……で、そこで俺が透ちゃんに一瞬だけ個性を通して、素顔を公開して驚かせて……みたいな。どうやろ」

「おー! 一瞬限りのビックリ要素な!」

「葉隠の顔を見た経験などA組以外はないだろうからな。学内の者なら必ずや驚きがあるだろう」

「おもしろそー! それやろーセンちゃん!! やりたーい!!」

「あはは! 華がありそーな! いいんじゃない! 彼女見せつけちゃえイクノー!」

 

 みんなに聞いたところテンションアゲアゲの状態ながらも了承の返事が。

 透ちゃんもかなり柔軟性もあるしキレのある動きが出来るだろう。二人のダンスで目を引き付けてからの一瞬だけちらりと素顔を公開。湧くこと間違いなしだ。

 

「カップルダンスかぁ……くそぉイクノが羨ましいぜぇぇ……!!」

「ケロ。峰田ちゃんもしてみたい?」

「そりゃしてみたいよ梅雨ちゃん!? けどオイラ彼女いないしよォ!!」

「じゃあ私が付き合ってあげましょうか?」

「ンほえェッッ!?」

「スゲェ声出た」

「……ダンスの話よ。飛び跳ねる様な動きなら私達なら息も合うと思うの」

「ウオオオォォ!! 梅雨ちゃんマジ天使!! やるやるオイラ絶対やるよォ!!」

「ケロ。よかったわ、じゃあ動きも考えましょうか」

 

 そしてそんな俺達に嫉妬の眼差しを向けていた峰田だったが、なんと拾う神あり、梅雨ちゃんがそんな峰田を見かねて声をかけてくれていた。

 何て優しいんだ梅雨ちゃん……! ちょっと峰田が取られて悔しいなんて思ってないんだからねっ!!

 まぁ二人とも飛び跳ねる動きは得意だしな。梅雨ちゃんと峰田も息の合う姿を体育祭から見せてるし、良い演技になるやろ。

 

「鈍感」

「やね」

 

 なんか最近小声でぼそぼそ女子が話してる事多くない?

 俺のスタイルに嫉妬してるのかな? 可愛いね♥

 

 さてしかしまぁその後はそれぞれが意見を出して、まとめて、改善案を出して、演出を考えて……まぁめっちゃ学生らしい盛り上がりがずっとロビーに響いて。

 結局俺が消灯時間を延長したうえで、午前一時にようやく大まかな全体の流れと各役割が決定した。

 

 俺はダンス隊で決定。

 よっしゃ待ってろ雄英生徒! 俺たちのダンスに酔いなァ!!

 

 






※ごめんなさいなお知らせ
ちょっと一瞬だけ今書き溜めてる最新話を予約投稿ではなく最新投稿であげちゃいました。即削除したけど。やっちゃったんだZE☆
もし120話あたりの話が急にでたので見ちゃった!ってなった人はそっと閉じておいてくれると嬉しいです。
ネタバレもなしでお願いします。ごめんな。
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