【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!! 作:そとみち
文化祭が終わり、その翌週のインターン。
俺と峰田は文化祭を跨いで久しぶりのラーカーズへの出向となる。
新幹線に乗って移動する俺達。
「お声がけいただきまして有難うございます幾野さん……その慈愛に心からの感謝を」
「中々ヒーローの人脈を作れなかったからホント助かるノコ」
「ん」
「ええんよ。B組のスカウト事情は俺の責任が多分にあるしね」
「ラーカーズ側でも紹介するヒーロー整えてくれてっからな。今日の働き次第で有名どころのヒーロー紹介してくれると思うぜオイラ」
今日一緒に向かうのはまずB組の塩崎ちゃんと小森ちゃんと小大ちゃん。まだインターン先を決め切れておらず、仕事を体験するのとラーカーズ経由で口利きを受けられれば、という思いもあり参加していた。
そして、A組から一人。
「サーからクビ宣言……どうして……どうして……ブツブツ……」
「緑谷ー。事務所つくまでに切り替えてくれよなー」
「さっきからブツブツ呟いてて怖いノコ」
緑谷だ。
こいつはちょっと微妙な立ち位置になっている。というのも、以前サー・ナイトアイの元にインターンで出向し活躍していたのだが、そこからしばらくして受け入れNGを食らってしまったのだ。
ミリオ兄さんはそのまま。緑谷だけNGだ。
これは事務所側の理由がある。先日の八斎會からサーの『予知』に俺が混ざることでブレが生じる可能性が判明し、そうなれば雄英生徒の中でもミリオ兄さんや緑谷なんてのは特に俺が映りやすい生徒であり。
で、しかしミリオ兄さんはサーも惚れこんでいて今後サイドキックにしたいという思いからもインターンは継続しているが、緑谷はそれを理由にクビを言い渡されたという話だ。
んんん。ごめんなとも思う所もあるが、しかし。
「サーも言ってたろ? お前の個性で出来ることは多い……シンプルなほど強い個性の体現者だからこそ、武闘派ではないサー・ナイトアイ事務所でずっと経験を積むよりも、色んな所でいろんな経験を積んだほうがお前の為になるって」
「うん……そう言ってもらえたんだけど……!」
「……理由に俺も混ざってるから申し訳ないけど、けど多分俺の件が無くてもいずれ他の所に回されたんじゃねぇかな。サーはお前の個性の事情も知ってる。お前がただ愚直にオールマイトのあとを追うだけじゃなくて、お前なりの学びを得てお前なりの成長をしろって言いたかったんだと思うぜ」
「ううん……そう、なのかな」
「きっとそうさ。俺もお前には期待してんだ。オールマイトになるんじゃなくて、頑張れって感じのデクになれよ。力を受け継いだからって、その足跡に引っ張られすぎることはないさ」
「……うん」
途中から小声で緑谷と話した。新幹線内は決して静かな場所じゃない。3×2の席で男女分かれてお見合いポジションに座席を動かしているが、緑谷と俺は隣同士だったのでこれくらいならみんなの耳には届かないだろう。
そもそも個性使って緑谷にしか声飛ばしてないしな。これで喋る内容がバレるのは最近になって読唇術覚えた心操くらいである。
「緑谷さんの耳元に変装した幾野さんがお耳を近づけているのを見ると色々と際どく感じますね」
「変装しても顔が良すぎるノコ。緑谷も慣れすぎノコ」
「ん」
「A組で生きていくためにはイクノ慣れしねェといけねぇのさ……」
峰田がB組女子となんか仲良く話してた。コイツも最近女子の友達増えたな。A組の女子からは謎の全幅の信頼を得ているし。上手くやりやがってんもー。
後で俺とのツーショット写真の自撮りをA組B組女子に流して牽制しとかないと。
その後しばらく雑談を交わしながらもラーカーズ事務所に着いた。
「新しく従業員が増えたから紹介するわ」
「ラブラバよ。本名は相場愛美」
「嘘でしょ!?」
「余りにも早すぎる再会!!」
ラーカーズの増設された事務所に着いた俺たちは、余りにも予想外の人物と再会を果たしていた。
ラブラバ。相場愛美。つい先日、俺と緑谷で捕えたヴィランだ。
ええ……? どうなってんのこれ……??
「とりあえず事情を説明するわ」
マウントレディが微妙な顔で俺と緑谷に経過を説明してくれた。
事情はこうだ。
俺達が捕えたジェントルとラブラバ。二人はこれまでの悪事を心より反省し刑に服すことになった。
が、主犯であるジェントルに対してラブラバは実際に犯行を犯したわけではなく罪状が軽かった。
執行猶予付きになったが、彼女の性格を考慮すると下手に自由にさせたら絶対ジェントル恋しさに再犯する。
現時点でジェントルの為になるなら社会のために働くという意志も見せているので、彼女の持つITスキルを監督権限をもつヒーローの元で仕事させたいと。保護観察処分っていうんだっけかそういうの。
で、ちょうどそのタイミングで動画編集技術を持つ人材を探してたラーカーズ、マウントレディに声が掛かったというわけだ。
「そんなわけで私が主となって監視することになったってワケ。同性で歳も近いからね」
「わぁお……ええ。捕まえた側の俺としてはかなりやりづらいところあるんスけど」
「僕も……」
「気にしなくていいわ」
ラブラバが俺と緑谷をその隈の見える目で見上げてくる。
くっ……可愛い!! あの場ではヴィラン確保に心血を注いでたから考えないようにしてたけど割とラブラバが俺の性癖にブッ刺さってる!!
身長が峰田くらいのロリ体系だけど胸はあって目つきもクマがむしろ可愛いし髪はおしゃれだし……ぐっ……これで年齢的には合法なんだからマジで性癖の遊園地だよこのメスがよぉ!!
この体を好き放題してたジェントルマジで許せねぇよなァ!? 捕まれクソが!! 捕まえてたわ。
なお同じ理由で小森ちゃんも割と性癖直撃です。152cmの小さな体に
透ちゃんと身長おんなじなんだよね小森ちゃん。俺は透ちゃんのせいで性癖が進化してロリ巨乳に並々ならぬ執着があります。
まぁ小森ちゃんにコナかけるとかそういうのはないけどね。吹出いわく黒色が小森ちゃん狙ってるらしいし。*1
「貴方たちヒーローはヴィランを捕まえることが仕事だもの。そこにもう恨みはないわ。私のジェントルが警察に捕まったことだけは業腹だけれど……」
「ラブラバ。発言には気を遣って」
「ふん。……でも、貴方たちの言葉でジェントルの目が覚めて服役の後はヒーローを目指すことにしたの。その点は貴方たちに感謝してるわ。服役中もヒーロー試験の勉強をするって……そして私はヒーローを再び目指すジェントルを応援したい。出所したときに全力で支援できるようにヒーロー活動について学ばせてもらうわ。私の働きが評価されればジェントルの服役も短くなるかもしれないもの」
「ええ……めっちゃ更生してる……」
「捕まえた時と全然印象が違うね……」
「ヒーローになったらイグジストが生配信コラボしてくれるって約束も忘れてないわよ」
「俺は約束は守る男さ」
さて、そうしてラブラバが零した想いについて……緑谷はともかく、俺はまだ半信半疑と言ったところだ。
ジェントルへの純粋な想いは一切変わってないようで、その愛で暴走し始める懸念もある。口だけならば人は何とでも言えるのだ。
舌打ちしたりも見えたしな。あとは実際の仕事ぶりを見せてもらうと言ったところか。あの編集技術がラーカーズの力になるのはマジで有難い所だけれど。
「ちなみにここ2週間で撮影した動画と幾野くんたちが編集できなかった分はラブラバが完璧に編集してくれて既に動画になってるわ」
「仕事が早い!」
「貴方たちが今日ここに来るまでの朝の2時間で全部やってくれたわ。彼女も今日から勤務だから」
「化物か?」
はっっっや。
俺と峰田が一晩かけて一つの動画をようやく完成させるといったところで、それだって結構早い自信があったのに。二時間で……2週間分の撮影動画を編集……?
理解できないが動画チェックさせてもらったら全然俺らよりセンス良くてテンポのいいラーカーズ活動紹介動画が作成されていたので俺は兜を脱いだ。俺たちの負けです。
よしめっちゃ重宝しようぜェラブラバをよォ!! 事務仕事とかもさせてやって会計士さんの負担減らそうぜェェ!!
さて。
挨拶も終えてラブラバとは一旦分かれて、マウントレディと俺は別室で彼女の仕事について話す。
「動画編集のほかにはヴィランやヒーローの情報をネットから集めてもらったりを彼女の仕事として考えてるわ。ニュースや事件が多すぎて中々そういう情報集めるのも大変だし」
「え、それは……その、危なくないですか?」
「大丈夫だと思うわ。ラブラバは保護観察の立場だから逃走防止用のチップが入った腕輪をつけてるし……それに、もし彼女が逃げればジェントルっていう相方の罪が重くなるって警察から条件つけられてるの。それでもここに来てるってことは今の所はマジで更生の意志はあるんじゃないかしら」
「はー……んん。不安は拭いきれないすけどまぁそれなら。でもマウントレディも気を付けてくださいね」
「それは勿論。心配してくれてありがと。まぁ……私としては男所帯にようやく女性が増えたから助かったって所もあるのよ。あんまみんな気ィ遣ってくんないのよねー、女性の扱いがなってないわホント。その辺は幾野くんと峰田くんは流石よね。茶化すのを除けば」
「はは。エッジショットもシンリンカムイもその辺雑そうっすもんね」
「ホントよ! あんなんだから彼女出来ないのよあの二人!」
「彼氏いない歴=年齢のマウントレディの口から出る言葉じゃないっすね」
「一発ブン殴らせて???」
ラブラバの仕事内容に、俺は情報を集めた上で裏切ったりしないかと危惧をしたが、その辺はちゃんと警察側からも配慮がされているらしい。腕輪を外したり、逃走したりすればすぐ分かるようになっているしそれでジェントルの立場が危うくなるとなればラブラバも下手なことはしないだろう。愛が本物であれば。
ならまぁ……あとはマウントレディに任せるか。俺だって元ヴィランが更生を望む姿をいきなり否定するなんて考えはないし。これでラブラバがきっちり仕事すればラーカーズのためにもなる。動画も伸びる。んでジェントルが服役を終えてヒーローになることに真面目に取り組めば全方位winwinだしな。
「さて! じゃあ改めて今日の仕事について案内するわ!」
「小森と小大は俺と。塩崎はシンリンカムイとチームを組みパトロールに出るぞ。渋谷は事件が多い、パトロール中も気を抜くな!」
「わかったノコ!」
「ん」
「渋谷の方々に救済を……」
「植物系の個性と組むのは久しぶりだ。力を見せてもらうぞ、塩崎茨」
「峰田は書類仕事を頼む。ラブラバに流れを教えてやってくれ」
「うっす」
さてそんじゃ改めて今日の仕事を割り振る。
B組女子はそれぞれパトロールで力をみる流れだ。インターンが初めての生徒は大体ここから仕事が始まる。
大仕事になれば俺が現場に駆けつけてウォールハックからのダイブセンサーで索敵して当たれるのでよっぽどのことがなければ大丈夫だろう。
「僕は……マウントレディとパトロールですか?」
「緑谷くんと幾野くんは私とね。楽しみにしていたのよこの日を……緑谷くんが来てくれる日を……」
「えぇ!? ぼ、僕そんな、期待されても大したことできないですよ!?」
「どの口が言ってんだ緑谷。力あるんだから卑下しすぎんなよマジでさ」
「うぇ、ゴメン」
「ええ……そうね……幾野くんたちから緑谷くんの噂は聞いてるわ……」
「急に嫌な予感がしてきた」
「幾野くんと峰田くんと一緒に……女性ヒーローの結婚年齢について調査してたらしいじゃない……?」
「誤解です!!!」
「いや事実だろ。めっちゃ詳しくデータ纏めてくれたじゃねぇかお前」
「幾野くん口閉じて!!」
「前の事件じゃとーっても活躍してたものね……? 頼りにさせてもらうわね……?」
「目が笑ってない!!!」
そして緑谷はマウントレディにめっちゃ教育的指導を受けながらパトロールをするのだった。
ずっと女性への配慮についてネチネチ責められてた。いいぞマウントレディ。もっと言ったれ。こいつド天然マンだからよ。麗日ちゃんがかわいそうだよねぇ……!
でも金髪巨乳外人お姉さんのメリッサさんで童貞捨ててるから割と女性経験豊富なんすよ。言わなかったけど。
あと実は緑谷はマウントレディのデビュー戦を現地で見てたらしくって、その意味でもマウントレディのファンだったらしく、それを伝えたらマウントレディが照れながら喜んでた。
クソがよ(殺意)。
俺のマウントレディまで誑かしやがってよォ!! そういう所だぞホントにお前!!
なので俺もパトロール中にこき使ってやった。コイツ雑に使ってもちゃんと応えてくれるから便利なやつだよ。
そうして一日のパトロールも終わり、事件をいくつか解決しヒーロー活動後の書類仕事などもB組3人に教えたりしてその日は過ごした。
シンリンカムイが塩崎ちゃんをめっちゃ気に入ったらしくて次もまた是非と呼んでいた。もしかすると俺と峰田がマウントレディの元にいるように塩崎ちゃんもシンリンカムイの元で今後もインターンすることになるかもな。
透ちゃんと瀬呂と上鳴もかなり評価が高いので、そこに俺と峰田と塩崎ちゃんを加えた6人がいずれメインメンバーになるかもしれない。
なお心操は色んなヒーローの元を回っている。経験を積むという意味でもチームアップの経験としてもアイツもアイツなりに伸ばしてってる。偉い。
緑谷はまだインターン先が固まってない。まぁこいつならなんとかするだろ。また相談に乗ってやるか。
最後にラブラバとも連絡先を交換してから雄英に帰った。
早速自撮りを送るところから始めよう。仲良くなるには自撮りを送るのが一番だ。
相手が大体どこまでのラインまで許してくれるか自撮りへの反応で一発で分かるからな。優秀なコミュニケーションツール。
さてさらにその翌日。
「雄英で預かることになった」
「近いうちにまた会えるどころか!!」
「再会が最近のトレンドだったりする??」
A組の寮の共有スペースにエリちゃんがやってきていた。これには俺も緑谷もびっくり。
しかも一時外出とかそんなもんではない。退院して雄英で預かることになったと相澤先生から説明が入る。
「やっちまったんスか相澤先生!! まさかここまで大胆な光源氏計画をやるなんて……くっ!! 体が若返ったから欲望まで若返っちまったんすね!! エリちゃん!! お姉さんが守ってあげ」
「除籍か?」
「お口チャック(スンッ)」
「幾野くん朝から元気だね……にしても先生、本当にどういった経緯で?」
「いつまでも病院ってわけにはいかないからな」
ソファに座ったエリちゃんを天喰先輩とねじれちゃんパイセンがちやほやしているところで、一度相澤先生は俺たちA組を外に連れ出す。エリちゃんに聞かせたくない話だろう。
俺や峰田、緑谷や切島、麗日ちゃんや梅雨ちゃんなど……あの事件にかかわった生徒たちでその話を聞く。
「エリちゃんは親に捨てられてな……」
相澤先生の説明を聞いて俺は納得を深めた。
まず血縁がいない。八斎會組長が一応縁があるようだが意識不明だし。そもそもヤクザだし。
さらにエリちゃんの個性も万が一暴走したら止められるのは俺か相澤先生しかいない。それを普通の養護施設に預かれっていうのもお互いに酷な話になってしまう。
なので教師寮の空き部屋で生活してもらい、教師陣で監督しつつ、大きすぎる力の使い方を覚えていってもらうと。
先生たちみんなで世話はするが、俺達A組やミリオ兄さんたちもぜひ相手してやってほしいと。
「そりゃもちろんッスよ! ホントの意味で立ち直れるように俺らもぜひ仲良くしたいッス!」
「休みの日とかは遊びに行ってやりたいよなぁ。そういうの全然経験出来てなかっただろうし」
「それな。オイラたちが町に遊びに行くことの楽しさを教えてやらねェとよ」
「センちゃんと峰田ちゃんに任せると色々と怖いわ」
「私達がエリちゃん守護らんとね梅雨ちゃん」
「女子陣が頼りになり過ぎる……」
なんや。流石にエリちゃん相手にエロ全開で付き合いはせんぞ。教育に悪いお姉さんになるつもりはないのだ。
すでに手遅れだって? そんなことない……多分……。
「じゃあ早速遊ぶかぁ! 今日はエリちゃんにゲームの楽しさを味わってもらおうぜ!! こないだ買ったアーマードコアⅥを」
「エリちゃんの身体が闘争を求めるようになるからそのゲームはやめてやれ」
「いずれは遊ぶのもいいが、今日の所はA組は一旦寮に戻ってろ。この後来賓がある。三年、しばらくエリちゃんを頼めるか」
「ラジャっす! オセロやろっと! 悪いねセン、俺がエリちゃんと蜜月を過ごすんだよね!」
「ちぇー。でもオセロなら既に俺が鍛えてるからミリオ兄さんじゃ相手にならないかもね」
「言ったなこいつぅ!」
「……ショータお兄さんとも、やってみたいです」
「後でな。まずルミリオンと遊んでてくれ」
「俺に勝ったらイレイザーに挑めるのさ! 第一の門番だよね!」
「む。負けない……!」
「やる気すごい」
さて早速遊ぶかと思ったらなんか俺たちA組は今日来賓があるらしいですわよ?
相澤先生さぁ。マジでそういう所の報連相はしっかりやらん?? 事前に言ってもろて……いいけどさぁ。
んで誰が来るかを聞いたらマジか。またしても再会イベントか。
その後A組のロビーで来賓を待っていると、とうとうやって来た。
「煌く眼でロックオン!」
「猫の手手助けやってくる!」
「どこからともなくやってくる」
「キュートにキャットにスティンガー!」
「「「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!」」」」
プッシーキャッツの皆さまと洸汰くんやんけ!!
再会ラッシュ継続!!