【完結】峰田ァ!お前の前のオレオ取ってオレオ!!   作:そとみち

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98 ショタとロリが出会う時、新たな物語が始まる

 

 

「プッシーキャッツ! お久しぶりです!」

「元気そうねキティたち!」

 

 わっと寮内が盛り上がる。

 林間合宿以来だ。合宿では結局ヴィラン連合の襲撃を受けた後は俺達は病院に運ばれちまってお別れの挨拶も出来ずにサヨナラの状態だったからな。

 俺達もプロヒーローに軽率に連絡は取れず、といって寮生活が始まってからは中々外出もしにくい状態だったからこうして挨拶に来ていただけるのは本当に嬉しい事だ。

 

「ラグドールさんのお体が無事でホントによかったっすよ……個性の件は大変でしたけど……」

「にゃ! 幾野くんも色々大変だったって聞くにゃ! あん時守れなくてごめんねー! おねーさんぎゅーってしちゃう!!」

「甘露!」

「イクノばっかズルいっすよ! オイラもオイラも!!」

「まぁラグドールはぎゅーってする理由はあるけどアタシはどちらかというと首をぎゅーってする理由があるんだよねぇ……特に幾野くんと峰田くんと緑谷くん。ラーカーズのドッキリ生放送バッチリ見てたよぉ……?」

「俺のオート個性が火を噴くぜ」

「跳峰田スクランブル脱出ッッ!!」

「僕は冤罪ですよ!?」

 

 ラグドールのおっぱいにぎゅーってされて癒される。ヤバイ……私服のラグドールがおせいそ……好き……ママ……!

 とまぁママみを味わっていたらピクシーボブから急に殺意が溢れてきて、俺がマウントレディにドッキリを仕掛けた生放送の話を持ち出された。

 婚期焦ってましたもんねピクシーボブ。逃げるしかあるまい。

 だが殺意の波動に目覚めたピクシーボブに結局捕まり俺達3人は正座して謝罪をさせられた。婚期を焦る妙齢の女性は恐ろしいデス。

 

「相変らずバカだな……」

「お、洸汰くんも久しぶりだな!」

「久しぶり! 洸汰くん手紙ありがとうね! 宝物だよ!」

「別に……うん。緑谷にーちゃんには助けられたし……その、あの時はありがと……」

「ねぇねぇ洸汰くん俺には?」

「イクノにーちゃんがブジデヨカッタヨ」

「超棒読み!!」

 

 さてそんでプッシーキャッツと一緒にやって来た洸汰くんにも俺と緑谷であいさつした。

 うん……緑谷にあの時助けられたことで少しトゲが取れたかな。いや頭から生えてるトゲはそのままだけど。あれ帽子の装飾なのかそれとも異形型の個性のツノなんやろか。わからん。

 でもうん、前ほどツンツンしてないから塞翁が馬かな。子供は素直じゃなくちゃな。

 ……ん、子供?

 

 圧倒的閃き────!!

 

「緑谷、ちょっと洸汰くんの相手しててくれ」

「うん……えっ、幾野くん急にどうしたの?」

「エリちゃん呼んでくる。歳も近いし洸汰くんに友達になってもらおう」

「え!? いやとてもいい案だとは思うけど急に!?」

「……またイクノにーちゃん変な事考えてるだろ」

「秘密。ちっと待ってな」

 

 俺は峰田と透ちゃんにハンドサインで『プッシーキャッツの面々を10分ほど引き留めておいてくれ』と伝え、二人ともバッチリ頷き返してくれた。

 よし。俺は速攻でエリちゃんを職員寮まで呼びに行くことにする。

 走っていく時間も勿体ない。職員寮まで往復1キロ。片道をショートカットしよう。

 

 ───距離を『無視』する。

 

「っばぁ!! やっほーエリちゃん!」

「きゃっ!? って、イグジストお姉さん……!?」

「わぁ!? 急に出てこないでほしいよねセン!! オセロの真っ最中だよ!?」

 

 俺は職員寮でエリちゃんとオセロに興じていたミリオ兄さんをウォールハックで視認し、兄さんに焦点を合わせて『距離』の『無視』を敢行。

 ここ最近の訓練でこれを体に慣らしていた。どうやら俺の『距離』の『無視』は仲が深い相手に対して発動すれば負担を相当減らせるということが分かっている。

 峰田や透ちゃん、ミリオ兄さんが対象なら最長で5キロくらいなら問題なく飛べる。

 A組クラスメイトや心操、発目ちゃんやマウントレディとかなら1キロくらいかな。それ以外の雄英の知人とかだとかなり負担が強くなって500mでもキツいが……親しい相手がそこにいれば、一回くらいならワープできるようになっていた。

 消費激しいから連発出来ない。新たな奥の手だな。

 

 さて俺の能力についてはどうでもよくて。

 今は速やかにエリちゃんをA組の寮まで運ばないと。

 

「ふむ……ミリオ兄さん負け確じゃん。ざぁこ♥ボードゲーム弱者♥」

「言わないでほしいよね!! ここから巻き返す手を考えてるんだよね!!」

「エリちゃん、この後どう打てば勝てると思う?」

「……ここと、ここ……で、ここ。ルミリオンさんがこう打ってきても、ここ……」

「はい正解。ってなわけでミリオ兄さんの負けです! ちょっとエリちゃん借りてくね!!」

「ふわぁー?」

「ウワーッ!? 俺のいとこが幼女誘拐に手を染めたんだよね!?」

 

 オセロの盤面は完全にエリちゃんの勝利確定だったのでケリをつけさせて俺は小脇にエリちゃんを抱えて職員寮を飛び出す。

 走りながらエリちゃんを肩車の位置に担ぎ上げると、エリちゃんもひしっと俺の頭を掴んでくれる。えらい。もっと加速するぞい!

 

「い、イグジストお姉さん? どこに行くの……?」

「俺とデクの知り合いの男の子が寮に来ててね! 折角だから挨拶させてあげたいと思ってさ!」

「男の子……?」

「エリちゃんより一つ年下の子さ。いろんな事情があって……親御さんがいないんだ。俺と一緒でさ。だからお友達になってあげてほしいなって」

「そう、なんだ……うん、私、話してみたい……」

「きっと仲良くなれるさ!」

 

 俺の過去については、見舞いの時にかいつまんでエリちゃんに話している。

 ミリオ兄さんと俺がお名前が違うのに兄弟なのはなぜ、と聞かれて、まぁ個性事故の事は隠したが……俺の両親が死んでしまっていることは伝えた。

 両親がいなくても、想い次第で人を助けることはできるんだよ、という話をして。エリちゃんもそれを素直に聞いてくれていた。

 だからこそ俺はエリちゃんに嘘をつきたくなかったし、洸汰くんにも嘘をつきたくなかった。

 二人が仲良くなれるように俺も骨を折るからよ……!(本音)

 健全なインピオを生むんだよォ!!(本音)

 

 走る揺れは上手く無視してエリちゃんが酔わない様に気を付けつつA組寮に戻って来た。

 プッシーキャッツの面々はまだいるな。よし。

 

「連れてきました」

「はっや。3分と経ってねぇぞ」

「流石だね幾野くん。ほら洸汰くん。さっき話したエリちゃん。雄英で暮らすことになった子でね」

「…………うん」

 

 俺は緑谷とアイコンタクトで意思疎通する。

 

『僕の方でエリちゃんの事は洸汰くんに説明しておいたよ』

『助かる。俺も洸汰くんの事は簡単に伝えた。洸汰くんの反応は?』

『雄英で暮らすことになった事情を察してくれるくらいには大人になってた。でも近い年齢の女の子って初めてみたい』

『エリちゃんも間違いなく年下の男子なんて初めてだろからな。未知の出会いか。俺らが仲介してやらねーとな』

『うん!』

 

 この間およそ0.1秒。もう緑谷ともマブダチだからな。これくらいは軽いもんよ。

 

「さ、そんじゃまずは自己紹介だな。お姉さんのエリちゃんからどうぞ」

「は、は、はい。……その、エリ、です。ゆうえいに、おせわになってます……?」

「う、うん……ぼ……俺、洸汰……よ、よろしく……?」

「お見合いか?」

「初々しくて可愛ぃ~!」

 

 恐る恐る、初々しく挨拶をする二人に女子陣が微笑ましい笑みを向ける。

 流石に二人きりにしても会話が続かないだろう。ここは俺が最強の会話デッキを使って二人の橋渡しをするところだな。

 お互いに気になる所をそれとなく話に出しながらアシストすりゃいいんだろ? よゆーよゆー。

 俺たち3人はみんな両親がいない辛さを知っている仲よ。二人のお兄さん兼お姉さん兼パパ兼ママになってやるからな……。

 

『……悪いね、幾野くん。洸汰はこれくらいの年の子と触れ合う機会がなかったから……気を遣ってもらっちゃって』

 

 そこでマンダレイの本家本元のテレパシーが俺に向かって飛んできた。久しぶりだなこの声も。

 俺もそれに対して、林間合宿以降に覚えた俺なりのテレパシーで返す。

 

「全然気にしないでください。俺がやりたいことをやってるだけだし……親がいないからこそお互いの気持ちもわかってくれるはずです。お互いに悪い影響にはなりませんよ。俺達で面倒見てますから、しばらく二人で遊ばせてやってくれませんか?」

『なっ!? ……って、これ距離を無視した声か!! すごいね、本当にできることが増えたんだね幾野くん……いや、もう立派なヒーロー、イグジストか。ここ最近本当に有名になったものね……うん、この後B組にも挨拶してこなきゃだけど、少しだけ洸汰の事任せていい?』

「勿論。いつでも頼ってくださいよ」

『有難う、じゃあお願いね。……それにしてもテレパシーも索敵もできて、敵の能力も遠隔から見られて、その上無敵か。一人でプッシーキャッツでやってること全部できそうね、イグジストは。本当に成長したわね』

「プッシーキャッツのみなさんのおかげですよ。特にラグドールが俺の本当の個性を教えてくれたからここまで成長できてるんです。後でまたお礼を言わせてください」

『ええ』

 

 タートルネック姿で俺の性癖に直撃しているマンダレイとお互いのテレパシーを使って秘密の会話をする。

 最近は対象のみに聞こえるように俺の声も距離を無視できるようになったからな。どんどん精度が上がってる気がする。まぁ出来ることが増えるのはいい事だ。

 いつか一人プッシーキャッツと呼ばれる日が来るのだろうか。大人の色気では負けますね。

 

「よし、じゃあみんなで遊んで仲良くなろうか洸汰くん、エリちゃん! 緑谷も参加な!」

「……イクノにーちゃんに言われると嫌な予感がするんだよ」

「洸汰、くん……イグジストお姉さんはいい人だよ……?」

「お姉さん!? イクノにーちゃん何も言ってないの!?」

「男のお姉さんがいてもいいだろー? 洸汰くんもおねーちゃんって呼んでいいよ♥?」

「あっ……あっあっ……?」

「呼吸するように洸汰くんの脳を揺らさないで幾野くん!? 健全な遊びしようね健全な遊び!! 子供向けのおもちゃって僕全然ピンとこないけど!!」

「とりま鉄板でジェンガやろうぜジェンガ。おーい、誰かジェンガ持ってねー?」

「あ、俺持ってるぜ。ドンキで買っといたのが部屋にあるんだ」

「助かる上鳴。持ってきてくれっか?」

「おおよ! 俺も後で混ぜろな!」

 

 そうしてプッシーキャッツの皆さまがB組と職員寮に挨拶に行っている間、俺達はエリちゃんと洸汰くんと一緒にジェンガ遊びに興じた。

 一番シンプルに遊べるゲームだよなジェンガ。4人くらいまでなら全然参加できるし、ルールも簡単で見た目にも分かりやすいしぶちまけた時に絶対笑顔になるし。

 トランプとかだとルールの把握とか頭の良さとかで勝敗が分かれることがあるけどジェンガは平等だ。

 さあ早速レッツプレイ!

 

 数分後。

 

「マジで……? 俺ここから抜くの……!?」

「んふ。イグジストお姉さんでも、これは無理だよ……!」

「個性つかうなよなーイクノにーちゃん。ルール守れよー!」

「幾野くんがこんなに真剣な顔するの珍しい」

「見てろよお前ら俺は抜くぞお前!! スゥー……フゥー……運命のダイスロール!! ドロー!!」

 

 \ガッシャーン/

 

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」

「あはははは! あははははっ!!」

「イクノにーちゃんこれで連敗だ! ざーこ!!」

「あははは! 普通に弱くて驚きだよ……意外と幾野くんって不器用だったんだね!」

「うるへー!! ツイてなかっただけじゃい!! 次だ次! 緑谷お前は嫌らしい取り方するから交代な!!」

「えぇ!? 嘘でしょ!?」

「おーし、そんじゃ次はオイラが挑むか! エリちゃんと洸汰くんがツートップだもんなァ!!」

「あ、ずるいぞ峰田くん! 私も狙ってたのにー!」

「6人くらいなら一気に遊べんじゃね? 俺も混ぜろなー」

 

 ジェンガでめっちゃ盛り上がった。おこちゃま二人に真剣勝負で負ける俺の弱さよ。

 その後はA組のみんなで交代しながら二人と遊んで、笑顔が溢れる時間になった。

 

「─────フンッ!!」

「わ!? すごい、一本だけで支えてたのに……!」

「すげーなバクゴーにーちゃん! 今のどーやったんだ!?」

「ケッ、チョロいぜこんなのァ。幾野とは違ェんだよ幾野とはァ!!」

「すっごい煽るじゃん爆豪ちゃん」

 

 最終的に爆豪ちゃんが芸術点高いジェンガ抜きを魅せておこちゃま二人に懐かれてた。

 こいつ意外とガキに好かれる何かがあるな?

 

 


 

 

 さて、そうして楽しい時間も過ごせて、エリちゃんと洸汰くんも仲良くなって、プッシーキャッツが迎えに来て洸汰くんとも別れて、エリちゃんも保護者の相澤先生が迎えに来て、落ち着きを取り戻したA組寮内。

 

「そういやビルボードチャートの話してたなプッシーキャッツ」

「え。俺聞いてない」

「お前がエリちゃん迎えに行ってる時に話してたからな。下半期の発表が色々あって遅れてるけど、プッシーキャッツが中間発表で411位だったんだってさ」

「支持率が突出してて待ってくれてる人がいるから立ち止まってられねーっつってたな。漢だぜプッシーキャッツ……!!」

「女性しかいねぇだろ」

「んー。今年のビルボードどうなるかな。楽しみだな」

「オールマイトのいないビルボードチャートかァ……」

 

 俺たちは共用ロビーで駄弁りながら、先ほどプッシーキャッツが話してたビルボードチャートの発表についての話題で盛り上がる。

 俺も結構気になってるところはあるよね。なんてったって俺のインターン出向先のチームラーカーズがここ最近ですさまじいバズりを魅せているのだ。

 エンデヴァーやホークスにだってワンチャンあると思っている。ベストジーニストも休養中だしワンチャン一位あるでこれ!

 何なら俺もノミネートされねーかな。まだ仮免だから無理か。俺が出ればいい順位になれると思うんだけどなー。

 

「そーいやビルボードチャートの発表っていつ頃になるんだ?」

「あー……そーいやいつになんだろ。誰か知ってる?」

「もう少し先だって噂で聞いたな」

「ほぇー。じゃあまだまだラーカーズの人気あげるチャンスはあるってわけか……!!」

「幾野のせいでラーカーズの人気やべぇからなー。マジでいい所行くんじゃね?」

「そうあるために俺と峰田が頑張ってるところあるしな」

「マウントレディがチャート一位になるまでオイラ達の戦いは続くからよ……止まるんじゃねぇぞ……」

「だいぶ先の長い闘いだなそりゃ」

 

 ビルボートチャートの発表会までもう少し。

 マウントレディの為にも俺も強くなって、さらに人々を笑顔にできるヒーローになるために頑張ろう。

 

 


 

 

 翌日の朝のHR。

 

「わーたーしーが!! 朝から説明に来た!!」

 

 何故かオールマイトが相澤先生と共に教室にやって来た。

 なんでや。何かあった?

 

「A組とB組、および心操少年と発目少女、試験を受けた全員が仮免を取得し……よりヒーローとして活動の場を広げられるようになったところで!! 新たな制度が始まるのでその説明に来たのさ!!」

「新たな制度?」

「インターンとは別に?」

 

 俺も初耳だ。

 仮免を取った後にインターン以外になんかあったっけ? ミリオ兄さんたちからも聞いたことない。

 

 

「新たな制度───チームアップミッションだ!!」

 

 

 ふむ。やっぱり初耳だ。

 何やら一悶着ありそうだな。楽しみだぜ!

 

 





ここから先はチームアップミッションからいくつか抜粋して話を描いていきます。
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特に3巻掲載「峰田くんのモテ期」のぶち抜き扉絵最の高!ハァッ!!(暴走)
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